とあるジャンルの仕事に携わり、

色んな人や会社の実態や状況を垣間見ることがある。

 

一見、同じような事業をおこして、同じようなことを

やっているのに、たかだか1年ほどの間にまったく

取り巻く状況が異なっている人たちがいる。

 

正直、売上や利益にだけフォーカスしたら

必ずしもうまくいっているように見える人たちに軍配が

上がるとは限らない。

 

事業の目的がそもそも収益だけだとしたら

ある意味それでも成功と言えるわけなんだけど、

関わっている人たちにはそれとは別の目的や希望があって

未来ごと託していたりもするわけで。

 

どんな企業のどんな仕事でも

資本はあるに越したことはない。

予算が多く確保できれば選択肢を増やすことができるし、

その選択肢によって可能性の想定が広くなる。

 

実際、知恵を絞ったり創意工夫しなくても

最初から質の高いものや人を使うことができるし、

そのほうが見た目も完成度高そうに見えるものにもなる。

 

でもそれが必勝法かというと、実はそうでもない。

有効性はあるけど、それは例えば100人いる中で50位圏内にも

及ばない人がいきなり15位とか20位にジャンプアップする

みたいな時に限った話じゃないかと思う。

そういうのが必要なことだって実際あるとも思う。

 

ただ、それ以上を目指すには

やっぱりいくら予算を積んだところで敵わないってこと。

但し、すべてを心得ている人たちが大きな予算をもって

行うケースは、もちろん論外ね。

 

商売としてモノをつくる時、

弁当箱を先に決めろと言われることがある。

それは真っ先に何を詰めたいかばかりに気を取られて

着地を想定できない夢見がちな多くの未熟者が

完成形の弁当が本当に魅力的なものになるかどうか、

それをどういう人たちに届けようと思っているか、

まったく思慮なく取り組んで失敗する傾向が強いから。

 

たしかに弁当箱は大事。

その発想がなければ商業は成り立たないと私も思っている。

実際、先に弁当箱を意図を持ってしっかり選定するし、

基本的にそうあるべきだと思う。

 

けど、それは大前提でしかなくて、

本当に大事なのはその中に何をどう詰めるか。

それが一番重要な勝負と知恵なのであって、

何個も何個も見栄えのいい弁当箱を用意したって、

中身が空だったり、期待はずれだったり、不味かったら

誰の手にも心にも届かないでしょ。

 

具体的な営業策とか施策、そんなの知らない。

でも、一見、同じような事業をおこして、同じようなことを

やっている人たちの取り巻く状況が異なっていくその差は

きっとそこにあるんじゃないか。

 

それは資金によってもたらされるものではなく、

関わるすべての人の日々の小さな努力や工夫の積み重ね。

普通はそれをやってないなんてふざけた人たちなどいなくて、

みんなそれなりにはやってること。

 

その中で半歩、一歩、二歩、先に出るための取り組み。

今日は仮にそうであったとしても明日怠けたらその間に

ライバルたちはまた半歩先を追い越していく。

毎日一歩差をつけられたら、1年で365歩。

 

何をもって成功とか勝利と呼ぶかは人それぞれ。

だから、より世間に認知を広められたほうだけを手放しで

凄いとか偉いとかは思わないけど、そもそもその仕事に

関わって来た人たちの想いはより多く叶えられてるんじゃない?

そう思う。

 

勿論ビジネスである以上、利益は生まれなきゃいけない。

でもそれだけでよかったらもっと別の事業でもいいよね。

 

大きな幕引きが間近にせまったこの頃、思うこと。