51年9ヶ月と4日は続かなくても、まあそれなりにまだまだ続くんだろう。しかしそんなに続かれたら困る。

愛でもなんでももはやなく、ただ、この特異な時期の記録をば、と。

 

前回記事で明日行うと書いていた、ASTROMATEさんのライブはあえなく中止となった。

最後にライブが行われたのが3月25日、あすとろさんの主催対バンシリーズ、ラストの日。かの東京都知事の会見の日でもある。ネットで散々おもちゃにされている「3つの密」なる単語も初出はこの日だったか。本当にそうだったかは覚えていない。

 

この日を最後に当分、ライブが行われることはないのだろうなあというのは思っていた。まあここまで、いつ再開できるか、そもそも再開できるのかわかりゃしない、というような状況になるとも思っていなかったが。

だからこそ、この日は撮影可能(ただしスマホのみ)だったが、そんなことをしなくてライブに集中していてよかったなあと思っている。勿論個人的な感想だ。

 

今でこそカメラを趣味の一つとしている僕だが、そもそもライブを撮影するという行為は好きじゃないのだ。

否。一眼を手に入れてからは、ライブを撮影することは嫌いじゃない。弘法は筆を選ばずらしいが、僕は一眼でライブを撮影するということは嫌いじゃなくても、スマホで撮るという気には到底なれない。単にへたくそだからでもあるのだが。

それがゆえ、従前行っているような形でライブに没頭し、特典会も比較的ペースを上げて回っていた。あすとろさんのライブをちゃんと味わおうとした、新曲の時はどうせ没頭できないのもわかっていたし、撮影できる初めての機会、その成果物にをたくの声を入れてもなあ、となって、ぼーっとしていたが。

結果的に、それなりに満足した。望月さんにも、当分会えないだろうねえ、なんて話をしたような。コロナですけれどファイトー、なんて動画も撮ったような。

本人はどのくらいそんな思いがあったのだろう。3月30日はその日の夕方に中止がアナウンスされたのだが、それまでは「マジかよ」と思いながら準備をしていたのであろうか。

 

そうして、ライブのない世界に突入した。

地下アイドルからフィジカルなライブ(と特典会)を取ったら何が残るのか。

どこだってウェブ上でできる何かを探し始めた。無観客でのライブを行うところは行っている。ウェブ上でその様子を中継する。

 

あとは特典会だ。古典的なところでは電話から始まり、元々どこかはやっていたような、サインの様子をネットで中継してのサイン会、電子チェキサインとでもいうようなサービスや、テレビ電話。

鼻の利く業者は急ごしらえでプラットフォームを整備した。世のテレワークがいろいろお粗末なように、途中でプツンプツンと切れる、そもそもつながらないなど、被害報告も様々なのだが、それこそ世間様と一緒、みんな見切り発車もいいところ、とにかく急なお話なのだから、多少の不具合は目をつむるというか、しかしそんな消費者側が優しくなる必要もあるのか、とにもかくにも業者も事務所もアイドルも客も、いっぱいいっぱい、まあもういっぱいいっぱいながら、互いに必死に既得権益を守ろうと、なんとかこの急場をしのごうと日々、しているわけである。

いや、だってさ、このようなサービス、すでに現場でアイドルとをたくとして向き合っている人たちが、それを奪われたからということであくまでその代わりにあるだけだからさ、ここで新規開拓ってのはありゃしないんだよね。なんとか現状のパイですこしでもをたくにサービスして繋ぎ止めつつ、すこしでも稼いで糊口をしのごうとする、涙ぐましいお話なんですね。

アイドルさん、食っていけているのかね。そうでもないだろな。ぽろぽろと倒産する業者が出ているように、閉店するライブハウスが出ているように、卒業してしまうアイドルさんってのも見かけるものね。

 

われらがあすとろさんは「OnlyFive」なるサービスに参加している。電子チェキサービスの1つだ。

 

Only Five

 

アイドルさんが写真を売りに出す。ヲタクがそれを買う。そうすると、宿題チェキよろしく、ヲタクに向けてのメッセージを書き込み、ヲタクに届ける。ただし電子データだ。

そして、このサービスの神髄は、1枚の写真につき購入できる人が先着5名だということである。これがとにかく射幸心をあおる。アイドルにより、写真を売りに出すタイミングを予告する者、全くせず唐突に販売開始する(開始した時点でメール通知してくれる仕組みはある)者、そのハイブリッド、まあいろいろパターンはあるのだが、どうにしろ販売開始したらよーいどん、買えたものは優越感を、買えなかったものは悔恨とともに一夜を過ごすわけである。

1日に1人が出せる写真の上限も3枚までと決まっている。つまり、どんなに多くても1日につき最大15人しかその子の写真を買えないわけである。

 

もちろんそのアイドルによっても競争率は様々。正直こちらからすれば、販売開始時間ピッタリに緊張してそのサイトに行き、気ぜわしく購入作業をする、なんてことではなく、せいぜいその告知メールが来てから数十分経ってもなんとか買える、くらいのほうがありがたいのだが、そうもいかない…なんてのはまだいいほうで、通信環境や購入に使用するスマホ・PCの性能差で云々、などという一種アスリート的な話も聞くからおそろしい。

アイドルさんもいろいろ工夫しており、中には未購入者限定、今まで通算購入数が○枚未満の方限定、などといって販売する子もいるらしい(サイトにそういう制限機能はない)。

 

5枚のみ、というのがそのサービスの提供企業にとって一番利益を得られるラインなのかどうか。どうして5枚になったのか。そんなことは知る由もない。

ちなみにそのサイト、当然急ごしらえと思われるが、とにかくシンプルである。普通はこのサイトに行けば、誰が参加しているかを見られるものだが、そのようなページが一切ない。あるのは検索欄だけである。参加している者の名前を知らなければそもそもその販売ページまでたどり着けない。もちろんこのサービスを利用する客からすれば、これで必要十分なのであろうが。

 

僕はこのサービスで今のところ、5名の写真を買った。あすとろさんから望月さあや、早崎友理、佐藤はんな。あと、とある縁でごくまれに特典会に行くこともある、瀬戸そらら(あそびダンジョン)、さらに元アイドル組から突然参戦した大西真帆(ex.フルーティー、Nicedice)。

 

写真を出す頻度も人によりけりなのだが、もちづきさんはほぼ毎日出してくる。1枚2,000円(この金額も人によりけりのようである)。ひとまず、毎日買うと決めた(馬鹿)。

最初から数日でクオリティがぐっとあがった。あとでサイトの説明をよく見たら、購入して成果物としてもらえる写真の例はもちづきさんの最初期程度の書き込みだったから、そりゃあ本人もそのくらいでよかろうと思うだろう。今はしっかりデコレーションしたうえで、2~300字程度のコメントを書いてくれる。お疲れ様である。

一人のをたくに対して書くようなこともそんなにあるわけもなくて、だから毎日書くのも大変だよなとは思う。逆の立場であればめまいがする。元々僕に彼女がそんなに興味もあるわけもないのだ。初めのころは「コロナで大変そうだけれど」とこっちを気遣うようなことを書いていたが、何度も書くような話でもない。

付き合わせてしまっているなあ、あはは。

 

今は毎日ではないが、お題を出し、それに答えてもらっている。簡単なQ&A集として使用している。

心を打つ答えもあり、ハッとすることもあり、あ、こういう答えですか…と拍子抜けることもある。総じて、今まで僕の中で築き上げてきた「望月さあや」のイメージを裏切るものではない。むしろ、ああ、こいつ、やっぱりくそ真面目やなあ、真面目が服着て歩いてる奴やなあ、なんでそんなに品行方正でいられるねん、そう思うことしきりである。

見ている限りはこの期間の生活も、しっかり朝に起きて、まず尊敬してやまない槙田先生直伝のストレッチ、筋トレを行い、それから1日に2度TikTokを投稿し、ほぼ1日に1通ここだけメールを送り、ほぼ最低1枚OnlyFiveに写真を投稿する。もちろんその翌日中には最低5枚、デコレーションとコメントを仕上げて客に発送する。歌はさすがに自宅であんまり練習できなくても、ダンスは練習しているようだ。家の中では普通に踊るように踊れないから変なところを痛めて大変だ、と。このGWに昼寝と昼からの飲酒を欠かさないようになってしまった僕としては、まったく尊敬の域である。

そして自尊心とエゴはないよなあと思う。このあたりを適度に持ってほしい、というのもこの期間のQ&Aを行う前から思っていたことだけれど、まあこの段になって一朝一夕で変わるものでもあるまい。

 

をたく生活の最後にこういう人を推しとして手に入れたかあ、そういう思いはますます高まっていく。最後を飾るにふさわしい人である。

本当に最後かなんてわかったもんじゃないが。そもそもこのコロナ後に地下アイドルが存在するのかもわからないが。

 

すっかり販売開始から1分もたたず完売するようになったから、そろそろ購入ペースを落としてもよいかなあというのは思う。1日1枚くらいいいじゃないかとも思う。

 

早崎さんは水を得た魚だ。デコレーションの質が違う。ばちっとデザイン決めて放り込んでくる。探偵風の格好をした写真には、某探偵コナンよろしく題字と、週刊誌風の見出しまでつけてきた。その一方で、文字で埋め尽くすというテーマの時は、1枚の写真に700字程度、小さな整った文字でびっしりと書いてあった。内容はなかなかにシリアスだった。ネットの海に放るようなものではない。

ひとえに才能だと思う。

 

はんなはお世辞にも綺麗とは言えない字で、シンプルに写真を埋め尽くす。上記早崎さんよりはだいぶ大きな字だ。内容も素朴でまっすぐ、なんともまさしく佐藤はんならしくて良いなあと思う。「今日のばんごはんはおなべらしいです。今日あついのに!!」

瀬戸さんは他のグループはどんなもんじゃろけと思い1枚買っただけだ。かわいらしいデコレーションにしっかりした文章、内容は押さえるべきツボを押さえ、まあ予想した通りの実にしっかりしたものだった。大西さんは出したから買ったというだけである。

 

やたらOnlyFiveだけ語ってしまった。

その他にも佐野友里子(愛乙女☆DOLL)と電話をした。3k、1.5分、サインチェキ付き(トライアル価格だったようで、その後本施行されたときは時間が長くなり価格が安くなり、チェキはなくなっていた)。販売していた時は何分かも書いていなかった、あるいは僕が見逃していただけかもしれない。

(ところでこれ、時間どのくらいなの?)

「1分半。…もう過ぎてるんだー、あはは」

郵便でやってきたサインチェキは、僕にとって4月唯一のものだった。

「ずっと友里子推し♡笑」

そりゃ笑ってしまうだろう。いまだに一度も一番に推したことがないのだ。初めて見て、握手などしてから、もう10年程度経っているというのに。

 

特典会のほかにも、まあとにかくアイドルが無料放送を行う。インスタグラムでのライブが代表的か。あとはちょいと懐かしいツイキャスとか。

インスタライブはアイドルも元アイドルもこぞって放送を行うものだから、被る被る。

僕はそんなにたくさんの人の放送を見ていたわけではないが、1週間もの間毎日誰かの配信を見ていた、という週もあった。現役勢でなくてもやるのよな。元サンミニ勢、その中でも芸能すら辞めているはずの喜多陽子もやっていた。片山陽加は田名部生来と酒呑みライブをやっていた。

槙田紗子なんて、長年やっているインタビュー企画「マキタジャーナル」の公開イベント(相手は映画監督の枝優花氏)をインスタライブでやっていた。地下アイドルというかレーベルと制作会社の社長というかの里咲りさと組んで、オンラインでの振付公開なんてのもやっていた。ある曲にオンラインで振りをつけていき、つまりつけられる側のさとさきしゃちょーと放送を見ているをたくが一緒に振りを覚えていくわけである。

単に楽しかったし、いろいろ考えるものだなあと思ったし、彼女のような普段から現代に適応したような稼ぎ方をしている人はこういう局面でも柔軟な発想ができるよなあ、と感心したものである。

 

そうやって、僕が10年以上の現場をたく生活の中で推してきた人が、突然かわるがわる僕の眼前に、リアルな接触、観覧はできない、オンラインのみでやり取りできる、というイコール条件で現れるようになり、それはそれでとても良いなんて言わない、いつも通りふるまえるのが良いのだが、それにしてもこのコロナの季節というのは奇妙だが味わい深いものだなあと思う次第である。

 

をたくはそのようにただ感心していればいい。をたくはをたくでリアルの世界で十分にコロナの煽りは受けているのだ。

それはそれとして、アイドルは一体この先どう生き残っていくのであろうか。まずはどう金を稼ぐのか。配信も投げ銭にするのか。無観客ライブも同様。あらゆる種類のウェブ特典会はガンガン強化していくのだろう。そのうちクラウドファンディングでもやりだすのか。もうやっているところもある。

そもそも客の前で歌って踊るのが生きがいだった(そうではない人もたくさんいようが)アイドルさん、この先やっていけるのだろうか。どうこの日々を生き残っていくのだろうか。

 

アイドルさんはをたくから奪わないと生きていけない。僕の出費を見るとそれでも減っているようにも思うが、これまでが使いすぎだったのだろう。

世の皆様と同じように、やたら食に金を使ってしまい、たとえば北海道のスープカリーや京都のソーセージとビールを取り寄せたり、その他クラフトビールをたくさん買ってみたり、煮豚を作ったりしている。そうやってコロナの時代を生きている。

はやいところ日本がコロナを諦めれば、元の生活も戻ってこようが。

 

あすとろさんは明後日、6日、sora tob sakana擁するzizooの無観客対バンライブに呼んでもらい、1か月以上ぶりのライブを行う。

画面越しに彼女たちの歌、踊りを見て、僕はどう思うのだろうね。そもそも自分が存分にコールして臨む現場のライブ映像を見ることほど好まないものもないのだが、そういう場合ではないものね。

だからと言って自分の部屋でコールしているものでもないだろうし。

 

チケットはこちら。

【ライブ配信】IDOL Pop'n Party

→メンバー体調不良のため出演キャンセルとの由。次はいつになるのやら。

出演キャンセル、あすとろさんだけじゃないのね。

 

実にだらだらと書いた。時間はいくらでもあるのだ。駄文を記す時間も。