気がついたら4月になっていた。月日が過ぎゆくのは年々、毎年ロケットでも1本ずつ増やしているかの如く、おそろしく早くなる。

そして、元ASTROMATEのまひろ―朝比奈真尋が望月さあやに先んじて、アイドルとして、産声を、或いは復活の狼煙を上げた。

元AKB48の佐藤栞とやらがプレイングマネージャーを務めるという、刹那的アナスタシア、なるところのオープニングメンバーになるのだと。

元チーム8などと言われても、僕のAKBはもう10年くらい更新されてない、だからわからない、いかほどのプロジェクトかもわからない。ただ、まひろ、もとい、真尋が今度は幸福と踊れればよいと思う。

彼女と話をすることは僕の不徳の致すところもあり、きっとないだろうが、一度くらいはステージを見てみたいと思っている。彼女ほどの怜悧な美人、美しく壇上で舞うことのできる人は、もう少し相応の光を浴びるべきなのだ。

 

サコプロオーディションは二次審査が終了した。実技審査のポイントを含めた最終結果の発表はまだだが、望月さあやの属するAチームは1位通過をほぼ逃した。

案の定、配信で各チームが稼いだポイント数は、実技審査で支給されるポイントでは問題にならないくらいの規模にまで膨れ上がり、配信で2位のAチームと1位チームの差は30万近く、この差も実技審査のポイントと比較すると、どう転んでも逆転はないだろう。

二次審査の内容、その中でも配信に対する疑問については前の2つの記事で散々に書いてきた。ここでは書かない。ただ、こういう課金次第でその人を押し上げられるルールの下で、望月さあやを押し上げられなかった以上、これは僕の甲斐性のなさであり、我が身を恥じる。

 

実技審査として、歌唱とダンスそれぞれ、チームごとに披露された。場所はミルキーウェイ。ステージにはもっちゃんの汗もたくさん染みついているだろう、思い出のありすぎる舞台だ。

切り替えの多すぎたカメラワーク、大した集中力もなく見た僕、正直、誰がどうというほどの感想はない。実技であれば当たり前ながら経験者が一日の長を見せていた気はする。もっとも、誰が経験者なのか、正確に把握しているわけでもないが。

とりあえず様子を見られるという以上のものではなかったが、レッスン過程に続けて実技も含め、進行具合を継続的に見せてもらえるのはやはり良い。

 

そして何人か気になる、この人欲しいな、というのもいた。

ひとまず、アイドルを作るのであれば、前も書いた気がするが、広瀬みのりは獲ってほしいなあ、のが第一の感想だ。もっとも、前回は単にかわいいと言っただけ、今回は実技審査でのパフォーマンスを見て、言っている。

経験者ばかり集めても、というのもあるが、パフォーマンスは重視する、でもあくまでアイドルである、そんなものを作る、というのであれば、彼女の経験に裏打ちされた、良いバランスのアイドルらしいパフォーマンスは、ほかの者と比べても現時点では出色の出来であった。

正直、伸びしろのあるなしというのはあの映像以外に普段、特に他チームに目をかけていない僕には全くわからない。だからどうしても審査での単純なパフォーマンスの良し悪しだけで判断してしまうのだが、それで言えば、今回集まった候補者の中では彼女を獲らない選択肢は僕には考えられない。

 

望月さあやは圧巻のパフォーマンスだったと言っていいと思う。

メンタルもフィジカルも、本人が審査の翌日にツイッターに掲載した手書きの長文で語っていた通り、充実の一途だったのだろう。元々パフォーマンス面では素晴らしいものがある人ではあったが、表情も立ち振る舞いもまさしく本人が語った通り、一点の曇りもなく堂々とした、そしてステージに立つ喜びの溢れた、歌とダンスの質も圧巻の出来であった。

のみならず、最後の各チームごとの代表者コメントも任され、そこでも笑顔で淀みなく語っていた。

まったく、いつからこんなにご立派になったのか。威風堂々という言葉が似合いすぎる。かつて同じステージに立っていたころからは一枚も二枚も皮が剥けた、もっちゃんがそこにいた。

 

一つは本人の弛まぬ鍛錬の賜物、もう一つはさこをはじめとしたサコプロの講師陣の指導がもっちゃんを的確に導いた、ということはあったろう。これも本人ツイッターにあった通りだ。その指導との相性もあるだろう。誰もがこの期間で順調に伸びたわけではあるまい。誰がどう、というのは僕にはわからないが。

さらに一つは、今回、もっちゃんがAチームにおいて、パフォーマンス面でリーダー的な立場、この世界での先輩として、指導者的なポジションを受け持っていたこともあったのだろうと思う。

 

Aチームは経験者が多かったらしいが、未経験者も当然おり、そして経験者の中でも望月さあやとnanaha(韓国にダンス武者修行に入った経験もあり、ダンスでは腕に覚えあり、という人らしい)が主に自主レッスンを主導していた。

前世では末っ子ポジションだったもっちゃん、本人の実生活でも、たとえば部活動などで先輩的立場、主導していった経験はたしかなかったはずである。

基本的に思い込んだら一本やり、集中力がある代わりに視野が狭くなりやすいもっちゃんにとって、自分に加え他者を気にかけ、引っ張り、チーム全体として作品を完成させていく、という経験は彼女自身の成長をまた促進させる結果になったのではないか、と思う。

別に指導者適性があるなどという話ではない。本人にも配信中にそんな話をしたら、指導者になりたいという願望はない、と否定していた。僕も彼女はあくまで指導者よりはプレイヤーだと思う。

 

ほんとうに一皮も二皮も剥けていた。

審査直前の配信でもその姿が既に覗いていた。練習でやったことが本番でできない、そんな生半可な練習はしていない、大丈夫、そういう自信に満ち溢れていた。そしてそれは有言実行されることとなった。

パフォーマンスに関しては元々プライドを持った人で、いつだって安心して見られる人ではあったが、ここまで自信を持ったもっちゃんは初めて見た気がする。

すべて本人が語った通りなのだが。引用。

「何度も殻を破る感覚があり、私はまだどこまでも行けると確信しました。(中略)昨日のステージは今の自分の、Aチームの出せる全力を出し切った自信があります。でもまだまだ強く、大きくなれる自信、確信もあります」

 

自信と確信という言葉が並ぶと、野球好きはすぐに松坂大輔氏のルーキーイヤーの、かのイチロー氏と初対戦で3三振を奪った後の台詞を思い出してしまう。

「自信が確信に変わりました」

野球のわからないもっちゃんはそんな話も知るわけもないだろうが。それでも、もっちゃんの自信が確信に変わったのだと思う。自分を信用できるようになった。きっと今のもっちゃんはむちゃくちゃに強い。無双状態に入ったとも言える。

そして審査でのあのパフォーマンス。正直、陣営がどれほど今後の伸びしろに重点を置いているかはわからず、それでこの高品質より未経験者の未来を獲るというのならそれはそれだが、あの出来の、そしてこれほどまでに心身充実したもっちゃんを獲らない選択肢などあるわけがないと思っている。押し上げてはあげられなかったが、当然に審査員に選ばれ、最終審査へ赴くだろうと思っている。

それほどまでに、実技審査での、そして今現在の望月さあやは良い。

願わくば、望月さあやと広瀬みのりで一つの土台を作り、そのうえで二人自身も、他のメンバーも縦横無尽に飛び回り輝くような、そんなものが出来ればいいなあと思う。それが僕が勝手に思う、現時点でのサコプロジェクトの未来予想図だ。

 

ライブを見たわけでも個別に話をしたわけでもなく、だからその人などわかるわけもないのだが、せっかくだから今回縁があってもっちゃんと同じチームになったAチームの方々にもちょっとだけ触れたい。敬称略。

 

・はづきまる

経験者らしい。のんびりまったりした空気をお持ちの方。前世で使っていたんだろうね、名乗りのポーズがしっかりしていて、配信にてアイテムを投げられた時の対応も実に安定感がある。

ここに来たということは前世を終えてもまだ燃え尽きられないもの、情念、怨念があったのだろうけれど、それがうかがい知れるところまでは僕は辿り着かなかったですね。

 

・玲衣

高校生くらいだと思ってました。もっちゃんと同い年。この人ものんびりまったり。優しい人なんだろうなと思う。

餃子を目をつむり、美味しそうに食べる姿が、僕の彼女に関する記憶のほとんどです。

 

・もか

最年少。なんかお嬢様って感じがしてます。女の子って感じも。姫って感じも。

 

・ゆうあ

美人女子大生。ほんと美人。軽音サークルでベース弾いてるって。そりゃあもうモテてしょうがないでしょう。

アイドル好きらしいけど、なんでしかもこんなスパルタンなサコプロに応募したんだろう、やっぱりそう思ってしまう人。

この人ものんびりまったり。いろいろな衣装着て、いろいろ(妙な)企画もして、そんなに覗かせないけどサービス精神はある人なのかもしれない。

 

・ひまわり

配信審査に、さこが言う通り(そんなのは表向きの理由だとしても)の効用、「応援してもらう経験」の効果があるのなら(実際多かれ少なかれ、みんな実弾を注がれたことの効果は確かにあったと思う)、一番きっとその効用を享受したであろう人。

配信の怪物(そんなおどろおどろしいものではないけれど)。天才的な早口とコメント処理能力で駆け上がったポイントゲッター。

ダンスも歌も、そもそも壇上に立つということに対しずぶの素人ではあったが、ほかの人と比べて素晴らしかったかはまあとにかく、この短期間でここまでできるようになるか、と驚嘆しておりました。

 

醸し出す雰囲気、気さくさ、表情、どれをとっても、個人的にはアイドルになって鍛えられていく姿を見たいなと思う人だし、ここまで配信配信で来て、その中で獲得したポイントも実際の成長具合も実績として出せている彼女、サコプロオーディションがこの形であるがゆえに獲ってほしいなと思う人。

 

・nanaha

姉さん。しっかり者かつネジが外れたところのある美人さん。

この人を知ったのは、もっちゃんと同じチームになる前。

 

一次審査を終えて、伝えたいこと

 

こちらのnoteを見た。

今回の候補者は大なり小なり、さこのアドバルーンが響いてサコプロを受けました、という子は多いのだが、その中でも、この経歴を持つ人にさこの言葉がここまで突き刺さるか、と驚き、嬉しくなったことを覚えている。

そして今回、もっちゃんと同じチームになり、2人でAのパフォーマンスを引っ張っていった。やはりその経歴通り、ダンスの腕については間違いのない人だと思う。もっちゃんにもきっと、小さくない刺激を与えていたことだろう。この人、出来る、と。

輝く舞台がアイドルかどうかはわからない。でもどこかのステージでは踊っていてほしい、ダンスで飯を食ってほしい人。

 

正直、人によって薄すぎたりなんやりするが、元来配信を見るのも複数の人を気にかけるのも苦手だから許してほしい。

まあ、二次審査の振り返りはこんなところだ。何度も言うが、望月さあやが最終審査に進出することは願うまでもない、確信している。