2019年11月29日 健康情報112 高血圧・糖尿病が「認知症」を加速させる
高血圧・糖尿病が「認知症」を加速させる 女性の腎臓病はリスクが高い
認知症の前段階とされる「軽度認知障害」(MCI)から認知症に進行するのを防ぐには、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの改善が重要で、その効果は女性で顕著であることが、東京大学の研究チームの調査で明らかになった。
「軽度認知障害」(MCI)は、認知症と正常の中間にある状態。物忘れが主な症状で、日常生活への影響は少ないが、認知症に進行しやすいので注意が必要だ。軽度認知障害をもつ人が高血圧や糖尿病を併発していると、認知症を発症する危険性が高まることが過去の研究でも明らかになっている。
「J-ADNI」研究は、2008年より日本で開始されている大規模研究。認知機能が正常な高齢者、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症と認知機能の低下が進行していく過程を経時的に追跡し、どのような人で認知機能の低下が進行しやすいかを調べている。データはバイオサイエンスデータベースセンターで公開されている。
研究チームは今回の研究で、J-ADNI研究に参加した全国38施設の537人を対象に、認知機能や採血データ、脳画像データなどが最長で3年間、追跡調査した。
234人の"ものわすれ"を主体とする「軽度認知障害」の人の認知機能を調査し、認知機能の低下に関与する要素をさまざまな角度から検討した結果、性差、教育歴がその進行に影響をもつことを突き止めた。
解析したところ、軽度認知障害の女性の認知機能は、男性に比べて速く悪化することが分かった。教育年数の長い男性の被験者では悪化は緩徐だった
高血圧・糖尿病が「認知症」を加速させる 女性の腎臓病はリスクが高い
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