【地球崩壊カウントダウン?〜忍び寄る気候変動の傾向 vol.84


『代替肉、飛行機、コンクリート… 気候変動の問題のカギは「コスト」—— ビル・ゲイツ氏が指摘』


毎年恒例となっているレディット(Reddit)のAMAAsk Me Anything:何でも聞いて)で、ビル・ゲイツ氏は代替肉の未来に言及した。▶︎ユーザーからの気候変動や完全菜食主義などにまつわるさまざまな質問に答えたゲイツ氏は、植物由来の代替肉に対する自身の楽観主義にも触れた。


「新しい方法で『牛肉』を作っている企業もあるし、引き続き牛を使いつつもメタンガスの排出削減に取り組んでいる人たちもいる」とゲイツ氏は書いた。▶︎その上で「代替肉のシェアは今は小さくても、これらの商品は今後、とても良いものになると考えている」と同氏は付け加えた。▶︎ゲイツ氏は自身が代替肉を手掛けるビヨンド・ミート(Beyond Meatインポッシブル・フーズ(Impossible Foodsアップサイド・フーズ(Upside Foods —— かつての「メンフィス・ミーツ(Memphis Meats —— を支援していると述べた。▶︎ただ、ゲイツ氏は地球環境を守るために一般市民がビーガンになる可能性については、あまり期待していないという。▶︎ビーガンになろうというのは素晴らしいことだが、大半の人はそうはならないだろう」▶︎気候変動に関する質問に対してゲイツ氏は、どの産業であれ、全ては"コスト"に帰結するとの考えを強調した。▶︎「気候変動の問題のカギは、飛行機であれ、コンクリートであれ、肉であれ、あらゆる排出を伴う分野で"クリーン"な製品を"ダーティ"な製品と同じくらい安く作ることだ」とゲイツ氏は指摘した。▶︎「これが世界の全ての国に変化を求めることができる唯一の方法だ。▶︎多くの追加費用がかかるなら、うまくいかないだろう」▶︎ゲイツ氏は自身が2023年に期待することの1つに「気候イノベーション」を挙げている。


今回のAMAで同氏は他にも、人工知能(AI)に関する考えを共有したり、今もアンドロイド携帯を使用していることを認めたり、275000エーカーもの農場を所有している理由を語っている[*BUSINESS INSIDER JAPAN 2023.01.24付記事抜粋]

『温暖化を止めるために🇺🇸米国で建設ラッシュのCO2回収・貯留施設』


米カーボン・キャプチャー社が建設している炭素回収施設]

気候変動が深刻化するなか、その原因となる二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する「CCS」技術が注目されてきた。▶︎排出を減らすだけでなく、より積極的にCO2を大気中から除去し、安定的に保管することで、地球温暖化を止めようという画期的なものだ。▶︎世界各地でこの技術の開発が進められてきたが、その導入には相当のコストがかかるため、なかなか広まっていない。▶︎🇫🇷仏メディア「ユーロニュース」によると、オックスフォード大学などの研究者が行った研究では、既存のCCS設備は規模が小さく、温暖化の抑制にはほとんど貢献できていないことがわかった。▶︎世界でこれまで除去されていた毎年20億トンのCO2のうち、99.9%が森林に吸収されていたのだ。

CCS設備の建設に力を入れる業界とは

しかし、🇺🇸米誌「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」によると、🇺🇸米国ではこの状況が変わりつつあるという。▶︎20228月に成立したインフレ抑制法で、環境にやさしい技術の開発や導入に対して大幅な税額控除が付与されることになったからだ。▶︎新たに建設されるCCS関連施設もその対象となり、🇺🇸米国で建設ラッシュが起きている。▶︎エネルギーの専門家は、これによって🇺🇸米国で除去されるCO2の量は現在の年間1200万トンから2500万トンに急増すると予測。▶︎さらに2030年には2億トンにまで伸びると概算する。▶︎大規模なCCS設備を新設する企業は、大気を汚染しがちな産業に多い。▶︎たとえば、世界のCO28%を排出するとされるコンクリート業界だ。▶︎同分野の🇺🇸米大手企業リーハイ・ハンソンは、2023年初めに操業を開始したセメント工場にCCS施設を建設する予定だ。▶︎それが稼働すれば、2028年までに同工場で排出されるCO295%を回収できるようになると見込む。▶︎こうした動きは、化石燃料を扱う企業でも多くみられる。▶︎🇺🇸米ガス大手のエアープロダクツは、45億ドル(約587億円)をかけて世界最大となるCCS施設の建設を進めている。▶︎🇺🇸米石油大手オクシデンタル・ペトロリアムも、テキサス州で建設中のCCS施設が2024年末に完成予定だ。▶︎これが稼働すれば、同社は年間9000万ドルもの税額控除を受けられることになる。▶︎CO2回収を専門とする企業も事業規模を拡大している。▶︎🇺🇸米カーボン・キャプチャー社は大気中からCO2を直接回収し、それをカーボンクレジットとして販売。▶︎同社はさらに設備を拡大し、10年後には回収量を年間500万トンにまで増やす予定だ。▶︎これほどまでに大規模なCCS施設の建設が進んでいるのは、インフレ抑制法での税額控除額の引き上げにより、長期的にはCCSへの投資が利益につながると各企業が判断しているからだ。

CCSへの根強い反対も

一方、多くの環境保護主義者は、CCSの推進に反対している。▶︎というのも、この技術が広まることで、化石燃料の使用削減に向けた取り組みが抑制されかねないからだ。▶︎マサチューセッツ工科大学の環境工学教授で、かつてCO2を回収する会社を経営していたチャールズ・ハーベイもブルームバーグ・ビジネスウィークに次のように語っている。▶︎「(火力)発電所でCO2を回収して貯留しようとするより、蓄電できる再生可能エネルギーの発電設備を建設するほうがずっと効率的です。▶︎コストも時間も少なく済むことがわかっています」[*COURRiER Japon 2023.01.26付記事抜粋]

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【掲載日時】20230127日(金)