【東京五輪の闇〜地検特捜部利権疑獄解明への挑戦 vol.5


『「よもや何かを決めることができる会議体ではない」汚職が次々と明るみに東京オリンピック大会組織委の実態とは【前編】』


東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が発覚した。▶︎大会組織委員会の元理事、大会スポンサー、関連する広告代理店から逮捕者が続出するなか、スポーツ小説の名手・堂場瞬一さんと、JOCの理事を務めた山口香さんが、「オリンピックの意義」を語り合う。▶︎この献言は、オリンピックに群がって、「うまみ」をかすめ取っていく人たちに届くのか。

【堂場】今日はオリンピアンにして、日本オリンピック委員会(JOC)の理事を務めておられた山口香さんとお話するのを楽しみにしていました。▶︎といいますのも、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件の報道をみていて、アスリートの立場から、どう感じられるだろうか、ということをお聞きしたかったからです。▶︎現実がここまで腐敗していることに驚いています。

【山口】私も、『オリンピックを殺す日』という刺激的な小説を書いた堂場瞬一さんが、作家として、今回の事態をどうご覧になっているか、お話ししたいと思っていました。

【堂場】アスリートにとって、オリンピックというのはどんな存在なのでしょうか。

【山口】アスリートはオリンピックを特別だと感じています。▶︎他にも世界大会があるのに、どうしてなのか。▶︎それは4年に1度だということが大きいと思います。▶︎私の場合、つまり柔道ですが、オリンピックでメダルを取れば、強烈なスポットライトが当たります。▶︎そして、どんな競技であってもアマチュアのアスリートが、きちんと評価される舞台なんですね。▶︎コロナ禍で開催された東京五輪は、その存在意義を、もう一度考えるきっかけになったと思っています。

東京オリンピックはスキップすべきだった

【堂場】まさに、そうですね。▶︎ただ私は、スキップすべきだと考えていました。▶︎感染拡大の危険もあるなかで、かかわる人々の負担がとても大きくなると思っていたからです。▶︎「ピークが過ぎてしまう」。▶︎そういったアスリートの心情はよく分かるのですが

【山口】私もスキップすることは、有りだと思っていました。▶︎全世界を見渡し、トレーニングできる環境を比較したら、まったくフェアな状況ではありませんでしたから。▶︎今回の東京五輪は、立場によって、評価が分かれたでしょうね。

【堂場】山口さんは、オリンピック中継をご覧になっていましたか?

【山口】元々スポーツ全般が好きですから、可能な限り見ていました。

【堂場】私は、オリンピック中継を見ながら、誰にも見せることのない『オリンピック日記』をつけていたんです。▶︎がらがらのスタジアムを見ながら、「何かが違う」「おかしい」と書き続けていました。

【山口】同感です。▶︎オリンピックのムーブメントは、試合だけじゃなくて、海外から来たアスリートと市民の交流という部分もとても大切。▶︎それをせずに試合だけをしても、オリンピックじゃないと、感じていました。▶︎異様ですよ、あの光景は。

【堂場】2019年のラグビーワールドカップでは、ジャパンの快進撃で、みんながにわかファンになって、スタジアムの周りで、飲食店で、熱く語り合っていた。▶︎東京五輪は、我々の世界と全然関係ないところで行われていて、「これをオリンピックと呼んでいいのか」と感じていました。

【山口】オリンピックはスポーツの祭典と言われますが、間違いなく、お祭りではなかったですよね

あれから1年。関係者が続々と逮捕される汚職事件が発覚

【堂場】東京五輪から1年が経ち、もっときちんと検証すべきなのではないかと思っていたところ、大規模な汚職事件が発覚しました。▶︎そもそもオリンピックでは、総括的なレポートは作成されるんでしょうか?

【山口】大会組織委員会も報告書は作成し、総括はしているのですが、一般の方々が「総括すべき」だと思っているところとのズレはあったでしょうね。▶︎今回の汚職事件を受けて、再度、総括すべきだと思いますが、大会組織委員会はすでに解散してしまっています

【堂場】検証する組織がないのはおかしいですね。▶︎メディアもその役割を果たしているとは言えません。

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東京地検特捜部は96日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元理事、高橋治之容疑者らを受託収賄容疑で逮捕。▶︎大会スポンサーからも、逮捕者が出ている。▶︎紳士服大手「AOKI」から前会長の青木拡憲容疑者ら3人。▶︎同じく大会スポンサーであるKADOKAWAから、前会長ら3人が贈賄容疑で逮捕されている。▶︎

東京地検特捜部は、スポンサーから支払われた、合計12700万円を、賄賂と認定。▶︎大会組織委員会の会長や理事は、みなし公務員とされ、職務に関する金品の受領を禁じられている。▶︎927日には、広告会社「大広」の執行役員、谷口義一容疑者も、贈賄容疑で逮捕されている。


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【堂場】続々と関係者が逮捕されていますね。オリンピックのことを「集金と分配」のシステムだとしか考えていない人が、これだけ存在していたとは。

【山口】堂場さんの小説でも、そう主張する大学教授が登場して、マスコミから干されてしまいますよね。▶︎あれは私のことかと思いました(笑)。

【堂場】正しいことを言うと、干されてしまうのが、この世の中です。▶︎ところで、山口さん、上限35人の大会組織委員会の理事とは、どういう存在なのでしょうか。

【山口】35人ということを考えても、よもや何かを決めることができる会議体ではないことは想像できると思います。▶︎オリンピアンやJOC、企業の役員、衆議院議員らからなる35人の集団。▶︎どうやって会議を進めるかといったら、喧々諤々と議論をするのではなく、事務方が議案を出して、基本的には異議なし、といった形で、進んでいく。▶︎だとすると、理事の一人一人が、大会組織委員会が決めることに対しての「責任」という感覚を持ちにくいでしょう。

【堂場】それをいいことに、電通出身でスポーツマネジメント、マーケティングの専門家である高橋元理事が、サッカーのワールドカップなどと、同じ手法でやっていたのかもしれません。▶︎ただし、サッカーは、プロスポーツ。▶︎お金が動いて当然。▶︎高額の移籍金がニュースになる世界ですから。▶︎同じことを、オリンピックで絶対にやってはいけない。

【山口】あくまで想像ですが、オリンピックは、公金が入ってくる大イベントである、くらいの認識だったのではないでしょうか。

【堂場】もっとひどくて、リベートをもらうのは当然だ、という感覚だったかもしれません。▶︎組織委員会の理事は、みなし公務員であるわけですから、自分の業務に関して、お金をもらってはダメなんです。

縦社会を重視する🇯🇵日本社会の悪しき風習

【山口】事件の概要を知った時に、「この現代において、こんなにわかりやすい汚職事件が起こるのか」と驚きました。

【堂場】時代劇じゃないですが、「三河屋、おぬしもワルよのう」といって、代官が懐にお金をしまうようなもんですよ。

【山口】電通における先輩後輩の関係性、元同僚といった関係性を使った犯罪ということも特徴ですね。▶︎「これは俺がかかわっている。▶︎だから、おまえ、ちゃんとやっとけよ」と、文句を言わせない。▶︎縦社会を重視する🇯🇵日本の悪い側面が出ている。▶︎そういう因習から脱却して、公平性、公正性を世界にアピールするいい機会だったと思うのですが……

【堂場】ところが……

【山口】大会組織委員会会長だった森喜朗さんの女性蔑視発言もそう。▶︎設計段階で当初の約3倍の約3500億円まで工費が膨らみ、白紙撤回された新国立競技場の問題もそう。▶︎国民にあきれられてしまいます。▶︎オリンピックに群がって、「うまみ」をかすめ取っていく人たち。

【堂場】オリンピックやアスリートへの嫌悪感にもつながりかねないと、私は思っています。▶︎「あなたたちは、汚職や嘘が当然の汚い世界にいるんでしょう」という偏見が起きかねない。

【山口】アスリートたちは「世界最高峰の勝負の世界」を見せようとしている。▶︎その周りの人たちが、砂糖に群がるアリのように、うまみをかすめ取っていく。

【堂場】今回のオリンピックで、スキップという判断ができなかったのは、そういう人たちがたくさんいたからでしょう。▶︎スキップしてしまうと、集められたお金をどうするか、という問題が出てきますからね。

【山口】出版界も当事者になっていますよね。

【堂場】私も、KADOKAWAという出版社から、本を出しています。▶︎汚職にかかわった企業と今後、どうやって取引をするのか、そんなことでも悩んでいます。

【山口】AOKIも、KADOKAWAも、賄賂を出してまでスポンサーになって、スポンサーになる価値はあったのでしょうか。▶︎その企業で働く社員たちは、そう思っているはずです。▶︎高橋元理事に賄賂を払えば、スポンサーフィーも値下げされる。▶︎この事件には、スポーツにとって大切なフェアネスも存在しない。

【堂場】公式スポンサーは、裏金で買うものという印象はぬぐえません。

【山口】さらに私が問題だと感じているのは、主導した人たちの年齢の高さです。▶︎1964年の成功体験から脱却できなかった人たちの認識のずれを感じます。

【堂場】1964年当時、オリンピックを誘致したことで、首都高ができ、新幹線が開通した。▶︎でも、今の🇯🇵日本で、これ以上、東京を開発しても仕方ない。

【山口】オリンピックの理念も当時と違いますよね。▶︎戦後19年目の東京五輪は、世界から人を呼んで、🇯🇵日本がどんな国かを知ってもらう意味もあった。▶︎だけれど、2012年のロンドンも、ましては2024年のパリなんて、どんな街かを知ってもらう必要はないでしょう(後編に続く)[*文春オンライン 2022.10.12付記事抜粋/文:堂場瞬一氏・作家/山口香氏・元JOC理事]

『「IOCは『汚職事件があった国では開催できない』と言うべき」東京オリンピックで露呈したスポーツ界の悪しき体質【後編】』


「よもや何かを決めることができる会議体ではない【前編】」から続く。▶︎汚職が次々と明るみに東京オリンピック大会組織委の実態とは。東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が発覚し、大会組織委員会の元理事、大会スポンサー、関連する広告代理店から逮捕者が続出している。▶︎スポーツ小説の名手・堂場瞬一さんと、JOCの理事を務めた山口香さんが、前代未聞の「五輪汚職」の再発防止について、語り合った。

IOCは「汚職事件があった国ではオリンピックはできません」というべき

【堂場】この汚職問題が解決していない段階でも、札幌市は、2030年の冬季五輪・パラリンピックを誘致しようとしています。▶︎東京五輪にかかわった人たちが、誰も責任をとっていないのに、私には信じられません。

【山口】IOCは「汚職事件があった国ではオリンピックはできません」というべきです。▶︎再発を防止するなんて言っていますが、検証もできていないのに、再発防止なんてできるわけがない。

【堂場】9月のIOCの総会でも、汚職事件に関しては触れられていなかった。▶︎結局、彼らも「ばれないようにうまくやれよ」というスタンスなのではないでしょうか。▶︎スポーツ界の現状は、とても腐敗していると感じています。

【山口】声の大きい人を止めることができないスポーツ界の、社会全体の悪しき体質が顕著になったとも言えますね。▶︎高橋元理事のやったことは、ばれずに成功したら、それがグレーと評価され、逮捕されたら、やっぱりブラックだったとされる。▶︎読者のみなさんの組織にも、こういった事例があると思います。▶︎そんなとき、「これはダメです」とブレーキを掛けられるのが、組織のガバナンス。▶︎それがあまりにもなかった。

人口減少社会で、老害を防ぐためには?

【堂場】スポンサーの2社では、それぞれの会長が逮捕されています。▶︎「上の人が間違ったことに走っているときに止められない」のは、「老害」ですね。

【山口】これから人口も減少し、若い人が少なくなるなかで、上の人が若手を押さえつけて、「俺のやっていることが正しいからついてこい」なんてやっていたら、その組織、業界、この国は先細りしてしまう。▶︎今回の東京五輪をめぐる汚職事件が、ターニングポイントとなってほしい。▶︎希望的観測が過ぎますかね。

【堂場】方法はありますよ。▶︎思い切って、45歳定年を導入することですね。▶︎定年といっても、45歳で役職を退任するということです。▶︎古い世代が意思決定にかかわることはなくなる……▶︎やっぱり無理ですかね(笑)。

【山口】実はスポーツの世界は、それを可視化しているんです。▶︎20年競技を続けているベテランだからといって、オリンピックに出られるわけではない。▶︎特別枠はないですから。▶︎いいプレーをしたら、たとえそれがどんなに若いアスリートでも賞賛が集まる。▶︎私は将棋の世界からも、学ぶことがあると思っているんです。▶︎対局して負けたら、相手が年下でも、みんなの前で、「参りました」という言葉を発する。▶︎これはすごいことだと思います。

今回の「五輪汚職」の再発を防ぐために

【堂場】汚職事件の再発を防ぐにはどうしたらいいでしょうか?

【山口】それは第三者委員会や、調査委員会を立ち上げることです。▶︎第三者の客観的な目で、汚職の構造を調査することだと思います。

【堂場】まさにそうですよね。▶︎東京地検特捜部がその役割を担っていますが、捜査機関が調べて初めて、何が起きていたかがわかるなんて、こんな恥ずかしい話はないです。

【山口】このままでは、すべての責任を逮捕された人たちに押し付けて、「悪い人がいたね、それは残念だったね」となりかねない。▶︎2024年にパリ五輪・パラリンピックを開催する🇫🇷フランスは、違う対策をしていますね。

【堂場】五輪を巡る汚職を防止するために、組織委員会のほか大会に関係する企業などを対象に、公的資金の不正流用がないかを独立した政府の監査機関がチェックする、というものですね。▶︎🇯🇵日本では、法整備は難しいんでしょうか。▶︎こんな汚職事件を起こしたシステムを放置したままなんて。▶︎ドーピングはあんなに細かく調査しているのに。

【山口】ドーピング検査自体は、フェアネスのためにあっていいと思います。▶︎ただ、アスリートは、24時間すべての滞在場所を伝えて、朝5時でも、6時に来ても検査に対応しなくてはいけない。▶︎これは人権侵害に近い。▶︎そこまでアスリートに求めるのに、運営する側は、ここまでずさんというのは、最悪のダブルスタンダードです。  

小説『オリンピックを殺す日』を読んで

【山口】堂場さんの小説『オリンピックを殺す日』は、とても刺激的でした。▶︎オリンピックにかかわるメディア、ジャーナリスト、スポンサー、アスリートという立場それぞれでの葛藤が描かれていて、「オリンピックの関係者」が立ち止まって、考えるべき問題がたくさん書かれていました。

【堂場】1984年のロサンゼルス大会以来、オリンピックは商業主義に毒されつつあるとは感じていましたが、東京五輪で、この大会が「集金と分配」のシステムと化していることが明白に露呈してしまった。▶︎それをうけての問題提起というか、新しい国際スポーツ大会のカタチを提案したいとおもった部分もありました。▶︎ただ、エンタメ小説ですから、サスペンスとしても、愉しんでもらえるように書いています。

【山口】舞台設定は、東京オリンピックの数年後、まさに今くらいでしょうか、世界的企業が、新たなスポーツ大会「ザ・ゲーム」を企画している。▶︎その大会は、メディアを排除して開催される。この大会を仕掛けている謎の組織の正体を追いかける記者が、世界中を飛び回る。▶︎「ザ・ゲーム」は実際に成功するのか、アスリートはどういう選択をするのか、など、読みどころも満載でした。

【堂場】オリンピックに関しては、あまりにも巨大になりすぎたし、もはや誰も全容をつかんでいないのではないか、と。▶︎この時代に、世界中からアスリートを集めて、国際スポーツ大会を開催する意味は何なのか。▶︎プロスポーツは、移籍金の額に騒ぎ、高額年俸の選手たちのパフォーマンスを批評して楽しむわけですから、今のままでもいい。▶︎オリンピックに関しては、理念も含めて、ゼロから立て直すべきだと思っています。▶︎そんな気持ちで、この小説を書きましたが、スポーツ界からは賛同されないだろうなぁ。

【山口】堂場さんの小説について、私が抱いた率直な感想をもう一つだけ話してもいいですか? 

【堂場】ぜひお願いします。

【山口】小説の中で、オリンピックを特別視しているアスリートたちの描写を読んでいて、「あなたたちが競技を始めた原点はなんだったんですか」と、問いかけたいと思ったんです。▶︎「オリンピックは特別だから」▶︎「オリンピックにはドラマがあるから」と、すべてを五輪に捧げようとして、自分をがんじがらめにしていく。▶︎ジャーナリストもそうです。▶︎一度、そこから解放されれば、新しいスポーツのカタチが見えてくるはずなんです。▶︎ぜひ皆さんに読んでほしい。

アスリートは「五輪汚職」について声を上げてほしい

【山口】今は、若くして活躍するアスリートも多いですよね。▶︎彼らにとっては、最初に接する大人が、ジャーナリストだったりするわけです。▶︎メディアの方には、「どういう質問をするかで、アスリートの思考が鍛えられる」と伝えているんです。▶︎「この喜びを誰に伝えたいですか?」では、選手の思考は育ちません。▶︎「なぜあの選択をしたのか」と、直球の質問をしてほしいんです。▶︎じっくり考えなければ、答えの出ない問いをしてほしい、と思っています

【堂場】取材をすることで鍛えられるのは記者も同じです。▶︎アスリートに取材をするときは、記者も緊張しています。▶︎変なことを聞いて、機嫌を悪くしたら、ろくな答えが返ってこないだろう。▶︎今後、取材拒否されるかもしれない。▶︎相手から本音を引き出すには、どうすればいいか。▶︎取材の現場は訓練の場所でもあったんです。▶︎スポーツマネジメント会社やチームの管理が厳しくなって、「切磋琢磨する場所」が無くなってきていますけれどね。▶︎この問題で残念なのは、現役の選手が声を上げない事です。

【山口】自分が言ったところで変わらない、という諦めと、練習をして最高のパフォーマンスを出すことが自分の役割だと考えている選手たちが多いと思います。

【堂場】絶対に声を上げるべきです。▶︎作家の僕は部外者ですが、選手は当事者です。▶︎「ふざけんな」という声が上がってもいい。

【山口】アスリートは意外とセンシティブで、自分が発信したことに対して、ネガティブな反応があると、傷ついてしまう人も多い。

選手が神輿に乗っている時間には必ず終わりが来る

【堂場】何かを言えば、批判が飛んでくる時代です。▶︎だけれども、それを乗り越えて発言してほしいんです。▶︎練習に打ち込んでいる、ほんの5パーセントの時間を使って、世間がどうなっているかを見渡してほしい。▶︎「余計なことは考えないで、競技に集中してください。▶︎他のことは周りがしますから」という神輿に担がれているようじゃだめですよ。

【山口】芸能の世界の方でしたら、それでもいいかもしれません。▶︎長きにわたって、神輿に担がれて仕事をすることもできますから。▶︎アスリートは違います。▶︎選手が神輿に乗っている時間には必ず終わりが来ます。▶︎自分で思考して、活動すべきなんです。

【堂場】さらに残酷なことに、その期間は、とても短い。▶︎そんなに守られていたら、メンタルも鍛えられないでしょう。

【山口】自分の考えで発言し、社会の反応を受け入れることを積み重ねて、経験値を上げていってほしい。▶︎アスリートからの発信は、スポーツ界を変える力になると信じています。

【堂場】山口さんとの対談はとても有意義でしたが、ぜひ次回は、現役のアスリートにも登場してもらって、オリンピックの在り方について発信してもらいたい。▶︎司会と執筆は私がやりますから(笑)[*文春オンライン2022.10.12付記事抜粋/文:堂場瞬一氏・作家/山口香氏・元JOC理事]

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【掲載日時】20221012日(水)