「月に手を伸ばせ。たとえ届かなくても」

(ジョー・ストラマー(The Clash))

 

ひとさいの1周年ワンマンが無事に終わった。満員御礼だそうだ。

雑多に書いていく。構成する気もない。思いつきで書くし、書き終わってから、書くべきだったことをあれやこれや思いつくのだろう。

忌憚のないものを書いていく。正直なところを書いていく。思うことをすべてネットの海に放つわけでもないが、そこまで遠慮もしたくはない。

今時は神輿を担ぐように褒めたたえるのが普通なのだろう。特段そうしようとも思わない。素直に今思うことを書きたい。

 

・チケットの売れ具合

半年前、夏の暑い盛りに、もっと大きな会場を押さえてほしいと思った、と僕は記していた。

それは途方もない夢を見ていこうよ、ということであり、だから、そこまでの夢にあふれたキャパシティの会場ではないにしても、余裕でソールドアウトさせてほしいと思った、とも記しているが、余裕でソールドアウトできるとも思っていなかった。

 

チケットを売るのは、会場を埋めるのは、運営の仕事だし、運営の腕次第だ。

正直に言ってしまえば、ライブアイドルではほぼほぼそう言って差し支えないと思う。アイドルが売れるのも、ライブ会場を埋めさらに大きなところに臨んでいくのも、ほとんどは運営次第だ。

安いチケットを設けたり、手売りを行ったり、特典を付けたり。そうやって半ば無理矢理に売ることを全面肯定するものではないが、ある程度のクラスになるまではそう売らず正攻法ばかりではなかなか会場が埋まらない、それはどうしようもないことだ。

 

そういうことを良くも悪くも全くしない、何か遥か現実よりは上のクラスのアイドルが行うような売り方しかしない(それはまた、易きに流れない、と評することもできなくはない)ひとさいの運営だからこそ、ソールドアウトするとは思っていなかった。

仕掛けとしては、新曲、ワンマン限定衣装、重大発表。きわめて正攻法である。

その分、全く背伸びしない、ほとんどひとさいを見たいと実際に思ってきた人ばかりの会場だったように思う。実際のところは知る由もないが。

ソールドアウトではないが、満員御礼である。コロナ禍前のぎゅうぎゅうの感じはなかったが、それでも会場の中はそこまで空白を感じることもなかったように思う。

 

・ひとさい1周年記念24時間配信

ソールドアウトであろうとなかろうとワンマンはやってくる。

ワンマンのちょうど1週間前がひとさいの1周年記念日で、その日曜の夜から月曜(平日)の夜までの24時間、半年前同様にツイキャスにて配信を行っていた。

そのうちの前半部分、メンバーの個人配信ではそれぞれがそれぞれ、なかなかに深い自らのこれまでに対する語りが展開されていたとのことだが、僕が満足に聞けたのはもっちゃんのものだけだった(目覚めてたかすかの配信は見ていたが、既に語りモードを抜け、ゆるりと朝を過ごしていた)。

 

アイドルになってから、つまりはASTROMATEになってからのことはおおよそ知っていて、その心情も含めて8割は想像の通り、というところだが、これまで語られてきたこと、想像の範囲を超えてくる語りで、少なくとももっちゃんに関してはこの配信を見ているのといないのでは、彼女に対する解像度が違うのではないかと思う。特に、ひとさいからもっちゃんを知った人、最近もっちゃんを推し始めたなんて人については、最高の望月さあや入門、いや、入門などという生易しいものではない、素晴らしいガイドブックだったのではないか。

 

2割はそんなことを思っていたか、となることがあった。全体を通して、意外なことはほぼ無きに等しかった。

そして、これもわかっていたことではあったが、あらためてもっちゃんが、自分がアイドルとして全身全霊をかけて真剣に必死に真っすぐに取り組んでいくということにおいて、確信に近いものを抱き、その部分に対する自信を明確に示してくれたことが、やはり嬉しかった。

僕らはずっと、もっちゃんに自信を持ってもらうことにずっと取り組んできた。アイドルになりたての彼女は何もかもを否定して、なんでこんなに自信のない子がアイドルになっちゃったのかね、そんないばらの道を選んでしまったのかねと僕らを嘆息させていた。だから、僕らは彼女の自信になりたかった。僕らなどと勝手に言ってしまっているが、賛同してくれる人は間違いなくいるはずだ。

そんなもっちゃんが、ここまで確信をもってアイドルをしている、その事実が、出社前の朝だというのにやたらに嬉しく、危うく汗をかくところだった。勿論、目から汗を。

 

僕らの思いは少しは結実しているのかもしれない。まだ足りない。もっともっと自信を持ってほしい。

 

・ワンマン前

24時間配信後、明確にもっちゃんは一度調子を崩していた。

その状態でリハーサル、なかなか難儀であったろう。しかし本番に向けて日に日に回復し、前日のピューロランドで見たところでは特段の問題もなさそうであった。

なかなか大舞台に順調に行けないが、それでも夏のワンマンよりは調子はよさそうだったし、引き続き不幸中の幸いと言ったところであろう。

 

れい以外は多かれ少なかれ緊張しているようであった気がする。れいは全く緊張しない、楽しみだと言い張っていた。

喉の調子が良くない、最悪だ、そんなことを言って弱気に顔を曇らせていたのはみねちゃんだった。

 

なんだろう、僕はやたらに緊張もしたし、その前にやたら楽しみだった。

ここまでの彼女たちの取り組みを見ていて、歴史に残るものになるとか、すさまじいものになるとか、そういうことを思うまではなかったけれど、ただ、良いライブ、楽しいライブになるのではないかという予感があった。彼女たちがここまでしっかりしたこと、一歩一歩歩んできたこと、それを思うと、きっと楽しいライブにはしてくれるだろうな、そんな信頼があった。

前日、ピューロランド終わりで呑みすぎた。2軒目、久々にとあるヲタクと一定時間サシ呑みになった。何か語ったのだろう。どうやら僕は楽しみだ、楽しみだと連呼していたらしい。勿論記憶から抜け落ちていた。

 

そして当日のバッドコンディションへとつながっていく。

まったく我ながら学ばない。大舞台の前に深酒はよろしくない。

朝風呂に入った。アップルミュージックのおすすめセットリストをかけていた。やたら僕の気持ちに沿って、盛り立てるようなリストで、そこでやたら昂っていた。

 

花屋さんが2時間近くをかけてスタンドフラワーを完成させていた。

もっちゃんの生誕でもお願いした、信頼のおける花屋さん(ルッホさん)に今回もお願いしていた。

プレイヤー側の企画としては、スタンドフラワー、記念品(クリスタル)、白色のサイリウム。

やることはすべてやった、というほどにワンマンに向けて何かを準備したわけでもないが、それでも企画も含めて、ワンマンに向かう過程において後悔はない。前夜に痛飲したことを除いては。

 

・ワンマン

会場内は前述通り、なかなかの人の入りだった。もっとも、この感覚もあくまでコロナ後の物差しで、というところだろう。

本当にぎゅうぎゅうのライブハウスというものが帰ってくるものか。この点においては今ぐらいに余裕があった方がいいのだが。

 

この日のために作成された映像から入った。

「届け。」

 

セットリスト。勝手に人から拝借の上改変。

オープニング映像

0. SE

1. じゃねーの法則

2. ダイスロールコントロール

3. あっぺんだん

4. じゃんぴんぐフェスティバル

MC

5. Re:Start

6. まじっくくらっぷ

7. 好きって言います!(榎本雅ver.)

8. あっちむいて恋!!

インタビュー映像

9. 145,541

MC

10. ドッグイヤー

11. 仄暗い闇の外から…

12. 新しい世界へ

13. Level.1

Enc1. ちゅー・ハイ!

MC

Enc2. エピローグ

 

するっとじゃねーから入り、何故かあっぺんだん、じゃんぴんぐと突然のハイスパート。

ドッグイヤーからの数曲はそれなりに流れを感じるものではあったが、全体を通してとんでもなく大きなうねり、盛り上がりというのはないように見受けられた。

盛り上がりを作れる曲群は持っているのだから、それをもう少し固めればよいのに、という素人考え。

 

いまいち使いこなせない映像もあったが(フルコンボだドン)、自己紹介MCからのRe:Startでの、MVを流しながら現在のひとさいのパフォーマンスを重ね合わせる演出、オープニングとインタビュー映像、いずれもここまでのひとさいの歩み、そしてひとさいそのものの、まさしくリスタート、リベンジの物語をうまく提示しているように感じた。

それに比べると、白煙はまあ、やたら使ってんなー、そのくらいの感想。

 

・各メンバーについて

冒頭の映像にて添えられた、各々の感謝の言葉と共に。

・榎本雅

「夢をくれて、ありがとう」

インタビュー映像では「榎本雅」ではなく堂々の「みーあん」扱い。この項の名前もみーあんとすべきだったか。もはやどちらが本当の芸名なのかわからない。

1月の生誕で椎名林檎やBiSHを爆発的な歌声で披露し、大きなインパクトを残したみーあん。その1年間の進化がこの日もよく歌声に出ていたような気がした。

しっかり自分の特性を活かした、みーあんなりのアイドル像を少しずつ構築できたような。しっかりライブアイドルになれたような。

 

自分の思いを言葉にすることが苦手なみーあんなりに、最近はその思いが壇上で発露することも多くて。これも生誕では圧巻の語りだったが、この日は溢れ出るものに戸惑うような、それでも、周りの助けも得ながら、言葉にしようとして、思うように出てこなくて。

そのたたずまいがアイドルだなあと、客が支えたくなる、いとおしく思うアイドルだなあと感じた。

 

1年間ずっと正直、みーあんのことは心配していたけれど、いや、最近はもう大丈夫だと思っていたけれど、それがあらためて確信に変わった。

 

・冬野れい

「出会ってくれて、ありがとう」

終わってから話を聞きに行っても、やっぱり緊張しなかった、楽しかったと言っていた。

れいはいつもニコニコしているし、人の事ばかりを言う。この日のインタビュー映像でも、ラストMCでも、ひとさいはかわいい子ばかりだ、本当にいいグループだ、何で売れないのかわからない…。

 

ひとさいの物語はかつてへのリベンジの物語でもあるが、れいは過去のことについて話したがらない(先日の24時間配信では語っていたようだが。彼女の回を一番見たかったなと思っている、よって僕の今の語り口もいまいち解像度のよくないものだろう)。曝け出さなければならないものでもない、言いたくないものは言わなくてよい。

それでも、これまでの彼女の道のりと比較して、心からひとさいにいられてよかった、今がいいのだ、そのような喜びをひしひしと感じる。

それならば、どうかひとさいでやり残しのないよう、後悔のないよう、思いを燃やし尽くしてほしい。その先に、冬野れいとしての物語を強くして、そこで客の眼前に提示することが出来れば、その時は客席がもっと紫色に染まっていることだろう。

 

必死に絞り出すように歌う姿に、今に対する思いの強さ、この1年で磨いてきた感情を感じた気がする。

 

・高須賀友香

「アイドルにしてくれて、ありがとう」

1年間で恐ろしいほどのアイドル適性を見せてきたたかすかさん。圧倒的な存在感、客に対するきめ細かさ、思い。ひとさいの女王。そもそも意識の面で完全にライブアイドルになったなあ、というのはみーあん同様。

もっともっとこの圧倒的な存在がライブアイドル界で知れ渡るといいなあ、そう思う次第。もっと露骨に人気になって全くおかしくない。

 

節目において泣く、泣けるのも僕はエースの証だと思っている。笑って魅せて、真剣な顔で魅せて、泣いて魅せて。

そうやってハイライトを作れる、客を捻じ伏せられるのがど真ん中に居座る者、エースだと思っている。昔からそう思っている。

その一方で、きっちり客を煽ることができるのもまたエースの証だろう。私は壁が大きければ大きいほど燃える、客も一緒に燃えてくれると思っている、と。

頼れるエースだ。

 

「私は、成長できてましたか?」

「少しでもみんなにいいものを見せることができるアイドルになれてましたか?」

当たり前だろう。それが勿論、プレイヤーからのアンサーだ。

今日好きの高須賀友香ではなく、アイドルの高須賀友香。1年かけてそれが板についたところではないか。

この節で、ひとつ思い出すものがあったのだが、それはまた別の項で。

 

・峰島紬

「支えてくれて、ありがとう」

この日のパフォーマンスを見ての最初の感情が、2曲目のダイコン冒頭、みねちゃんが素晴らしい笑顔で天高く腕を突き上げていたシーンだった。

みねちゃんは大舞台、デカい箱、気持ちよい時に本当に気持ちよい顔をする。ライブができる幸せ、手に入れたかった幸せ。それが手にできて、ここに来られてよかったねと思う。いいことばかりでなくても、それでもここに来られてよかったね、と。

 

ひとさいがリベンジの物語であるなら、みねちゃんは最もわかりやすくその物語を持っている人だ。

今回のライブで発表された、次なるワンマンの舞台、O-EAST。僕も周りのをたくたちから聞かされてはいるから、概略はわかっているが、とにかく涙を流した地。宿命の地と言っても過言ではないのだろう。その物語がMCで噴出していた。

そんなわかりやすい物語があるのなら、燃えない理由がない。心を通わせるをたくたちと、火の玉になって突き進んでいけばよい。そして過去を、思い出を塗り替えろ。全力で塗り替えて行け。

 

その戦いが見られることがまた僕にとっては幸せだ。僕にとってのアイドルは物語だから。過去があって、現在があって、未来がある。その川の流れを眺めて楽しむのが、僕にとってのアイドルだから。

ひとさいは一人一人、過去がある、思いがある、ひとさいとしての今がある、そして描きたい未来がある。その川の流れの集合体こそがひとさいだから。僕がひとさいに没頭できる一因もこのあたりにある、というのは最近とみに感じることだ。

苦みがあるからこそ美味さが引き立つ。喜びも苦しみ尽くしたその先にあるって、確かに。

 

・望月さあや

「居場所をくれて、ありがとう」

まずはこの日を無事に迎えられてよかった。何か大舞台に向かう際に体調を崩しがちなもちづきさんだ。

夏は直前にかかったコロナを引きずっていたが、この日はまあ好調だったのではないか。動きも悪くなく、綺麗に声を響かせて、そして楽しそうに笑っていた。

新曲ではメロの初め、落ちサビ、ラスト、見事にもっちゃん尽くしになっていた。

そしてやっぱり楽しそうに、でも思いを込めて、朗々と歌うもっちゃん。立派になったものだなあ、そう目を細めながら見ていた。

 

立場が人を作る。今のもっちゃんはリーダーだ。この1年はもっちゃんが本当のリーダーになる1年だった気がする。

リーダーもいろんな形のリーダーがいるが、もっちゃんは背中で引っ張るリーダーだろう。誰よりも歌い、誰よりも踊る。そして誰よりもふざける。それを積み重ねて、本当にご立派になったな、そう思う。

 

前述の、友香の台詞。涙を流しながら客席に問いかける彼女の姿を見て、脳裏に浮かんだのは、ASTROMATE解散ライブの時のもっちゃんだった。

画面越しに、泣きじゃくりながら、「私は、印象に残らないアイドルじゃなくて、忘れられないアイドルになれていましたか?」と問いかけていた、あの日のもっちゃん。その姿がフラッシュバックして、懐かしい気持ちにさせられていた。

 

そんなもっちゃんは、こう言ってのけた。

「私はリーダーなので、過去の話は置いておいて、これからの、O-EASTの話をします」

この日の感想がほとんど、ご立派になったな、しかないような気がする。この一言には痺れた。

決して明るい話ばかりではなく、素直に現状のままでは不安だということも吐露して、それでも力強い眼差しで、前を向いていた。

MCを回すのも板について、堂々としていて、ずいぶん本当にリーダーになってしまったものだと、大人になるというのはこういうことなのかと、とにかくたいそう感心していた。

 

アイドルを推していると、ぐっと大人になったな、成長したな、頼りがいが出てきたな、そう感じる瞬間がある。

ちょうど僕にとってのもっちゃんはそういう期間なのかもしれない。

 

・新曲

もっちゃんで始まって終わって落ちサビも決める曲。たいそう気持ちが良いのだが、それはさておき。

大変な曲を作ってしまったものだ、と思った。ここまで今の5人にひとさいが拘っていくとは思っていなかった。

5人の名前も歌詞に組み込み、この5人でなくてはダメなんだ、と何度も歌い上げる。メンバーの卒業も追加も何も考えていない、そんなことなどありえない、という決意表明。

アイドルグループにほとんど永遠なんてないというのに。

 

もっちゃんも映像中で言っていた気がするが、まったく、ここまでこの5人が仲良くなるとは思っていなかった。ここまで団結するとも思っていなかったし、こんな歌が出来るまでになると本当に思っていなかった。

勿論、喜ばしきことだ。もし今後、メンバーチェンジが行われた際はこの曲の歌詞も改変して使用したりするのだろうし、その時はその時なのだけれど、誰かが欠けるときは解散の時だ、そこまで思い切ってやっていくのも、それはそれでロマンである。

 

・衣装

ワンマンのみの衣装、ディーラー風とのことだが、僕は好きだ。

というか、制服調の衣装が好きだ。一生好きなのだと思う。

サイドポニーだったこの日のもっちゃんには、それこそよく似合っていた。特典会で開口一番、この衣装の仕立ての良さを報告された。前のグループのどの衣装より、生地がしっかりしていると。

何の話だ。

 

・アンコール

この日は声出し可能で、だから実に久しぶりに声を出してのアンコールを行った。

だらしないアンコールは嫌いだ、ダラダラして一向に始まらなかったり、声が弱弱しかったり、そんなアンコールでは出てくるものも出てこられない、そう思う。

アンコールがかからなくて、泣きながらメンバーが出てきた、そんなこともあったな、はて、いったいなんの話だ。

こうやって偉そうに言っているけれど、さて、この日のアンコールは彼女たちを迎え入れるのに必要十分なものだったろうか。

 

・祭のあと

終わった後の特典会ではやっぱりもっちゃんの気が抜けていた。ふやけた笑顔を浮かべ、そして、サイドポニーで頭皮が引っ張られて、頭の中身が出てしまいそうだ、そんなことをしきりに訴えていた。

みんな大なり小なり、開放されたような明るい顔になっていた。ひとまずは成功裏に終わった、ということで良いのだろう。

 

終わった後、プレイヤーを集めて呑み会をした。

しみじみととあるをたくが語っていた、ここまで人がいて幸せだと。彼とは昨年の春ごろには、ライブ後にはサシ呑みをしたりしていた。特典会をなんとか持たせるぞ、そんなことを毎回のように言いながら、ぐるぐると回っていたりした。

少しずつ、でも着実に、ひとさいは大きく成り続けている。一つの節目をしっかりと、無事に終えられて、そしてまた次の未来を提示されて、決して完全に満たされたわけではなくても、僕たちは嬉しかったのだと思う。

 

・Before it ends

8月10日、木曜日。Spotify O-EAST。1つ足りない賽は投げられた、ワンマンライブ、「Before it ends」。

今回のワンマン中で、開催が宣言された。

この舞台に立ちたい、そういう何か含みのある表現で。今の私たちには無謀だ、そう明確に宣言して。

 

事あるごとに言及してきたO-EAST、博打を打つには必然の舞台。しかしこの発表は個人的には可能性の一つとは思いながらも有力視はしていなかった。だから、素直に嬉しかった。

 

終わる前に。

ライブアイドルに永遠なんてない。明日があるだなんて誰が言った?

ワンマンが発表されたということは、その日までグループが延命された、ということに過ぎない。なんなら、ワンマン前に急遽解散と相成り、ワンマンを実施できないところだってある。その記憶を塗り替えるんだろう、みねちゃん?

 

前述通り、箱を埋めるのはほぼほぼ運営の仕事だ。

前方エリア7,000円、一般エリア4,000円。清々しいまでの正攻法。あくまで大上段に構えての一本勝負である。無謀な正攻法。
チケットは抽選申し込みが始まっている。

 

この先にさらに素晴らしい未来が待っているのかもしれないし、ひょっとしたらここで終わるのかもしれない。見えていない先の事などわからない。今はただ、見えている到達点に向けて、また1歩1歩積み重ねていく、命を燃やしながら輝きながら積み重ねていく、それだけだ。

明日があるなどと思わず、ただ一日を、燃やし尽くすようにして、全力で。そんな一日を必死に積み重ねていくだけだ。

メンバー…ちゃんとディーラーと呼ぼうか、ディーラーだって、運営だって、やること、やれることがごまんとあるだろう。それをすべてくまなくやりつくして、ベストを尽くして、そんな日々を夏まで積み重ねられたら、当日だってあとは行くのみだろう。

 

必死こいてやっていこう、そして月に手を伸ばしていこう、届かなくても。

必死になったもっちゃんを、ひとさいを、まずは夏まで見ていこう。そんな一回一回の真剣勝負を見ていけることを楽しみにしている。

まだまだ楽しいことばかりが待っているのだ。

 

この曲は、ずっとアイドルになりたかったけれど一歩を踏み出せなかったみーあん、所属していたアイドルグループがコロナの影響でLIVEが出来ないまま終わってしまったみねちゃん、アイドルのオーディションを受けるが自分の納得できる結果が出せなかったさあや、所属していたグループでうまくいかず脱退してしまったれい、恋愛リアリティー番組に出演したもののその先の道に悩んでいたともか。 そんな私達ひとさいがこのままじゃ終われない。もう一度人生をRe:Startする事を決心する歌です。」

(1つ足りない賽は投げられた「Re:Start」MV YouTubeにて掲載された説明より)