昨年末のことですが、同僚が自主退職しました。

周りではこのご時世にもったいないとか、職場で大変だっただろうねとの声が聞かれました。

たしかにこの100年に1度の未曾有の経済不況といわれているときに、世の中的にはお気楽公務員天国から自主的に辞するのはたしかにもったいないとヒトは言うでしょう。

人づてに聞いた話では、彼は起業すると(まったく畑違いのものらしいですが)。

そして、そうしたもったいないとの声には今だからこそやるのだと。その今というのは、こういったご時世だからむしろチャレンジするチャンスということと彼自身まだまだ人生をリセットするには若いということのニュアンスがあるようでした。


ワタシ自身も彼は書記官として有能だと思っていましたので、職員としてもったいないなと思いました。裁判所として損失だなと。

ですが、公務員が辞めたらタダのヒトなのか。民間ではまったく端にも棒にもかからないのかと問われると?です。もったいないとヒトから言われるものなのか。


ぬるま湯的な風土があることはたしかです。しかも行政官庁の職員とは違い、飛び出してみて適応しそうな職種はごく限られたもののように思えます。

ですが、我々職員全員が9時5時のお気楽スチャラカ公務員なわけでなく、国民、裁判所のことを思い、日夜激務に耐えて働いているヒトは多くいて、相当程度能力が高いヒトは多くいらっしゃいます。

ただ、能力が高いと言ってもそれはその公務員の中での高さであって、民間に出てみたら並どころか使えないのかもしれない・・・

自分自身、今辞めたとしたらはたしてやっていけるのだろうか。

そんな疑念を持っていた矢先、ふと目に付いた本がこれ。

公務員、辞めたらどうする? (PHP新書)/山本 直治
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実際、自らもキャリアであった著者が公務員の転職事例を紹介していますが、華々しい未来が開けてるといった転職、転身を煽ものではなく、むしろ反対に本当に厳しい現状を伝えつつ、公務員から本気で転進を考えているヒトに対してエールを送っています。公務員を一生続けていこうというヒトにも将来を見据え、現況を見直すいい機会になると思います。