【地球崩壊カウントダウン?〜忍び寄る気候変動の傾向 vol.5】
■『気候変動への懸念が世界で低下…コロナなど影響か=調査』
🇺🇸米ギャラップによる世界のリスク調査によると、気候変動への懸念が2021年に世界中で低下し、今後20年間で自国に「非常に深刻な脅威」をもたらすと考える人が回答者の半数に満たなかった。▶︎温室効果ガス排出量が世界最大の🇨🇳中国では、気候変動が非常に深刻な脅威と認識している人はわずか20%で、2019年の前回調査から3%ポイント低下した。▶︎世界では48.7%で、1.5%ポイント低下した。▶︎新型コロナウイルス流行と健康や暮らしぶりなど、より身近な問題への懸念が気候変動への関心低下の一因になった可能性がある。▶︎調査は121カ国で実施した12万5000件以上のインタビューをまとめた。▶︎生態系関連の脅威が最も大きい地域は概して気候変動に対する関心が低く、懸念するとの回答の割合は中東・北アフリカが27.4%、南アジアが39.1%にとどまった[*REUTERS 2022.10.19付記事抜粋]
■『「脱炭素化」、事業に「好影響」は14.0%の一方、「悪影響」は19.5%に』
◆EV普及、自動車産業の約5割で事業に「マイナス」、対策急がれる
「脱炭素化」を目指す動きが世界的に加速しています。▶︎政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言しており、7月27日に脱炭素関連政策を推進する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合を開きました。▶︎会議ではGX実現に向けて、今後10年間で官民合わせて150兆円の投資を実現する方針が示されました。▶︎他方、脱炭素の実現に向けた一つの戦略として、政府は2035年までに新車販売で電動車100%の実現を表明しています。▶︎こうした動きへの対応はビジネスチャンスとなる一方で、対応が遅れた場合は事業にマイナスの影響をもたらすことが危惧されています。▶︎そこで、帝国データバンクは、脱炭素社会に向けた企業への影響についてアンケート調査を実施しました。
◆脱炭素社会の進展、企業の14.0%で事業に「プラスの影響」、19.5%で「マイナスの影響」
脱炭素社会の進展は、今後の自社の事業に「プラスの影響」があるとした企業は14.0%と、2021年に実施した同様の調査から0.8ポイント減少しました。▶︎一方、「マイナスの影響」とした企業は同3.4ポイント増の19.5%となり、マイナスの影響がある企業はプラス影響がある企業を5.5ポイント上回りました。▶︎他方、「影響はない」は、1.2ポイント減の33.8%でした。
◆特にガソリンスタンドや自動車小売業で脱炭素化による「マイナスの影響」目立つ
脱炭素社会の進展により「プラスの影響」があると考えている企業を主な業種別にみると、「金融」が23.3%となりました。▶︎また、「農・林・水産」(22.6%)や「電気機械製造」(22.3%)なども2割を超えました。▶︎一方、「マイナスの影響」 では、ガソリンスタンドなどを含む「専門商品小売」(55.8%)が全体(19.5%)を36.3ポイント上回りました。▶︎また「自動車・同部品小売」(42.2%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(35.8%)、「運輸・倉庫」(35.5%)は全体より15ポイント以上高くなっています。▶︎企業からは、「脱炭素を踏まえた融資商品の設定など、取り組みが進みつつある」(金融)といった声が聞かれた一方、「脱炭素社会が進むにつれて、実際にどのような設備投資が必要になるかが不透明であり、設備投資を行う際の資金面においても不安であり課題でもある」(ガソリンスタンド)といった、先行きに対する不安感を述べる意見も聞かれました。
◆EVの普及、12.3%の企業で「プラスの影響」、13.8%で「マイナスの影響」
電気自動車(EV)の普及が今後の自社の事業に「プラスの影響」があるとした企業は2021年調査から1.1ポイント減の12.3%でした。▶︎他方、「マイナスの影響」とした企業は同1.1ポイント減の13.8%となり、「影響はない」は1.6ポイント増の42.3%となりました。
◆ガソリンスタンドや自動車関連業界でEV普及による「マイナスの影響」目立つ
EVの普及により「プラスの影響」がある企業を主な業種別にみると、「電気機械製造」が29.8%と、全体(12.3%)を17.5ポイント上回りました。▶︎また、「家電・情報機器小売」(25.4%)や「自動車・同部品小売」(22.9%)は全体より10ポイント以上高くなっています。▶︎一方、「マイナスの影響」 では、ガソリンスタンドなどを含む「専門商品小売」(50.8%)は全体(13.8%)を37.0ポイント上回りました。▶︎また、「自動車・同部品小売」(43.1%)、自動車や自動車部品メーカーを含む「輸送用機械・器具製造」(39.8%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(32.3%)などでもマイナスの影響があるとする企業が多くなっています。▶︎企業からは、「EV化のための部品開発をする顧客に向けた装置を製作している。▶︎初めての仕様に挑戦している」(SW電源等製造)といった具体的なプラス影響を示す声がある一方、「EV化にともない、取り扱いを終了する商品群が出てくる予定」(自動車部分品・付属品小売)など、厳しい声も聞かれました。
◆EV普及、自動車産業の約5割で事業に「マイナス」、対策急がれる
EVの普及による「自動車関連業種 」への影響に限定すると、「プラスの影響」とした企業は16.5%となりました。▶︎一方、「マイナスの影響」とした企業は46.5%となり、全体(13.8%)を32.7ポイント上回りました。▶︎他方「影響はない」は13.2%でした。▶︎EVの普及が今後の事業拡大のチャンスと捉える企業の声は一部あがっているものの、電動化による部品の減少や設備投資・技術面での対応について懸念する声が、自動車部品メーカーといった川上産業から川下産業である自動車整備業まで、数多くあがっています。▶︎企業からは、「EV化については当社固有の技術で生産する部品が使われなくなる可能性が高い」(自動車部分品・付属品製造)や「自動車修理業にとってEVへの転換は、既存設備や技術等だけでは対応が難しく、設備投資やEVサービスパーソン育成等必要なことが多岐にわたる」(自動車一般整備)などの声が聞かれました。▶︎こうしたなか、「自動車関連以外の取引先を開拓している」(自動車操縦装置製造)といった声にあるように、すでに対応を行っている企業もみられます。
◆市場環境の変化に対応するために「脱炭素経営」を取り入れていくことが必要不可欠
本調査の結果、脱炭素社会の進展により、14.0%の企業でプラスの影響があることが分かりました。▶︎一方で、マイナスの影響があると考える企業の割合は前回調査より上昇しました。▶︎特にガソリンスタンドなど化石燃料を取り扱う企業では先行きに対する不安の声が多くあがっています。▶︎他方、電気自動車(EV)の普及による影響については、プラスの影響とマイナスの影響があると考えている企業はそれぞれ1割超でほぼ同程度。▶︎しかし、「自動車関連業種」でみると、半数近くの企業がマイナスの影響があると捉えています。▶︎国は省エネ・脱炭素に関する補助金制度の実施や技術開発・研究への公的支援を行うほか、CO2排出に課金することでCO2の削減を進める「カーボンプライシング」なども検討しています。▶︎他方、消費者の間では環境に対する意識が高まる傾向にあり、いわゆる「エシカル消費」が主流化しつつあります。▶︎企業はこうした市場環境の変化に対応するために「脱炭素経営」を取り入れていくことが必要不可欠でしょう。
○有効回答企業数:1万1,503社
○調査期間:2022年7月15日~31日
[*帝国データバンクレポート 2022.10.18付記事抜粋]
■『「風車が悪いんじゃない」では風力発電なにが“悪い”?…住民と摩擦が起きるワケとは』
宮城県内ではここ最近、風力発電の建設計画を巡る摩擦が各地で起きています。▶︎CO2削減のために世界的に推進されているはずの再生可能エネルギー事業が、なぜ地元からの反発を受けてしまうのでしょうか?
◆気仙沼の風力発電の場合は…「ひっそりと発電する宿命にあります」
気仙沼市中心部から西に車を走らせることおよそ30分。▶︎山道を抜けると…。▶︎現れたのは、巨大な風車、プロペラを合わせた高さはおよそ120メートルです。▶︎近付くと、飛行機のような風切り音が聞こえました。▶︎県内に2か所ある風力発電所のひとつ、「気仙沼市民の森風力発電所」です。
4基ある風車が1年間稼働すると、一般家庭4000世帯の1年分の電力を発電することが出来ます。▶︎気仙沼市民の森風力発電所・関口温社長:「風力発電機って結構音がします。▶︎風切り音」▶︎気仙沼市で建設業を営む関口温さんは、2017年からこの風力発電所の運営を始めました。▶︎気仙沼市民の森風力発電所・関口温社長:「近くを工事していた時に、風が良いと言うのを肌で感じたものですから。さここに風車を建てたいという気持ちになりました」▶︎建設にあたり、地元に住む関口さんは、周囲に迷惑を掛けることだけは避けたいと考えました。▶︎実際に気仙沼市中心部からこの発電所を眺めると…。▶︎阿部航介記者:「山の上にプロペラが見えてきました。▶︎気仙沼市中心部からは遠く、小さく見えます」▶︎市中心部から発電所までの距離はおよそ15キロ。▶︎4基の風車のうち、見えるのは1基のみです。▶︎気仙沼市民の森風力発電所・関口温社長:「風車好きな人もいますけど、嫌いな人もいます。▶︎やっぱりご覧のようにうるさいです。▶︎風車ってそういうものですから、なるべく人里離れて、ひっそりと風を受けて発電する宿命にありますので」▶︎しかし、ここ最近、県内では風力発電の計画が増え、各地で摩擦が起きています。
◆自然豊かな「蔵王」に「巨大風車」ができる?!
2022年5月末には関西電力が川崎町での風力発電事業の計画を公表。▶︎その直後から、蔵王の景観や自然環境、住環境への悪影響を懸念する首長らから猛反発を受けました。▶︎川崎町・小山修作町長:「率直に言って白紙撤回した方が良い」▶︎蔵王町・村田英人町長:「良心的な態度に全く見えない」▶︎関電の計画は、公表からわずか2か月で断念に追い込まれました。▶︎川崎町で染物や織物の工房を営む佐藤大史さん(40)は、計画の中止を求める住民団体の共同代表を務めました。▶︎風力発電計画のあった場所を案内してもらいました。▶︎蔵王風力発電建設計画の中止を求める会・佐藤大史共同代表:「ちょうどあの山のちょっと向こうから、ずっと並んで行く予定だったんですよね、こっちの方まで。▶︎ここら辺全体がそうです。▶︎小学校がすぐそこで、一番近い風力発電から2キロ以内に小学校があった」▶︎当初の計画では、高さ180メートルの風車を最大で23基建設することになっていました。▶︎そして、風車の半径2キロ圏内には637軒もの住宅がありました。▶︎蔵王風力発電建設計画の中止を求める会・佐藤大史共同代表:「生活圏であり文化圏であるので、あまりに急な話だと思った」▶︎関電の説明も納得のいくものではなかったと言います。▶︎蔵王風力発電建設計画の中止を求める会・佐藤大史共同代表:「例えば前日と言ってることが違ったりとか。▶︎あとは根拠となる論文がある。▶︎でも論文があるからやらないとか、論文があるけどやるとかっていう、どこか矛盾したような話ばかりで、何も勉強できなかったなっていう感じでした」▶︎現在、県内で環境アセスメントの手続きが進む風力発電事業は、あわせて16件にものぼります。
◆風車は悪くない「無理なところに計画する人が悪いんです」
件数が増えたのは、2018年に、県が風力発電の適地を示した「ゾーニングマップ」を公開して以来です。▶︎現在手続きが進む16件は、ほとんどがこのゾーニングマップにより風力発電の適地とされた場所でした。▶︎そして16件の事業のうち少なくとも半数以上の9件で、県や市町村に反対の要望書が提出されています。▶︎気仙沼市民の森風力発電所・関口温社長:「宮城県に風車がなかなか導入が進まないので、呼び水にするために作ったんでしょうけども、とにかく縄張り合戦のように、ほとんどマップ上に皆さんいらっしゃいましたよね。▶︎そういう部分でどうしても細かく丁寧に計画しているって言う感じには見えない」▶︎県がゾーニングマップを公表する1年前から事業を始めていた気仙沼市民の森風力発電所の関口さん。▶︎環境アセスメント中に説明会を4回開き、チラシを配るなどして事前の広報に努めました。▶︎風力発電事業を進めるためには、予定地の環境価値の調査と住民への丁寧な説明が不可欠だと話します。▶︎気仙沼市民の森風力発電所・関口温社長:「別に風車が悪いんじゃないんですね。▶︎無理なところに計画する人が悪いんです。▶︎ぜひ節度を持った計画と言うものをしていただきたい。▶︎風車がどんどん悪者になってね、困りますですね」▶︎県内各地で風力発電を巡る摩擦が生じ、2022年7月に県はゾーニングマップを非公開としています。▶︎そして9月、村井知事は森林を切り拓いて作る再エネ施設に対し新税を導入する考えを示しました[*東北放送ニュース 2022.10.19付記事抜粋]
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【掲載日時】2022年10月19日(水)









