少しずつ暖かくなり、春の気配が感じられていたある日のこと、
ある家の庭で、パジャマの上着とボクサーパンツ姿の少年が、
目に少し涙を浮かべて恥ずかしそうに立っていた。股間には大き
な染みが付いていた。原因は前日の夜~明け方にあった。
昨夜のこと、今回の主人公の薫は家族そろって居間でテレビを見ていた。
それは、月一でゴールデンタイムにやっていた人気番組で、その日は
怖い話が3本立てであった。実は薫は3人トリオの中で一番怖がりだった。
本人はそのことを隠しているつもりだったが、みんな気づいていた。今だに
夜中にトイレに行くのは苦手で、時々おねしょしてしまうこともあった。しかし、
一人でなければ怖いテレビもなんとか見ることができた。
薫「ねえ、お父さん、幽霊ってほんとにいるの?」
守「う~ん、どうだろう。お父さんは見たことないなぁ~」
母「薫、幽霊は霊感が無い人には見えないのよ」
薫「ふ~ん、じゃあボクには見えないね」
普段トリオや同級生といるときは、強がってオレ様などと言っている薫だったが、
家族といるときは、割と甘えん坊で、自分のことを「ボク」と言うのであった。
番組も終了し、薫は父守と一緒にお風呂に入っていた。
守「そういえば、光希が昔幽霊を見たことがあるって言ってたな・・・」
薫「光希って、永輝のお父さんの?」
守「うん、お父さんが小学校5年生くらいのときだったかな」
薫「じゃあ、その子供の永輝も見えるのかな?」
守「どうかな、霊感は遺伝するとは限らないんじゃないかな」
守「もうしかしたら、薫にも見えるかもしれないぞ」
薫「え、そうかな」
お風呂から上がった薫は、大好きなヤクルトを3本飲み干した。次の日が
休みだった薫はリビングでテレビを見ていた。時間が10時30分を過ぎたころ・・
母「薫、もうそろそろ寝なさい、明日が休みだからって夜更かししたら駄目よ」
薫「は~い」
ちょっと残念そうな薫だった。
母「薫、寝る前にちゃんとトイレに行くのよ」
薫「分かってるよ」
そう言った薫だったが、いざトイレの方に歩きだすと・・・・
薫(どうしよう、トイレに行くの怖いな)
薫(別にトイレに行きたくもないし、朝まで大丈夫だよな)
薫は回れ右をして自分の部屋に走って行った。部屋に入るとすぐに電気を付けて、
ベットに潜り込んだ。まだ頭の中には怖いテレビのことが強く残っていた。本当は
母親と一緒に寝たいのだが、さすがにそこまでは恥ずかしくて出来ない。電気を
点けっ放しにして、マンガを読み、怖いテレビのことを忘れようとしていた。しばらく
すると、いつの間にか眠ってしまっていた。
薫「?ここはどこだ?」
薫は、そこが学校の自分のクラスだということに気づいた。
薫「なんでオレ様、こんなところにいるんだ?」
とりあえず薫は教室を出て家に戻ろうとした。外はもう暗くなっており、時計は
9時を指していた。怖がりの薫は早く学校から出ようとするが、出口にたどり着けない。
薫が半泣きになって走り回っていると人影が見えた。近づいてみると、それはなんと
永輝であった。
薫「永輝、お前こんなところで何しているんだ?」
永輝「薫こそ、こんな時間になんで学校に?」
薫「オレ様にもよく分かんないんだ」
永輝「仕方ない、お前にも手伝ってもらうしかないな」
薫「え?」
永輝「実はオレ、学校から頼まれて幽霊退治をしてるんだ」
薫「・・??・・・は?」
永輝「秘密にしてたんだけどな、この学校には悪霊が取り付いてるんだ。それで霊力が
高いオレが頼まれて、こうして闘っているんだよ」
薫が驚いていると、永輝は悪霊がいるという場所を次々に周り、薫にはまったく見えないが
どうやら悪霊を退治しているらしい。時折永輝の顔や腕に傷が出来るのを見て、どうやら
当なんだと理解した。時間は12時を過ぎていた。
薫「なあ、永輝、オレ様ちょっとトイレに行きたいんだけど」
永輝「それはまずいな、最後の悪霊はトイレにいるんだ、それを退治しないとトイレは使え
ないぞ」
薫「じゃあ、早いとこ退治してくれ、漏れちゃうから」
永輝「おう、任せておけ」
トイレに着いて、永輝はさっそく悪霊と闘い始めた。相変わらず薫には、何もない空中に向
かってお札や、数珠を振り回している様にしか見えなかった。
永輝「薫、鞄の中から瓶を取ってくれ」
言われた通り薫は、瓶を永輝に渡した。しかし永輝はその瓶を落として割ってしまった。
永輝「やべ、割れちゃった」
永輝「くそ~あの液体をかければ退治できるのに・・・・・・・そうだ」
永輝「薫、オレの横にきて立ちションしてくれ」
薫「どういくことだ?」
永輝「オレの目の前に悪霊がいる、そいつに霊感の無い子どものシッコを浴びせれば
退治できるんだ」
薫「よし、分かったぜ」
薫は勇気を出して永輝の横に立ち、ズボンのボタンを外し、チャックを全開にして、小さ
くて可愛いチンチンを取り出した。チンチンに力を入れ、溜まっていたオシッコを一気に放
水した。
永輝「いいぞ、悪霊がどんどん弱っていく、もう少しだ」
薫「おう」
薫はオシッコを出し続けた。そして全部出し切ったのと同時に悪霊も力尽きた。
永輝「よっしゃー、薫、勝ったぜ」
薫「本当か?」
永輝「本当だ、だからもう眼を覚ましてもいいぞ」
薫「・・・・・・・・・・・・・??・・・・・・・・・・え?」
その瞬間薫は、夢だということを理解し、同時に下半身にジットリとした感覚が・・・・
薫「・・・くそ~、永輝のやつ・・・・・・・」
コンコン、母親が部屋のドアをノックして入ってきた
母「薫、もうそろそろ起きなさい、・・・・・・・・・・・・・・・どうしたの?」
様子がおかしい薫を、母はすぐに悟った。
母「おねしょしたんでしょう?」
薫「・・う、うん」
母「寝る前にトイレは行ったの?」
薫「・・・・・・・・・・・・・・・・」
母「もうしかして、昨日のテレビが怖くて行けなかったんじゃないの?」
薫「・・・うん・・・」
母「ふふ、怖かったならお父さんかお母さんに言えばいいのに」
薫「・・・だって・・・恥ずかしいし」
母「心配しなくても誰にも言ったりしないわよ、とにかくシーツを外してお布
団干さないとね、薫も手伝って」
薫「は~い」
布団を干し終えたとき、母親に少し悪戯心が湧いた。
母「薫、ちょっとそのまま布団の横に立って」
薫「え?このまま?」
今の薫は、パジャマのズボンを脱いで、パジャマの上と大きな染みのあるボクサー
パンツ姿だった。
薫「これでいいの?
母「よし、じゃあ写真撮るね」
薫「え?写真撮るの?」
母「せっかくだからこういう思い出も残しておこうと思ってね」
薫「え~、嫌だよそんなの」
母「あれ~、おねしょしたのは誰だったかな?」
薫「・・でも・・」
母「別にみんなに見せたりはしないわよ、ちょっとした思い出に写すだけ」
薫「・・・・・絶対誰にも見せたら駄目だからね」
母「分かってるわよ」
そう言って母親はシャッターをきったのだった。
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