3、惨めな晩年の人々 | NPO法人生涯青春の会

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NPO法人生涯青春の会の会報及びイベントの紹介をいたします。
ここに収録する記述は、会報、エッセイ「癒しの森」、高齢者情報、日々の映像のまとめなどです。

2006年06月17日
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=7757604&comm_id=698599
書き込み20件。


 6月17日 21歳の女性から次のメールを頂いた。
「高齢者の方々が若い方の負担になるというような考えは、私自身は反対なのですが、二人の祖父の介護等を通しまして、現在の高齢者施設のあり方について考えさせられました。施設に入ったり、病院に入院したりしているのに身内の人が全く訪れずに、閉ざされた環境の中での生活を強いられるお年寄りの方がいる現状を目の当たりにし、こういった高齢期の過ごし方は良くないと感じました」

 これは多くの人が知っていることです。施設で働いている人が一番身近に知っていることですが、次の質問にどなたか答えてくださいと書いた。

1、身内の人が全く訪れない入所者は100人中何人ぐらいですか
2、身内の人が年1回~2回程度しか訪れない入所者は100人中何人ぐらいですか
3、身内の人が月1~2回訪れる入所者は100人中何人ぐらいですか
4、身内の人が毎週訪れる入所者は100人中何人ぐらいですか

この質問に対する書き込みが多くあった。家族の訪問のない人が65%~95%もいるのである。ナース岩下さんの存在に救われた。
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いつきさんの書き込み
足あと帳4番の いつきです

うちの職場は、その方が思う”惨めな晩年”を過ごす方が多数存在する施設です。ただ、少し意味合いが違いますが、こんな方もいらっしゃるということでお聞きください。

ちなみに、1年に1回以上面会に来られる家族の割合は・・・
 5%ほど  でしょうか・・・
ほかの95%の方は面会などありません。

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うどんや さんの書き込み
足あと12番のうどんやです
私の元いた施設では以下のような感じでした。100人中
1、まったくなし→65人
2、年1回   →10人
3、月1、2回 →20人
4、毎週    →5人

面会に行けない理由として
○施設に入れたという罪悪感に耐えられず、会いにいけない。
○認知症が進んでしまっている親を見たくない 。
などを挙げている家族の方がいらっしゃいました。
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おんでぃーぬ さんの書き込み
久々に書き込みます。私が経験していた施設では
うどんやさんの数字に近いか、もうちょっと下くらいです。
特別養護老人ホームになると、ほとんどゼロに近かったですね。
「死んだら呼んでください」という家族もいました。
そんなんだから、介護職員にしてみれば、どうせ誰も訴えないから
ということで虐待が生まれたりします
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 身内の人が全く訪れず閉ざされた環境の中でただ死を待つだけの高齢者がいるという現実がある。これはもはや老人問題でなく、日本の生活文化そのものが問われることである。

 このような環境に中でも、高齢者は入所する施設によっては、安らかな晩年を迎えることが出来るという感動的な書き込みがあった。それは7月14日のナース岩下さんの書き込みで、高齢者福祉情報がきっかけでこのような素晴らしい方と交流できたことに心から感謝している。

ナース岩下さんの書き込み
「ナース岩下です
 宅老所を経営していて感じることは、ご本人のあり方にもよるのですが、 少人数で一緒に生活をしていると、 模擬家族のようになっていき、本当の家族がこなくても精神的に安定されている方もいらっしゃいます。

 反対に、家族に会えないと、とても不安になる方もいらっしゃいます。現状の自分の居場所を居心地よく感じる方もいれば、過去の家族と幸せだった場所に帰りたいという欲求を常に持ち続ける方もいらっしゃいます。

 よく日本人は家族にとらわれすぎたといいますが、 家族だけでなく、身近にいる他の利用者やスタッフ、友人、とのコミュニケーションが良好に保てれば、その瞬間は幸せではないかと思うのです。
 私が宅老所に行くと「おかえりー!どこ行ってたの?」って挨拶をする方がいらっしゃいます。私も「ただいま、会いたかったよぉ。仕事してきたの。」っていいます。模擬家族ですよね。でも、私もそれで、癒されていますし、その方もかわいい?娘を心配している母のような感じです。
 どんな人生を歩んでこられた方であっても、せっかく私たちの宅老所に縁があって、いらしたのであれば、そこでの新たな人間関係を楽しく、癒される場を作り上げれば、いいのではないかと思うのです。
 その証拠になるかわかりませんが、白髪の根元がどんどん黒くなる方が、ほとんどです。ストレスのない、栄養状態が安定し、睡眠のよくとれる生活をすると髪も若返るみたいです。
 いろんな家族がいらっしゃいますが、利用者と家族の長年の関係性を、私たち介護スタッフが完全に良好な方向にもっていくことは困難です。それをやろうとすると、スタッフは燃え尽きます。
 もちろん、少しでも改善するように試みることは必要だと思いますが、改善しなかったからといって、介護スタッフが悪いとは思いません。そういう人生を選択して生きてきた方なのですから。ひどい子供がいても、もしかしたら、過去、私たちの知らない時代に、ひどい親だったのかもしれません。
 だから、子供たちは、親にもひどいことをするのかもしれませんよね。そこまで、介護スタッフが関与することはできないと思うのです。できれば、いいですが・・・」
 
 機会を見たナース岩下さんが経営する施設に見学に行きたいと思っている。施設に入所して人たちが「白髪の根元がどんどん黒くなる方が、ほとんどです。ストレスのない、栄養状態が安定し、睡眠のよくとれる生活をすると髪も若返るみたいです」この事実は素晴らしいに尽きると思う。このような事実を全国の施設に教えたいものである。
補足。
これを書いた数ヵ月後、ナース岩下さんの施設を訪問する。