ひとさいが東名阪ワンマンツアーを行うのである。それはめでたいことである。

昨年も東名阪でのライブは行ったが、ツアーと銘打ってはいなかった。昨年夏の大勝負、東京O-EASTライブへの導線という位置づけであったり、唐突に名古屋だけ行ってみたり。

何をワンマンと称するかというのは多分に気持ちの部分があるが、少なくともこれまでよりは名阪の位置づけが上がる、気持ちとしてはライブの中で最上級の位置づけである「ワンマン」を各地で行う、そう、行うことが出来るまで来た、と運営が判断した、つまりそれは喜ばしいことだ。

 

そんなものを行うのはつまり勝負をかけているということだ。

きっと各地の集客、特に結局は東京、3月2日@新宿ReNYということになろうが、ここでの集客は今後のひとさいの行方を左右する、ということだ。こういうものはそういうことと相場が決まっている。

ひとさいを愛する、ひとさいが気になる、そんな人は何かを犠牲にしてでも極力来てほしいと思う。

アイドルなんて何かを犠牲にして見るようなものでもないと思う。それでも、何かを犠牲にしてでも来いと言う。

来れば、いいものが見られる。現時点での、究極仕上げのひとさい、その本気が見られる。

それがすごいものかどうかは、わからないが。

 

見に来い。

我が軍の興亡、この一戦にあり。

 

チケットはこちらから。

https://w.pia.jp/t/sai-nage-tour2th/

 

ツアーにあたって思うことをつらつらとだらだらと脈絡なく書く。

 

・ひとさいについて

僕は死に場所を探してきてはいるが、こんなところで死んではいられないと思う。

同じように死に場所を探しているメンバーも、まだここでは死ねまい。

しかし、こんなところ、とは言うが、それでも望月さあや本人のことを思えば、ずいぶんな高みまでやってきたものだ。

これを高いということ自体があまりに低いのかもしれないが。

ReNYを完売させなければ次へ行けない、そんなことを言えること自体が、幸福だとも思う。

 

「2月から2周年記念のツアーがあるんですけど、それを完売させて、自信をつけてまたO-EASTへのリベンジだったり、次の目標を作りたいなって。……O-EASTへの目標がきちんと達成できていないのに、次の話をするのってカッコ悪いし誠実じゃないなって思ってます」(望月さあや)

 

(上記リンク先のインタビュー、いつも仲良くふざけていながらやたら真面目で熱く大人なひとさいさんがとてもよく出ていると思います、ぜひご一読を)

 

どう客を取る。

今時はSNSなのだろう。もう僕にはそのあたりの感覚はわからないから、頑張ってとしか言えないが。

一昔前なら、そのようにネットで取る客など現場には来ないだろう、そう言っていたような気がするが、今は何をきっかけに現場に来るのかと言えば、断然TikTokをはじめとしたSNSなのだろう、というより、TikTokが大きいのだろう。

 

各種SNSへの注力は元々ひとさいが標榜していたところで、その方面で本来番頭となるはずの大人が碌に稼働せず苦労しているところでもあるが、それでもメンバー個々はそれぞれのやり方で何とか現状を打開しよう、良い流れを作っていこうと奮戦している。

そのようなところで現場の客となる候補を捕まえ、なんとかして現場に連れてこようと、さらに力を入れている。

実際、結構現場に来てくれるのだと何人かから聞いている。そのようなきっかけで現場に来たのであろう人も毎回のように見る。

 

SNSで捕まえるならその客の住まいなど不問であろうから、日本全国どこでもそのような客の候補生はいるのであろう。

まあ、そもそも地方住まいであればアイドル現場へ行く、という習慣がない、行ったことがない、という方も多いのであろうから、そう単純な話でもないだろうが。

もっちゃんの故郷、島根でやったらどのくらいの人が集まるのだろう。

 

・望月さあやについて

気がつけばアイドルになって6年が経とうとしている。

当時高校生だったもっちゃんは今や大学も卒業して立派な社会人になった。

前述のとおり、前世よりは高いところでアイドルをやっている。最近はまた衣装トラブルに悩まされることもあるようだが、それでも衣装の質も断然良いらしい。

 

ももクロに憧れ、何故かライブアイドルの門を叩いてしまった少女。憧れたアイドルと私がなったアイドルは違うと絶望して、それでも懸命に自らの描くアイドルたらんと必死にもがき続けていた少女。

前の記事でも書いたが、おおよそ自分にとってのアイドルというものを見つけたようにも思う。自分を好いてくれる者たちを幸せにする、それが望月さあやにとって目指すべきアイドルだと。

 

島根愛の強いもっちゃんは島根で名を轟かせたい。

島根で何かの活動をしているわけでもなく、今はまだ島根で知っている人がどれだけいるかと言われれば、元々もっちゃんを知っていた人以外に碌にいるわけでもないだろう。

ひとさいはCDをリリースしているわけでもないから、地元のCDショップにもっちゃんが並んでいるわけでもない。前述のとおりSNSでいくらでもアクセスできるこのご時勢とはいえ、なかなか島根の人がもっちゃんに触れる機会もない。今のところは。

 

突破口を何か思いついているわけでもない。

もっちゃんだって相変わらず、特効薬など掴んではいないだろう。

流行りのやり方としてはSNSでのブレイク。遠くに見えるその光を手繰り寄せんと、ずっと必死にもがいては頭を抱えている。

それでも、その努力が少しは功を奏していることもあるようだ。そのような客と思しき者の姿を、彼女の特典会列で見ることも増えてきた。

 

結局は思うだけであるし、願うだけであるが。

憧れたアイドルともっちゃんがなった、(間に中断期間はあれど)6年間続けているアイドルは地続きで、憧れに触れる可能性、共演する可能性、自らの夢を叶える可能性は何も否定しなくていい。

島根に名が届き、いつか凱旋ライブを行い、そして故郷に錦を飾る可能性は何も否定しなくていい。

 

そのための道のり、光を手繰り寄せるための格闘、それはもっちゃんがすればよいことであるが、そんなもっちゃんを愛する、少しでも気になるならどうかツアーを見に来てほしい。見に来い。

それがもっちゃんの可能性を少しでもつなげる、もっちゃんに明日を見せる、未来を照らすことになる。

狂ったような現場主義者からあえて強い言葉で言わせてもらうのなら、ライブのもっちゃんを見ないで何を見るというのだ。

 

今はツアーに向けたYouTubeでのダンスプラクティス動画公開企画があるから、そこでもその片鱗は伺い知れると思うのだが、もっちゃんの特に優れたところの一つは正確無比なダンスだ。

そしてメンバーから音源のままと褒めたたえられる歌声だ。

もっちゃんが日々磨き続け、拘りぬいてきたパフォーマンスがそこにある。

もっちゃんのパフォーマンスを見ないで、何を見るというのだ。

このツアーで、生で見てもっちゃんに惚れこめ。そして、チケットが1枚でも多く売れた、1人でも多くの客が来てくれた、その数字を見せつけて、もっちゃんの未来を創れ。

 

・ふたたび、ひとさいについて

先日、全員にツアーへの意気込みを聞いてみた。

新曲をしっかり仕上げたい、自分ならではの表現を極めたい。きっとそんなことを言うのは、僕が普段から無駄にパフォーマンスへの拘りを語り続けていることも多分に影響しているのであろう。

 

SNSに注力することとライブアイドルたることは二律背反ではない。今時のアイドルはその比率こそそれぞれであれど、軒並み両刀使いであろうし、それらは互いに相乗効果で互いの面を高め合うようなものであるはずだ。

しばらく諸々の事情があり稼働させていなかったYouTubeも復活させ、そして今はツアーに向けて毎日1曲ずつ、ダンスプラクティス動画をアップしている。

 

ひとさいのコンセプト(ところでボードゲームはどこへ行った)や当初の活動からは、何かSNSを足掛かりにして、狂ったような現場主義者には考えが及びもしない新たな価値観、のし上がり方を魅せてくれるものと思っていた節もあったのだが、切り口は多少違っても結局はベーシックなライブアイドルに戻っているのが、今のひとさいのように思う。

ベーシックなライブアイドルであれば、もう少し泥臭く草の根活動でやっていく選択肢も運営が選んでいいだろう、とも思うが、そんなものは運営の勝手だ。

 

当初から、勝手もわからず空回りする運営をよく補完しながら走り続けてきたメンバーだと思うし、良くも悪くもその中で自主性を発揮する(せざるを得ない)環境にも置かれ、自分たちで考え続けてきた、戦ってきたメンバーだと思う。

一方、このツアーで各会場ごとに1曲、合計で3曲発表される新曲も含めると2年間で22曲、これだけの曲を持たせてもらえたり、現在地からすれば上位の対バンにも出演させてもらえたり、その他ひとつひとつを見ると、運営が機能しているところも多分にあるから、贅沢ばかりも言えない。

言っているのが贅沢なのかどうか、首を傾げる部分がまた多々あるのだが、少なくとも最底辺ではない。

恵まれていると言えるのかどうかわからないが、恵まれていないわけではない。

 

ベーシックなライブアイドルであるから、というのではないだろうが、大変に真面目にライブにも取り組んでいる。

元々が歌やダンスで図抜けている、腕利きの集まり、というのでもないから、純粋にパフォーマンスの完成度、レベルを見ればもちろん手放しで素晴らしいと褒められるようなものではない。しかし、たとえば失敗した時はそこまでせんでも、というくらい落ち込んでいたりするし、限られた環境の中でミーティングを定期的に開く、反省を記したノートを作るなど、自主的な取り組みも昨年くらいから強化してきており、ライブというものに対して強く意識するようになってきている。

 

SNSとライブのハイブリッドアイドルは勿論両面で数字も見られるのだろう。

何度も言うが今回のツアーは勝負である。つまりチケットが何枚売れたか、何人会場に足を運んでくれたか、そこが彼女たちの今後を左右するはずだ。

SNSで彼女たちに触れ、興味を持った方々にはどうか今回の機会に、会場に足を運んでほしい。そして彼女たちのもう一つの戦場、彼女たちか拘泥する、彼女たちが魂を注ぐ、彼女たちの作品を見てほしい。彼女たちの真剣勝負を、目に焼き付けてほしい。

ここで吠えても詮無きことではあるが。

 

・個人的な話(死に場所を探して)

すっかりここにも格闘技の話を書かなくなった。かつてここに記していたほどには僕は格闘技を見ていないかもしれない。

いやどうだろう、かつては強い興味を持って見るのはボクシングだけであった気がするが、今は総合格闘技も含めて、ちょっとずつ見るようになっている。

 

ここ1,2年、強い興味を持っている対象として、青木真也選手がいる。

ここまで興味を持ったきっかけは何だったか、もう覚えていない。

日本格闘界で指折りの選手であり、僕も大晦日はじめ地上波で総合格闘技をやっている機会があればちょこちょこ見る程度の興味は大昔からあったから、彼のことはもう15年以上はなんだかんだ、見てはいる気がする。

ちゃんとファンとして見るようになったのは割合最近の事である。彼の考え、物の捉え方が非常に面白いなと感じたのが要因である。彼のブログたるnote(アメーバでこれについて言及してよいのかね)や、音声配信媒体であるvoicyは毎回チェックしている。芸事についての言及などは、勝手に、アイドル、もっちゃんを見るうえでの参考にもさせてもらっている。

 

丁寧に細かく書いていくと長くなる。最近の話をする。

彼が言うには、彼はもう遡ること10年以上前、アメリカでの敗北を経て、そこで「納得」をして、そこからは対世界、要は競技的な最強を目指すというよりは、好きな格闘技をしっかり仕事としてやっていく道を進んでいる、とのことだった。

その道すらまたある種の一区切りをつける、そういう意味で先日、「最後の戦い」とメディアで喧伝された試合を行っていた。仕事としてやるとはいえ依然として世界有数のレベルで戦っていた彼が、そこでやっていくこと、そこでやっていくために仕事としてストイックに自らを律していくことを一度やめる、その区切りとしての戦い、であるはずだった。

ふたを開けてみれば、試合当日に相手が要はドタキャンしてしまい、代役との試合となってしまってその相手は一蹴したものの、結局、死にきれなかったという気持ちが残って、まだこの道を進んでいこうかという気になっている…という顛末なのであるが。

 

続けていくことより、終えることの方が難しい、と彼は言う。

こんなところで並列させるのも大変烏滸がましく、申し訳ない話であり、勝手に僕が重ねているだけで、生業とただの趣味、いうなればただの依存症を重ねるのも恥ずかしい話なのだが、僕ももう、ひとさいで現場のをたくはもういいだろう、という思いがあり、どう終えていくか、どう終わっていくか、どう終わったら納得して終われるのか、というのを考えることがよくある。

彼は主体的に終わることができる、死ぬことができる身、僕の趣味はもちろん相手をただ見ているだけのもので、その趨勢も相手次第、僕が主体的に何かできることはほとんどない(最近はメンバーに一緒に戦ってくれる、戦友などと言われることがある、そんな状況まで行っているにせよ)、全く次元の違う話ではあるが。

しかし、終わりを思ううえで、彼が彼自身の店じまいを少しずつ進めている様を見るにつけ、とても考えさせられる。

 

「納得」できるかどうかが大事だと、つい最近の彼のnoteで言及していた。

僕がアイドルのをたくを終える中で、どこで納得するのだろう。どうなれば納得できるのだろう。思い残すことはない、と言えるのだろう。

アイドルをここで終えようとしているメンバーは、どこで納得するのだろう、どうなれば納得できるのだろう。

結局はそれなりに大きいところでやって、というありふれたところになるのだろうか。それとも、たとえこの活動が今の規模からさほど広がらないとしても、どこかで思い残すことのない状態になれるのだろうか。

 

答えもそれにつながる道の入口さえもまだ皆目見当もついていない状態ではある。僕はそうだ。メンバーがどうかは知らない。

究極、僕がそれを見つけられればよいと言ってしまえもする。

故に、ここでは死ねない。

もう少しひとさいで美しい光景を見たい。なにかひとさいならではの唯一無二のものを見たい。

歌詞を借りれば、完全究極体のひとさいを見たい。僕というヲタクに、アイドルとしての一つの究極を見せてほしい。

その旅の途中ではあるが、一つのターニングポイント、大きなマイルストーンこそ、今回のツアーだと思う。

 

どうか今回のツアー、今回の会場がたくさんの客で埋まりますように。