
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business scho.../W・チャン・キム

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ぼくの評価






(まさに究極の差別化を生み出すための経営理論。あらゆる価値にイノベーションを)
まずはじめに、
そもそも「ブルーオーシャン戦略」とはなんなのか?
というところから話を進めていきたいと思います。
ブルーオーシャン戦略を簡単にかつわかりやすく説明しているところはないかといろいろ探してみたところ、Wikipediaが最適なようなので以下抜粋させていただきました。
-ブルーオーシャン戦略とは- Wikipediaより抜粋
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。そのためには、顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」「取り除く」ことによって、企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だとしている。そのための具体的な分析ツールとして、「戦略キャンバス」などを提示している。
従来からよく知られているマイケル・ポーターの競争戦略が、「事業が成功するためには低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略のいずれかを選択する必要がある」としているのに対し、ブルー・オーシャン戦略では、低コストと顧客にとっての高付加価値は両立し得ると主張している。
本書を読むまでは意味くらいしか知らなかったのですが、
どうしても自分の中で夢物語のような印象が強く
本当にブルーオーシャンに漕ぎ出すことなど、自分が経営者だったらできるだろうかと
勝手にシュミレーションしては不安に感じていました

が、
実際読み進めてみるとその不安を取り除き、基礎知識を裏付ける理論がこれでもかと展開され、
読んでいてとても気持ちがいいですし
なにより納得させられたのです。
根底にある部分として
レッドオーシャンからブルーオーシャンへ漕ぎ出す=新しい価値を創造する=バリューイノベーション
に尽きると思います。
有形・無形に関わらずあらゆるモノには需供バランスに基づいた価格(価値)が存在します。
そしてさらにその価格には消費者がイメージする価格帯が存在します。
わかりやすく最近の商品を例に例えると、
990円ジーンズ
が、挙げられると思います。
ユニクロが展開した990円ジーンズは
我々が常識として抱いていた、ジーンズの常識を根底から覆すような価格に設定されています。
我々消費者は必ず商品ごとにイメージしている価格帯があります。
ジーンズで例えれば、
「安くても5000円
高くても20000円
で、買えるだろう」
(ウン百万円するヴィンテージジーンズもありますが、まずは置いといて
)※想定する価格帯には個人差があります。
などというようにイメージする価格帯の幅が存在します。
休みの日にジーンズを購入しようと街に出かける場合は、誰しもこういったイメージする価格帯から予算を設定し、銀行からお金を下ろしたりと知らず知らずのうちに計画し、行動していることが大半だと思います。
しかし、
ブルーオーシャンに漕ぎ出すことに成功した商品=990円ジーンズetc...
は、その価格破壊(バリューイノベーション)を起こすために初期段階でまずは価格設定から、
アプローチする印象があります。
バリューイノベーションを起こすためには、
現在の仕入相場から売価を決定するのではなく、
どのくらいの価格なら顧客を創造できるかに焦点を置いているといえます。
そこで、本書に記載されている企業や商品をひろってみました

事例1 シルク・ドゥ・ソレイユ
事例2 カセラ・ワインズ イエロー・テイル
事例3 サウスウエスト航空 LCC ローコストキャリア
事例4 タタグループ ナノ
事例5 ネットジェッツ 航空会社のちにバークシャー・ハザウェイに買収される
事例6 ドコモ iモード
事例7 ホームデポ DIY
事例8 インテュイット 資産管理ソフトウェア クイッケン
事例9 カーブス テキサスを本拠とする女性専用フィットネスクラブ
事例10 ラルフローレン
事例11 トヨタ レクサス
事例12 ソニー ウォークマン
事例13 チャンピオン・エンタープライゼズ プレハブ建築と通常建築の融合 ミシガン州本拠
事例14 ノボノルディスクファーマ デンマークの製薬会社 インスリンでブルーオーシャンを創造
事例15 ブルームバーグ ビジネス情報提供会社
事例16 キャノン
事例17 SAP
事例18 NABI ハンガリーのバス製造会社
事例19 フィリップス・エレクトロニクス ヤカンでブルーオーシャン
事例20 ボーダーズ
事例21 バーンズ・アンド・ノーブル(B&N)
事例22 ダイソン
事例23 アストラゼネカの運営するサリック癌センター
事例24 スウォッチ 腕時計会社
事例25 ザ・ボディショップ 化粧品会社
事例26 QBハウス 理容チェーン
事例27 セメックス セメント生産業者 メキシコ本拠
事例28 ファイザー バイアグラ
事例29 スターバックス
事例30 ダイレクト・ライン・グループ イギリスの保険会社
事例31 ウ゛ァンガードグループ インデックス・ファンド投資会社
事例32 チャールズ・シュワブ証券会社
事例33 アップル ipod
事例34 シスコシステムズ ネットワーク機器 インターネット上の全トラフィックの実に80%以上がシスコ製品
事例35 CNN ニュース
事例36 HBO セックス・アンド・ザ・シティ
事例37 サムスン電子
事例38 キャロウェイゴルフ ゴルフクラブ製造
事例39 プレタマンジェ ファストフード・チェーン
事例40 ジーセードゥコー フランスの屋外広告メディア会社
事例41 フィリップス・エレクトロニクス CD-i
事例42 フォード・モーター T型フォード
事例43 デュポン 高機能繊維
事例44 ウォルマート
事例45 ブロックバスター レンタルビデオ
事例46 モンサント 遺伝子組換え食品メーカー
事例47 ニューヨーク市警察
事例48 キネポリス ブリュッセルにあるシネマコンプレックス
以上です。
馴染みのある会社や商品も多く含まれていることと思います。
では、最後にブルーオーシャン戦略のポイントをまとめてみたいと思います。
・ブルーオーシャン戦略とは価格を下げつつも商品価値を増大させる革新である。
・ブルーオーシャンはいずれ必ずレッドオーシャンへと染まる。
・潜在的に存在する市場規模によってブルーオーシャンがレッドオーシャンへと染まるスピードは違う。
・ブルーオーシャンを創造するとそこへ参入する企業が必ず現れ、澄みきったブルーオーシャンを永久に持続することは非常に困難である。
・ブルーオーシャンが創造されるとこぞってメディアが取り上げ、広告費よりもメディアによる宣伝効果が上回り、やがてティッピングポイントを迎え、強力なバイラルが起こる。
・市場の平均的な価格から脱皮し中心から程遠い価格から逆算して製品を作ることにバリューイノベーションの原点がある。

