2010年3月11日 日経
【シリコンバレー=岡田信行】ネットワーク機器最大手の米シスコシステムズは9日、超高速・大容量ルーター(ネット接続機器)を発売すると発表した。1台で中国の全人口に相当する約13億人が同時にテレビ会議できる水準の処理能力を持ち、今年7~9月をメドに発売する。高機能携帯電話やネット対応テレビなどの普及で、大容量データをやり取りする需要が増えていることに対応する。
新型ルーター「シスコCRS―3 キャリア・ルーティング・システム」は競合他社機に比べて12倍以上の処理能力を持ち、通信ネットワーク事業者などを対象に基本価格1台9万ドルで販売する。
今回発表した新型ルーターには、6つの半導体チップを統合してワンチップ化したシスコ独自の処理回路を搭載。最大で毎秒322テラ(テラは1兆)ビットのデータを処理できるほか、様々なデジタル機器をネットに接続して、大容量の動画などを効率的にやり取りできるようにした。