参考文献:日本大腸肛門病会誌 75:317-325,2022

 

小村肛門科医院

 

「術後」について述べていませんが、しっかりとした論文で参考価値が高く、ノートを残しました。

 

患者集団

肛門痛患者64名

 

検査所見

視診,指診,肛門鏡診を行い,器質的疾患で疼痛の説明がつく症例は除外した.

特に,詳細な直腸指診が重要で,恥骨直腸筋の同定,陰部神経の走行,圧痛部位の確認を行い診断した.

 

治療

漢方薬を第一選択として用いた.疎経活血湯は,坐骨神経痛をはじめとする筋肉・神経由来の痛みに用いられており,多く使用した.

第二選択として,クロナゼパム(緩和ケアでは神経障害性疼痛に鎮痛補助薬として使用されている)を用いた.

第三選択は低周波電気刺激療法,トリガーポイント注射を施行した.

4 週間用いて無効な場合は,次の治療へ

 

効果

治療効果の判定基準は患者の申告により,痛みが完全に消失したもの,軽減したものを「改善」,

症状不変であったものを「無効」とした.

 

第一選択の漢方薬:

疎経活血湯で51 例中39 例改善.

八味地黄丸は9 例に用い,8 例無効,1 例に改善を認めたが,疎経活血湯に変更したところ,より改善した.

芍薬甘草湯は3 例に用い,全例無効,

乙字湯で改善した1 例は,便通が改善したことによる.

補中益気湯は,挙筋が下がって痛いという女性患者2 例に用い改善.

 

第二選択のクロナゼパムは8 例中7 例改善.

 

第三選択の肛門管内低周波電気刺激療法は,13 例中 10 例が改善,トリガーポイント注射は,3 例中1 例改善,2 例は来院しただけで治ったという時もあり,精神的影響も大きい.

 

すべての治療が「無効」10 例