【シンギュラリティ後の世界〜加速する2045年問題---vol.31


『マイクロソフトの巨額出資で注目のChatGPTは、本当にGoogleキラーなのか』


2023年が始まって1ヶ月、既に2023年最大の議論の中心になっているのが、🇺🇸米国のAI研究機関「OpenAI」が発表したチャットボット「ChatGPT」でしょう。▶︎1130日に公開されたChatGPTは、公開5日であっさりと100万ユーザーを超え、IT業界を中心に注目されました。▶︎なにしろ、過去に業界最速で100万ユーザーを獲得して注目されたInstagramでも、サービス開始から100万ユーザー獲得までは2.5ヶ月かかっています。


比較的普及が早かったという印象のあるTwitterでも2年。▶︎Facebookでも10ヶ月かかっています。▶︎その記録を、ChatGPT5日まであっという間に縮めてしまったわけです。▶︎そのユーザー数急増の熱狂が覚めやらぬまま年が明けると、今度はマイクロソフトが1兆円を超える出資をOpenAIにするというニュースがかけめぐり、IT業界だけでなくビジネス界全体が一気にChatGPTに注目する流れになっているわけです。

ChatGPTは、Googleキラーなのか?

ChatGPTの使い方や概要については、既に多くのメディアで紹介されていますので、この記事では触れませんが、やはり注目されるのは、このChatGPTが、今後どの産業に大きな影響を与えるのかという点でしょう。▶︎特にメディアで取り上げられることが多いのは、2022年末にChatGPTの登場を受けて経営陣が「コードレッド」宣言を社内に対して実施したとされるGoogle▶︎そして、OpenAIに多額の投資を実施し、自社の検索エンジン「Bing」にChatGPTを組み込むことでGoogleに対抗するとみられているマイクロソフト▶︎この両社の今後の戦いに与える影響でしょう。▶︎その検索エンジンのシェアの高さから、GAFAなどインターネットの寡占企業の1社として君臨しつづけてきたGoogleの牙城が、ついにChatGPTの登場で揺らぐのではないかという見方をするメディアは少なくありません。▶︎はたしてChatGPTGoogleキラーになるのでしょうか?▶︎業界関係者の見方を分類すると大きく3つのシナリオが見えてきます。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

1:検索エンジン市場でChatGPTGoogleを脅かす

2Googleの検索結果を、AI生成記事が汚染する

3ChatGPTは検索以外の産業を先に破壊する

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

順番にご紹介しましょう。

1:検索エンジン市場でChatGPTGoogleを脅かす

メディアの記事を見ていると、ChatGPTのようなAIサービスが、早期にGoogleの検索サービスの存在を脅かすという論調が散見されます。▶︎Googleの検索サービスが、複数単語で検索するなど、使いこなすのにはそれなりのリテラシーが必要なのに対して、ChatGPTは元々チャット用に開発されたサービスであることもあり、自然の文章形式での質問に回答してくれます。▶︎ ChatGPTは、こちらの言葉が足りなくても、それなりに解釈をして何かしらの回答をしてくれるという意味で、より幅広い人に対応できる検索サービスを実現してくれる可能性はもちろんあります。▶︎それにより、Googleの収益の源泉である検索連動型広告市場が縮小する可能性があるというわけです。▶︎ただ、ITに詳しい業界関係者からすると、実はChatGPTが短期にGoogleの検索サービスに取って代わると考える方は少数派のようです。


実際にChatGPTをいろいろと使ってみると分かりますが、ChatGPTは「正解」を探すのに向いているサービスではありません。▶︎専門家の言葉を借りると「平気でウソをつく」サービスでもあります。▶︎現在のGoogleの代わりに検索サービスとして利用するには、まだ向いていないサービスだと言えるわけです。▶︎もちろん同様の議論は、新技術登場時には必ず発生する議論でもあります。▶︎例えばWikipediaもサービス開始当初は、不足している情報や間違った情報も少なくなく、出版社が出している辞書の代わりにはならないという議論が激しく交わされました。▶︎ただ、現在は多くの人が、Wikipediaをネット上の辞書代わりに使うようになっています。▶︎同様に、長い目で見ればChatGPTの精度が上がり、Googleの代わりとしても十分に機能する未来はありえます。▶︎GoogleAIの開発に注力していますし、将来の検索サービスがChatGPTのような自然文のものに変わっていく可能性は十分あるでしょう。

2Googleの検索結果を、AI生成記事が汚染する

“Googleキラーという意味で、実は既にそのリスクが目に見えているのが、こちらのシナリオです。▶︎ ChatGPTは、まだ「正解」を検索するという意味では完成していないサービスであると言えますが、それらしい記事を量産するという面においては十分な機能を保持しています。▶︎そのため、既に様々な事業者がChatGPTを用いた記事の生成に挑戦し始めています。▶︎🇺🇸米国のメディアでは、CNETChatGPTが話題になる前からAIにより金融知識の解説記事を生成しており、その複数の記事内容に誤りがあると指摘され、AIによる記事作成を中止するという騒動がありました。▶︎また、🇺🇸米国Buzzfeedは、ChatGPTを活用したクイズ記事作成に取り組むことを発表し、株価が大幅に上昇したことで話題になっていました。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◉【YouTube】『記者をChatGPTに替える宣言でBuzzFeed株が175%上昇』

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

こうしたChatGPTの記事生成への活用は、当然大手メディア意外でも実施可能です。▶︎🇯🇵日本でも、既にSEO目的でChatGPTで記事を大量生成するサービスを早速発表した事業者が登場し、多くの業界人が懸念を示しています。▶︎これまでも、アフィリエイトや広告収入目的で低コストでライターに大量に記事を発注するメディアが増えたことで、Googleの検索結果が似たようなアフィリエイトメディアばかりになる問題が指摘されてきました。▶︎ただ、これからはこうした記事の大量生成を人間ではなくChatGPTのようなAIツールに実施させる事業者が跋扈する可能性が、既に現実化しているわけです。▶︎当然Googleなどの検索エンジン側も対策を打ってくると思いますが、現時点ではChatGPTを活用した学生のレポートを見破ることすら難しいと言われており、Googleにとっても困難な状況が待っている可能性が高いわけです。▶︎ ChatGPTのようなAIによって生成された大量の記事によって、Google検索の使い勝手が悪くなり、間接的にGoogleを苦しめることになる可能性は十分ありえるでしょう

3ChatGPTは検索以外の産業を先に破壊する

ただ、実は多くの専門家が、ChatGPTが直近に影響を与えると考えているのは、検索市場以外の分野です。▶︎前述したように、既に記事作成に実際にChatGPTを活用しているメディアも登場してきています。▶︎日経新聞などはかなり前からAIを活用した記事生成を実験されていましたが、この流れは今後も間違いなく進むでしょう。▶︎また、メルマガやオウンドメディアのタイトル、ツイッターの文章など、Webマーケティングの現場で活用される例も増えてきているようです。▶︎さらに、実はChatGPTはアイデアの壁打ちの相手であったり、アシスタント代わりに要約やブレストの作業をしてもらうという使い方に向いており、様々な使い方がネット上でまとめられはじめています。▶︎テレ東BIZYouTubeでは、ワールドビジネスサテライトの視聴率を上げるにはどうすれば良いかという、方針の議論の壁打ちにChatGPTを活用する様子が紹介されています。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◉【YouTube】『世界を一変させる「AI」 その驚愕の実力とリスクとは?(2023124日)』

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

また、すでにChatGPTと画像生成AIを組み合わせて、漫画を作るという、従来コンピューターには難しいとされてきた「創作活動」にAIを活用している人すら出てきています。▶︎この2ヶ月程度で、これだけ様々な利用シーンが開拓され、新しいサービスも開発されてきていますから、2023年の年末には、私たちが想像もしないレベルに状況が変わっていてもおかしくないと言えるでしょう。

ChatGPTの登場は対岸の火事ではない

実は多くのメディアが注目している検索戦争のシナリオよりも、現実に注目すべきは、われわれの仕事の現場でのChatGPT活用というわけです。▶︎逆に、まだChatGPTを使っていない方が、ChatGPTの登場をGoogleマイクロソフトの検索エンジン戦争の文脈で捉えて、自分には関係ない対岸の火事だと考えるのは、非常に危険だとも言えます。▶︎実はChatGPTは、従来人間しかできないと私たちが思い込んでいたホワイトカラー業務を大幅に置き換えてしまう可能性が見えています。▶︎もちろん、それは人間の仕事がコンピューターに奪われるというだけではなく、人間がやるべき仕事がもっと複雑で創造的な仕事にシフトすることを意味します。▶︎マイクロソフトGoogleの間のAI開発競争がどうなろうと、ChatGPTのようなAIが私たちの仕事のあり方をこれから大きく変えていくこと自体は間違いないでしょう。▶︎ ChatGPTのニュースを、対岸の火事だと思っている方こそ、今すぐChatGPTを使ってみて、その可能性と限界を理解しておいた方が良いと思います[*文:徳力基彦氏・ブロガー、noteプロデューサー]

『グーグルが作曲AIMusicLM」発表文章から音楽を生成...その精度は』


話題の「お絵描きAI」や「AIチャットボット」に続き、今度は「作曲AI」が話題に

Stable Diffusion」や「Midjourney」といった画像生成AIAIチャットボットの「ChatGPT」に続き、最近では作曲AIの「MusicLM」がネット上で話題となっている。▶︎開発元はグーグルの研究機関であるGoogle Researchだ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◉【YouTube】『Google's MusicLM: Text Generated Music & It's Absurdly Good"

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

▶︎MusicLM28万時間におよぶ音楽データを学習しており、例えば「歪んだギターリフの上に乗るメロウなバイオリンの旋律」といった文章をもとに、音楽を生成する。▶︎デモページにはMusicLMで生成した様々な音楽が公開されており、すべて視聴可能だ。▶︎これまでもGoogle Researchの「AudioML」やOpenAIの「Jukebox」といった作曲AIは存在した。▶︎だがGoogle Reseachは先ほど、論文で「(MusicMLは)音質の良さと文章の再現度の高さにおいて、従来システムより優れている」と説明した。▶︎確かに、デモページに公開されているサンプルを聞く限り、入力した文章が複雑でも、それをもとに生成した音楽の再現度は高く感じられる。▶︎だが一方で、「24kHz」とされている音質に関してはやや疑問が残る。▶︎AIには著作権関連の問題がつきものだ。▶︎そのため、Google Researchでは現状、MusicLMを一般向けに公開する予定はない。▶︎今後は「歌詞の生成」や「イントロ、バース、サビといった複雑な曲構成」も可能にすべく、研究を続けていくという[*Newsweek 2023.02.01付記事抜粋]

AIが書いた100語の議会演説文米下院議員たちも全く気付かなかった』


ChatGPT」と交わした会話。英語で答えるが、「ハングルで書いてほしい」と言えば韓国語で答えてくれる]

🇺🇸米国が人工知能(AIの研究・開発でトップの座を守るには、🇮🇱イスラエルなどの国際パートナーと協力しなければなりません」▶︎これは、ジェイク・オーチンクロス米下院議員=マサチューセッツ州・民主党=が125日(現地時間)、下院本会議場で「🇺🇸米国と🇮🇱イスラエルは共同でAI研究センターを設置すべきだ」という内容の法案を説明する演説で述べた言葉だ。▶︎一見すると普通の演説のようだが、同議員が読み上げた100以上の単語からなる法案説明は「チャットGPTChatGPT」により作成されたものであることが分かり、あらためて注目されている。▶︎ChatGPT202211月末、🇺🇸米国企業OpenAIが発表した「AIチャットボット(チャットロボット)」で、質問を入力すれば希望の答えを会話形式で教えてくれるサービスだ。▶︎🇺🇸米国のインターネット・メディア「アクシオス」などが130日、「🇺🇸米議会でAIが作成した演説を朗読した最初の事例」▶︎AIの発達に関心が高まっているが、政府の規制がほとんどなく、偏見やフェイク情報生産などを助長するかもしれないとの懸念もある」と報道した。▶︎オーチンクロス議員はChatGPTに「法案の重要性を紹介する下院演説文を100語で作成せよ」と指示し、その後、数回修正・補完を指示して答弁となる文章を得たという。▶︎同議員はメディアとのインタビューで「その日、本会議場にいた同僚たちは誰も私の演説文がコンピューターが書いてくれたものだと気づかなかっただろう」▶︎「議会でAIに関する議論を促進するためChatGPTを使って演説文を作った」と語った。▶︎テド・リエウ下院議員=カリフォルニア・民主党=は126日、議会でAI技術の開発と使用を規制すべきだという内容の決議案を発議した。▶︎同議員はプレスリリースで、「ChatGPTに『議会はAI問題に集中しなければならないという内容の決議案を作成せよ』と入力した」▶︎「(該当の法案は)AIが作成した最初の決議案だ」と言った。▶︎リエウ議員は🇺🇸米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)への寄稿文で、「誰もAIを制御したり規制したりしない事実に驚いた」▶︎「政府はAI規制を担当する専門機関を設置しなければならない」と主張した。▶︎バイデン政権は202210月、AI技術開発と使用過程で発生する可能性のある副作用を極力抑えるための「AI倫理指針」を発表した。▶︎米科学技術政策局(OSTP)はこの時、人種・性別・宗教などによる差別の禁止やデータのプライバシー保護など、AI技術に関連して企業と政府機関が守るべき原則をまとめて公開したが、法的効力のない勧告事項であるため限界があると指摘されていた[*朝鮮日報 2023.02.01付記事抜粋]

=======================

【掲載日】2023.02.01(水)