裁判員制度が適用される事件の処理をめぐって,東京と大阪では別方式で行うようだ。


裁判員制度、東西で別方式に 大阪は一部集中に (asahi.com 2006年11月05日09時22分)


といっても,裁判の中身そのものではなく,事件をどのように各裁判体に分配するかの問題で,東京地裁はすべての刑事裁判部がほぼ均等に裁判員裁判を行うのに対して,大阪地裁では特定の裁判部に集中させるようだ。


「部」というのは裁判を担当する最小単位と考えてもらえばよかろう(本来は語弊のあるいい方なのだが,一般の方はそのように理解されたほうがイメージが持ちやすい。)。


概ね,一つの「部」には合議体が組める3名の裁判官が所属し,これに書記官,事務官らが複数名所属することになる。


一部の部に集中方式だと,すべての法廷を改修しなくて済む(当然,今までの法廷では裁判員のための椅子はないわけだし,法壇に9名の椅子を載せられるだけのスペースはないわけ。)一方,平等に事件を分配すれば多くの裁判官が裁判員裁判の経験を積めるメリットがある。


ちなみに「部」がいくつもあるというのは都市部だけの話であって,多くの地方裁判所には1ヶ部しかないので,都市部だけの贅沢な悩みなのだ。



裁判員になる一般の方にはなんの関係もないし,話が見えないと思います,はい。



けれども,中で働く職員としては,同じ刑事部に所属していながら,裁判員制度にタッチしていない人間が出てきて,各職員間に職務の質,量の差が出てくるんでしょう。



今度の話は事務分配上の話ですが,当事者の人からよく聞く話,同じ手続を踏むにも各裁判所によって手順がまちまちだったり,申立書等々の書面の雛形が違ったりと,裁判所って同じ組織なのに一枚岩ではないなと。


だだっ広い組織なんで,なかなか「統一」ってできないんですねえ。


縦割りって言ってしまえばそれまでですけど。