レトロスペクティブ/ハワイ | どこでもアド~♪

レトロスペクティブ/ハワイ

昨日はこころの充電ということで、

恵比寿・東京都立写真美術館で

「森山大道展 レトロスペクティブ 1965-2005/ ハワイ」


を見に行ってきました。



retro

hawaii



森山大道のこれまでの仕事の軌跡を追う前半部分(レトロスペクティブ)と、今回のハワイでの撮影の展示の二部構成になっていて、

結果として、森山大道の常に進化していく半生をみていく展示会にになっていました。


美術は好きなわりに実際良くわからんのですが(教養が足りない)、

写真は自分も撮るので、技術的なものを足がかりにして、その背景にある考えや立ち位置なんかについてもボンヤリ考えることができました。





(細かい部分に付いては、後で追記します)





最終的に考えたことは(すこし飛躍するのですが)、

芸術家の役目、ということです。

西洋的合理性に基づいて学者(科学)が考えたことというのは、今までにさんざんいわれてきたように、結局、どこまで付き詰めて考えてもその正しさを証明できないのです。

科学の見つけたものは、つねに最新の仮説であり、けっして世界を説明しうるものではないのです。


科学の外部には、どれほど計算しても、計算尽くされえない外部が存在する。

じゃあ、それまで世界について考えたことの正当性、確からしさはどこで担保するのか。


そこを担保してくれるのが、芸術家の世界を見つめる目じゃないだろうか。

写真って何も考えずに撮ることもできるけど、四六時中難しいことを考えて写真を撮っている人もいるわけです。

森山大道は、これまでに文章化されたものをみていくと、後者だと思われます。

世界について考えたことを言葉化できる稀有な写真家なのでしょう。


彼のようなタイプの芸術家は、

ある時は新しい世界の見え方を提示し、ある時は科学の(世界についての)仮説を証明してあげる。



そういう、科学で実証できないものを、作品を媒介することで人びとに肌で感じさせる力。そういうものが芸術にはあるのではないかなー、と思いました。


なにはともあれ、写真を撮る気がモリモリおきてきました。

ボーナスは新しいカメラ買いたいなー。





皆様もよろしければ、ぜひ。

今月(6月)の26日まで開催中。

「森山大道展 レトロスペクティブ 1965-2005/ ハワイ」
http://www.syabi.com/details/daido.html

森山大道.com
http://www.moriyamadaido.com/



この話のどこがアドかって?

実は、開催中の一時期、恵比寿駅から恵比寿ガーデンプレイスまでの動く歩道に、この展覧会のポスターが数百メートルずっとはってあったのですが、

写真自体の美しさと、白と黒の中に映える赤いタイポグラフィの力で、すごい訴求力があったんです。

つまり、その歩道を毎日歩く人達の中で写真とかに関心がある人は、かなりの高確率で、展覧会の存在を「認知」し、欲求を「喚起」され、「行動」してしまったのではないでしょうか?

測定できないけれども、すごい効果のあるアドだった可能性があると思うわけです。