【地球崩壊カウントダウン?〜忍び寄る気候変動の傾向 vol.63】
■『「世界中の土がパサパサになってしまった」東大教授が警鐘…人体への悪影響も及ぼす「土」問題の深刻化』
世界の食料需給がひっ迫している。▶︎コロナ禍による物流の混乱や、🇺🇦ウクライナ戦争により食料が値上がりしたのも記憶に新しいが、近年相次いでいる異常気象は今後も起こると予想され、世界の農業生産の見通しに暗い影を落としている。▶︎そんな中、世界の「土」問題がいよいよ深刻化していると、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は指摘する。▶︎化学肥料・農薬は農業生産を飛躍的に高めたが、その反面、土壌の劣化をまねき、「土がパサパサになってしまった」と鈴木氏はいう。▶︎その結果、洪水などの影響を受けやすくなったほか、人体にも思わぬ被害が生じかねないという。▶︎鈴木氏の著書『世界で最初に飢えるのは日本』より一部を抜粋してお届けする。
◆世界の「土」が破壊されている
いま、世界では、異常気象による洪水や渇水により、農業生産に大きな被害が生じている。▶︎だが、それにも、実は人災という側面がある。▶︎1940年代から60年代にかけて、いわゆる「緑の革命」が起こった。
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【用語解説】
◉『緑の革命(Green Revolution )』=主として開発途上国の人口増加による食糧危機克服のため、多収穫の穀類などを開発して対処しようとする農業革命のこと。1941年、ロックフェラー財団とメキシコ政府が共同で取り組んだ小麦の高収量品種開発が始まりといわれている。
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化学肥料の大量使用と、品種改良、農機具の機械化によって、穀物生産量が大幅に伸びたのだ。▶︎世界から飢餓を減らしたという点で、この「緑の革命」には意義があった。▶︎だが一方、その弊害も顕著になってきている。▶︎土にはたくさんの微生物がおり、その微生物を中心とした生態系がある。▶︎しかし、近代農業の普及により、化学肥料や農薬が多用されたことで、土壌の中の微生物が減少し、土の中の生態系が破壊されつつある。▶︎土の中の微生物が死滅してしまうと、生態系が崩れ、土壌の保水力が失われる。▶︎「ぱさぱさ」になった土は、少しの雨でも、簡単に流出してしまう。▶︎近年、大雨による洪水被害が拡大している背景には、こうした土壌の劣化問題があるとも言われている。▶︎いま、世界中で「土」が失われつつある。▶︎🇺🇳国連FAOの発表によると、世界の3分の1の表土は、すでに喪失しているという。▶︎また、いまも5秒ごとに、サッカー場程度の土が流出しており、2050年には世界の90%以上の土壌が劣化してしまうという(東京大学非常勤講師の印鑰智哉氏の講義資料による)。▶︎土壌の微生物は、植物が育つうえで、非常に大きな役割を果たしている。▶︎植物は太陽の光を受けて炭水化物を作り出す、いわゆる光合成を行っているが、この光合成で作られた炭水化物の約4割は、実は土壌の中に放出されている。▶︎この炭水化物が土壌に微生物を呼び込み、その微生物がもたらすミネラルによって、植物は成長することができる。▶︎健全な土壌においては、微生物と植物が、こうした共生関係を結び、互いに助け合って生きているのである[*現代ビジネス 2022.12.20付記事抜粋/文:鈴木宣弘氏・東京大学大学院農学生命科学研究科教授]
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■『九州最大規模のメガソーラー発電所が完成…年間で約3万8000世帯の電力を発電』
九州最大規模のメガソーラー発電施設が熊本県の山都町(やまとちょう)と高森町(たかもりまち)に完成し、稼働を始めています。▶︎年間およそ3万8000世帯分の電力を発電します。▶︎完成したのは、山都町と高森町の3か所で、あわせて約191ヘクタールの広大な面積に太陽光パネル約35万枚を設置した九州最大規模のメガソーラー発電施設です。
全国で再生可能エネルギー事業を展開する東京の2社が運営するもので、すでに2022年5月から順次、稼働しています。
発電出力は約143メガワットで、一般家庭 約3万8000世帯の年間消費電力量に相当します。
また、CO2排出削減効果は、年間で約7万5000トンが見込まれるということです[*熊本放送news 2022.12.21付記事抜粋]
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■『原料は二酸化炭素、地球に優しい「空気肉」…アイドルが吐いた息で製造したら最高級ブランド化は必至か』
◆辛酸なめ子・じわじわ時事ワード「空気肉」
もないところから食べ物ができたら……世界の食料危機や環境問題も解決できるかもしれません。▶︎🇺🇸アメリカのスタートアップ企業「Air Protein(エア・プロテイン)」が、二酸化炭素や微生物を用いてたんぱく質を作り出す技術で注目を集めています。▶︎その名も「Air Meat(エア・ミート)」、訳すと「空気肉」です。▶︎空気からできた肉を食べられるなんて、霞を食べる仙人のよう。▶︎人類が魂的にも進化していきそうです。▶︎「Air Protein」の創設者で物理学者のリサ・ダイソン氏が着目したのは、1960年代にNASA(米航空宇宙局)で研究されていた食料生産技術。▶︎空気中の二酸化炭素を微生物がたんぱく質に変換できることが発見されました。▶︎宇宙船や宇宙基地で、宇宙飛行士が吐き出した二酸化炭素や水から食料ができる、という画期的な技術です。
「空気肉」は必須アミノ酸やビタミン、ミネラルを含み栄養価も高いそうです。▶︎この微生物が人間の体内に生息していれば、人も空気から栄養を摂取して食べ物いらずだったかもしれません……。▶︎さらに、「空気肉」は牛や豚など動物の肉や大豆ミートよりも地球環境への負荷が低いです。▶︎たんぱく質を製造するのに必要な土地と水は、大豆ミートの場合の1000分の1で済むとか。▶︎また、地球温暖化の要因である二酸化炭素が活用できるという点も地球に優しいです。▶︎製造には4日くらいしかかからず、動物の肉や大豆ミートよりも短期間でできます。▶︎話を聞く限りでは良いことずくめ。▶︎今後、普及して生産コストが下がったら低価格で買えるようになるかもしれません。▶︎チキンとホタテの2タイプが再現されているそうです。▶︎元は宇宙飛行士の呼気の二酸化炭素が原料として考えられていた「空気肉」。▶︎今後は、どこの空気で誰が吐いた二酸化炭素か、というのが重視されそうです。▶︎エリート宇宙飛行士が吐いた息や、アイドルグループの楽屋にうずまく二酸化炭素、少年少女合唱団の天使の歌声から排出される二酸化炭素、修道院やお寺の清らかな二酸化炭素などに、最上級グレードがつくのではないでしょうか。▶︎今のうちから二酸化炭素利権に注目したいです。
◆スプレーのおかず
「空気肉」とは別のベクトルの、“エアおかず”が🇯🇵日本で発売されているのをネットで見つけました。▶︎その名も「おかずのかおり」。
名前の通り、焼き肉や餃子、カレー、うなぎの蒲焼などの香りを封入したスプレーです。▶︎給料日前などでお金がない時、実物のおかずがなくてもごはんがおいしく食べられるようにと開発されたそうです。▶︎価格も600円台と庶民的。▶︎実体のないおかずで心が満たされる域に達したら、人類は新しいステージに行けそうです[*読売新聞「OTEKOMABHI」2022.12.22付記事抜粋/文:辛酸なめ子氏・漫画家・コラムニスト、エッセイスト]
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【掲載日時】2022年12月22日(木)









