【第三次世界大戦への火種〜🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ関連ニュースvol.157


『「🇺🇦ウクライナ・🇷🇺ロシア戦争」開戦をけしかけた🇺🇸アメリカとNATOの重罪』


どのような戦争であっても、国家間の対立において「一方のみが100%悪い」というケースは稀でしょう。▶︎足元で続いている「🇺🇦ウクライナ・🇷🇺ロシア戦争」についても同様で、🇺🇸アメリカシカゴ大学のミアシャイマー教授は「この戦争が起きた原因は、🇺🇸アメリカとNATOにある」といいます。▶︎それぞれの国がもつ思惑、戦争という悲劇が起きた背景について、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が解説します。

◆前大統領が合意した「ミンスク合意」を反故にした理由

🇩🇪ドイツのメルケル首相や🇫🇷フランスのオランド大統領が介入する中、20149月、20152月の二度にわたって🇷🇺ロシアと🇺🇦ウクライナの間でミンスク合意が結ばれた。

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【用語解説】

◉『ミンスク合意』=2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡る和平合意。ロシアとウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が152月にベラルーシの首都ミンスクでまとめた。ロシアを後ろ盾とする親ロ派武装勢力とウクライナ軍による戦闘の停止など和平に向けた道筋を示した。大規模な戦闘は止まったものの合意後も断続的に戦闘が続いた。


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親ロシア派武装勢力が実効支配している🇺🇦ウクライナ東部について、特別の統治を認めるよう憲法改正を実施する。▶︎OSCE(欧州安全保障協力機構)の代表が見守る中で自由選挙を行い、東部地域の統治形態を決める。▶︎ポロシェンコ前大統領はこういう内容のミンスク合意に調印したものの、後任のゼレンスキーは約束を反故にした。▶︎なぜか。▶︎ゼレンスキーはNATO(北大西洋条約機構)に是が非でも加盟したかったからだ。▶︎親ロシア派武装勢力が実効支配している地域は、ルハンスク州の半分、ドネツク州の3分の1に過ぎない。▶︎そこに特別の統治体制を認めると、憲法改正のときに必ず「外交条約を結ぶときにはこの二つの地域の承認が必要だ」という条項を付け加えることを親ロシア派は要求する。▶︎このような条項を付け加えることを🇺🇦ウクライナが拒否すれば、🇷🇺ロシアも親ロシア派武装勢力も憲法改正には絶対合意しない。▶︎🇺🇦ウクライナがルハンスク州やドネツク州の一部に特別の統治体制を認めると、何が起きるか。▶︎親ロシア派武装勢力が外交条約締結に関して拒否権をもつことになり、🇺🇦ウクライナは未来永劫NATOに加入できなくなってしまう。▶︎こういう構図があるから、ゼレンスキーはミンスク合意の履行を拒否した。▶︎シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、🇷🇺ロシアと🇺🇦ウクライナで起きてきた出来事をリアリズム(現実主義)の観点で鋭くとらえている。▶︎ミアシャイマー教授は「今回の戦争の責任は🇺🇸アメリカとNATOにある」と断言する。▶︎🇷🇺ロシアと国境を接する周辺諸国にNATOが進出してくれば、🇷🇺ロシアにとっては喉元に匕首(あいくち)を突きつけられているようなものだ。▶︎20084月、🇷🇴ルーマニアで開かれたNATO首脳会議で、🇺🇸アメリカのブッシュ大統領は🇺🇦ウクライナと🇬🇪ジョージアのNATO加盟をぶち上げた。▶︎🇩🇪ドイツや🇫🇷フランスはこの提案に反対したものの、🇺🇦ウクライナと🇬🇪ジョージアはブッシュ大統領の提案に同調する。▶︎ミアシャイマー教授は、ブッシュ大統領がけしかけた2008年のNATO東方拡大路線が、今回の戦争の原因だと断言する。▶︎NATO首脳会議から4ヵ月後の20088月、🇷🇺ロシアは🇬🇪ジョージアに侵攻した。▶︎さらに20143月には、🇷🇺ロシア軍が🇺🇦ウクライナ南部のクリミア半島へ侵攻する。▶︎クリミア半島には、黒海と接する海軍基地セバストポリがある。▶︎東方拡大によって、セバストポリをNATOの拠点にされる事態は絶対に避けたい。▶︎だから🇷🇺ロシアはクリミアへ侵攻したのだとミアシャイマー教授は指摘する。
🇷🇺ロシアとNATO…その緩衝地帯だった🇺🇦ウクライナ


1999年、🇵🇱ポーランドや🇨🇿チェコ、🇭🇺ハンガリーが新たにNATOに加わった。▶︎2004年には🇷🇴ルーマニア、🇧🇬ブルガリア、バルト3国(🇪🇪エストニア、🇱🇻ラトビア、🇱🇹リトアニア)、🇸🇰スロバキア、🇸🇮スロベニアの7ヵ国がNATOに加盟している。▶︎🇺🇸アメリカの主導によってNATOは東方拡大を続け、🇷🇺ロシアをずっと刺激し続けてきた。▶︎このうえ🇺🇦ウクライナまでNATOに加わることになれば、🇷🇺ロシア陣営でもNATO陣営でもない軍事的な緩衝地帯(バッファー)を失い、ロシアは喉元に匕首を突きつけられることになる。▶︎西側の同盟国になるか。▶︎🇷🇺ロシアの同盟国になるか。▶︎中立の道を選ぶか。▶︎独立国である🇺🇦ウクライナには、決定権があるのは当然だ。▶︎だが🇷🇺ロシアとNATOという巨大国家に挟まれた弱小国である🇺🇦ウクライナは、バッファーにしかなりえない。▶︎この地政学的制約を、🇺🇦ウクライナは宿命として受け入れるしかないのだ──リアリストであるミアシャイマー教授はこう考える。▶︎私も同じ認識だ。▶︎感情に流されることなく、リアリズムに基づいてここ20年余りの歴史を振り返ってみることが重要だ。▶︎🇷🇺ロシアがただ一方的に、🇺🇦ウクライナに軍事侵攻を仕掛けたわけではない。▶︎🇷🇺ロシアにも言い分はある。▶︎NATOの東方拡大によって、🇺🇸アメリカが🇷🇺ロシアを刺激し続けたことは紛れもない事実だ。▶︎どんな戦争にせよ、どんな対立にせよ、国家間の対立は一方のみが100%悪いわけではない。▶︎戦争を引き起こした原因は、🇺🇸アメリカとNATOにあるというミアシャイマー教授の指摘に真摯に耳を傾けるべきと思う。▶︎なお、2022215日に収録されたミアシャイマー教授のインタビューは、ユーチューブで動画を視聴できる。▶︎日本語字幕つきの20分程度の動画が公開されているので、検索して視聴してみてほしい。

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◉【YouTube】『ジョン・ミアシャイマー「ウクライナ危機について」危機の責任はアメリカとNATOにある』

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[*幻冬舎GOLD ONLINE 2022.12.04付記事抜粋/文:佐藤優氏・作家・元外務省主任分析官・同志社大学神学部客員教授

『🇺🇦ウクライナのバンクシー壁画、はぎ取られる複数の容疑者を拘束』


[はぎ取られたバンクシーの壁画を運ぶ警察官ら=2022122日、キーウ近郊ホストメリ]

🇷🇺ロシアが侵攻を続ける🇺🇦ウクライナで122日、謎の覆面芸術家バンクシーの手がけた壁画がはぎ取られる事件があった。▶︎🇺🇦ウクライナメディアや地元当局者の証言によると、容疑者らはその場で拘束され、刑事手続きが進み、「売って軍に寄付しようと思った」と話しているという。


[はぎ取られる前のバンクシーが手がけた壁画]

事件が起きたのは首都キーウ近郊ホストメリ。▶︎🇷🇺ロシア軍との戦闘で破壊されたとみられる建物の壁に描かれていた、ガスマスクをつけ、消火器を手にした女性とみられる絵がはぎ取られたという。▶︎バンクシー11月中旬、インスタグラムにこの作品を投稿していた。▶︎朝日新聞記者がこの日、現地時間午後4時ごろに現場を訪れると、はぎ取られた壁画が、梱包(こんぽう)された状態で近くの地面に置かれていた。▶︎その後、警察官らが現場を調べ、壁画を車に乗せて運んでいった。▶︎🇺🇦ウクライナメディアの報道や、地元自治体の広報担当者のオレクサンドラ・コンドラチュクさんが朝日新聞の取材に語った内容を総合すると、容疑者は🇺🇦ウクライナ人の男女複数人。



壁画をはぎ取っていたところを近隣住民に通報され、駆けつけた当局者らにその場で取り押さえられたという。▶︎容疑者らは犯行の動機について、「壁画は誰のものでもないと思った。▶︎オークションにかけて、売り上げを🇺🇦ウクライナ軍に寄付するつもりだった」と話したという。▶︎事件を目撃したというセルヒー・ジュクさん(35)は取材に「私はバンクシーのファンなので、大変嘆かわしい。▶︎居合わせた住民もみな怒っていた」と述べた。▶︎バンクシー11月中旬、ホストメリやボロジャンカなどで制作した計7作品を、自身のインスタグラムに投稿していた[*朝日新聞 2022.12.03付記事抜粋]

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【掲載日】20221204()