調べの館、まさかの機動要塞化！！

　いやぁ、今まで本作を観てきた中で一番驚いたわ（笑）。音吉さんは、パイプオルガンと合わせてあんな軍用機まで用意しとったのか。しかもたった一人で。某真田さんレベルの技術力だ。

　てか、根本的な事聞くけど、動力なんだよ（笑）。大きさから察するに、原子力エンジンぐらいしか思いつかないわ。調達先云々はさておき（ｴｰ）、もはや民間人の運用所有限界をはるかに越えとるよ。
　もしあんなモンが住宅地の地下に埋まっとるがバレたら、マイナーランドどころか国家権力も一緒に相手にしなきゃならんし、税金もかかるからな。そりゃ秘密にもするわ（そういう問題じゃない）。

　しかし、これで年明けから急転直下の新展開、プリキュアシリーズ初の大艦隊戦に突入するわけだな。数千隻に及ぶマイナーランドの艦隊総軍の包囲網に、たった一機で無謀とも言える戦いを挑む調べの館。某東京都知事が好きそうな、なかなか燃えるシチュエーションじゃないか。
　当然、最後は満身創痍となった機体で、敵の旗艦に突入→もろとも自爆→「君が代」をＢＧＭに地上の人々が空に向かって敬礼。号泣必至のラストカット→「『スマイルプリキュア』次週からスタート！」のコンボに違いない。

　失われて久しい愛国心と武人の誉れを、自らの身を挺してチビッコ達に伝えようとは、まったく天晴れな心意気だ。なるほど、前回までのグダグダは、このための布石だったわけか。
　東映スタッフ様の心意気には頭が下がるな、オイ！！

　…ハイ、そんなわけねぇだろ（ｴｰ）。

　さておき、「スイートプリキュア♪」第４４話。

　今まで散々ジャマをしてきた敵でも、力がなくなった途端に無条件で解放してくれる、ノイズ様はまさに紳士的の鑑で御座いますな。アレですか、丸腰の相手は斬らないというノブレス・オブリージュの精神ですか。いやいや、一社会人として見習いたいものでありますな。
　部下も部下で、あえて無力化した敵にトドメを刺すような無粋なマネはせず、しかも、燃やすなり破るなりすればよいものを、用がなくなったと称してわざわざ楽譜を置いていってくれる、この親切さ加減。
　実に教育の行き届いた、理想的な組織でございますな。どこかの楽器に手の生えたキモイ生き物が跋扈する世界より、よっぽど良識的なんじゃないかと。

　…まあ要するに、総じて何か言いたいかというと、お前らツメ甘すぎ（笑）。自分の地位と目的達成を脅かす危険因子は、徹底的に駆逐、排除するってのは、マキャヴェリズムの基本だろうが。あっさり家に帰したのが、より多くの不幸のエネルギーを得るためだったとしても、例えばあの場にいた連中全員を再洗脳しとくとか、普通は何かしらの保険をかけとくもんだよ。

　多分、堀井雄二さんが今回と前回の脚本読まれたら、ひっくり返って笑うぞ。何度も言うけど、チビッコはこういうところを本当にしっかり観てるからね。いい加減に作ると、あっという間にそっぽ向かれるぞ。

　
　で、響。「私達の力が足りないばっかりに」とか言って泣いてたけども、お前らに足りなかったのは力じゃなくて思慮だってば。
　ノイズ様が復活したら、世界中のみんなが石みたいになると分かりきってたのに、お前らは自分でそれを解決する道から逃げたじゃん。多少なり、それだけの力を持ちながら。
　たまたまファルセットのオッチョコチョイがあって、尚且つ「新しいページが～」なんて超展開があったから何とかなっただけで、あのままだったら確実にアウトだったんだぜ？それでナンボ泣かれても「お前が悪いんじゃボケ」としか、言いようがないわ。
　
　その上で、ラストカットのキリッとした顔されてもねぇ…。「♪奇跡は起こるよ何度でも」なんて~~ふざけた~~歌があるけども、めったに起きないから奇跡って言うんだよ。そして物事の理には必ず必然があるんだ。
　まして、みんなの幸せを守る正義のヒーローが、奇跡頼りなんてシャバい事やっちゃダメだよ。敵う敵わないは別にしても、自分達の力で挑む姿勢を見せなきゃ。「みんなの力を、一つに～」なんてのは、その後だぜ？

　先週の感想でも書いたけど、お前らが振りかざしてるのは「優しさ」じゃなくて「易しさ」だからね。今作…では既に手遅れかもしれんけど、次回作はその辺、よーく踏まえた作品作りを心がけていただきたいな、ウン。

　さて、次回はいよいよラストバトル突入か～。とはいえ、この調子だと次回の感想は書かないかもしれんな…。
　できればでいいんだけど、こっちが否が応でも書きたくなるような展開…があるのかしら？