湯木慧ワンマンライブについて | NEXT MEANING

NEXT MEANING

次の意味を考える。

企画団体 感染設計

Pandemic Design主宰

演劇作家 日野祥太による語り場。

最高だった。
本当に最高だった。

「湯木慧 ワンマンライブ スペシャルバンドセット 《水中花》」

オープニングから、人の心をぎゅっと握り締めてしまう演出を、この子はどこで学んだのだろうか。
もうこれは離れられない。

演劇で最重要とされているのは、
「オープニングの演出」
なのだけど、湯木ちゃんはきっとその感覚を、気持ちを前のめりにする方法を、自ずと分かっているのだろうと思う。

彼女は、「演出家」として長けているアーティストである。

1曲目が「傷口」から入った事も、「その名は、人生。」の特別ライブを思い出してしまう。
あの時は、絶対これ1曲目にして欲しい!という僕の意見を取り入れてくれていた。

あー、もう泣ける。

もうすでにライブハウスは、とてつもない愛で充満していた。

会場装飾をする事も見事。
またそれが一層、「湯木慧の中にいる」、という意識を高めていたのだろうと思う。

彼女があの場に集わせた「アーティスト」が、これまた本当に素晴らしい方ばかりで、「湯木慧」を楽しみに来たのに、この空間を楽しんでしまうようになる。

僕が初めて湯木ちゃんのライブに足を運んだ時にも、パーカッションをしていらしたヒロシさんは、あの時から凄い表現者だと思いながら見ていた。
今日、この場で一緒にやっている事にも、湯木ちゃん自身も、ずっと湯木ちゃんを観て来た(湯木んこ)方々にも、幸せな気持ちを与えていた要素に違いない。
少なくとも僕はそう感じた。

とにかく編成が素晴らしいバンドだった。

あ、そうそう

僕がとにかく度肝を抜かれたのは、映像演出の、はらださん、でいいのかな?

半端じゃないな、この方。
ブラックというチームも付いていたのかな?
ちょっと情報があまり仕入れられなかったのだが、とにかく素晴らし過ぎた。

湯木ちゃんが、ずっとやりたかった、というのは首がもげてしまうくらい頷ける。
というか僕も一緒にやりたい、と思ってしまうほど、心が踊った。
世界観を膨らませる技術、方法、発想、遊び心に、音に合わせるセンス。
実験を繰り返して来たであろう賜物は、唯一無二。二度と生まれない画を、あの場でまじまじと見せ付けられた。
間違いなく「湯木慧の世界」を、120パーセントへと膨らませた。

さて、中盤辺りで流れたMV「嘘のあと」。
これの話をしなきゃ。

監督させて頂きました。

このライブが初公開の場となった。

舞台「人生の最後はきっといつも最悪」の主題歌として生まれたこの曲。

全然僕と湯木ちゃんは、知り合いでも何でもなかったのだが、youtubeでたまたま見かけた「湯木慧」に、どうしても楽曲を頼みたいと思い、事務所を通して台本を読んでもらう、というのが、この曲が出来る始まりとなった。

舞台というのは、やはりその時だけのものなんです。
期間も長くはないし、残らないもの、なんですね。

その土岐にふと思ったんです。

千秋楽を迎え、終演した時。

ふと思ったんです。

MVを撮ろう!って。

この曲は、もっと広がるべき曲なんだからって。

この作品のために書き下ろしてもらったのに、この溢れんばかりの愛を、ここで途絶えさせてはいけない。

ただ、そう思ったんです。

だから、湯木ちゃんには、感謝してます。

大概すぐに途絶えてしまうはずの舞台で芽生えた愛を、繋ぎ続ける機会を与えてくれたんですから。

続き、をくれたんですから。

MV「嘘のあと」は「人生の最後はきっといつも最悪」という芝居の延長線上。

だから役者はそのまま起用し、植田恭平と小田あさ美に出演してもらった。

この2人


ジャケットもいいですよね、これ


舞台に足を運んで頂いた方はもちろん、観れなかった方々にも楽しんでもらいたいと思い、作成しました。

あ、植田恭平は、グッズのモデルもしてましたね。

撮影はとにかく過酷な日。

あの日、大雪の。

あの日。

でも、いいものが撮れた。

実験的なシーンも印象に残るシーンとなった。

皆様のこのMVの見方は、それぞれで、自由です。
色んな解釈でこの作品を観ていただきたい。
想像を広げて頂きたい。
そして、観た方同士で、それを語り合ってもらいたい。
とにかく言えるのは、「湯木慧」が「愛の象徴」として出演している事。

湯木慧初のドラマ仕立てのミュージックビデオ。
ネット上でも公開し始めました。
是非、観て頂きたい。

多くの方に、届け!広がれ!

あ、今日一緒に行ったのはその時の役者達、スタッフさん達。
いつまで経っても、家族のよう。
みんな最高。
みんなといると幸せ。
一生の繋がりになってしまうかもしれない、そんなメンバー。



さて、ライブでは、

舞台
その名は、人生。
「人生の最後はきっといつも最悪」

と出た。
出し方も上手すぎなんだが、その次に

これはきっと ラブストーリーなんだと思うよ

と出すセンスもさすが。
ちなみにこれは、キャッチフレーズとして使用していたもの。

バンド編成で、MVに合わせて歌うというのも、貴重な体験で、圧巻。

そこからも怒濤の湯木劇場。

いやー、どの曲も震えてしまうって、今までかなりのアーティストのライブとか観て来たけど、なかったんだよなーと。
というか、おれは湯木ちゃんの曲を全部知ってるんだなー、と認識もさせられた。

湯木慧は、これからも大きな羽根を広げて、羽ばたいて行くのだろうと思う。

もっと大きく青く澄んだ空の中に

大きな羽音を立てながら

力強い風の渦を巻き起こしながら


太陽がまるで


湯木慧だけを照らしているかのように思えるほどに。


最高のライブだった。



あー。そだ。
湯木ちゃんに最後会えた方もいたと思いますが、なかなか出て来られなくて、会えなかった方もいるかと思います。

2階にいた関係者(ありがたい事に僕達もなんですが)に挨拶をしてから、1階のフロアに降りて行きました。
2階で、だいぶ長い時間、みんなに挨拶をしていたせいもあって、出て来ないんだと、帰られた方もいたかもしれません。
でも分かってくれているかな、分かってくれているだろうと思うのですが、
それは、彼女が一人一人に対して、本当に愛情を持って接していたからです。

一人、

一人に、

ちゃんと、です。

出会いを大切にしている彼女だからこそです。

1階の全員見送る、と言っていましたから。

凄いよ、彼女は。

だから、最後の曲が


「一期一会」

だったんだろうなと思う。