【第三次世界大戦への火種〜🇷🇺ロシア・🇺🇦ウクライナ関連ニュース vol.36


『ウラジーミル・プーチン氏は何を考え、何を計画しているのか』


同じ質問を、私たちはもう何カ月も繰り返してきた。▶︎🇷🇺ロシアが🇺🇦ウクライナに侵攻する以前から。ウラジミール・プーチン氏はいったい何を考え、何を計画しているのか。▶︎まず早いうちに、このお断りを入れておく。▶︎私は🇷🇺ロシア政府の内情が見渡せる水晶の玉を持つわけでも、プーチン氏に直通電話がかけられるわけでもない。▶︎🇺🇸アメリカのジョージ・W・ブッシュ元大統領はかつて、プーチン氏の目をのぞきこんで「彼の魂を感じた」と有名な発言をしている。▶︎その結果、🇷🇺ロシアと西側の関係がどうなったかは、言うまでもない。▶︎というわけで、🇷🇺ロシア大統領の頭の中を探ろうとしても、徒労に終わるのは目に見えている。▶︎しかしそれでも、試してみるのは大事だ。▶︎🇷🇺ロシア政府が最近再び、核兵器を使うぞと世界を脅しているだけに、なおさらのこと。▶︎🇷🇺ロシアの大統領にプレッシャーがかかっているのは、ほぼ確実だろう。▶︎いわゆる🇺🇦ウクライナでの「特別軍事作戦」と本人が呼ぶものは、プーチン氏にとって困った展開になっている。▶︎そもそも、ほんの数日で終わるはずだったのだ。▶︎しかし、まもなく開始から8カ月になるし、終わる兆しは見えない。▶︎🇷🇺ロシア政府は、部隊に「相当」の犠牲が出ていると認めている。▶︎この数週間というもの🇷🇺ロシア軍は、かつて🇺🇦ウクライナで占領していた土地を失っている。▶︎兵士増員のため、プーチン大統領は9月に部分的動員を発表した。▶︎そのつもりはないと、かねて強調していたのだが。他方、国際的な制裁が🇷🇺ロシア経済を悪化させ続けている。▶︎というわけで、プーチン氏の頭の中の話に戻る。▶︎自分がひどく間違っていた、自分が下した侵攻の決定は根本的な過ちだったと、そう考えているだろうか。▶︎そんな風には思わない方がいい。▶︎「この紛争の状況すべてを動かしているのは、プーチン氏の物の見方だ」と、コンスタンティン・レムチュコフ氏は言う。▶︎レムチュコフ氏は🇷🇺ロシア紙「ニェザヴィシマヤ・ガゼータ(独立新聞)」のオーナーで編集長だ。▶︎「彼は核保有国の、独裁的指導者だ。▶︎彼の権威に挑戦する者は、この国で誰もいない。▶︎特定の信念や物の見方に凝り固まり、それに狂ったように突き動かされている。▶︎そしてこれは存亡をかけた戦いだと信じ始めている。▶︎自分にとってだけでなく、🇷🇺ロシアの未来にとって」▶︎この戦いが存亡をかけたものなら、勝つためにプーチン大統領は何をどこまでする覚悟があるのだろう。▶︎数カ月前から(プーチン氏自身を含む)🇷🇺ロシア当局者は、この戦いで大統領は核兵器を使う用意があるのだと、かなりあからさまにほのめかし続けている。▶︎「(プーチン氏は)やらないと思う」と、ジョー・バイデン🇺🇸米大統領はCNNに話した。▶︎「しかし、そういう彼がそういう話をするのは無責任だと思う」とも述べた。▶︎🇷🇺ロシアは1010日から🇺🇦ウクライナ全土を激しく砲撃した。▶︎このことから、🇷🇺ロシア政府は🇺🇦ウクライナに対して事態を少なからずエスカレートさせるつもりでいる様子がうかがえる。▶︎西側に対しても、そのつもりなのだろうか。▶︎「西側との直接対決は避けようとしているが、同時にいざとなればそのための準備もできている」と、リベラル政治家のベテラン、グレゴリー・ヤヴリンスキー氏は言う。▶︎「私が一番恐れているのは、核戦争の可能性だ。▶︎二番目に恐れているのが、果てしない戦争だ」。▶︎しかし、「果てしない戦争」には、果てしない物資その他のリソースが必要だ。▶︎どうやら🇷🇺ロシアにはそれがなさそうだ。▶︎🇺🇦ウクライナ各地の都市にミサイル砲撃を次々と繰り広げたのは、劇的な威力行使だった。しかし、🇷🇺ロシアはそれをいつまで続けられるのか。▶︎「これだけのミサイル発射を何日、何週間、何カ月、続けられるのか。▶︎それにはミサイルが足りないのではないかと、多くの専門家が指摘している」とレムチュコフ氏は言う。▶︎「加えて、軍事的に言って、何が究極的な(🇷🇺ロシアの)勝利のしるしになるのか、まだ誰も口にしていない。▶︎何が勝利のシンボルになるのか。▶︎1945年には、ベルリンに掲げられた(ソ連の)旗だった。▶︎現在は、何が成功の指標になるのか。▶︎キーウに旗がひらめくことか?▶︎ヘルソンに?▶︎ハルキウに?▶︎私は知らない。誰も知らない」▶︎プーチン氏が知っているのかどうかも、はっきりしない。▶︎2月当時の🇷🇺ロシア政府の目的は、🇺🇦ウクライナ軍をたちまち敗北させ、長引く戦争などないまま🇺🇦ウクライナを🇷🇺ロシア政府の勢力圏に引き戻す――というものだったようだ。▶︎しかし、プーチン氏は計算を間違えた。▶︎自分たちの国を守るという🇺🇦ウクライナの軍と国民の意志の強さを見くびり、🇷🇺ロシア軍の能力を過信していたようだ。▶︎今は何を考えているのだろう。▶︎併合を一方的に宣言した🇺🇦ウクライナの領土に対する支配を固めて、この紛争をそのまま凍結しようというのが、今の計画だろうか。▶︎あるいは、🇺🇦ウクライナ全土が🇷🇺ロシア政府の影響圏に戻るまで、突き進むつもりだろうか。▶︎🇷🇺ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は1010日、「現在の構成の🇺🇦ウクライナ政府は(中略)は🇷🇺ロシアにとって常に直接かつ明白な脅威であり続ける」と書き、「我々の今後の行動の目標は、🇺🇦ウクライナの政治体制の完全な解体であるべきだと考える」と述べた。▶︎メドヴェージェフ氏の言葉がプーチン氏の考えを反映しているならば、血にまみれた戦争は長引くと思ったほうがいい。▶︎しかし、プーチン氏の国外での行動は、国内に避けがたい影響をもたらしている。▶︎クレムリン(🇷🇺ロシア大統領府)はこれまで長年かけて「プーチン氏=安定」というイメージを丁寧に作り上げてきた。▶︎プーチン氏が国を仕切っている限り、国民は安全だと、そう信じるよう🇷🇺ロシア国民に促してきたのだ。▶︎今となっては、それはそう簡単には通用しない。▶︎「プーチンと🇷🇺ロシア社会のこれまでの社会契約は、『私が皆さんを守る』というものだった」と、レムチュコフ氏は言う。▶︎「もう何年も、『予測可能』が政府にとって最大のスローガンだった。▶︎それが今はどうだ?▶︎何が予測できる?▶︎そのコンセプトはもうおしまいだ。▶︎何も予測できない。▶︎うちの新聞の記者たちも、今日帰宅したら招集令状が届くのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。▶︎先のことなどわからないんだ」▶︎🇺🇦ウクライナ侵攻というプーチン氏の決定は、多くを驚かせた。▶︎しかし、ヤヴリンスキー氏は驚かなかった。▶︎「(プーチン氏は)もうずっとその方向へ向かっていたと思う。▶︎毎年毎年、今の状態へ、道を作っていた」とヤヴリンスキー氏はいう。▶︎「たとえば、独立メディアを破壊した。それは2001年に着手した。▶︎独立した企業の破壊。▶︎それは2003年に始めた。▶︎そして2014年になって、クリミアとドンバスでのことがあった。▶︎盲目でなければ見えたはずだ」▶︎「この国の仕組みが🇷🇺ロシアの問題だ。▶︎(プーチン氏のような)人間を作り出した仕組みが、この国に作られてしまった。▶︎この仕組み構築に西側がどういう役割を果たしたか。▶︎それは深刻な問題だ」▶︎「この仕組みは、社会を作り出さなかった。▶︎🇷🇺ロシアにはとてもいい人が大勢いる。▶︎けれども、この国には市民社会がない。▶︎🇷🇺ロシアが抵抗できないのはそのせいだ」[*BBC News 2022.10.19付記事抜粋]

『追い詰められたプーチンと「弱さ」露呈した🇷🇺ロシア最悪の選択肢とは』


🇷🇺ロシアによる🇺🇦ウクライナ侵攻が転機を迎えている。▶︎プーチン大統領は部分動員に踏み切り、ウクライナのドネツク、ルハンシク、ザポリージャ、ヘルソンの4州を強制的に編入した。▶︎プーチン氏の次の選択は何か。▶︎プーチン氏がクリミア編入を宣言した2014318日、🇷🇺ロシアは祭りのような高揚感に包まれていた。▶︎この日は記念日として多くの国民の胸に刻まれた。▶︎プーチン氏は2018年の大統領選の投票日を、法律を改正してまで318日に設定した。▶︎自らの偉業を象徴し、国民の愛国心が高揚する日だと考えてのことだろう。▶︎だが、今回4州の編入を宣言した930日は、おそらく🇷🇺ロシアの人たちの心に残ることはないだろう。▶︎108日、前日に70歳になったプーチン氏を強烈なプレゼントがお見舞いした。▶︎クリミアと🇷🇺ロシア本土をつなぐクリミア橋が爆破されたのだ。▶︎全長18キロ以上のクリミア橋は、プーチン氏による編入宣言の翌年に工事が始まった。▶︎2018年に道路橋が、2019年に鉄道橋が完成。道路橋の開通式でプーチン氏は大型トラックのハンドルを握り、クリミアが名実ともに🇷🇺ロシアの一部となったことを誇示した。▶︎この橋は、クリミアを🇷🇺ロシアに結びつける一本の「へその緒」のような存在だ。▶︎2022年の開戦以降は、🇺🇦ウクライナ南部に🇷🇺ロシア軍の人員や物資を運ぶ重要な役割を担っている。▶︎だが、爆破の衝撃は軍事的な側面だけにとどまらない。▶︎プーチン大統領のメンツは丸つぶれとなり、揺るぎないものと思われたクリミアへの実効支配に疑問符がともった。▶︎🇷🇺ロシアは報復として、🇺🇦ウクライナ全土をミサイルやドローンで攻撃したが、戦況への影響は限定的だろう。▶︎思えば、🇺🇦ウクライナ侵略は、プーチン氏の思惑とはうらはらに、🇷🇺ロシアの弱さばかりを浮き彫りにした。▶︎開戦後数日のうちにゼレンスキー大統領を拘束し親ロ政権を樹立するという当初のシナリオは、見通しの甘さと情報収集・分析能力の欠如を物語る。▶︎🇷🇺ロシア軍は解放者として歓迎されるはずだという思い込み。▶︎そして、謀略を重視し制空権や兵站といった軍の運用の基本を軽視した戦術は、ソ連国家保安委員会(KGB)出身で軍事に疎いプーチン氏の弱点を露呈した。▶︎首都キーウの攻略に失敗した🇷🇺ロシア軍は、本来得意なはずの、平原を舞台にした領土の奪い合いとなった🇺🇦ウクライナ東部の戦いでも精彩を欠いた。▶︎正規軍、チェチェン兵ら国家親衛隊、傭兵部隊「ワグネル」、ドネツク、ルハンシクの地元部隊がてんでばらばらに、時に足を引っ張り合いながら戦っていることが、混乱につながっている。▶︎部分動員をめぐる騒動は、忖度(そんたく)文化にどっぷりと浸かった🇷🇺ロシアの官僚機構の非効率性に起因する。▶︎実態を伴わない4州の編入は、🇷🇺ロシア憲法ひいては🇷🇺ロシアという国そのものの権威を大きく貶めた。「強い🇷🇺ロシア」の再建を歴史的使命と思い定めたプーチン氏に、20年余に及ぶ自らの統治が、実際には🇷🇺ロシアをすっかり弱い国にしてしまったという冷酷な現実を受け入れる冷静さが残されているだろうか。▶︎それとも、🇷🇺ロシアの「強さの源泉」だと繰り返し公言してきた核戦力という最悪の選択肢への誘惑に駆られているだろうか[*AERA 20221024日号記事抜粋]

🇺🇦ウクライナ侵攻で子供400万人貧困化「命、未来の喪失」警告―ユニセフ』


🇺🇳国連児童基金(ユニセフ)は1017日、🇷🇺ロシアによる🇺🇦ウクライナ侵攻とそれに伴う経済悪化で、東欧と中央アジアで新たに400万人の子供が貧困に陥ったと明らかにした。▶︎ユニセフのカーン欧州・中央アジア地域事務所代表は「今、支援しなければ、子供の貧困急増が命や学び、未来の喪失につながることは、ほぼ間違いない」と警告した[*時事通信 2022.10.19付記事抜粋]

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【掲載日時】20221019日(水)