今年の夏は遠出はせず箱根に一泊のみ。
せっかくなので奮発して評判の高い宿に行ってきました。
時の雫
箱根吟遊や武蔵野別館と同系列。一日8組の隠れ家的な宿。
場所は宮ノ下 富士屋ホテルから車で数分ほど。武蔵野別館の隣。
3時のチェックインより少し早めの到着でしたが 快い対応での出迎えです。
予約してた部屋は3階のプリュミエスイート。
118㎡の広々とした部屋には 檜露天風呂が付く。
大きな窓からの景色は山のみ。別階にライブラリーもあるが借りるほどの本は無し。
風呂に入り リクライニングで涼み 和室で畳の感触を楽しみながら寝っころがる。
ある意味 一番優雅な過ごし方で夕食を待ちます。
6時からのラウンジにての夕食。
一番乗りで窓際正面席につきました。
ご自分で蕎麦を打たれたという
コンシェルジュから食材の案内。
調理前の肉塊とあわびが横に並ぶ。
その後 食前酒と共に料理がスタート。
◆吹き寄せ ふかひれと枝豆の水晶豆富
つかみやすいように 箸先をぬらした箸。食すことができる彩の花はダイアナ。
夏蕃茄とパブリカのソースが添えられた一品は やさしげな味。
◆迎え椀 ノーザンルビーの摺り流し
チーズっぽいコクがある 和風冷製スープ。
じゅん菜 オクラの食感が良く 楽しめる。
◆旬菜 茗荷子のうるか和え 自家菜園紫花豆の蜜煮
ムール貝の香草焼き 湯葉豆腐 青唐と葱の味噌田楽
それぞれの素材が生かされた起承転結のある品揃え。
◆お向 南マグロの焼き霜 水蛸 夏鱧の湯引き 生海苔
コンシェルジュが最初は何もつけずに食べて下さいと話してた水蛸
その言葉通り 塩気を含んだ蛸の味と食感は抜群。
これは何もつけずに食べるほうが正解。醤油などで旨みを消してはいけません。
表面に焼きを入れたマグロは アンデスの岩塩かホンダワラの藻塩で。
脂の乗り具合が塩で映える。旨いですね。藻塩の方がやさしい口当たりで好み。
◆お凌ぎ 自家製手打ち十割蕎麦
八ヶ岳山麓南牧村で自家栽培した蕎麦を コンシェルジュ自ら打ったとのこと。
焼海苔は湿気らないように下から炙る容器に入れられてる。
蕎麦つゆは藻塩と昆布から仕込んだ透明色。
素材もストーリーも練られているが 蕎麦の味は そこまでの域には達してない。
◆Simmered 冬瓜と南瓜の花造り
一口入れた途端に香りが広がるのは 庭の桜でスモークされた鮪。
花びら状にかたどった南瓜と冬瓜。
金目鯛の揚げ煮 姫オクラ カニが周りを飾る。ソースは少し塩気強し。
◆Especially 山北産足柄牛のロティール
「菅井」のローストビーフとよく似たフォルム。
どうしても味まで比べてしまうのは 人間の性。
高いレベルでの比較だが 添えトリュフ ボルドーソースは いまひとつ。
脂の乗った足柄牛の美味さを引き出すには まだ力不足。
◆活きあわびの炊き込みご飯
あわびが ふんだんに入り肝までついてる。
ご飯には塩気が効いており しろ菜の漬物もついてるが
そのまま食べても充分おいしい。もちろん漬物もいい具合の仕上がり。
◆大山地鶏のつみれ汁
プリッとしたつみれの食感が鮮やかな味噌汁。
自家製の一味唐辛子もピリ;ッとしたアクセントを奏でる。旨いですね。
◆Entrenets 林檎のコンフィ
コンシェルジュ自ら その場でソースの彩り
生クリームを盛るパフォーマンス。
ひとりひとりのお客さんとの距離を
縮めようとする演出なのでしょうか。
もう お腹は満杯です。
総体的には料理の助走部分でのこだわりは
素材 準備にいたるまで 心憎い演出が目立つ。
ただ 和洋折衷で散漫な印象になったことと
塩にこだわったため味が単調になったことが少し残念。
しかし堅苦しさはなく アットホームな雰囲気が漂う接客。
宿としての居心地の良さは抜群でした。







