29、苦悩の闇を突き破る | NPO法人生涯青春の会

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苦悩・苦難がなければ喜び歓喜はない・・・これが人生のありのままの姿ではないかと思う。20031219日に書いたベートーベンの「第九」を引用します。言うまでもなく「歓喜の歌」は、苦悩・苦難の闇を突き破るという意味合いが込められている。人間学・・人生には「苦悩を突き破る」瞬間が誰にでもあるような気がする。

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 ベートーベンの「第九」EUの国家に

                  20031219日 癒しの森から

 127日ベートーベンの弦楽四重奏曲の手書きの楽譜が競売にかけられ118万ポンド(約21900万円)で落札したことを書いた。12月になると日本各地で第九「歓喜の歌」が演奏される。ベートーベンについては、私なりの想いがあるので機会をみて少々書きたいと思っている。


 欧州連合(EU)首脳会議で、ベートーベン作曲「交響曲第九番」の最終楽章で歌われる「歓喜の歌」をEUの国歌とすることが欧州憲法案に盛り込まれることになった。これだけ世界で愛されている歓喜の歌がEUの国歌となるのだから素晴らしいことだ。


 「歓喜の歌」は、ここで言うまでもなく 苦悩・苦難の闇を突き破るという意味合いが込められている。「歓喜の歌」を欧州の国歌にというアイデアは、「オーストリアの政治家で欧州運動の創始者、クーデンホーフ・カレルギー氏が60年代に提案。70年代には既に『欧州の歌』」として歌われてきたという。歓喜の歌は、シラー(17591805)の詩がベースだが実に格調の高い詩である。ここで最後の数行を引用したい。

   兄弟たちよ、星の輝く天幕の彼方に
   愛に満ちた父がいるに違いない

   あなたたちはひざまずくのか、何百万の人々よ?
   おまえは、創造主を感じるか、世界よ?

   彼を星の輝く天幕の彼方に探せ!
   星の彼方に彼はいるに違いない