🚀ウチュノコトバ〜神秘解明に向けた人類の歩み】episode.447


『金星が巨大な火山活動で地球の「悪魔の双子」に変貌した可能性』


[巨大火山「マアト山」が金星の表面を覆っているところのコンピュータ生成画像]

金星はそのサイズ、質量、化学組成そして雲のある大気の存在というポイントでみれば、地球と非常によく似ている。▶︎さらに、大気中で見つかった水素の痕跡は、この惑星がかつて海で覆われていたことを示唆しており、かつてこの「双子惑星」で生命が誕生したことがあると推測する科学者もいる。▶︎それでも、地球とは異なり、金星の大気は95%が二酸化炭素で構成され、少量の窒素と有毒ガスのために酸性雨が降り、地表の圧力は90気圧に達し、暴走する温室効果によって下層大気の平均温度は鉛と亜鉛の融点を超える。▶︎数百~数千世紀続いた火山活動と膨大な量の噴火物が、金星を温暖多湿の世界から、今日の酸性温室へと変化させるために一役買ったののかもしれないとある最新研究が示唆している。▶︎地球では何万年、何十万年と続いた大規模噴火時代の産物が巨大海台だ。▶︎噴火は10万立法マイル(約4x10^14立法メートル)の火山岩を地表に積もらせた可能性があり、それは全大陸部分を埋め尽くすのに十分な量の溶岩だ。▶︎金星は似たような噴火を惑星規模で体験している。▶︎本研究は、地球の歴史上、巨大海台が気候変動の原因となり、数百万年前に起きたいくつかの大量絶滅の原因である可能性についても検討している。▶︎「地球と金星の巨大海台の記録を理解することで、これらのイベントが金星の現在の状況を作り出したかどうかを究明できます」と筆頭著者でNASAのゴダード宇宙科学研究所のマイケル・J・ウェイ博士はいう。▶︎現在の金星は表面温度が平均300度前後、大気圧は地球の90倍もある。▶︎本研究によると、その膨大な火山流出物が、金星古代史のどこかの時点で現在の状況を作り始めたのかもしれない。▶︎具体的には、地質年代的に短い期間(100万年以内)にそのような噴火がいくつか起きたことが温室効果の暴走を呼び、この惑星の多湿・温暖から高温・乾燥への転換を開始させた。▶︎固化した溶岩の巨大な平原は金星表面の80%を覆ったとウェイはいう。▶︎「これらの平原を作ったイベントがどの程度の頻度で起きたのかはまだわかりませんが、地球の歴史を研究することで絞り込んでいけるでしょう」

次の金星へのミッションは2027年と2029年を予定

54000万年前の多細胞生命誕生以来、地球の生命は、地球全体の生命の50%以上を消滅させた大規模集団絶滅を少なくとも5回生き延びてきた。▶︎本研究とそれ以前の研究結果によると、これらの絶滅イベントの大部分が巨大海台を生成する種類の噴火によって起き、あるいは悪化した。▶︎地球の場合、これらのイベントによる気候崩壊は、金星で起きたような温室効果の暴走を起こすほどではなかった。▶︎その理由はウェイら研究者が現在も探究している。▶︎NASAによる次の金星へのミッションは、2027年と2029年に打ち上げが予定されている「金星の放射率、電波科学、干渉合成開口レーダー、地形図、分光法(VERITAS」ミッションおよび「希ガスと化学物質、画像に向けた金星大気深部の探査(DAVINCI」ミッションで金星の起源、歴史、現在の状態を過去に類を見ない精度で研究することが目的だ。▶︎DAVINCIの主要な目的は、金星の水の歴史と消えた経緯を絞り込み、金星の気候が時間とともにどう変化したかに関する新たな見解を提供することです」とウェイはいう。▶︎DAVINCIミッションに続くVERITASは、金星の表面と内部を高い位置から観察する衛星で、金星の火山と変化の歴史の理解を深め、金星が現在の状態へいたるまでの道筋を理解することを目的としている。▶︎両ミッションから得られるデータは、金星が多湿・温暖から乾燥・熱帯へと転換した可能性を科学者が正確に突き止めるために役立つはずだ。▶︎さらに、この地球で火山がどのように過去の生命に影響を与えてきたのか、また将来も続くのかをより深く理解するためにも役立つかもしれない[*Forbes JAPAN 2022.11.23付記事抜粋]

『競争から協力、行って帰ってくるだけから滞在……「アルテミス」計画とは?』


[月面で活動するユージン・サーナン宇宙飛行士。このときを最後に、人類は月から撤退した]

地球から384400km彼方にある月。▶︎人類が、一度はその大地を闊歩しめながらも無念にも離れ去ったのは、197212月のことだった。▶︎アポロ計画最後のミッション、「アポロ17」の船長ユージン・サーナン宇宙飛行士は、去り際に次のような言葉を残した。▶︎「人類として、月に最後の足跡を残して、我が家である地球に帰ります。▶︎ですが、必ずまた戻ってきます。▶︎それは決して遠くない将来のことでしょう」。▶︎それから半世紀、ようやく人類はその言葉の実現に向け新たな一歩を踏み出した。▶︎🇺🇸米国を中心に国際協力で進む新たなる有人月探査計画「アルテミス」。▶︎20221116日、その最初の無人試験ミッション「アルテミスI」が宇宙へと飛び立ったのである。▶︎アルテミス計画が目指すのは、単なるアポロ計画のやり直しではない。▶︎世界各国が協力し、人種や性別などの垣根を超え、月に滞在し続け、そしていつか火星へ挑む――。▶︎そんな壮大な、宇宙の大航海時代の実現なのである。

アルテミス計画

アルテミス(Artemis)計画は、🇺🇸米国航空宇宙局(NASA)が中心となり国際共同で進められている有人月探査計画である。▶︎アルテミスとは、ギリシア神話に出てくる女神の名前で、アポロ(ギリシア語ではアポロン)とは双子の関係にある。▶︎計画がスタートしたのは2017年、ドナルド・トランプ政権下のこと。▶︎それまでも月や火星、小惑星を有人探査しようという計画はあったが、それらを仕切り直す形で始まった。▶︎計画は技術的な問題から予算の問題、さらにはハリケーンや竜巻、そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの影響で大幅に遅れたが、今回ようやく、その最初の無人飛行ミッション「アルテミスI(Artemis I)」が打ち上げられた。▶︎今後、2024年に有人で月のまわりを回る飛行試験「アルテミスII」を実施し、そして順調にいけば2025年にも「アルテミスIII」で宇宙飛行士が月に降り立つことになっている。▶︎アルテミス計画が実現すれば、アポロ計画以来、約半世紀ぶりに月に人類が降り立つことになる。▶︎しかし、米国の威信をかけ、月に行って帰ってきただけのアポロ計画とは違い、アルテミス計画にはさまざまな目新しい点がある。


[アルテミスIIIで月面に降り立つ宇宙飛行士の想像図]

競争から協力へ

アポロ計画が行われた当時、🇺🇸米国はソビエト連邦(ソ連)と冷戦関係にあった。▶︎そのためアポロ計画の最大の目的は、ソ連に先んじて月に降り立つこと、すなわち競争だった。▶︎一方、アルテミス計画には🇯🇵日本や🇪🇺欧州宇宙機関(ESA)🇨🇦カナダが参加する。▶︎またアルテミス協定のもと、その他の国にも門戸が開かれている。▶︎さらに、🇺🇸米国内外の民間企業も積極的に参画し、アルテミス計画の実現に必要となるロケットの打ち上げにはじまり、探査機や探査車、実験機器などの開発や運用、物資の補給など、幅広く関わる。▶︎こうした世界各国の宇宙機関や民間の宇宙企業の協力により、アポロ計画以上の成果を生み出すことを目指している。

◆宇宙飛行士の多様性

アポロ計画で月に降り立った宇宙飛行士は、🇺🇸米国人の白人男性のみだった。▶︎一方、アルテミス計画では、国籍も人種も性別も、一切の区別なく参加できることになっている。▶︎たとえばNASAは、アルテミス計画の初期段階の飛行に参加する18人の宇宙飛行士「アルテミス・チーム」を選抜しており、その半数は女性で、また同じく半数が現時点で宇宙飛行を経験したことのない新人の宇宙飛行士が含まれている。▶︎さらに人種や生まれた国や地域、性別などもさまざまである。▶︎さらに欧州では障がいを持つ人を宇宙飛行士にしようという計画も進んでいる。▶︎まさに多様性が大きく発揮され、真の意味で人類が月に降り立つ、象徴的かつ画期的な出来事になる

◆月に行って帰ってくるだけから滞在へ

アポロ計画では、1回あたりのミッション期間は長くとも2週間程度で、また1972年のアポロ17ミッションを最後に打ち切りとなってしまった。▶︎得られた成果はたしかにあったものの、莫大な予算をかけてやったことといえば行って帰ってくるだけだった。▶︎一方アルテミス計画は、宇宙飛行士が入れ替わり立ち替わり月を訪れ、持続的に探査することを目指している。▶︎そのために月を回る宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建造したり、月面基地を建設したりする計画もある。▶︎さらに、持続的な探査を実現するために、月の南極付近に着陸し、活動することが計画されている。▶︎月の南極には、永久に太陽の光が当たらない「永久影」と呼ばれる領域があり、そこには()が埋蔵されているのではと考えられている。▶︎科学的に興味深い場所であることと同時に、水は人が生きるうえで必要不可欠なものであり、電気分解すれば水素と酸素を取り出せるため、人が生きるための空気やロケットの推進剤(燃料と酸化剤)にすることもできる。▶︎もし月に水がなければ、わざわざ地球から持ち込まなくてはならず、そのためのロケットや輸送船を飛ばさなければならない。▶︎だが、もし現地調達ができるならその必要がなくなり、持続的な探査や将来の月面基地の建設に大いに役立つことになる。

◆いつかは火星へ

アルテミス計画で特筆すべき点は、月にとどまらず、最終的に有人火星探査の実現を目指しているという点である。▶︎有人火星探査を実現するには、宇宙船の設計をはじめとする技術的なことから、そもそも人間が火星に行くことが可能なのかという医学的なことに至るまで、問題が山積している。▶︎たとえば、火星へ行って帰ってくるとなると最短でも23年はかかるが、人間が肉体的、精神的にそれだけの飛行に耐えられるかはわかっていない。▶︎そこで、アルテミス計画による月探査を通じて、有人火星探査の実現にあたってどんな課題があり、その解決にどんな技術が必要になるのかといったことを調べ、必要な技術開発や実証を行うことが計画されている。


[月周回有人拠点「ゲートウェイ」の想像図]

アポロ計画とは違い、こうしたさまざまな新しい挑戦に臨むアルテミス計画。その実現を叶える鍵となるのが、巨大月ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」と、地球と月を往復できる「オライオン」宇宙船である[*マイナビニュース 2022.11.23付記事抜粋]

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【掲載日】20221123日(水・祝)


Limitless undying love whshines around me like a million ,suns, it calls me on and on across theuniverse.

100万の太陽のように私の周りで輝く永遠の愛は、宇宙を越えて私を呼んでいる。]