おはようございます。

今日も元気に仕事をしてますか?

 

ビジネスには参入障壁や撤退障壁と言うものがあります。

この二つの言葉は読んで字の如くですが、簡単に説明しておきます。

 

参入障壁と言うのはビジネスを始める時に解決しておく必要がある条件です。ビジネスによっては法律や資格などが必要だったり、店舗を構える必要があったりします。

IT業界の場合は始めにパソコンがあってプログラムができればOKだったりもします。

 

一方で撤退障壁は参入障壁の逆です。撤退する時に障壁となるものです。

撤退障壁の大半は固定費です。ビジネスを開始した時に雇った人への給料や、買った機材を置くために借りた部屋にかかる金額などです。

 

今回は僕の身を通して発生した小さな撤退障壁の話と、それから何を考えたのかをお話しします。

 

 

僕は過去に様々なサービスを作っては(売れなから)閉じていました。

サービスを開始する時にはサーバーをレンタルして、サーバーに乗せるためのプログラムを作ったりしていました。

サービスをやめる時にはサーバーからプログラムを取り除いて、別のプログラムを乗せたりしていました。

個人でやっているので、固定費は8000円/月程度でした。(売り上げは500円/月くらいでした・・・。)

 

ある日、僕の作ったサービスは売れない事に気がつきました。

なので、利益を求めて仕事をするようにシフトしました。この仕事が撤退障壁を考えずに行った仕事なのです。

 

僕は自分のサービスを運用するのではなく、お客さんの希望するサービスを作ってそのサービスを運用する方針でビジネスを行いました。

お客さんも見つけて、開発費ももらい、始めは順調に進んでいました。

しかし、ある日からだんだんお客さんが見つからなくなってきてしまい開発費が手に入らなくっていきました。

 

当時の僕は今以上にビジネスのことを知らなかったので、

 

「開発費だけ貰って運用を続ければ自分もお客さんもWin-Winだ」

 

などと言う謎の理論で仕事をしていました。

なので、安い運用費しかもらわずに仕事をしていたのですが・・・ある日開発費を払ってくれるお客さんが見つからなくなってしまいました。

そのため長く続ければ続けるほど、損をするようになってしまったのです。

 

しかも、お客さんに「この値段でやります!」と初めに言ってしまったので、やめるにやめられない状況が長く続いてしまいました。

この時に、ビジネスは辞めることが難しいと言う事実に気がつきました。

それから撤退障壁を意識してビジネスをするようになったのです。

(もし、この時にそれなりの運用費を貰っていたら今のような生活はできなかったかもしれません。なので、この失敗をして良かったと思っています。)

 

 

さて、これを踏まえてのゲームの話です。

AppStoreは作ったゲームを陳列すればあとはAppleさんが売買を勝手にやってくれます。

僕はこれに目をつけました。

 

アプリの値段さえ設定しておけば売れる。

参入障壁は年間に約12,000円をAppleに払えば良い。レンタルサーバーは8000円/月なのでそれよりも遥かに安い。と言う事で半年間勉強をしてアプリを出しました。

全く売れませんでしたが・・・。

 

それから7年後に少しづつゲームが売れ始めました。しかし、固定費をほとんど使用しないゲームは売り上げが弱いため、方針を変える事にしました。

(固定費がなくても良いゲームを作れる人もいます。)

 

ユーザー同士のコミュニケーションを取れるようにチャット用のサーバーを借りたり、攻略中に他のユーザーと交流できるようなゲームにシフトして行きました。

その際に頭に浮かんだのが撤退障壁です。

 

今までは売りきりだったので、ゲームを陳列していれば勝手に売れて行きます。

(実際はバグ修正などが発生するため、ある程度の運用コストが発生しました。)

しかし、サーバーをレンタルするとそうは行きません。

サーバーを借りていると言うことは、ゲームが売れなくなった時にゲームを引き上げないと常に固定費としてお金が発生してしまいます。

 

これはなんとか避けたいので、ゲームで遊んでいるユーザー人数に応じて自動的にサーバー料金が変わるものを選択しました。

このようにすれば、売れているゲームをそのまま放置していても大丈夫だと見越したのです。

実際、この方法は成功でした。

売れている時と売れていない時のサーバー代は100倍ほど違いますが、ユーザー数に応じてサーバーの請求が違うため損をすることはありませんでした。

 

僕は上記の事があってから、何かを作る時には撤退する場合の障害を考えます。

また、常に消費する固定費を減らせないかを考えます。(固定費はプログラムの書き方次第で安くすることができます。)

 

これからビジネスを始める皆さん。

失敗する時のことなんて考えたく無いと思います。

しかし、10個サービスを出しても1つ当たれば良い方と言われる世の中で、今のビジネスが成功すると確信して進めるのは大変危険です。

成功した場合のこともそうですが、失敗した時にどうやって撤退するか?どこで撤退するかをするのか初めに考えておかないとうまくいかなかった時に撤退もできず自転車操業状態になってしまいます。

 

・・・僕はなりかけましたよ。