ウェブ進化論を読んだ。インターネットで起こっている変化をわかりやすく説明している。実体験とリンクしており、とても納得感があり、良い本だった!
■「チープ革命」「インターネット」「オープンソース」というネットの三大潮流が「次の10年」を変革する。
1.「チープ革命」がもたらすコスト0の世界。
「次の10年」は、ITに関する「必要十分」な機能のすべてを誰もがほとんどコストを意識することなく手に入れれる時代になる。
チープ革命を代表するもの。
・ムーアの法則(IT関連製品のコストは年率30%~40%下落し続ける)によって下落し続けるハードウェア価格
・リナックスに代表されるオープンソース・ソフトウェアの登場によるソフトウェアの無料化
・ブロードバンド普及による回線コストの大幅下落
・検索エンジンのような無料サービスの充実といったものをすべて含む。
2.「インターネット」の真の意味はつながりを持つ為のコストが0になったこと。
不特定多数無限大の人々とのつながりを持つ為のコストがほぼ0になったことがインターネットの脅威である。
わずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを無限大の対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積したときに起こるイノベーション。ここにインターネットの可能性の本質がある。
例えば、「1億人の人から1円ずつ貰えたら1億円になる」というのはリアルの世界では非現実的である。1円をもらう為のコストの方が上回ってしまうからである。しかしネットを使えば現実味を帯びてくる。
また時間で考えてみると、従業員1万人の企業が1日稼動すると8万時間が価値創出に使われている。インターネットを使うことで「10万人が1日48分」または「100万人が1日4分48秒」「1000万人が1日28.8秒」「1億人が1日3秒」時間を短縮できれば8万時間(1万人の価値創造時間)になる。
3.「オープンソース」という新しいソフトウェア開発の形。
オープンソースとはあるソフトウェアのソースコードをネット上に無償で公開し、世界中の不特定多数の開発者が、自由にそのソストウェア開発に参加できるようにし、大規模ソフトウェアを開発する方式のこと。
ソフトウェアが構築されていくプロセスがすべてオープンになっていて、劇場的空間の中でイノベーションの連鎖が起こっていく。代表的なものはリナックス。
オープンソースの本質は2つである。
・何かすばらしい知的資産の種がネット上に無料で公開されると世界中の知的リソースがその種の周囲に自発的に結びつくことがある。
・モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態では、司令塔にあたる集権的なリーダーシップが中央になくとも、解決すべき課題に関する情報が共有されるだけで、その課題が次々と解決されていくことがある。
■ネット世界の三代法則
1.第一法則:全体を俯瞰する視点「神の視点からの世界理解」
インターネットの世界では100万人単位、1000万人単位の顧客情報を瞬時に自動的に収集することが可能となる。情報収集コストや情報保存コストも限りなく0に近づき、情報を処理するコストも下がった為、「顧客全体」を丸ごと分析し、「全体」として何が起こっているかを理解できるようになった。
2.第二法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
ネット上に分身を作ると、リアルな自分が働き、遊び、眠る時間も、その分身がネット上で稼いでくれる世界が誕生した。今後は「夫婦共働き」というダブルインカムではなく、「リアルで共働き、ネットでも夫婦の分身が共働き」をするクアドラプル(4ヶ所からの)インカムで家計のポートフォリオを組む時代がくるかもしれない。
3.第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
放っておけば消えてなくなるものを無限大に自動集積できれば「Something(某かの価値)」になる。リアルの世界では無価値だったものがネットの世界では価値になるのである。
1億人から3秒弱の時間を集めると1万人がフルタイムで働いて生み出す価値と同等になると考えるとものすごいことである。
■今まではネットの「こちら側」が主体、次の10年はネットの「あちら側」が主体になる。
・ネットのこちら側とはインターネット利用者に密着したフィジカルな世界である。
携帯電話・カーナビ・コンビニのPOS端末・高機能ATMなど、インターネットを私たち一人ひとりを結びつけるインターフェース部分のイノベーションを求めるもの。
・ネットのあちら側とはインターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とも言うべきバーチャル名世界である。
googleやeベイ、Yahoo!といった米国ネット企業が代表的である。
ネットの高速化やチープ革命がもたらすコスト0の世界が主体となる空間を変化させた。以前ではこちら側のHDDに情報を保存し変更することが主体であったが、次の10年はあちら側に情報を保存し変更することが主体となる。
■Googleアドセンスが実現する新しい富の配分メカニズム
アドセンスはただの広告ビジネスモデルではない。このプラットフォームは広告主と世界中に存在するサイト運営者とサイト訪問者を結びつけるものである。広告主から資金を集め、個人や小企業などのサイト運営者に富を再配分するのである。
■Googleの組織マネジメント「情報共有こそがスピードとパワーの源泉という思想」
・Googleでは社員全員が、戦略の議論・新サービスのアイデアから日常の相談事や業務報告に至るまで、ほぼ全ての情報を社内の誰もが読めるブログで情報共有する。
電子メールは1対1のシステムなので隠蔽を基本とする。従来型の情報共有システムでは、情報を隠蔽することが基本となっている為、重要な情報を握ってコントロールする事が組織を生き抜く原則となる為、部門内や部門間の情報共有MTGが増える。
それに対し、全ての情報を共有する仕組みではものすごいスピードで物事が進み、それがすごいパワーをもたらすことになる。誰かが提示した課題に対する解決時間や新しいアイデアが商品化されるのが数分で実現したという例がたくさんある。
・情報自身が淘汰を起こすという新しい発想。
全ての情報をオープンにし全員に共有すると膨大な情報があふれる状態になる。情報に溺れてしまうのではと感じるが、実際は「情報自身の淘汰」が起こる。Googleでは最低限、一緒に仕事をしているグループや上司・部下の関係にある人々の間では確実に共有され、その先は情報が淘汰を起こすに任せる。多くの人が重要であると感じる情報は必ず伝播していくのである。
■Web2.0の本質とはなにか?
Web2.0の本質とは「ネット上の不特定多数の人々を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいく為の技術やサービス開発姿勢」である。不特定多数の人々には、サービスのユーザもいれば、サービスを開発する開発者も含まれる。誰もが自由に、別に誰かの許可を得なくても、あるサービスの発展やひいてはWEB全体の発展に参加できる構造。それがWeb2.0の本質である。
実際のサービスではアマゾンウェブサービスのようなAPIの公開である。
■「チープ革命」「インターネット」「オープンソース」というネットの三大潮流が「次の10年」を変革する。
1.「チープ革命」がもたらすコスト0の世界。
「次の10年」は、ITに関する「必要十分」な機能のすべてを誰もがほとんどコストを意識することなく手に入れれる時代になる。
チープ革命を代表するもの。
・ムーアの法則(IT関連製品のコストは年率30%~40%下落し続ける)によって下落し続けるハードウェア価格
・リナックスに代表されるオープンソース・ソフトウェアの登場によるソフトウェアの無料化
・ブロードバンド普及による回線コストの大幅下落
・検索エンジンのような無料サービスの充実といったものをすべて含む。
2.「インターネット」の真の意味はつながりを持つ為のコストが0になったこと。
不特定多数無限大の人々とのつながりを持つ為のコストがほぼ0になったことがインターネットの脅威である。
わずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを無限大の対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積したときに起こるイノベーション。ここにインターネットの可能性の本質がある。
例えば、「1億人の人から1円ずつ貰えたら1億円になる」というのはリアルの世界では非現実的である。1円をもらう為のコストの方が上回ってしまうからである。しかしネットを使えば現実味を帯びてくる。
また時間で考えてみると、従業員1万人の企業が1日稼動すると8万時間が価値創出に使われている。インターネットを使うことで「10万人が1日48分」または「100万人が1日4分48秒」「1000万人が1日28.8秒」「1億人が1日3秒」時間を短縮できれば8万時間(1万人の価値創造時間)になる。
3.「オープンソース」という新しいソフトウェア開発の形。
オープンソースとはあるソフトウェアのソースコードをネット上に無償で公開し、世界中の不特定多数の開発者が、自由にそのソストウェア開発に参加できるようにし、大規模ソフトウェアを開発する方式のこと。
ソフトウェアが構築されていくプロセスがすべてオープンになっていて、劇場的空間の中でイノベーションの連鎖が起こっていく。代表的なものはリナックス。
オープンソースの本質は2つである。
・何かすばらしい知的資産の種がネット上に無料で公開されると世界中の知的リソースがその種の周囲に自発的に結びつくことがある。
・モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態では、司令塔にあたる集権的なリーダーシップが中央になくとも、解決すべき課題に関する情報が共有されるだけで、その課題が次々と解決されていくことがある。
■ネット世界の三代法則
1.第一法則:全体を俯瞰する視点「神の視点からの世界理解」
インターネットの世界では100万人単位、1000万人単位の顧客情報を瞬時に自動的に収集することが可能となる。情報収集コストや情報保存コストも限りなく0に近づき、情報を処理するコストも下がった為、「顧客全体」を丸ごと分析し、「全体」として何が起こっているかを理解できるようになった。
2.第二法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
ネット上に分身を作ると、リアルな自分が働き、遊び、眠る時間も、その分身がネット上で稼いでくれる世界が誕生した。今後は「夫婦共働き」というダブルインカムではなく、「リアルで共働き、ネットでも夫婦の分身が共働き」をするクアドラプル(4ヶ所からの)インカムで家計のポートフォリオを組む時代がくるかもしれない。
3.第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
放っておけば消えてなくなるものを無限大に自動集積できれば「Something(某かの価値)」になる。リアルの世界では無価値だったものがネットの世界では価値になるのである。
1億人から3秒弱の時間を集めると1万人がフルタイムで働いて生み出す価値と同等になると考えるとものすごいことである。
■今まではネットの「こちら側」が主体、次の10年はネットの「あちら側」が主体になる。
・ネットのこちら側とはインターネット利用者に密着したフィジカルな世界である。
携帯電話・カーナビ・コンビニのPOS端末・高機能ATMなど、インターネットを私たち一人ひとりを結びつけるインターフェース部分のイノベーションを求めるもの。
・ネットのあちら側とはインターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とも言うべきバーチャル名世界である。
googleやeベイ、Yahoo!といった米国ネット企業が代表的である。
ネットの高速化やチープ革命がもたらすコスト0の世界が主体となる空間を変化させた。以前ではこちら側のHDDに情報を保存し変更することが主体であったが、次の10年はあちら側に情報を保存し変更することが主体となる。
■Googleアドセンスが実現する新しい富の配分メカニズム
アドセンスはただの広告ビジネスモデルではない。このプラットフォームは広告主と世界中に存在するサイト運営者とサイト訪問者を結びつけるものである。広告主から資金を集め、個人や小企業などのサイト運営者に富を再配分するのである。
■Googleの組織マネジメント「情報共有こそがスピードとパワーの源泉という思想」
・Googleでは社員全員が、戦略の議論・新サービスのアイデアから日常の相談事や業務報告に至るまで、ほぼ全ての情報を社内の誰もが読めるブログで情報共有する。
電子メールは1対1のシステムなので隠蔽を基本とする。従来型の情報共有システムでは、情報を隠蔽することが基本となっている為、重要な情報を握ってコントロールする事が組織を生き抜く原則となる為、部門内や部門間の情報共有MTGが増える。
それに対し、全ての情報を共有する仕組みではものすごいスピードで物事が進み、それがすごいパワーをもたらすことになる。誰かが提示した課題に対する解決時間や新しいアイデアが商品化されるのが数分で実現したという例がたくさんある。
・情報自身が淘汰を起こすという新しい発想。
全ての情報をオープンにし全員に共有すると膨大な情報があふれる状態になる。情報に溺れてしまうのではと感じるが、実際は「情報自身の淘汰」が起こる。Googleでは最低限、一緒に仕事をしているグループや上司・部下の関係にある人々の間では確実に共有され、その先は情報が淘汰を起こすに任せる。多くの人が重要であると感じる情報は必ず伝播していくのである。
■Web2.0の本質とはなにか?
Web2.0の本質とは「ネット上の不特定多数の人々を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいく為の技術やサービス開発姿勢」である。不特定多数の人々には、サービスのユーザもいれば、サービスを開発する開発者も含まれる。誰もが自由に、別に誰かの許可を得なくても、あるサービスの発展やひいてはWEB全体の発展に参加できる構造。それがWeb2.0の本質である。
実際のサービスではアマゾンウェブサービスのようなAPIの公開である。