16、熱中症死:高齢姉妹「クーラー嫌い」2年前も体調不良 | NPO法人生涯青春の会

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               毎日新聞 201092日 


 東京都豊島区のマンション一室で1日、遺体で発見された熱中症死とみられる84歳と77歳の姉妹は、08年にも熱中症で体調を崩し同じマンションに住む女性(63)に助けられていた。女性は「こんな最期はかわいそう。あの時にクーラーをつけさせればよかった」と悔やんでいる。


 女性によると、08年夏、姉妹の部屋のドアポストに新聞がたまっているのに気付いた。不審に思って訪問すると、姉は「暑さで2人とも具合が悪い。歩けないので10日も買い物に行っていない。この数日間は水を飲んで過ごしている」と説明したという。


 女性は驚き、バナナやサンドイッチ、おにぎりを数日分買って手渡した。その際、エアコンをつけるよう勧めたが、妹は「クーラーが嫌い」と拒んだ。このマンションは鉄筋コンクリート造りで熱気がこもりやすく、「クーラーなしではとても熟睡できない」(別の住民)という。遺体発見時、部屋の窓はほぼ閉め切った状態だった。


 姉は元公務員で、妹は元看護師。2人は年金収入で生活していたらしい。警視庁巣鴨署が確認したところ、室内にはまとまった現金があり、数百万円の預金もあった。姉は数年前に足を悪くして、妹が面倒をみていたという。行政解剖の結果、死後約1週間が経過していた。


 クーラーを嫌う高齢者は多い。東京消防庁は「今年は猛暑が続いており、高温多湿の室内にいることは最も避けなければならない。エアコンが苦手なら、扇風機をかけたり窓を開けて換気するなどの対策が必要」と注意を呼びかけている。【伊澤拓也、内橋寿明】