毎日新聞 2010年8月15日 19時40分
記録的猛暑と少雨による干ばつ被害拡大のため、ロシア政府が導入を決めた小麦などの穀物輸出一時禁止措置が15日から実施された。世界有数の小麦生産国ロシアの輸出禁止により小麦の国際価格上昇も予想される。
輸出が一時禁止されるのは小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシや小麦粉など。禁輸は当面、今年12月31日までの予定だが、最終的な禁輸措置の期限についてプーチン首相は「今年の収穫量による」としており、延長される可能性もある。
ロシアでは穀倉地帯である南部やボルガ川沿いの地域で猛暑による干ばつが広がっており、ロシア政府は今年の穀物収穫予想量を当初の9500万トンから6000万~6500万トンに下方修正した。
メドベージェフ大統領は12日、今年の穀物の作付面積のうち約4分の1が壊滅したと述べ、農家への支援策強化を指示した。09年にロシアで生産された穀物9300万トンのうち小麦は5800万トンを占めており、小麦の収穫も大幅な減少が避けられない見通し。ロシア国内では既にパンの小売価格が20%程度上昇したと報道されており、インフレに拍車が掛かる恐れがある。
(共同)
【関連記事】
毎日新聞 2010年8月15日 19時40分