めちゃくちゃなんかの途中から始まります!授業中に適当に思い浮かんだやつですから!
ざっくり紹介から~
~ストーリー~
主人公と戦えなくなった女の子が二人の元親友と戦いながら、最後に一瞬のラブがある話です♪
~登場人物~
主人公 『逢坂 修人(あいさか しゅうと)』
この作品の主人公。なかなか強い。能力は名前はないがすべての能力を使える能力。
空間転移魔法の使い手 『氷室 立夏(ひむろ りっか)』
この作品のヒロイン。理由はのせてないが戦えなくなった。能力名『空間転移魔法』
~敵~
〈死神〉 『葵 祭(あおい まつり)』
主人公達の中学からの戦友。高校に上がり死亡。なぜか生き返り、記憶がなく主人公達と戦う。
無限調律者 『水無月 泉(みなづき いずみ)』
上記と同じ。天才の無限調律者で完全なサポートタイプ。能力名は『無限調律』
~本編~
何発も撃ち込まれる羽根の刃を刀で左右へ、上下へと弾きだす。
刀に当たらなかった刃が足や腕に刺さっていくが、それでも俺は動きを止めない。
(いてえ……いてえけど、やめられるかよ!)
「もう……もうやめなさいよ! 修人一人なら逃げられるでしょ!? あたしなんかもうどうでもいいのよ! ほっといてよ!」
俺が守っている人物、氷室 立夏が泣き叫んでいる。
立夏の言ってることはあながち嘘ではない。俺が自身を守るためだけに刀を振れば、こんなへなちょこな刃は全て防げるはずだ。
でも、俺以外の人物も一緒に守るなら話は別になる。
例をあげるなら、一人なら四方向からきた刃をかわすだけで大丈夫だが、守りながらなら必ず弾かなければいけない。
そうすると、少なくとも弾いた方と反対の二本は刺さってしまうのだ。
だからといって、いくら刺さってもこの刀を落とさないし止める気もない。
「くそっ……! さっさと死にやがれ! この死に損ないがァ!」
「誰が死ぬかよ! お前が諦めやがれ!」
口では強がっているものの、人間誰でも限界というものがある。
当然、俺にも限界がやってきて刀を振るスピードがだんだんとおちてきた。
(どうすればいいんだ……?)
頭をいくらフル回転させても、絶望するような答えしか浮かんでこない。
時間をかけすぎると必ず体力と能力使用の限界で、刀選びがなくなる。そしたら、刃を刀で防げなくなり俺が負けるだろう。
葵 祭の能力は風属性で、最高ランクの『一片の羽根吹雪』を使っている。
水無月 泉は能力の無限調律を祭に使用して永久に技をうてるようにしているから、相手に限界が訪れることはない。
なら俺の能力がきれるまえに勝たないといけないな。脱出用の能力を省くと後二回まで能力を使用することができる。
しかし、いくら作戦を考えても二回で祭達を倒せる技がないことぐらいわかっている。
だから俺は賭けにでた。
「行くぞ、立夏」
「えっ……?」
急に話しかけられて立夏が不思議に思っているが、なりふりかまっていられないので無視する。
そして、一発目。
〈刀選び〉で小刀を取り出して足で蹴り飛ばす。
蹴った際に足に何本か刃が刺さったが今は気にしない。
(気づいてくれ、立夏!)
案の定、立夏があることに気づいて呪文を詠唱しだした。
空間転移魔法。
これは、立夏の無の能力で、予め呪文と紋章を一致させておくことによって、その紋章がある場所へ移動することができる、俺に次ぐ最高ランク並の技だ。
まぁ、紋章が見えなかったら意味がないけどね。
先ほど放った小刀には念のため立夏に紋章を描いてもらっていた。
小刀は俺の理想どおり、開いている透明のぶ厚い窓ガラスを通って隣の部屋に入っていき、詠唱を終えた立夏が移動できた。
俺は最後の力を振り絞り、聞こえてきた立夏の言葉を繰り返す。
「逃がすかァ!」
俺が詠唱を終えようとした瞬間、 祭が風を操って小刀を中に戻したので移動することができなかった。
(まずい……もう能力が使えない)
今の移動で俺の能力が限界をむかえ、刀選びが解けてしまったからだ。
いくら技が強かろうが使えなければ意味がない。
「残念だったなァ死に損ない。そろそろ墓場に連れていってやるからよォ」
祭が口元をにやつかせてこちらを見据えている。
(これが〈死神〉の実力か……想像以上に強いな)
〈死神〉とは葵 祭の二つ名で本人の口が悪く、かなり強い事からつけられたらしい。千代ばあが言ってた気がする。
俺の手元にはL4と言う強力な爆弾と時の砂時計しか残っていない。刀選びが解けたから武器を持つこともできなくなった。
L4は威力が強すぎて使用者に危険があるため販売は中止されている品。
これは先ほど拾ってまだ使ってはいない。
この部屋で使えば、壁質にもよるが確実に吹き飛ぶ。しかし隣の部屋に被害が及ぶことはないだろう。
頭をフル回転させた結果、ある作戦に決まった。それは二度目の賭けであり、○○を確実に逃がす作戦。
その作戦とはL4を爆発させ俺を犠牲に祭と泉を消し飛ばす作戦だ。
一見、祭と泉を殺すようにも聞こえるが祭も泉も既に死している体。ならば逆にやったほうがいいだろう。
祭と泉は、俺と立夏が中学の時から一緒の学校に通ってたルームメイトだった。
みんなで同じ高校に入って、四人である討伐クエストに行った時、俺と立夏をかばってそのモンスターにやられた戦友。
それも今では俺達を殺そうとする殺戮兵器となってしまった。
やっと再会できた二人を楽にしてやるために、俺は時の砂時計を壊した。
時の砂時計とは使用者以外の全ての時を一時的に止めるもので、製作者の千代ばあが言うには確か一分程度だったと思う。
L4も爆発までに少し時間がかかるので時の砂時計の破壊と同時に起動させた。
ちなみに時の砂時計材料がえげつない物ばかりで二度と作れないらしい。
使用者以外にこの砂時計の砂を持っている者も動ける。千代ばあは立夏にも時の砂時計を渡してたはずだから……やっぱり。立夏も動けてる。
俺は最後の力を振り絞り、壁際まで移動する。壁際まで行かないと隣の部屋からは声が届かない。
「何するつもりなの!? 早く逃げなさいよ!!」
「俺はもう駄目だ。技の使いすぎで足がいかれてる」
技は使えば使うほど身体に負担がかかる。俺はもう普通に歩くことも出来ないぐらいに使用してしまった。
「もうそろそろ時が動き出す。その前に一つ言いたい事がある」
今にも泣き出しそうな立夏を一瞥し、俺は大事な言葉を告げる。
「俺はお前が好きだ」
言った。今まで心の奥に溜めていて、いつか話そうと思っていた大事な大事な言葉。
こんな状況、しかも最後の時だから言えたんだろう。
「なんで……だったらちゃんと生き続けてその言葉を言ってよ!」
「……もう時間だ。返事を聞いていいか?」
目に溜まった涙を拭う立夏。聞かなくてもわかる返事を待つ俺。
俺は普通の大人になって、普通に稼いで、良くもなく悪くもない女と結婚して……まぁ、この人は立夏がいいけど。
そんな普通の人生を送りたかった。
「どこで間違えたんだろ」
呟くように言った俺の独り言。
その直後に立夏が口を開いた。
「私もね、修人のことが」
しかし立夏の言葉をかきけすようにL4は爆発した。
~END~