1、65歳以上が2560万人:初の2割超
2、社会保障給付費2025年141兆円 、今の1・57倍
3、介護労働者の待遇の実態
4、家族介護4人に1人がうつ 65歳以上の3割が「死にたい」
5、男性長寿日本一 「元気で生きていることが楽しい」
6、高齢者の鏡:田鍋友時さん
7、入所介護型老人施設の種類
8、高齢者福祉情報のハードとソフト(ソフト1)
9、みじめな晩年の人がいることを直視したい
10、「健康長寿ネット」が始動
1、65歳以上が2560万人:初の2割超
2006年06月06日 22:03
政府は2日午前、06年版高齢社会白書を閣議決定した。昨年10月1日現在の高齢者人口(65歳以上)は、前年を72万人上回る2560万人で過去最高を記録、高齢化率も20.04%と初めて2割を超えた。高齢者人口は今後も2020年まで急増、ピークを迎える50年の高齢化率は35%を超えると予測している。( 6月2日・毎日から)
白書の内訳を少々メモしよう。
1、高齢者人口は20年まで急増し、その後は3500万人前後で推移する。
2、高齢化率は2015年に26%、50年には35・7%に達すると予想している。
3、現在の高齢者の内訳
・65歳~74歳の前記高齢者 1403万人
・75歳以上の後期高齢者 1157万人 (うち100歳以上2万5554人)
計 2560万人
4、総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は20・04%で初めて2割を超えた。
5、65歳以上の労働力人口は504万人、全体に占める割合は前年比0・2ポイント増の7・6%だった。すなわち、2560万人のうち504万人が働いているのである。この率が向上することが高齢者問題を良い方向に進めるテーマである。
ここで6月3日の掲載したsensanさんの論説の一部を引用したい。
「例えば、70歳以上の就労率が25%で日本一高い長野県は、一人当たり老人医療費は日本一安く、男子の平均寿命も日本一高いのです。その上、日本の高齢者は世界でも稀にみる働く意欲が高い(36%) アメリカは16%、フランスが1.6%と比べると如何に良質の高齢者か、誰の目にも明らかです。世界一の高齢国、みんな生き生き。何といい国ではありませんか。問題は、この元気な人口の1/4を、機械的に「定年」の烙印押しをしてお役ご免、「オコズカイあげるから退いといて」と、軽して(敬してではありませんよ)遠ざけるから問題が深刻になる」
sensanさんの指摘に対して意見交換をしませんか。日本の高齢者は世界でも働く意欲が高いことは凄いことだと思います。
2、社会保障給付費2025年141兆円 、今の1・57倍
2006年06月02日 07:21
厚生労働省は19日、年金、医療、介護など自己負担を除く社会保障給付費の総額が2025年度に現在の1・57倍の141兆円に達するとの試算をまとめた。国民所得に占める社会保障給付の負担率は、現在の22・0%から26・5%に膨らむ。言うまでもなく若い世代に重くのしかかることになる。
内訳は次の通りである。
・年金給付が06年度の約47兆円が約65兆円
・医療給付は約27兆円が約48兆円に、
・介護を含む福祉の給付は約15兆円が約29兆円
と141兆円に膨らむのだ。このような報道は増税のための地ならしという見方もしなければならない。
我々は力のない個々人であるが、これらも問題に対する意見を出し合って、大きな輪となって行きたい。
3、介護労働者の待遇の実態
2006年05月05日 23:29
4月30日に「要介護認定者と介護労働者」と題して書いたが高齢化社会は様々な問題点が横たわっている。介護労働者の待遇改善も大きなテーマであろう。介護労働者は、他産業に比べて定着率が低いことが知られている。厚生労働省は年間離職率を「2009年度までに20%未満に抑える」(日報から)という内容を目標にして待遇改善に取り組むことを打ち出している。
しかし、4月から介護報酬が改定され、全体で0・5%引き下げられた。介護施設や事業所にすれば人件費を抑えるしかなく、どこに待遇改善の余地があるのかといいたくもなるだろう。介護現場は正職員のリストラと、パート・アルバイト化が加速する一方なのだ。これでは厚労省のいう「介護労働者の質」などは絵の描いた餅に等しい。
財団法人「介護労働安定センター」が03年から04年にかけて介護施設職員の調査を行っている。全体の21%、5人に1人が一年以内に辞めているという現実がある。賃金水準も、厚労省の調査によると、「施設職員の平均時給は1260円で全産業平均より600円近く低い」(日報から)のである。これでは、優秀な人が集まる可能性が低く、日本の介護環境は実に厳しいものと言わねばならない。一つだけ言い切れることは、高齢者が要介護者の仲間に入らないよう努力することである。
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4、家族介護4人に1人がうつ 65歳以上の3割が「死にたい」
2006年06月05日 12:38
5月3日「在宅で介護を担う人の4人に1人が、うつ病」と題して書いた。
厚生労働省研究班の調査でも同じ調査結果となっている。この報道の要点をメモしよう。
1、 高齢者などの介護をしている家族の4人に1人が軽度以上のうつ状態にある
2、 介護者が65歳以上の「老老介護」では、介護者の3割以上が「死にたいと思うことがある」と回答している。
3、 体の不調を感じている人も5-6割になっている。
4、 軽度以上のうつ状態だった人は65-74歳が最も多く27%、次いで35-44歳の26%。最も低いのは34歳以下の20%であったという。
このデータは在宅介護が如何に厳しいものであるかを示唆している。介護保険法の改正で、施設介護から在宅介護へ大きくシフトしている。介護の負担を考えると果たして、在宅介護の強化が良いのかどうかは疑問である。
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5、男性長寿日本一 「元気で生きていることが楽しい」
2006年06月14日 20:14
日本男性最高齢の徳田二次郎(にじろう)さん(111歳)のことを書こうとしていたら、お亡くなりなった。これで男性の長寿日本一になったのは「都城市の110歳、田鍋友時(ともじ)さん」になった。6月13日、自宅で家族とともに記者会見し、「まだまだ死ぬ気がしない。あと5年は生きろうごたあ(生きれるようだ)」と、しっかりした声で答えていたという。元気の秘訣(ひけつ)は、「タバコ、アルコールを飲まないこと」だという。これは感覚的に十分に理解できる。なにわともあれ110歳で会話が出来るのだから素晴らしい。
田鍋さんは、土木技師として都城市役所などに勤務。定年退職後は自宅で農業をしていた。1年半ほど前、庭で転び、足などを打った。それまで散歩に出掛けていたが、今では家で読書やテレビを見て過ごすことが多いという。日ごろの楽しみを聞かれると、「別にないが、元気で生きていることが楽しい」と笑いながら行っている。
一番の好物はエビフライだという。自分ではしを持ち、3食しっかり食べ、みそ汁は必ず取る。午後3時には200CCの牛乳。夕食は本時さん夫婦と3人で食べるのが楽しみというから凄いものだ。この人から比べると40年も若い70歳前後の人が要介護になるのは恥かしいという意識を持つ必要があるのではないか。
6、高齢者の鏡:田鍋友時さん
2006年06月19日 00:42
40代の私はほぼ毎日のように家で酒を飲んだ。50代に入ってからは酒を飲むのは週1回程度に留めた。決定的な動機があったわけでないが、酒を多く飲む人は、老化が早いことを同級生の姿で感じたせいであった。約40年間続いた喫煙は、会社を退職した2003年10月に止めた。これが私の健康に大きなプラスに成っていると思う。
6月14日に男性の長寿日本一になった田鍋友時(ともじ)さんのことを書いた。元気の秘訣は「タバコ、アルコールを飲まないこと」であったがその他のことを加筆したい。田鍋友時さんは毎朝、新聞を約1時間かけて読み加えて「若い時から毎日、日誌をつけ、今も欠かさない。天気、起床時間、その日の体調、出来事などをボールペンで記録」しているという。
毎日記述することは脳をフルに使う時間なのである。驚いたのは110歳になられて「アルコールについては孫たちにも口酸っぱく注意する」というのだ。孫たちも60代のはずである。その孫たちに注意するだけの影響力を持っていることは驚嘆にあたえする。まさに高齢者の鏡といわねばならない。
7、入所介護型老人施設の種類
2006年06月19日 22:42
介護施設は多くの種類がある。過日質問されたが当然明確な答えが出来なかった。これらの施設が8種類のあり初歩的な入所条件を掲げたい。費用については施設に働いている人たちから書き込んでいただきたいと思っている。
1、有料老人ホーム
比較的健康な方。夫婦で入居する場合はどちらか一方が一定の年齢に達していれば入居を認める場合がほとんど。
2、軽費老人ホームA型
住宅での生活が困難な60才以上の人。ただし夫婦の場合はどちらかが60才以上であればよい
3、軽費老人ホームB型
住宅での生活が困難な60才以上の人。ただし夫婦の場合はどちらかが60才以上であればよい
4、養護老人ホーム
65才以上で経済的な理由、または身体、精神、環境上の何ら
かの理由により在宅にて介護が受けられない人を対象
5、護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
要介護と認定された高齢者で、65才以上・身体・精神上の著し
い障害があり在宅にて介護が受けられない人を対象
6、グループホーム(痴呆性高齢者グループホーム)
要介護者であって痴呆の状態にある人のうち少人数による
共同生活を営むことに支障がない方
7、ケアハウス(軽費老人ホームC型)
60歳以上の人(夫婦の場合はどちらかが60歳以上)で自炊が出来ない程度の身体機能の低下が認められた人、又は高齢の
ため独立して生活するには不安がある方が利用できる。
8、介護老人保健施設
要介護と認定された高齢者で、病状がほぼ安定期にあり高度な医学的治療は必要としないが家庭で自立して生活するには不安や問題をかかえているという人が対象。
8、高齢者福祉情報のハードとソフト(ソフト1)
2006年06月10日 17:31
高齢者福祉に関するハード上面の情報が多い。しかし、ソフト面の情報が余りに少ないと思う。この高齢者福祉情報では「老いる」「病む」「死」に遭遇する高齢者に対して、適切と思われる認識・考え方などのソフト情報を出来るだけ提供していきたいと思っている。出来ればハードとソフトを7:3の割合で提供できればと思っている。今日は古い記述であるが1997年3月書いた「平等に訪れる死」を引用したい。
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平等に訪れる死 (1997年3月10日の日々の映像から)
現代人は死を見つめない人が多いといわれる。しかし、平等に訪れる死に対して一定の見識を持つことは大切なことだと思う。3月9日の毎日新聞で「ゆらゆら心めぐり」と題して死の概念の紹介があった。
「前世を信じることは来世の旅にも繋がる。『生まれ変わり』の思想は、宗教の枠を超え暮らしの中の『癒しの哲学』として広がり始めている。福島大学経済学部の飯田助教授の「生きがいの創造」(PHP研究所)が現在30万部のベストセラーになっている。『死』は決して恐ろしいものでなく、むしろこの世を終えて帰郷する安らぎの瞬間です。・・・患者が死の恐怖を持たず、家族同士の絆を強めながら自分自身を見失わずに最期の時を迎えるのはどうすればよいのか・・・ターミナルケアのあり方を探していた船戸院長が出会ったのが『生まれ変わり』の思想だった。・・・・前世、来世を論じているのではない。・・・生まれ変わりを信じることが、時間を越えた旅の中で、すべてを受容する手掛かりがあるのかも知れない」(趣旨のポイント部分を引用)
パスカル(フランスの哲学者 1623~1662)の有名な言葉がある
「人間は1本の葦にすぎない。自然のうちで最も弱いものである。だが、それは考える葦である」と。
誰にも平等に訪れる死を考えるのが人として自然な姿といえまいか。
・おのが死に 思いを馳せる 今の時 残る命で 何をか残さん
9、みじめな晩年の人がいることを直視したい
2006年06月17日 09:44
21歳の女性から次のメールを頂いた。
「高齢者の方々が若い方の負担になるというような考えは、私自身は反対なのですが、二人の祖父の介護等を通しまして、現在の高齢者施設のあり方について考えさせられました。施設に入ったり、病院に入院したりしているのに身内の人が全く訪れずに、閉ざされた環境の中での生活を強いられるお年寄りの方がいる現状を目の当たりにし、こういった高齢期の過ごし方は良くないと感じました」
これは多くの人が知っていることです。施設で働いている人が一番身近に知っていることですが、次の質問にどなたか答えてください。
1、身内の人が全く訪れない入所者は100人中何人ぐらいですか
2、身内の人が年1回~2回程度しか訪れない入所者は100人中何人ぐらいですか
3、身内の人が月1~2回訪れる入所者は100人中何人ぐらいですか
4、身内の人が毎週訪れる入所者は100人中何人ぐらいですか
身内の人が全く訪れず閉ざされた環境の中で、ただ死を待つだけの高齢者がいるという現実がある。このようなことは老人問題でなく、日本の生活文化そのものの問題である。自分の親を施設に投げ捨てている人・家族がいるのだ。ここで一言書き加えて置こう。「今の親の姿は君の未来の姿だ!」
書き込み24件
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*足あと帳4番の いつきです(の書き込み)
うちの職場は、その方が思う”惨めな晩年”を過ごす方が多数存在する施設です。ただ、少し意味合いが違いますが、こんな方もいらっしゃるということでお聞きください。
ちなみに、1年に1回以上面会に来られる家族の割合は・・・
5%ほど でしょうか・・・
ほかの95%の方は面会などありません。
各々の家族により、家庭事情は様々です。また、家族がいらっしゃらない方も存在します。
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*足あと12番のうどんやです (の書き込み)
私の元いた施設では以下のような感じでした。
1、まったくなし→65人
2、年1回 →10人
3、月1、2回 →20人
4、毎週 → 5人
面会に行けない理由として
○施設に入れたという罪悪感に耐えられず、会いにいけない
○認知症が進んでしまっている親を見たくない
などを挙げている家族の方がいらっしゃいました。
まあ、どんな理由があるにせよ、年に1回くらいは顔を見せにきて欲しいっていうのが正直な思いです。
10、「健康長寿ネット」が始動
2006年06月29日 19:03
厚生労働省の外郭団体「長寿科学振興財団」(愛知県東浦町)はこのほど「健やかで幸せな長寿」をテーマに、高齢者の健康や医療、介護などに役立つ約500項目の情報を掲載したインターネットサイト
「健康長寿ネット」http://www.nenrin.or.jp/net/
を開設した。
高齢者情報専門の公的なサイトは初の試みといい、担当者は「高齢者自身だけでなく、家族にとっても知りたい情報が詰まっているので、たくさんの人に利用してほしい」と話している。
掲載情報は専門医らが分かりやすく解説。例えば「もの忘れ」について「もの忘れには病的なもの忘れと、年齢相応におこってくる生理的なもの忘れが存在します」として、それぞれの違いを具体的に説明している。
家族に高齢者のいる人や介護に携わる人だけでなく、最近はインターネットを利用する高齢者も増加していることから、高齢者本人のアクセスも想定して、画面の文字を簡単に拡大できるようになっている。(共同通信から)