最近、プリンセスチュチュを全話見た(2度目)ので、
その感想を書こうと思います。
もう14年前のアニメなので特にネタバレには配慮しません。





ぼくは、プリンセスチュチュとは「愛」のお話だと思っています。

愛というと、ぼくらはつい恋愛に結びつけてしまいがちで、
チュチュも恋愛を描いた作品であるわけですけれど(ふぁきあひ最高ラブラブ)、
この作品で描かれている愛で特に注目すべきは
そのままの自分を愛する「自己愛」であるようにぼくの目には見えました。

あひるは、女の子のあひるをやめて、みんなとおしゃべりしたり踊ったり出来ない
鳥のあひるとして生きることを選びます。

ふぁきあは、王子を守る勇敢な騎士となること、愛する女性を抱きしめること
(鳥のあひるは抱きしめられませんものねw)を諦め、
物語を本当にする力も捨て、何者でもない自分を生きることを紙に綴ります。

25話で、あひるは最後の心の欠片をみゅうとに渡すことを選びます。
うずらは涙を流して「そうしたらもう一緒にお話できなくなる」、そんなのは嫌、と訴えたのに。

どうしてでしょう?
みゅうとに心を取り戻すため?
大鴉を倒してるぅを救うため?

どちらも答えの一部ではありますが、十分ではないように思います。
もっと大事だったこと、それは「本当の自分を生きたい」、だったのではないかと思います。

あひるは、多くの人に「もっと本当の自分の気持ちに素直になって」と
踊りで伝え、心を救ってきました。

多くの人に本当のことを大事にしてと伝えてきたあひるは、
自分が美しく踊るプリンセスではなくて鳥のあひるであっても、
それが自分なのだから、「ありのままの本当の自分を愛そう」、と決意した。
「本当の自分を愛する」、それがぼくがプリンセスチュチュという作品から強く感じたことです。

でもそうだなぁ、なんで「本当の自分」を大事にするのかって?
嘘の世界でもそこで楽しく行きられたらそれでいいんじゃないかって?
それも一理あるなぁ、キリッとした反論ができない。
「本当の自分」なんてちっぽけで臆病で他人をすぐ蔑む嫌なやつだから、
ぼくにとってはあまり真剣に向き合いたいと思う対象ではないですw

でも、困難や苦難が待ち受けているとわかっていても、
嘘を生きるのをやめ、現実に立ち向かって生きていく人間には
美しさや尊さ、気高さを感じさせられます。

真実を愛する誇り高い生き方をする人間の美しさを賛美した作品、
プリンセスチュチュとはそのような作品だったのではないでしょうか。

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