昔、僕に忠告してくれた人が居る。


男も20代までだから、

しっかり生きろ、と。


僕は、その人に謝りたい。

『そんなに変わらないでしょ』

そう言ってしまったから。




明らかに、ナメていた。


意味を取り違えていた。





これが失くなってもあれがあるから。

次に行くから。

あっちのほうがいいから。

要らないから。

とどまる必要はないから。

どうせ必要とされてないから。


また与えてもらえる。



また。




『与えてくれる』





そうして、全部、自分で壊してきた。



仲間。出会い。トモダチ。環境。



でもそれは、


自分を壊していた。




何かを。


何かを、


僕が、


与える存在でなければいけなかった。



些細なことでも、


感動や、

楽しさや、

嬉しさを…。


人の役に立つことを…。



僕は、何もできなかった。



そんな僕に、


手を差し延べてくれる人も居たのに、


逆に傷つけたりもした。





30を過ぎ、

一気に反動がきた。


何も与えて来なかった者への、

当然の仕打ちとして。


何も残して来なかった者には、

何も残らない。


命だけが、ただ虚しく、

そこにあるだけ。





これから、僕は、


誰かに何かを与えられるだろうか。


何かを残せるだろうか。




これでも、まだ、



生きていたいから。