足底のほくろの傷を排膿した日の夜、ガーゼを外してみると、傷が白く盛り上がり、まるで白い花が咲いたように見えました。
その瞬間、数年前の乳口炎のことを思い出しました。
出産後3〜4か月ほど経った頃、ある日突然、小さな白い石のようなものができ、乳管が詰まってしまいました。
出産した大学病院を受診したのですが、研修医に
「発熱もなく、黄緑色の膿も見えないので感染ではない」
と言われ、特に処置はありませんでした。
母乳がどんどん作られているが出せない、苦しい日々が続きました。
乳管の詰まりは病気ではないという扱いで、医師にも診てもらえませんでした。
助産院にも通いました。実費でマッサージを受け、助産師さんからは「炎症」と言われましたが、助産師には処方権がなく、市販薬を勧められるだけでした。もちろん効果はありませんでした。
どうしていいか分からず、断乳を決意せざるを得ないところまで追い込まれていました。
そんな時、海外の病院で働いていた友人に相談したところ、「感染」と言われ、抗生剤の軟膏を急いで送ってくれました。
塗り始めた翌日には、白く盛り上がっていた部分が目に見えて小さくなり、詰まっていた乳管も少しずつ開いていきました。
そして、3日間ぐらいでその白い花は消えてしまいました。
ただ、その時にはすでに断乳に動き始めており、結局そのまま母乳育児を終えるしかありませんでした。
私は「出産は病気ではないから、⭕️⭕️❌❌」という言葉があまり好きではありません。
「病気ではない」という理由だけで、苦しんでいる人を医療の枠の外に置いてしまうように感じるからです。
確かに出産は自然な現象です。
でも、自然な現象だからといって苦痛が小さいわけではありません。
「自然なことだから無痛分娩を積極的に広げる必要はない」
「出産後のトラブルは、新しい命の代償だから受け入れるしかない」
そんな考え方を当然のこととして受け入れているのは、おかしいのではないでしょうか。