【汚れた東京五輪(パクリんピック)第2章〜《逃げ得は許さない!》東京地検特捜部が追う東京五輪官製談合疑惑 vol.45】
《光が強くなればなるほど、影はどんどん濃くなる…スポーツビジネス界の光と闇》
■『〈五輪談合〉セレスポ会長のフェイスブックから削除された森喜朗、小池百合子との“2ショット写真”』
[稲葉氏のフェイスブックから削除された五輪関係者との2ショット写真(右・稲葉利彦会長)]
東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る談合事件。▶︎東京地検特捜部は本大会の巨額受注を視野に受注調整を行っていたと見て、実態解明を進めている。▶︎「組織委員会が2018年に発注したテスト大会の計画立案業務は計26件。▶︎9社1団体が落札し、総額は約5億4000万円でした」(社会部記者)▶︎だが落札金額が最多だったのは、実は談合を主導したとされる電通ではない。▶︎「イベント会社のセレスポです。▶︎新国立競技場など計5件を総額約1億1600万円で落札した(電通は約8000万円)。▶︎同社にも11月25日、特捜部の家宅捜索が入っています」(同前)▶︎1977年創業のセレスポ。▶︎社名の由来は「セレモニー&スポーツ」で、主にスポーツ大会や式典の運営を手掛けてきた。▶︎2004年には現在の東証スタンダード市場に上場。▶︎近年は五輪事業が大きく貢献し、2022年3月期の売上高は実に前年比6.1倍の約270億円だ。▶︎「談合の疑いがある18年当時のトップは稲葉利彦会長。▶︎本人は『組織委から声をかけてもらった』と談合を否定していますが、特捜部も注視するキーマンの一人です」(同前)
◆「稲葉氏に逆らえるような社員はなかなかいません」
慶応大卒業後、伊勢丹に入社した稲葉氏は天津伊勢丹社長などを経て、2008年にセレスポ社長に就任。▶︎2022年1月に会長に就くまで14年間、トップの座にあった。▶︎同社の第5位株主でもある。▶︎同社関係者が言う。▶︎「天津伊勢丹の社長を務めていただけあって、🇨🇳中国クラブが大好きです。▶︎酔うと植木等の曲を歌い続けるのが常。▶︎無類の麻雀好きで、仕事関係者と自宅で雀卓を囲むこともあります。▶︎他方で現場への当たりはきつい。▶︎気に入らないと、伸び縮みする銀色のボールペンで部下を叩いたりする。▶︎それでも、長く社長を務めてきた稲葉氏に逆らえるような社員はなかなかいません」
◆稲葉氏のフェイスブックから削除された五輪関係者との2ショット写真
そんな稲葉氏が周囲に誇ってきたのが、五輪関係の要人との人脈だ。▶︎「稲葉氏は、森喜朗元首相や小池百合子都知事らと接触してきた。▶︎同じ慶応出身の高橋治之被告とも接点があります」(別の関係者)▶︎実際、自らのフェイスブック(FB)には森氏や小池氏、JOCの山下泰裕会長らとの2ショット写真をアップしていたのだが……。▶︎「談合報道を受け、稲葉氏のFBを確認したら、写真が消えていた。▶︎セレスポにとって、都やJOCとのパイプは重要。▶︎彼らに迷惑がかからないようにしたと見られます」(同前)▶︎セレスポに、写真の削除や部下を叩いた点などについて確認を求めたところ、「現在当局への捜査協力中のため、ご質問についてのコメントは控えさせていただきます。▶︎稲葉個人へのご質問についても同様にてお願いしたいと存じます」▶︎疑惑はまだ消えていない[*週刊文春 2022年12月15日号記事抜粋]
▶️以前も本ブログで指摘した通りセレスポと言えば、“神社本庁”との関係が太い企業。“神社本庁”と言えば、故・安倍晋三元首相の強力な支持基盤のひとつ。電通、博報堂など大手広告代理店ならまだしも、一般人にはほぼ無名の企業が、これほど巨額の公共事業案件を度々落札できるのは、何か裏があるのでは?と勘ぐりたくなる〆
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■『「7年前決定」「1都市開催」も捨て去り変節を重ねるIOCですら決めかねる「30年札幌冬季五輪」の経緯』
[1972年札幌冬季五輪開会式の光景]
国際オリンピック委員会(IOC)理事会が今月開かれて2030年の冬季五輪の開催地をどこにするかを決める時期を予定していた2023年9・10月から先送りすると決めました。▶︎気候変動で安心して行える開催地が減るのを不安視していて時間をかけて検討するためとしています。▶︎確かに気候変動がもたらす危機は甚大。▶︎ただし2030年大会の「大本命」と目されているのが北海道札幌市であるというのを考え合わせると「本当にそれだけか」とも。▶︎というのも2021年開催の東京夏季五輪では汚職事件に続いて談合が新たに疑われている状態なので。▶︎そこで現在進行中の談合疑惑に加えて冬季五輪に横たわる重大な懸念を考察してみます。
◆談合はなぜ罪に問われるのか
東京五輪にまつわる不祥事がIOCの判断をためらわせている部分はありましょう。▶︎現に理事会後に幹部が「疑惑を注視し全容解明にあらゆる関心を払う」と発言したし橋本聖子組織委員会(組織委。清算法人)会長も談合事件発覚を札幌誘致に「非常に厳しい」影響を与えると認めました。▶︎東京地検特捜部が組織委元理事(みなし公務員)が主導したとみられる一連の贈収賄事件を摘発して起訴に持ち込んでから時を置かずして発覚したのが談合です。▶︎罪としての談合は公の事業が発注された際に受注側が話し合って落札させる業者を決めて価格などを調整する行為。▶︎公の事業は少しでも安くて良い条件を示した業者に仕事を与えるのが納税者への義務。▶︎組織委も都税・国税など公費が入っているから同様の義務を負ってしかるべき。▶︎談合して決めた闇の値段はガチで競った時より高く設定されるはず。▶︎でないと談合する意味がないので。▶︎その分だけ組織委、ひいては国民に無駄なカネを使わせます。
◆刑法と独占禁止法の違い
談合を罪として摘発する場合、刑法の談合罪と独占禁止法の「不当な取引制限」が考えられます。▶︎前者は「公正な価格を害する目的」「不正な利益を得る目的」のいずれかを証明しなくてはなりません。▶︎後者はその縛りがなく最高刑や罰金額も重いため、こちらで捜査するケースが目立ちます。▶︎ただし刑法違反ならば警察・検察独自で立件できるところ独禁法の運用は公正取引委員会(公取委)と決まっています。▶︎したがって今回の五輪談合疑惑も公取委が東京地検特捜部とともに捜索等を行っているのです。▶︎違反が認められ次第、公取委が検事総長に刑事告発し、以後は検察の仕事となります。▶︎疑惑はリハーサルを主目的としたテスト大会に関連する業務を組織委が委託した際に落札した電通など広告会社らがた談合していたとするもの。▶︎発注した組織委の部局に受注した電通からの出向者がいたとされ完全な出来レースを疑われているのです。
◆人気なき冬季五輪は札幌一択のはずが
賄賂に談合と絵に描いたような腐敗役人と悪徳商人の結託のような図式。▶︎こうなってみると「オリンピックなんてもういらない」との声が高まって不思議ではありません。▶︎他方、腐敗役人と悪徳商人にとっては「どうしてもやりたい」わけで。▶︎もっとも冬季五輪は夏季ほどに「悪徳側」もそそられません。▶︎五輪憲章は夏冬季を同列とみなすも「雪上または氷上で行われる競技のみが冬季競技とみなされる」と付随的な文言も。▶︎規模も小さい。▶︎実際、2030年大会に興味を示している都市は札幌のほかにはソルトレークシティ(🇺🇸アメリカ)やバンクーバー(🇨🇦カナダ)ぐらい。▶︎うちソルトレークは2028年の夏季が同じ🇺🇸アメリカのロサンゼルスでの開催なので本心は2034年以後。▶︎バンクーバー市に至っては属しているブリティッシュコロンビア州が10月、コストを主な理由として招致を支持しないと発表しています。▶︎🇨🇦カナダは市に関する権限は州に属する仕組みゆえ、ほぼ致命的な表明でしょう。▶︎もはやIOCは札幌一択。▶︎しかし🇯🇵日本の直近大会はカネまみれ。▶︎バッハ会長は自身の任期中である2025年までに決めると言っていますが。
◆費用の大幅削減は避けて投票もせず非公開で開催地を決めるIOC
ところで東京大会が決まった瞬間を覚えていらっしゃるでしょうか。▶︎2013年に開かれたIOC総会。▶︎高円宮妃久子さまが英仏語でスピーチし、滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と発し、安倍晋三首相が福島第1原発の状況を「アンダーコントロール」と語り、イスタンブール(🇹🇷トルコ)との投票で勝ったあの瞬間。▶︎散々聞かされていたのが「開催は7年前に決まる」でした。▶︎でも2025年以降での決定では最大5年前、他方で夏季大会は2032年ブリスベン(🇦🇺オーストラリア)が既に2021年に決まっています。▶︎実はブリスベン大会を決めたIOC総会から「7年前」の規定が消失。▶︎投票もなくなって開催の意思ある都市が計画などをIOCに提案する。▶︎「ふさわしい」と委員らが総会で承認する方式に変わっていたのです。▶︎非公開で事前に話し合って「この年でどう?」みたいに差配するという不透明さ。▶︎さらに五輪の核心ともいうべき「都市が開催」もなげうって複数の都市や国をまたいでもよくなりました。▶︎現に2026年冬季大会は🇮🇹イタリアのミラノとコルティナダンペッツォが共催です。▶︎理由は簡単。▶︎🇯🇵日本を除く主要国の多くが費用負担の重さから敬遠する傾向が近年高まっていて立候補が激減。▶︎選挙で競わせるといった高飛車を決め込む余裕など吹き飛んでいて、いってみれば「談合」で「4年に1度」を埋めていくしかなくなりました。▶︎共催も費用負担の分散に有効です。▶︎しかし本質的な課題である開催費用の大幅削減案は出ていません。▶︎「できればこのまま」というIOCの本音が透けてみえます。
◆注目される2023年4月の札幌市長選
2030年大会開催地決定延期の理由である「気候変動」を言い逃れとまでいいません。▶︎さまざまな試算で過去に冬季大会を開いた都市の多くが、主に「雪」の面で温暖化の影響を受けるのが確実だから。▶︎ただ前述のように「7年前決定」も「1都市開催」も捨て去って、事実上札幌一択にもかかわらず決められない理由とは🇯🇵日本の五輪関係の疑惑が払拭できないからと推測せざるを得ません。▶︎それでもなお札幌市の秋元克広市長と日本オリンピック委員会(JOC)が「クリーンな大会に向けた宣言」なる共同宣言を発表してまで開催したいと訴えています。▶︎グレーな疑惑を発する国が非公開交渉という不透明な選考過程に舵を切ったIOCへアピールする言葉が「クリーン」とはブラックジョークでしょうか。▶︎注目されるのが2023年4月の札幌市長選。▶︎与野党相乗りの秋本市長に対抗する元市市民文化局長の候補は誘致反対で「市長選を住民投票に見立て、賛否を問いたい」と述べています。▶︎結果次第で2030年札幌五輪の「虹の地平」(1972年大会テーマソングの一部)が決まるかもしれません[*文:坂東太郎氏・十文字学園女子大学非常勤講師]
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■『ワールドカップ 熱狂のかげで… ビッグスポーツイベントにつきまとう利権構造の背景とは?』
サッカー・森保ジャパンの活躍に🇯🇵日本中が沸きましたが、ワールドカップやオリンピックをめぐっては、熱狂のかげで問われていることがあります。
◆森保ジャパン躍進の一方で…
中東🇶🇦カタールで開かれているFIFA・ワールドカップ。▶︎🇯🇵日本代表はベスト16で敗退したものの、その戦いは多くの人に感動をもたらしました。▶︎男性A:「PKで負けたのは悔しいけど、本当に素晴らしい結果だと思う」▶︎男性B:「よくやってくれました。▶︎PKまでよく頑張ってくれた」▶︎一方で、今回の🇶🇦カタール大会は、開催前から様々な問題が指摘されていました。▶︎例えば、開催決定からの10年間で、劣悪な労働環境などにより、6500人もの外国人労働者が死亡したと報じられると、各国からの非難が高まります。▶︎こうした人権問題を巡って、パブリックビューイングを中止するなどの観戦ボイコットや、選手たちによる抗議運動も行われました。
◆FIFAの汚職疑惑
もう一つが「招致プロセス」を巡る「不正」。▶︎11月、🇪🇺EU議会は…。▶︎🇪🇺EU議会・オランダ代表:「立ち上がってFIFAの行為にイエローカードを出すよう、皆さんに呼びかけます!」▶︎🇶🇦カタール大会の招致に際し、巨額の賄賂や汚職があり、組織的で根深い問題だと、厳しく非難する決議を採択したのです。▶︎FIFA・ブラッター会長(当時):「2022年の開催地は、カタール!」▶︎🇶🇦カタール開催が決定したのは2010年のFIFA理事会。▶︎🇯🇵日本を含む5か国が招致に名乗りを上げ、FIFAの現地視察団による調査報告書で、🇶🇦カタールは最低評価でした。▶︎ところが、理事による投票の結果、🇶🇦カタール開催が決定。疑惑がささやかれる中、5年後の2015年…。▶︎🇺🇸米・リンチ司法省長官:「FIFA幹部らはサッカーから不正を排除し、公平性を保つ責任があるのに、サッカービジネスで私腹を肥やした」▶︎🇺🇸アメリカの司法当局は、FIFA幹部らが招致活動を巡り、巨額の賄賂を 受け取ったとして摘発。▶︎FIFA副会長らが逮捕され、当時のブラッター会長も辞任する事態に至ります。
◆スポーツビッグイベントと巨大な利権
こうした問題の背景には、大会の巨大化があります。▶︎🇶🇦カタール大会で、スタジアム建設などインフラ整備に投じられた額だけで、およそ30兆円ともいわれ、前回ロシア大会の15倍以上に達しました。▶︎東京オリンピックで組織委員会・理事も務め、スポーツビジネスに詳しい來田氏は…。▶︎中京大学・來田享子教授:「ナショナリズムを喚起するような形の構造で行われることが、国の威信を示したいという気持ちと、ビジネス化しより多くの儲けを得たいという気持ちと結びつく。▶︎オリンピックもそうですが、非常に大きなお金が動く。▶︎その中で、利権構造が生まれる」
◆オリンピック史に残る大スキャンダル
「国家の威信」と、「巨大な利権」が絡み、大規模な汚職につながるといいます。▶︎実際、オリンピックもまた…。🇺🇸アメリカ・ソルトレークでの開催が決まった2002年冬季オリンピック。▶︎しかし、その招致を巡りオリンピック史に残る大スキャンダルが起きます。▶︎組織委員会が、IOCの委員に多額の金品を贈ったり、▶︎委員の息子に奨学金を出したりするなど、買収の実態が明るみに出たのです。▶︎また2016年の🇧🇷ブラジル・リオデジャネイロ大会では、当時のオリンピック委員会会長が、贈賄で禁錮30年の判決を言い渡されています。▶︎そして2021年の東京オリンピックでも、大会組織委員会の元理事、高橋治之被告が、スポンサー選定などの契約にからみ、複数の企業から賄賂を受けていたとして、逮捕・起訴されました。▶︎さらに、事前の「テスト大会」の入札を巡る談合事件も発覚し、現在も捜査が進められています。▶︎この談合事件について、12月5日、IOCからは…。▶︎IOC・デュビ統括部長「完全に解明されるよう、IOCをはじめ、全員が関心を持っている。▶︎どれだけの人物が関わっていたのか明確にすべきだ」▶︎こうした中、IOCは札幌市が招致を目指す2030年冬季オリンピックについて、年内としていた候補地1本化の時期を、先送りしたのです。▶︎中京大学・來田享子教授:「今回の東京大会、カタールのワールドカップの汚職というのは、アンフェア (不正)に作られた舞台で、選手がフェア(公正)な競技を求められている。 ▶︎スポーツというのは公平で公正であるという性格がある。▶︎これをある種の隠れ蓑にして、汚職や不正が発生する所に問題がある。▶︎だからこそ、意思 決定プロセスの透明化、誰のために開催するのか明確にすること。▶︎そうすることで、大会の意味が変わってくると思う」▶︎巨大なスポーツイベントにからむカネや利権。▶︎こうした不正をどう断ち切るかが、今、問われています[*TBS NEWS 2022.12.11付記事抜粋/TBS「サンデーモーニング〜風をよむ」2022年12月11日放送内容より]
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【掲載日時】2022年12月12日(月)


