夢のマイホーム。

庭付き一戸建てや高層タワーマンションとチラシがいろいろと入ってくるけれど,遠い先の話のようだとあきらめ顔の人はいませんか。

そんな時,ひょんなことから耳にした裁判所で不動産をやすーく売っているらしいって話。
そんな上手い話があるはずがと思って,試しに裁判所の競売情報って名うった新聞広告を見てみると


なぬ?いくらなんでも安すぎるんじゃ??


って物件があるワ,あるワ。

これにはちょっとした仕掛け?!があるんですな。

で,興味を持たれた人にちょっとしたアドバイス。

いわゆる競売物件とは,借金のカタに抵当権などの担保権や金払えっていう判決書に基づいて,裁判所が不動産を差し押さえて一般人の公募により売っぱらうというもの。

なので,現所有者にとっては自分の意思に反して売られてしまうので,ひと昔は,せっかく買っても立ち退いてもらうのに,さらにお金と時間がかかり,かなりリスキーなものだというイメージがありました。

また,このブログで書かれているように,

http://blogs.dion.ne.jp/dubrock/archives/709676.html

>>それでもあまり万人が「競売物件に入札できない」理由として、「一般的な住宅購入の際利用する”住宅ローン”が事実上使えない」コトがあるだろう。
これは落札してから支払いまでの日数が、銀行の融資実行よりも早いからで、結局、「現金もってなければ競売物件すら買えない」となるのだ。


補足:
なぜ住宅ローンが事実上使えなかったのかというと,競売物件の代金を納めてもらうと,裁判所側で登記所(法務局のことね)に対して不動産の持ち主が代わりましたよ(所有権移転といいます)と通知するのです(不動産というのは,登記所で登記簿という帳簿で管理されていると先日書きました。その帳簿を書き直してくださいと連絡すると思ってください)が,これは所有者が変わったという連絡をするだけ。
銀行から融資を受ける場合には,買った物件に抵当権などの担保権をつけることが前提とされますが(これも登記簿に登載されます),以前は,裁判所の登記所に対する連絡が行ったことを確認した後に,抵当権をつけることを登記所に改めて申請しなければならず,銀行としては安心して融資できなかったのです。抵当権というのは登録した順番によって,もしもお金が返されなかったときにその物件を売ったお金が支払われるというもので,銀行としては最優先でつけてもらいたい(抵当権の第1順位といいますが)のです。通常,不動産を買った場合には,所有権の移転と抵当権の設定とを同時に行われれます。


という問題があって,個人の人が参加するには敷居の高いものでした。

が,前者は競売物件を買った後(代金を裁判所に納めてもらいます),原則半年間は引渡命令という簡易な手続きによって強制退去を求められたり,後者は銀行との協同の申出をすることにより,買い受けた後,すぐに抵当権の登記を行えるということで,銀行側からも安心して融資を受けられるようになったので,解決されました。

ところで,前出ブログで

>>あした裁判所に行って物件あさってこようかと思います。(と思ったらネットで情報とれるんですね。素晴らしい世の中です。裁判所もコレで応札者が一人でも増えればメッケモノですからね

応札者(買受人といいます)がいようがいまいが,裁判所としてはメッケモンということはありません。裁判所は,債権者の申立てに基づいて競売物件を取り扱っているので,買受人がいて,また,高い値段で買い受けてくれるといったことは債権者の利益です。
ただ,事件として受けた以上,なんらかの処理をしなければならないので物件が売れることにこしたことはありませんがね。

つづく

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