ンチャ 2010年07月08日 18:34
「日本国は借金まみれでお金が無い」というのは、マスコミで散々言われてきています。
2008年の時点で一人当たり650万円の借金で、普通の家庭なら破産寸前の状況。
これだけ聞くと「大変だ。もう日本も終わりだ。」と感じてしまうのですが、よくよく考えると、この借金って誰から借りているの?とか、政府が所有している資産って、どうなっているの?とかがあまりマスコミで取り上げられないことに気付きます。
何をするにも「財源が無い」。しかし財源がなければ国債を発行すればいい。それでは国の借金が増えるばかりで、夕張市みたいに財政破綻してしまう。と心配になります。しかし、自治体や個人と違って国は通貨を発行することができます。いわばお札の輪転機がある家みたいなもんです。ここが違います。「え?そんなに通貨をじゃんじゃん発行したら、通貨の価値が下がって、すごいインフレになるのでは?」
「今の日本のおかれている立場を良く考えてみてください。円高にデフレ、低金利です。
インフレの目は全くありません。国債の増発は実は問題ないのです。」といったことを過去の日本や外国との比較を交え、豊富なデータを元に説明しています。この「データに基づいて構成されている」点が本書の特徴で、主張にも説得力があります。
目玉は第5章の「日本の目指すべき道」です。具体的な提言となっており、好感が 持てます。こういった建設的な意見がマスコミから出てこないのは非常に残念で、ある意味マスコミ批判の書なのかも知れません。