マネジメントについて色々と考察してきました。
今回は現時点での自分の考えを纏めてみる。
念のために書いとくが、ここで言うマネジメントとはソフトウェアを作る上でのプロジェクトマネジメントの事である。
私の意見としては
マネジメントをするならば技術が必要だ
と言う意見が強く出ています。
しかし、これは必ずしもと言うわけではありません。
物事の本質を見抜ける人ならば、技術が無くてもマネジメントは出来ると思います。
しかし、物事の本質を見抜ける天才は希有な存在だと思います。
(前に書いたとおり私はそのような方に出会った事がありません。しかし、様々な著書を読む限りでは天才が居るのです。)
その一部の天才を除く、我々凡人にはなかなか本質を見抜く事は困難でしょう。
凡人が本質を見抜くために、補助的要因である技術が必要だと思っているのです。
(もちろん、マネジメントとしての知識・知恵・経験も必要だと思っています。)
IT業界でマネジメントを行う対象は技術者です。
その技術者の事を知らないで、技術者をマネジメントしているのは
料理の事を知らないで調理場を作って料理人に料理させる
事と似ているのではないでしょうか?
どういう配置にすれば料理がしやすいかと言う事を知らずに調理場が作られたら、料理人は非常に料理がしにくいと思います。
例えば、洗い場の隣にフライヤーがあったとします。
すると、洗っている時に出る泡がフライヤーに入ってしまうかもしれません。
フライヤーの油が洗い終わった洗物に飛んでくるかもしれません。
このような弊害が多くおきているのが現在のIT業界のマネジメントではないでしょうか?
(優れた指揮官は戦争が始まる寸前まで忙しく動き回り、戦争が始まった時点で指揮官の仕事は終わっていると言います。)
マネジメントをする際には、実際に現場で働く人の事を考える必要があります。
しかし、実際に働くのは自分ではないのですから働く人の事を知るために実際に試行錯誤する必要があると思うのです。
この時に技術を知らなければ、実際に働いている現場の試行錯誤が出来ないのです。
だからこそ、技術が必要であると強く説いているのです。
しかし、大抵の人間は年を取ると偉くなりたがる性質があります。
私も例外なく偉くなりたいです。
今の世の中は
偉い立場=マネジメントが出来る
と言う見えない図式があります。
その為、現場にずっと居る事は偉くないと考える人は少なからず居るのです。
そのような人が、技術もマネジメント適正も無く己の出世欲のためマネジメントと言う仕事をしている事が今日のIT業界の悲劇なのです。
おそらく彼らは、マネジメントがやりたいわけではないはずです。
楽しいと思ってマネジメントをしているのではなく、
「そろそろ現場は卒業だ。」
と言う根拠の無い(しかも、論点がずれている)思いでマネジメントをしているのです。
すなわち適正が無い人のマネジメントが非常に多いのです。
前半にも書きましたが、物事の本質を見抜きマネジメントの才能がある天才ならば別ですが凡人にはなかなかマネジメントは出来ないものです。
誰でも出来るような仕事ではないでしょう。
それをあえてやるというならば、天才に匹敵する為の知識を身につける必要があるのではないでしょうか?
私が回った様々な現場でマネジメントが出来ていると思った現場は数少ないです。
その中でも、上手くまわしていると思った方はある程度の技術を基盤にマネジメントを行っていました。
凡人が凡人を動かす為には、その何か基盤が必要なのです。
もし、これを読んでいる方の中にマネジメントを行っている人が居るなら問いたい。
あなたは周りに
「マネージャーは俺らの事をよく理解しているなぁ。」
と言われているでしょうか?
P.R.
このような様々な考察をディスカッション形式で行っていくSE教室を開きます。
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