【第三次世界大戦への火種〜🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ関連ニュース vol.75


『敗北を認め始めた?戦局の現実を見て認識が変化してきたプーチン側近たち』


[モスクワのクレムリン]

🇷🇺ロシアの🇺🇦ウクライナ侵略についてプーチン大統領の堅固な支持層までが最近は敗北を認め始めた──。▶︎🇷🇺ロシアの国内事情に精通する🇷🇺ロシア人学者がこんな切迫した報告を🇺🇸米国の大手研究機関の論壇に最近発表した。▶︎この結果、プーチン大統領は国内で孤立するか、あるいは🇺🇦ウクライナの戦況に絶望する危険極まりない展開も予想されるという。▶︎🇺🇦ウクライナ戦争はいよいよ大詰めを迎えたといえそうだ。

プーチン大統領側近の認識が変化


🇷🇺ロシア研究者として著名な🇺🇸米カーネギー国際平和財団研究員、タチアナ・スタノバヤ氏はこの10月、同財団の論文サイトに「🇷🇺ロシアのエリート層が敗北の可能性を認め始めた」と題する論文を発表した。▶︎スタノバヤ氏は🇷🇺ロシアに生まれて国内で高等教育を受け、🇫🇷フランスや🇺🇸米国でも学術活動を続けてきた政治学者である。▶︎カーネギー国際平和財団のモスクワ支部代表を務めたほか、🇫🇷フランスでは🇷🇺ロシア政治分析専門の研究機関を創設した。▶︎🇷🇺ロシア人ながらプーチン政権に対して客観的な立場の学者として、米欧でも信頼を得ている。▶︎スタノバヤ氏は20226月には「西側がなおプーチンについて錯誤していること」と題する論文を🇺🇸米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」に発表した。▶︎同論文は🇷🇺ロシアの政治状況を長年ウォッチし、🇺🇦ウクライナ戦争が始まってからも🇷🇺ロシア国内の動向を追ってきたという立場から、西側陣営で囁かれていた「プーチン大統領が🇷🇺ロシア国内の反戦の動きを恐れている」という政権不安定説は間違いだと指摘していた。▶︎しかし、それから4カ月が経ち、プーチン大統領を支えてきた🇷🇺ロシアのエリート層の間でも「🇺🇦ウクライナで🇷🇺ロシアが敗北を喫している」という認識が広まってきたという。▶︎この4カ月という期間中のプーチン大統領側近の認識の変化は重大である。▶︎同大統領がそれだけ追い詰められた苦境にあることを示すともいえよう。

🇷🇺ロシア軍の苦戦を見て「勝利」に疑問

今回のスタノバヤ論文の骨子は以下の通りである。▶︎🇷🇺ロシア国内でプーチン大統領を堅固に支えてきたエリート層は、同大統領の🇺🇦ウクライナ攻撃に対して、当初は懸念や不安を抱きながらもその行動自体への支持は揺るがなかった。▶︎その根底には、その種のエリート層が、🇺🇸米国や西欧諸国が🇷🇺ロシアを敵視して弱体化を工作しているという確信を抱き、プーチン氏の政策を支持し、大統領への忠誠を強く保ってきたという構図があった。▶︎しかし9月ごろからこのエリート層の認識に重大な変化が生まれてきた。▶︎その原因となったのは、🇷🇺ロシア軍の🇺🇦ウクライナの東部ハリコフ州からの屈辱的な撤退、🇷🇺ロシア国内の軍隊への国民の一部動員と、やがて予測される全面動員への不安、そして🇺🇦ウクライナ各地での🇷🇺ロシア軍の苦戦などであった。▶︎これらの要素がエリート層の間に、プーチン支持を保ちながらも🇺🇦ウクライナ戦での「勝利」への疑問と、そのために投入せねばならない🇷🇺ロシアの国家資源への疑問を生み始めた。▶︎プーチン大統領の戦術核兵器使用の示唆に対しても、エリート層の間では疑問が生まれ始めた。▶︎当初は🇺🇦ウクライナでの勝利のためには戦術核兵器の使用もやむなしというのがエリート層の大多数の意見だった。▶︎しかし、その後の米欧の激しい反発や🇺🇦ウクライナでの🇷🇺ロシア軍の苦戦をみて、核兵器使用は🇷🇺ロシアに破滅的な負担をもたらすかもしれないという懸念が生まれてきた。▶︎🇺🇦ウクライナでの戦いの最終目的についても、プーチン大統領とその側近のエリート層の間で微妙だが重要な相違が表面化するようになった。▶︎プーチン大統領は、🇺🇦ウクライナの軍事制圧が現在の🇷🇺ロシアにとって国家存続にも関わる必須の目的だと唱えるが、その基本理念へのエリート層の同調が揺らいできた。▶︎エリート層の間には、🇺🇦ウクライナを全面屈服させるために🇷🇺ロシアが払う犠牲はあまりに大きく、部分的な制圧だけを最終目標とすべきだという意見が広がってきた。▶︎今後🇷🇺ロシアでは、全面的軍事総動員に伴う国民への締めつけや社会不安、諸外国の制裁強化による🇷🇺ロシア経済のさらなる悪化、国民生活の困窮などが予測される。▶︎その中で、どこまで、何を我慢すれば「トンネルの先の灯り」が見えてくるのかについての説明をプーチン大統領に期待する一般国民の心情が、エリート層にまで波及してきた。▶︎その結果、最悪の場合、プーチン大統領の孤立、あるいは戦局に絶望して核兵器を使用するというシナリオも、可能性は少ないとはいえ排除できない。▶︎スタノバヤ氏は論文で以上のように述べていた。▶︎🇷🇺ロシア国内、とくにプーチン大統領周辺の状況は、同氏が直接🇷🇺ロシア国内から得た情報に基づいているともいう。▶︎スタノバヤ氏は、プーチン大統領を堅固に支えてきたエリート層がプーチン支持を止めたわけではないという点を強調しながらも、その支持層の内部の最新の微妙な揺れを伝えていた。▶︎この報告は、🇷🇺ロシアの🇺🇦ウクライナ戦争への取り組みの転換点の予兆といえるのかもしれない[*JBpress 2022.11.02付記事抜粋/文:古森義久氏・産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授]

🇷🇺ロシアと🇺🇦ウクライナの戦いが驚くほど「コントロールされている戦争」である理由』


[ロシア軍から奪った戦車の上に立つウクライナ兵=2022327日、キエフ郊外]

地政学・戦略学者の奥山真司氏が111日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。▶︎ロシアによる🇺🇦ウクライナへのミサイル攻撃について解説した。

🇷🇺ロシア軍が🇺🇦ウクライナのエネルギー施設に50発以上のミサイルを発射か
🇺🇦ウクライナ空軍は🇷🇺ロシア軍が1031日、🇺🇦ウクライナの首都キーウのエネルギー施設などを狙って50発以上のミサイルを発射し、44発を迎撃したと発表した。▶︎キーウ市によると、攻撃の影響で約8割の世帯が断水した。▶︎攻撃は国内第2の都市である東部のハルキウや、中・南・西部の10以上の州に及び、停電や断水の被害が相次いでいる。
飯田)このところはミサイルによる都市への攻撃が出てきました。▶︎一方、前線では🇷🇺ロシアは押されているとも言われています。

🇷🇺ロシアによる爆撃は「🇷🇺ロシアがうまくいっていない証拠」 ~撃ったところで軍事的には意味がない
奥山)🇷🇺ロシアによるこの手の都市に対する爆撃については、いままでは狙いがあまりなかったということですが、今回はインフラを狙っています。▶︎しかし、インフラを狙っているとしても、🇷🇺ロシアがうまくいっていない証拠としか映りません。
飯田)うまくいっていない証拠である。
奥山)この種の爆撃の研究が、🇺🇸アメリカを中心に軍事研究の一環として、爆撃の種類の区別や爆撃の成果について、軍事関係者を中心にかなり研究されています。▶︎戦略研究としては、艦砲射撃に分類されるのではないかと言われています。▶︎艦砲射撃とは何かと言うと、昔のように船が沿岸などにやって来て、都市に対して大砲を撃つことです。
飯田)港町に。
奥山)しかし、撃ったところで何か成果があるわけではありません。▶︎民間施設や家などが壊されることはあるのですが、海の上から撃つので、狙いが定まりません。▶︎破壊行為をするだけで軍事的には何も意味がないのです。
飯田)戦略的な意味で、その地域を制圧するということではないのですね。
🇷🇺ロシアに攻撃されることで団結する🇺🇦ウクライナ
奥山)ただ爆弾を撃ち込んでいるだけです。▶︎陸上に行って占領するならわかるのですが。
飯田)最終的に歩兵が前に出て行かないことには。
奥山)それができていないのです。ただ撃ち込んでいるだけではないですか。
飯田)今回の作戦も、そこと連携して首都を獲るというような話ではないのですね。
奥山)ないですね。単なるインフラに対する嫌がらせです。▶︎効果的に発電所や変電所などのインフラ施設に対して撃ち込んでいるとは思いますが、最終的にはそのような施設は復旧されてしまうので、あまり意味のないことをやっているのです。
意味なく🇺🇦ウクライナを団結させるような攻撃をしている🇷🇺ロシア
奥山)艦砲射撃のようなことをやり続けると、🇷🇺ロシアは🇺🇦ウクライナ国民をさらに団結させてしまいますし、🇺🇦ウクライナという国民のアイデンティティをつくってしまっている。▶︎むしろ、🇷🇺ロシアは🇺🇦ウクライナという国を団結させるようなことしかやっていない、ということが見えてくるのです。
飯田)🇺🇦ウクライナを団結させている。
奥山)被害を受けたことによって、「🇷🇺ロシアはやはり悪い奴だ、自分たちは🇺🇦ウクライナ人としてまとまろう」という気持ちをつくってしまっているので、まったく意味のないことをやっていると正直思います。
今回の戦争は驚くほどコントロールされている戦争である~🇺🇦ウクライナもNATOが核を持ち、🇷🇺ロシアも核保有国
飯田)国内向けのパフォーマンスなのかという指摘もありますが、そのようなことをやっていてプーチン氏は大丈夫なのでしょうか?
奥山)大丈夫ではないと思いますし、戦略的に失敗していると指摘されています。▶︎私自身、この現象を全般的に見て思うのは、「今回の戦争は驚くほどコントロールされている戦争だ」という印象があります。
飯田)コントロールされている。
奥山)なぜかと言うと、「核兵器保有国同士の戦争」なのです。▶︎🇷🇺ロシアは核兵器を持っていて、🇺🇦ウクライナは持っていないのですが、背後で支援しているNATOの国々は核兵器を持っています。

核戦争に発展しないようコントロールしているロシア
奥山)そうすると、「いつ核戦争に発展するかわからない」という状況があります。▶︎🇺🇦ウクライナ国民にとっては全面戦争ですが、🇷🇺ロシア側としては「核戦争になったら危ないかな」と思っていて、状況をコントロールしていることが見えてくるのです。
飯田)🇷🇺ロシアが。
奥山)同じような状況として、1999年に🇵🇰パキスタンと🇮🇳インドが、🇮🇳インド北部カシミール地方のカールギル地区で、軍事的に両軍が衝突したことがあります。▶︎そのときもお互い核兵器を持っているため、「これ以上エスカレートさせたら危ない」ということで、コントロールされた状況ができていました。▶︎お互い、「本当に危ないことはやらない」というかなり自制された戦争でした。
飯田)そのときの戦争は。
奥山)今回の戦争も、軍事行動では酷いことをしていますが、実は「エスカレートしないようにいろいろとやっているな」というのが私の正直な印象です。
穀物を積んだウクライナからの船を攻撃しない
奥山)それには1つ理由があります。▶︎いま🇺🇦ウクライナから小麦が船で運ばれていますが、それに対して🇷🇺ロシア海軍は原子力潜水艦を持っているにも関わらず、あえて攻撃はしていないのです。▶︎🇺🇦ウクライナ側の穀物が出ていくのを一応、合意する形で運ばせているところがあります。
飯田)なるほど。
奥山)すべての面で激烈に戦争をしているかと言うと、そうでもないのです。▶︎朝鮮戦争や🇻🇳ベトナム戦争のときのように、エスカレートしないようにケアしながらやっているな、という印象があります。
飯田)確かに、🇺🇳国連と🇹🇷トルコのお墨付きで、穀物を積んだ船が港を12隻ぐらい出たという報道がきょう(111日)もありました。▶︎🇷🇺ロシアは合意への参加を停止したことになってはいますが、事実上は黙認するような形になっているのですね。
キューバ危機以来、重要視されている首脳同士のホットライン
飯田)キューバ危機以来、さまざまなチャンネルがあるということでしょうか?
奥山)その通りですね。▶︎1962年のキューバ危機のときに、ホットラインをつくらなければならないという意識になった。▶︎いざ危ないことがあったら、「現地ではどうなっているのか」ということを、首脳同士で特別な電話解析で「お互いにコミュニケーションを取りましょう」ということがありました。
飯田)🇨🇺キューバ危機以来。
奥山)🇷🇺ロシアと🇺🇦ウクライナの間でも、バックでいろいろと交渉していますし、🇺🇸アメリカと🇷🇺ロシアでも少し交渉していることも見えてきます。▶︎そのような面では、最終的に「お互い核兵器を撃ち合うようなことはやめよう」という部分での擦り合わせのようなところは一応、成立しているのだと思います[*ニッポン放送NEWS 2022.11.01付記事抜粋]

🇷🇺ロシアの🇺🇦ウクライナでの核兵器使用、深刻な結果招く=英外相』


[英国のクレバリー外相]

🇬🇧英国のクレバリー外相は1031日、🇷🇺ロシアのプーチン大統領に対し、🇷🇺ロシアが🇺🇦ウクライナで核兵器を使用した場合、深刻な結果を招くと警告した。▶︎議会で「他のどの国も核兵器の使用について協議していない。▶︎🇷🇺ロシアやプーチン大統領を脅かしている国はない」と指摘。▶︎核兵器の使用は紛争の様相を一変させ、「🇷🇺ロシアに深刻な結果がもたらされる」と述べた。 ▶︎🇷🇺ロシアのプーチン大統領はこれまでに、核兵器の使用について🇷🇺ロシアから言及したことはないと述べ、むしろ🇺🇦ウクライナが放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」を製造し、使用する恐れがあると主張。▶︎これについてクレバリー外相は、🇺🇦ウクライナが汚い爆弾の使用を計画しているとの見方は「ばかげた主張」とし、プーチン氏の核兵器に関するレトリックは「無責任」だと語った。 ▶︎🇷🇺ロシア国防省は1029日、🇬🇧英海軍の関係者が9月、🇷🇺ロシア産天然ガスを🇩🇪ドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム1」と「ノルドスリーム2」を爆破したとの見解を表明。▶︎🇬🇧英政府は虚偽の情報として反論している。▶︎クレバリー氏はこれについて直接的な言及は避けながらも、「🇷🇺ロシア大統領府は虚偽の主張を行うことで、むしろ政府に内在する亀裂を露呈させている」と述べた。 ▶︎このほか、🇷🇺ロシアに対し穀物輸出を妨げないよう要請。▶︎🇷🇺ロシアからの「ますます絶望的な発言」はつまずいている戦争への取り組みから目をそらすためとした。▶︎🇷🇺ロシアは1029日、🇺🇦ウクライナがクリミア半島に大規模なドローン攻撃を仕掛けたとし、🇺🇳国連が仲介した穀物輸出合意への参加を「無期限」で停止した。▶︎クレバリー外相は「🇷🇺ロシアに対し、世界中の飢えた人々に食料を供給するこの重要な取り組みを妨げることはせず、延長に同意するよう強く呼びかける」と述べた[*REUTERS 2022.11.01付記事抜粋]

🇰🇿カザフスタン、🇷🇺ロシア主導の経済連合に消極的=RIA


🇷🇺ロシアの長年の同盟国である🇰🇿カザフスタンは、ユーラシア経済連合や大ユーラシア・パートナーシップの🇷🇺ロシア主導プロジェクトへの熱意を失っている。▶︎ロシア通信(RIA)が1031日、🇷🇺ロシア上級外交官の発言として伝えた。▶︎旧ソ連構成国で2番目の経済大国であるカザフは、🇺🇦ウクライナ侵攻以来、🇷🇺ロシアと距離を置いている。▶︎🇰🇿カザフ政府は平和を呼びかけ、🇷🇺ロシアが🇺🇦ウクライナの一部を併合するために行った住民投票を認めないとしている。▶︎アジア太平洋経済協力会議(APEC)の🇷🇺ロシア代表を務めるキリル・バルスキー氏は、🇷🇺ロシア上院の外交政策会議で「同盟国内で問題を抱えている。▶︎🇰🇿カザフは最近、ユーラシア経済連合と大ユーラシア(プロジェクト)への参加にブレーキをかけ始めており、これは非常に憂慮すべき兆候だ」と発言。▶︎🇷🇺ロシアはこの問題に取り組み、🇰🇿カザフが何を必要としているかを把握し、仲間に引き入れる必要があると述べた。▶︎🇰🇿カザフ政府は、🇷🇺ロシアが主導する経済連合内での取り組みに水を差す計画を発表していないが、🇺🇦ウクライナ侵攻を受けて西側諸国が🇷🇺ロシアに科した制裁を順守すると表明している[*REUTERS 2022.11.01付記事抜粋]

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【掲載日時】2022112日(水)