【第三次世界大戦への火種〜🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ関連ニュースvol.340】
■『🇺🇦ウクライナ兵捕虜を殺害する動画が浮上…当局が捜査を開始』
武器をもたない🇺🇦ウクライナ兵の捕虜が🇷🇺ロシア兵に殺害されたとみられる動画が出回り、🇺🇦ウクライナ当局が捜査を開始した。▶︎🇺🇦ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3月6日夜、「私たちは殺人者を見つけ出す」と述べた。▶︎動画では、🇺🇦ウクライナ兵が塹壕(ざんごう)の中でたばこを吸っている。▶︎「🇺🇦ウクライナに栄光あれ!」と言った後、自動小銃で撃たれる様子が映っている。▶︎捕虜が射殺された後、🇷🇺ロシア兵と思われる撃ち手の1人が「死ね」と言い、罵声を浴びせている。▶︎🇺🇦ウクライナ軍の部隊の1つが、射殺された兵士は同部隊の所属だとしている。▶︎ただ、身元については食い違う情報も出ている。▶︎殺害に及んだ人物(複数の可能性もある)は動画に映っておらず、特定もされていない。▶︎この動画は3月6日にソーシャルメディアで出回り始めた。▶︎いつどこで作成されたのか、兵士はどのように捕らえられたのかについて、BBCは検証できていない。▶︎🇷🇺ロシアは、この件について公にコメントしていない。
◆🇺🇦ウクライナ側は激しく非難
🇺🇦ウクライナ軍の参謀本部は、「非武装の捕虜の射殺は、国際人道法の規範と戦争の慣習を全く無視している。▶︎ろくでなしの殺人者の行為であり、戦士の行為ではない」と非難。▶︎「🇷🇺ロシアの占領者たちは、🇺🇦ウクライナ人を残忍に絶滅させることが、🇺🇦ウクライナでの大きな目標だと改めて示した」とした。▶︎ゼレンスキー大統領は、「勇敢にも『🇺🇦ウクライナに栄光あれ!』と面と向かって言った戦士」を「占領者」が殺害したとビデオ演説で主張。▶︎「私たち全員が結束し、彼の言葉に一緒に応えようではないか。▶︎『英雄に栄光あれ!英雄たちに栄光あれ!🇺🇦ウクライナに栄光あれ!』」と訴えた。▶︎この言葉は戦場での兵士たちのかけ声として、数百万人の🇺🇦ウクライナ人に知られるようになっている。▶︎ドミトロ・クレバ外相もツイッターで、今回の動画は「この戦争が集団虐殺であることの新たな証拠」だと説明。▶︎国際刑事裁判所(ICC)による「即時調査」を求めた。▶︎アンドリー・コスチン検事総長は、すでに刑事捜査を開始したと述べた。
◆兵士の身元
🇺🇦ウクライナ軍は3月7日、初期段階の情報をもとに、射殺された兵士をティモフィー・シャドゥラ氏だとした。▶︎所属先の第30機械化旅団は同氏について、激しい戦闘が続いている東部バフムート付近で2月3日に最後に目撃されたと明らかにした。▶︎ただ、遺体が戻らない限り、身元確認はできないとした。▶︎ シャドゥラ氏の姉妹のオリア氏は、動画の中の兵士について、名前が明らかにされる前に自分の家族だと気づいたという。しかし、🇺🇦ウクライナの著名ジャーナリストが動画の兵士について別人の名前を挙げるなど、身元については疑問が生じている。▶︎シャドゥラさんのきょうだいはその後、報道が食い違っているため、親族を代表してお金を受け取ることはしていないとBBCに話した。
◆戦争犯罪の疑惑
🇺🇦ウクライナと西側の同盟国は、🇷🇺ロシア軍が🇺🇦ウクライナ侵攻で、拷問や強姦、捕虜殺害など多くの戦争犯罪を犯していると非難している。▶︎🇷🇺ロシアはこの疑惑を否定している。▶︎2022年7月には、🇺🇦ウクライナ東部の🇷🇺ロシア占領下のドンバス地方で、捕虜となった🇺🇦ウクライナ兵が去勢される様子を撮影した動画が出回った。▶︎一方、🇷🇺ロシアは2022年11月、🇺🇦ウクライナ軍が🇷🇺ロシア人捕虜の一団を処刑したと非難した。▶︎その直前、🇺🇦ウクライナ東部の前線で降伏したとみられる多数の兵士が死んだとする動画が浮上していた。▶︎🇺🇦ウクライナ当局者は、降伏は🇷🇺ロシア軍の「演技」で、🇺🇦ウクライナ兵を攻撃しようとしていたと述べた[*BBC News 2023.03.08付記事抜粋]
■『「違法薬物を使っているに違いない...」…ワグネル戦闘員の異常、🇺🇦ウクライナ軍兵士が語る』
激戦地バフムートの前線で、🇺🇦ウクライナ軍兵士は民間軍事会社ワグネルの傭兵の異様な戦い方を目撃。▶︎違法薬物を使っているとしか思えないと証言した。▶︎🇺🇦ウクライナ東部の要衝バフムートでの攻防が激しさを増すなか、🇺🇦ウクライナ軍兵士から、🇷🇺ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの戦闘員は違法薬物を使用しているに違いない、という証言が飛び出した。
2月24日に2年目に突入した🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ戦争だが、その最前線は、2022年秋からバフムートに移っている。▶︎🇷🇺ロシア軍兵士が同市をほぼ包囲し、双方ともに大きな損害を被っている。▶︎🇺🇦ウクライナの英字紙キーウ・ポストによると、🇷🇺ロシア軍は猛烈な攻撃を仕掛けており、🇺🇦ウクライナ軍と比べて兵士の損失割合が7:1で多い。▶︎だが、損失が多いからといって、🇷🇺ロシア軍が攻撃の手を緩める気配はない。▶︎🇺🇦ウクライナ軍は数カ月にわたってバフムートを維持してきたが、最近、軍幹部らは防衛強化のためにバフムートから戦術的撤退を検討していた。▶︎だがキーウ・ポストは3月6日、🇺🇦ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が軍幹部に対し、バフムートで戦う部隊を助けるために適切な戦力の増強を指示し、兵士には戦いを続けるよう求めたと報じた。▶︎キーウ・ポスト紙の独占インタビューに応じたある🇺🇦ウクライナ軍兵士は、ワグネルの戦闘員の非人道的な行為について語った。▶︎傭兵たちの戦い方があまりにも異様なので、薬物を使っているに違いないと感じた、と兵士は言う。
<死体ですべてが覆われる>
「連中は間違いなく何らかの薬物を服用していると思う。▶︎正常な心理状態の人ならしないようなことをするからだ」。▶︎レシーと名乗るその兵士は語った。▶︎レシーは🇺🇦ウクライナ軍から銃撃を受けながら塹壕を掘るワグネルの戦闘員の様子を説明した。
塹壕を掘る戦闘員が殺されると、別の戦闘員がその代わりをする、という。▶︎「死んだやつを押しのけ、次のやつが出てきて掘り始める」と、レシーは語った。▶︎「次のやつを殺す、と同じことの繰り返しだ。▶︎連中は3日間、これを続ける」▶︎極寒の中、Tシャツ1枚で行動している者もいて、ワグネルの兵士が正常な判断力をもって行動しているとは思えない、とレシーは言う。▶︎「彼らは犠牲者など気にしていない。▶︎何もかもが死体で覆われていた」▶︎ワグネル・グループの創設者エフゲニー・プリゴジンは🇺🇦ウクライナ戦争において、主に戦闘に参加する傭兵を調達することで🇷🇺ロシアを支援してきた。▶︎ワグネルの傭兵の多くは🇷🇺ロシア人受刑者だ。▶︎ワグネルは、部隊を離脱したり、セックスをしたり、薬物を使用したり、アルコールを飲んだりしてはいけないなど、傭兵に厳しい規則の遵守を要求すると言われている。▶︎兵士たちは戦闘に従事する引き換えに、罪の赦免を約束されている。
<戦死者への関心が低い>
🇺🇸米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンシアン上級顧問は、ワグネル・グループは🇺🇦ウクライナにおいて地歩を固めるためなら、犠牲者を出すことも厭わない、と本誌に語った。▶︎「🇷🇺ロシア軍は全体として、NATO諸国の軍に比べて死傷者を出すことへの抵抗が低い。▶︎だがワグネルは刑務所にいる囚人を採用しているため、他の🇷🇺ロシア軍部隊なら攻撃をやめるところでも、進んで攻撃を続ける」と、カンシンアンは言う。▶︎「🇺🇦ウクライナ軍の防衛は比較的成功しているとはいえ、ワグネルの兵士たちの執拗さは、大きな負担になっている」▶︎3月4日、プリゴジンは🇷🇺ロシアが勝利に近づき、バフムートは包囲されたと主張した。▶︎だがその数日後には、必死で弾薬の供給を嘆願する羽目に陥った。▶︎戦争の戦略専門家たちは、🇺🇦ウクライナが数週間、バフムートの前線から戦術的に撤退すると予想していた。▶︎しかし、プリゴジンは最近、同地域で🇺🇦ウクライナ軍の兵士の増員が続いていると報告した。▶︎この冬の間、戦いは膠着状態になっていたため、🇷🇺ロシアが今回バフムートを占領すれば、数カ月ぶりにどちらかの側が確実に地歩を築いた、ということになる[*Newsweek 2023.03.08付記事抜粋]
■『🇺🇦ウクライナ本格反攻の布石か…🇺🇸米国がF16戦闘機の操縦技能調査』
[▲ウクライナが供与を求める🇺🇸米軍のF16戦闘機]
🇺🇦ウクライナの対🇷🇺ロシア本格反攻の布石となるか。▶︎🇺🇸米軍が国内基地に🇺🇦ウクライナ軍のパイロット2人を招き、F16戦闘機の操縦訓練に要する時間を調べるためフライトシミュレーターを使い技能を見極めていると🇺🇸米メディアが相次いで報じた。▶︎攻撃能力の高い戦闘機の供与はプーチン大統領に核使用を決断させる恐れがあるとして🇺🇸米国側は消極的とされるが、供与の選択肢は残っているようだ。▶︎CNNテレビによると、🇺🇦ウクライナ軍のパイロット2人は、🇺🇸米西部アリゾナ州で🇺🇸米軍と🇺🇦ウクライナ軍による活動に参加。▶︎ F16以外の軍用機の操縦訓練に必要な時間も調べているという。▶︎🇺🇸米側は、調査は訓練プログラムそのものではなく、現時点でさらに🇺🇦ウクライナ軍のパイロットを招く計画はないとした。▶︎一方、NBCニュースは「F16をすぐに訓練できるパイロットは約30人いる」とする🇺🇦ウクライナ側の話を伝え、🇺🇸米当局者も受け入れ拡大へ「将来の機会への扉を閉ざすことはない」と述べたと報じている。▶︎🇷🇺ロシア軍は🇺🇦ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトを包囲するなど攻勢を強めている。▶︎長期戦も予想されるなかで、🇺🇦ウクライナのゼレンスキー大統領は、戦闘機について「自由の翼だ」と表現、国土奪還に向けて、F16と、射程300キロの戦術地対地ミサイル「ATACMS」の供与が必要だと強調している。
[▲戦術地対地ミサイル「ATACMS」]
カール🇺🇸米国防次官(政策担当)は2月28日の下院軍事委員会公聴会で、🇺🇦ウクライナはF15とF16、F18を合わせ、計128機の戦闘機供与を米側に要請したことを明らかにした。▶︎このうちF16は50~80機とみられる。▶︎だが、既存の機体を実戦配備する場合でも1年半以上かかるとするなど供与には慎重な立場を崩していない。▶︎バイデン大統領もF16の供与を否定している。▶︎対🇷🇺ロシアの矢面に立つことを避けたい🇺🇸米国側は、🇷🇺ロシア領土を攻撃可能な兵器の供与については一貫して消極的だ。▶︎だが、戦車の供与について当初は否定していたものの、国際世論に押される形で供与を決めた例もある。▶︎🇺🇦ウクライナは約半数の戦闘機を失っているとされる。▶︎今後も苦戦が続けば西側諸国からのF16を含む戦闘機供与の議論が再浮上しそうだ[*夕刊フジ 2023.03.08付記事抜粋]
■『🇺🇦ウクライナとの戦争があぶり出した「多民族国家・🇷🇺ロシア」の暗部…動員されやすい“貧しい少数民族”』
2022年2月24日にはじまった🇷🇺ロシアによる🇺🇦ウクライナ侵攻後、🇷🇺ロシアを取り上げるニュースでは、プーチン大統領の姿を見かけないことはありません。▶︎しかし、🇷🇺ロシアは多民族国家であり、プーチンのイメージばかりが🇷🇺ロシアではありません。
◆21の共和国が存在する多民族国家🇷🇺ロシア
🇷🇺ロシアは🇯🇵日本の45倍の国土を持つ国ということで、スラヴ系の🇷🇺ロシア人以外にも様々な民族が住んでいます。▶︎その証拠に🇷🇺ロシアにはクリミアを除く21の「共和国」が存在します。
[▲ロシア連邦の共和国]
共和国にはスラヴ系🇷🇺ロシア人以外の民族が住み、🇷🇺ロシアの多様性を象徴しています。▶︎一方、共和国はあくまでも🇷🇺ロシア連邦に属し、連邦法を逸脱することは許されません。▶︎もちろん独立はご法度。▶︎過去にはチェチェン共和国が独立を目指しましたが、モスクワにより鎮圧されました。
◆チベット寺院があるブリヤート共和国
筆者は2018年に21の共和国のひとつ、ブリヤート共和国を訪れたことがあります。▶︎ブリヤート共和国はモンゴルの北にあり、首都ウラン・ウデはシベリア鉄道線上に位置します。▶︎ブリヤート共和国にはスラヴ系の🇷🇺ロシア人の他にモンゴル系ブリヤート人が住んでいます。▶︎モンゴル系ということもあり、顔つきは🇯🇵日本人にそっくり。▶︎正確に書くならば、丸顔の方が多いように感じました。▶︎ウラン・ウデ市内でバスを待っていると、スラヴ系の🇷🇺ロシア人から「このバスは駅に行きますか」とロシア語で尋ねられました。▶︎もちろん、知る由がありませんから、そのまま「知りません」と返しました。▶︎ブリヤート人はチベット仏教を信仰しています。▶︎そのため、ブリヤート共和国内には「ダツァン」と呼ばれるチベット仏教の寺院があります。▶︎ソ連時代は宗教弾圧により、閉鎖になったダツァンも少なくありませんでした。▶︎ソ連崩壊後は宗教政策が改められ、チベット仏教は尊重されるようになりました。▶︎寺院を見学すると、🇨🇳中国では絶対に見られないであろうダライ・ラマ14世の写真がありました。▶︎ところでブリヤート共和国ではロシア語と並んでブリヤート語も「公用語」として認められています。▶︎シベリア鉄道で出会ったブリヤート人に聞くと「小学校でブリヤート語を習う」と答えました。▶︎しかし、日常語はロシア語とのことです。
◆戦争があぶり出した🇷🇺ロシアの構造的問題
🇺🇦ウクライナとの戦争はブリヤート共和国にも暗い影を落としています。▶︎🇷🇺ロシアの独立系報道メディア、メディアゾーナによりますと、2022年2月24日から1年間において確認できる🇷🇺ロシア側の戦死者は少なくとも約1万5000人としています。▶︎このうち、ブリヤート共和国出身者は約450人にものぼります。▶︎これは🇷🇺ロシア国内の自治体の中でも多く、経済的に貧しい少数民族が動員されやすいという実態を示しています。▶︎2022年9月22日には一日でブリヤート共和国内の3000~5000人が動員されたという報道もあります。▶︎一方、2022年3月に🇺🇦ウクライナ・ブチャで発生した虐殺では多数のブリヤート人が関わったという事実が明らかになっています。▶︎11月にはローマ教皇が「🇷🇺ロシア軍で最も残虐な部隊は少数民族部隊」と批判しました。▶︎なお、🇻🇦バチカンは🇷🇺ロシアからの反発を受け、上記の発言に関して謝罪しています。▶︎今回の戦争では私が訪露した際には気づかなかった🇷🇺ロシア社会の暗部をあぶり出したような気がしてなりません[*まいどなニュース 2023.03.08付記事抜粋/文:新田浩之氏・ノンフィクション作家]
=======================
【掲載日】2023年03月08日(水)









