世界銀行総裁:食料価格高騰に強い懸念 | NPO法人生涯青春の会

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 【ワシントン斉藤信宏】世界銀行のゼーリック総裁は15日、今週末にパリで開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に電話で記者会見し「世界的な食料価格高騰が危険な水準に達し、貧困層に痛みや苦しみを与えている」と強い懸念を示した。チュニジアやエジプトなど中東で広がる政情不安について「食料価格高騰が混乱を深刻化させる一因になったことは明らかだ」とも指摘した。


 その上で、食料価格高騰が続けば「中央アジア諸国も(中東と)同様の事態に陥る可能性がある」と警告。「食料問題は世界の安全保障に直結する問題だ」として、G20各国に対して「輸出制限など食料価格高騰を助長する政策を取らないよう国際社会に働き掛けるべきだ」と早急な対応を求めた。


 世銀が同日公表した報告書によると、食料価格全体の指数は10年10月から11年1月までの3カ月間で15%上昇。世界的な食料価格高騰への懸念が深刻化した08年のピーク時をわずかに3%下回る水準に達している。特に小麦やトウモロコシ、砂糖などの価格の高騰ぶりが著しく、小麦価格は半年間で2倍以上に急騰している。


 世銀は「食料価格高騰の影響で、昨年6月以降、途上国で最貧層が4400万人増加した」と推計。G20各国などに、アフガニスタンやキルギス、モンゴルなどへの食料支援を呼びかけた。

毎日新聞 2011年2月16日 11時04分