参考文献:日本大腸肛門病会誌57:345-350,2004

 

(自分のコメントは青字)

 

長岡市 吉田病院

 

直腸肛門部痛の分類

- 侵害受容性疼痛 (術後はこれ)

- 非侵害受容性疼痛

- 消散性肛門直腸痛

3者とも原因不明で決定的な治療法もない.

 

患者集団

1990-2001の11年間、Pain Clinicにおける神経ブロックを用いた273例

男性109例, 女性164例

侵害受容性疼痛(手術を受けた後の痛み):89例

非侵害受容性疼痛(手術の既往のない痛み):125例

 

治療

1.  Caudal Block, 持続硬膜外Block, Saddle Block を中心に 

2. 抗うつ剤ルヂオミール25mgr 3錠/日, (四環系抗うつ薬, 便秘の副作用があり)

3. 手術後でまだ浮腫などの炎症症状を残している症例に, ボルタレン座薬50mgr 1個を夜肛門内に挿入.

4. なお症例によっては抗不安剤デパス0.5mgr3~2錠を内服させた. (チエノジアゼピン系の抗不安薬)

 

効果

著効と軽快をあわせると,

Caudal Blockでは74.7%(72/139例),

持続硬膜外Blockでは80.4%(41/72例),

Saddle Blockでは91.3% (42/62例)

に効果があった

 

Caudal block=仙骨部硬膜外ブロック, Saddle Block=サドルブロック.

外来でよく行われるのは、仙骨硬膜外ブロックで手技が簡単で安全性が高いようです。

「サドルブロック」は脊髄クモ膜下麻酔の一種で、仙骨神経の領域(肛門周囲や会陰部)への限定的麻酔方法です。論文には入院で行われたようです。

 

 

論文では、サドルブロックは効果が一番優れているそうです。

 

----------

薬物の情報は以下にご参考

 

ルヂオミール

 

 

 

デパス