【第三次世界大戦への火種〜🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ関連ニュースvol.116】
■『🇵🇱ポーランドにミサイル着弾で2人死亡!…考えられる「4つの可能性」』
[🇮🇩インドネシアで開催中のG20会議。🇵🇱ポーランドでの「🇷🇺ロシアのミサイル爆発疑い」を受けて、世界の指導者たちが緊急会議を行った。岸田文雄首相の姿も]
11月15日、🇺🇦ウクライナとの国境に近い🇵🇱ポーランド東部の町・プシェボドフに2発のミサイルが着弾し、2名が死亡した。▶︎🇵🇱ポーランドにミサイルが飛来したのは初めてのことだ。▶︎このミサイルの「正体」について、本稿執筆時点(日本時間16日12時)で、詳細は不明である。
◆「🇷🇺ロシアがNATOを攻撃?」の衝撃が走った
当初は🇷🇺ロシアによる攻撃だとの受け止めが多く「ついにNATO加盟国の🇵🇱ポーランドに戦火が飛び火したのか」と国際社会にも大きな緊張が走ったが、詳細がわかるにつれ、状況は複雑さを増した。▶︎現地から発信された画像から、発射されたミサイル残骸は、どうやら🇷🇺ロシア製の防空システム「S-300」によるものの可能性が高いことが明らかになってきたのだ。▶︎S-300は🇺🇦ウクライナ軍も保有しており、🇷🇺ロシア軍によるミサイル攻撃に対する迎撃でしばしば使用している。▶︎したがって、今回、🇷🇺ロシア軍から🇺🇦ウクライナ西部にミサイル攻撃があり、それを撃ち落とそうとして🇺🇦ウクライナ軍が発射した迎撃ミサイルが、誤作動して🇵🇱ポーランド領に着弾した可能性も指摘できるのだ。▶︎ただ、S-300は🇷🇺ロシア軍ももちろん保有している。▶︎🇷🇺ロシア軍は🇺🇦ウクライナ攻撃の過程で弾道ミサイルや巡航ミサイルをかなり消費しているため(ミサイルが足りなくなって)本来、防空作戦に使用するS-300のミサイルを対地攻撃にも使用している。▶︎射程的に微妙な距離だが、🇧🇾ベラルーシ南西部から発射すれば届かないこともない。
◆ミサイル4つの「可能性」
こうしたことから、ミサイルの正体がまだ不明なのだ。可能性としては、
①🇷🇺ロシア軍が故意に🇵🇱ポーランド領内を攻撃
②🇷🇺ロシア軍が誤射
③🇷🇺ロシア軍ミサイルの迎撃に失敗した🇺🇦ウクライナ軍対空ミサイルの流れ着弾
④🇷🇺ロシア軍ミサイルと🇺🇦ウクライナ軍対空ミサイルの両方が着弾(2発着弾のうち1発だけがS-300の可能性も)
など、いくつか考えられる。▶︎これらについては、国境上空を常時監視しているレーダー情報を持ち、さらに着弾現場で残留物を調査している🇵🇱ポーランド当局が、いずれ調査結果を発表するだろう。▶︎ちなみに本稿執筆現在、🇵🇱ポーランド当局は慎重な姿勢を維持しており、まだどちらとも言及していない。▶︎なお、当然ながら🇺🇦ウクライナのゼレンスキー大統領は🇷🇺ロシアによる攻撃だと断定しており、🇷🇺ロシア側は否定しているが、当事者たちの発表はあまり参考にならない。▶︎もっとも、🇵🇱ポーランド領内に着弾したもの以外に、この日、🇷🇺ロシア軍は100発以上のミサイルで🇺🇦ウクライナ各地の民間インフラ施設を一斉に攻撃した。▶︎🇷🇺ロシア軍は、11月11日に南部の州都ヘルソン市からの撤退を発表しており、屈辱的な「敗北」の最中にいるが、それを糊塗(こと)するように大規模なミサイル攻撃に出たかたちだ。
◆プーチンに停戦の意思はない
🇷🇺ロシアはヘルソン撤退にあたって停戦交渉を🇺🇦ウクライナ側に呼びかけた形跡があるが、🇷🇺ロシアの方針を決めるのは「プーチン大統領ただひとり」だ。▶︎しばしば自分自身の言葉で方針を発表しているプ―チン大統領が明言しない以上、🇷🇺ロシア側が融和的姿勢に転じるなどという話に現実味はない。▶︎11月14日には🇹🇷トルコで🇺🇸🇷🇺米露の情報機関トップが会談するなど、核戦争回避のための🇺🇸🇷🇺米露の対話チャンネルは生きているが、プーチン大統領は🇺🇦ウクライナに降伏を迫る強硬な姿勢を変えていない。▶︎プーチン大統領はこれまで「妥協しない指導者」像を自己演出して君臨し続けており、今後もそこから逸脱する徴候は一切ない。▶︎今回、🇮🇩インドネシアでG20会合に出席していたラブロフ外相が日程途中で帰国の途に就いたまさに直後に、これらの大規模ミサイル攻撃は実施された。▶︎対話より力、というプ―チン政権の本質を象徴するような出来事といえる。
◆「世界戦争」を回避するために
🇵🇱ポーランドに着弾したのがどちらのミサイルだったとしても、🇷🇺ロシア軍が大規模なミサイル攻撃を今後も行うことは確実で、いずれ誤作動などで🇵🇱ポーランドに飛来する可能性は常にある。▶︎🇷🇺ロシアのこうした活動に対しては、🇺🇦ウクライナ支援国たちはさらに警戒を高めることが必要だ。▶︎11月8日には🇺🇸米国で中間選挙があり、バイデン大統領の外交政策に批判的な共和党のトランプ前大統領派が大幅に議席を増やすと🇺🇦ウクライナ支援に悪影響が出る懸念があったが、なんとか民主党が踏みとどまったことは、国際社会にとって「朗報」といえる。▶︎今回の事態を受けて、🇵🇱ポーランドは「11月16日のNATO会合で第4条を発動する可能性がきわめて高い」と発表した。▶︎これは🇷🇺ロシア軍のミサイルだった可能性があるための措置だが、4条はあくまで協議に留まる。▶︎「全締約国に対する攻撃とみなす」▶︎「軍事力の使用を含む必要と認められる行動をとる」などの非常に強い措置を規定する第5条とは大きく違う。▶︎とはいえ、NATOの結束を迅速に見せることは、🇷🇺ロシアへの圧力として非常に重要だ。▶︎プーチン政権は相手が弱気な姿を見せれば、必ずそれに乗じてくる。▶︎NATOはじめ🇺🇦ウクライナ支援国は、とにかく強気の姿勢を崩さず、🇺🇦ウクライナ支援を引き続き強化していくことが求められる[*FRIDAY DIGITAL 2022.11.16付記事抜粋/取材・文:黒井文太郎氏・軍事ジャーナリスト]
■『🇺🇦ウクライナ軍の迎撃ミサイルか…着弾、NATOと🇵🇱ポーランド調査』
[11月15日、ウクライナ国境に近いポーランド東部の爆発現場(ソーシャルメディアに投稿された画像]
🇺🇦ウクライナ国境に近い🇵🇱ポーランド東部プシェボドフで11月15日、🇷🇺ロシア製ミサイルが着弾し2人が死亡したことについて、複数の米当局者は、🇷🇺ロシアのミサイルを迎撃するために🇺🇦ウクライナ軍が発射したミサイルが着弾したとみられるとの見方を示した。▶︎AP通信が報じた。▶︎2月に始まった🇺🇦ウクライナ侵攻後に、NATO加盟国で紛争に関連して死者が出たのは初めて。▶︎🇵🇱ポーランド政府やNATOは着弾の実態について慎重に調査を進める。▶︎11月15日は🇺🇦ウクライナ全土で🇷🇺ロシア軍による約90発のミサイル攻撃があり、プシェボドフから南に約70キロの🇺🇦ウクライナ西部リビウにも複数の攻撃があった[*共同通信 2022.11.16付記事抜粋]
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【掲載日時】2022年11月16日(水)

