神の国はこの世の価値観と違い、偉い人はみなに仕えるしもべだと言っています。(マルコ10:42-43)
北海道浦河町に、精神病の方や、この世から見向きもされない人々を「宝の山のような人が来た」と歓迎してくれる「べてるの家」という所があります。
この家にH兄という方がおられます。
彼は中学校のときに特殊学級でいじめられ、家庭では両親の離婚、お母さんの死と決して恵まれた境遇にはありませんでした。
彼は会社に出てからも「負けてたまるか」と必死でがんばってきたのですが、ある日発作を起こして病院に運ばれ、精神科に入院することになりました。
Hさんは退院後に「べてるの家」に住み、初めて教会に行きました。
そこで彼は初めて「迎えられる存在」として招かれた体験をしたのです。
今まで単なる治療対象として扱われ、いつも駄目なところを見つけてそれを治そうとする彼のいた病院側の姿勢は、彼の劣等感をますます強くするだけでした。
「失敗しても駄目な人間ではない」
「弱くていい、問題があってもいい」
「治らなくても、病気を持ったまま幸せになる生き方を目指せばいい」。
そんな価値観が教会や「べてるの家」にはあったのでした。
彼が退院した翌年、札幌のクリスチャンセンターで開催された集いで、彼は200人以上の人の前で証しをしました。
主は劣等感を抱え、世の中を上手に渡って行けない者、この世の価値観の中では病人とされた者を高く上げてくださるのです。
弱い者を最も尊ぶところ、問題や病気、弱さ、失敗をそのまま受け入れられるところこそが神の国なのです。
「幸いな人 0007」 小牧者出版 発行
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