健康情報361  岡田正彦著 リポート 岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診 | NPO法人生涯青春の会

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2020年10月22日 健康情報361  岡田正彦著 リポート

岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
 

世界一の医療被ばく大国・日本に住むすべての人に知ってほしい重要な情報
皆さん、できるだけ多くの人に広めて下さい。早期発見・早期治療で寿命は延びない。それどころか、CTなどの検査にはこんなに害がある

・3人に1人ががんで死亡する時代。恐怖に駆られ、多くの人が検診へ急ぐ。だがその検査に、治療に、寿命を左右しかねないほどのリスクを伴うと知ったら—あなたはそれでもがん検診を受けますか。

●肺がん検診で肺がんになる

・ここ数年、「がんの見落とし」に関する裁判が急増しています。患者側は「どうしてくれるんだ!」と激怒して病院を訴えますが、私は、見落とされてかえって良かったかもしれないと思うんです。へたに発見されて激しい治療を受けていたら、もっと苦しい思いをして、寿命を縮めてしまう可能性があるからです。

・私は過去20年にわたって、世界中で発表された検診の結果に関する論文を読んできました。睡眠時間、体重、生活習慣、過去に受けた医療行為など、あらゆる条件を考慮した上で、がん検診を受けた人と受けない人が十数年後にどうなっているか、追跡調査した結果にもとづく論文などです。

・その中で最も衝撃的だったのが、20年以上前にチェコスロバキアで行われた肺がん検診の追跡調査です。そこでは、検診を定期的に受けていたグループは、受けなかったグループより肺がんの死亡率が圧倒的に多く、それ以外の病気による死亡率も明らかに多いという驚愕の結論が出ているのです。

・その後、欧米各国でより精密な追跡調査が行われてきましたが、その多くが同様の結果でした。つまり、「検診を受けようが受けまいが、寿命が延びることはない」のです。

・肺がんだけでなく、他のがん検診やその他の検診でも、同傾向の結果が出ています。肺がんの検診を受けると、なぜ死亡率が高くなるのか。理由の一つはエックス線検査にあります。

・イギリスの研究チームが、医療用エックス線検査で起こったと考えられるがんを調べたデータがあります。その研究では、日本人のすべてのがんのうち、3.2~4.4%はエックス線検査が原因だと結論づけています。

 新潟大学医学部教授の岡田正彦氏(65歳)は予防医学の第一人者で、現代医療の無駄の多さ、過剰さに疑問を呈し、健康のために真に必要なものは何なのか、独自に調査・研究を進めてきた。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/31785