🌏チキュウノコトバ】Vol.47


『「大化け」するか? 再エネ拡大のカギを握る太陽光発電再エネのボトルネックを解消する🇯🇵日本発の技術』


政府は1022日、「再生可能エネルギーを最優先に最大限導入する」方針を掲げた新たなエネルギー基本計画を閣議決定した。▶︎計画では2030年度の電源に占める再生可能エネルギーの比率を2019年度実績の18%から3638%にまで引き上げる。▶︎これまでの計画では2030年度の再生可能エネルギーの比率は2224%となっていた。▶︎3638%の内訳は、太陽光発電が1416%、風力5%、水力11%となっており、太陽光を中心に倍増させる野心的な内容だ。▶︎2030年度の再生可能エネルギーの比率は当初、30%前後と見込まれていた。▶︎だが7月に「2030年度に温暖化ガスの排出量を2013年度に比べて46%減少させる」目標を取りまとめたことから、その比率を上げざるを得なかった経緯がある。▶︎一方で、実現可能性について疑問の声が早くも上がっている。▶︎気になるのは、「世界人口の85%が既に気候変動の影響下にある」との研究結果があるなど、気候変動が世界で頻発する状況になっていることだ。▶︎再生可能エネルギーは気候変動の影響を受けやすい。▶︎気候変動が最近の天然ガス価格高騰の一因となったことからも、「再生可能エネルギーに偏った電源構成は安定供給の面で問題が大きい」との批判が出てきている(1025日付日本経済新聞)。

風が吹かず欧州で風力発電量低下

🇪🇺欧州連合(EU)では2021年(2021年)9月、電気料金の上昇が大きな話題となった。▶︎料金上昇のそもそもの原因は、欧州で夏以降、風が減少する事態が広範囲で発生したことにある。▶︎新型コロナウイルスのパンデミックからの回復を受け、電力消費量が拡大したにもかかわらず、北海での風量が過去20年間で最低になったことで今年夏の風力発電量が🇪🇺EU全体で昨年比7%減少し、火力発電への依存を余儀なくされた。▶︎石炭火力発電所の廃止を進めている🇪🇺EU諸国の主要な燃料は天然ガスだ。▶︎欧州で天然ガス需要が急拡大したことにより、天然ガス価格が高騰、電力料金が急上昇してしまったのだ。▶︎中でも「脱炭素先進国」の🇪🇸スペインが危機に見舞われている。▶︎🇪🇸スペインの電源構成の約2割を占める風力発電は主力電源の一翼を担っていたが、9月の発電量は前年比2割減少した。▶︎風力の発電量減少分を3割のシェアを持つ天然ガス火力で補おうとしたことが天然ガス価格の急騰を招き、エネルギー危機に拍車をかけた。▶︎9月時点の🇪🇸スペインの家庭向け電気料金は前年比で35%高くなり、欧州内でも特に深刻な影響が出ている。▶︎🇪🇸スペインでは、国が出資する送電会社REE2006年に「再生可能エネルギーコントロールセンター」を設置し、ITを駆使して気象予測と需給予測データを摺り合わせ、再生可能エネルギーによる電力需給の変動に対処しようとしてきた。▶︎🇯🇵日本政府が掲げる2030年度の電源構成比率の目標は🇪🇸スペインの現状に近い。▶︎🇯🇵日本での風力発電の本格導入はこれからだが、想定外の気候変動に翻弄される🇪🇸スペインの苦悩は🇯🇵日本にとって「他山の石」だ。▶︎次に水力だが、2021年の夏、世界各国で発電量が軒並み減少している。▶︎🇺🇸米国西部や🇧🇷ブラジルなどの水力発電所では、気候変動による干ばつにより、過去数十年で最大級の電力供給への支障が生じている。▶︎特に🇧🇷ブラジルでの影響は深刻だ。▶︎水力の比率が全電力の6割を超える🇧🇷ブラジルでは、90年に一度の干ばつで水力発電ダムへの水の流入量が激しく落ち込んでおり、水不足は来年まで続く見込みだ。▶︎石炭火力への依存を低下させたことで電力不足に陥っている🇨🇳中国では、干ばつによる水力発電量の減少が追い打ちをかける事態となっている。

太陽光発電を高効率化する🇯🇵日本発の技術

最後に再生可能エネルギーの主力を担う太陽光だが、太陽光も天候に大きく左右されることは言うまでもない。▶︎「冬に発電量が減る」とされ、昨冬(202012月~20211月)の電力逼迫の際、「太陽光の発電量の減少が原因の1つだ」と言われた。▶︎実際には、経済産業省のその後の検証によって、太陽光の影響はほとんどなかったことがわかっている(渇水による水力発電量の低下は確認された)。▶︎太陽光発電への気候変動の影響は予想外に少ないのかもしれないが、悩みはコストだ。▶︎国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によれば、🇯🇵日本の太陽光の発電のコストは1キロワット時13.5円(1ドル=114円で換算)。▶︎5円の🇨🇳中国や6.5円の🇺🇸米国の2倍超、🇩🇪🇫🇷独仏に比べても8割高いと言われている。▶︎日照条件の悪さなどがネックとなっている。▶︎今後、発電量を大幅に増加させるためには新たな土地の確保が不可欠だ。▶︎だが崩落事故などが相次いだことで太陽光発電設備に対する規制を強化する自治体が増加している。▶︎幸いなことにこの2つの難問を解決する希望の光が見えてきている。▶︎太陽光発電の高効率化を実現する画期的な技術が🇯🇵日本から次々に誕生しているのだ。▶︎たとえば東大・先端科学技術研究センターの岡田至崇教授が中心となって、量子ドットを使用して光から電気に変換する「量子ドット太陽電池」の研究開発が進められている。


また愛知県一宮市のベンチャー企業「MCC QUANTA」(エムシーシークアンタ)は、既に設置された太陽光パネルにインストールするだけで発電効率が2倍になるデバイスを開発し、10月下旬から量産の準備に入った。▶︎量子現象を活用することで、太陽光の照射でパネル内に発生した電子をより多く取り出すことに成功した。▶︎来年のゴールデンウイーク明けにデバイスを市場投入し、月産1万台から始めて順次生産能力を拡大していくという。▶︎このデバイスを🇯🇵日本中の太陽パネルに取り付ければ、「新たに土地を確保しなくても発電量は2倍になり、コストは2分の1になる」という夢のような効果が期待できる。▶︎太陽光のコストが🇺🇸米国と同等になれば、立派な国産エネルギーだ。▶︎🇯🇵日本のエネルギー自給率は格段に向上し、安全保障の面でも大幅な改善となることは間違いない。▶︎🇯🇵日本のものづくり企業はなんと頼もしいことか。▶︎太陽光発電の導入を拡大することが「災い転じて福となす」となる可能性が見えてきた[解説:藤和彦氏・経済産業研究所コンサルティング・フェロー]

岩谷産業:『液化水素製造でCO2ゼロへ』


[写真:世界最大級の液化水素プラント「ハイドロエッジ」]

大阪湾に面する堺市西区の築港新町。火力発電所や製油所、化学プラントが集積する、このエリアに世界から注目されるプラントがある。▶︎岩谷産業と関西電力が出資する液化水素プラント「ハイドロエッジ」だ。▶︎燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素が次世代エネルギーとして脚光を浴びている。▶︎水素社会の実現のカギを握るのが液化水素だ。▶︎水素は常温では気体だが、マイナス253度で液体となる。▶︎液化することで体積は800分の1に縮小する。▶︎水素の大量供給のためには輸送コストを大幅に軽減できる液化が欠かせない。▶︎ハイドロエッジが世界から注目されるのは、液化天然ガス(LNG)の冷熱を使うという独自の液化工程を採用しているからだ。▶︎ハイドロエッジは液化水素と空気分離ガスの2つのプラントで構成されており、液化水素の製造は2段階の工程で行う。▶︎まず空気分離ガスプラントで、隣接するLNG基地から供給するマイナス162度のLNGを利用し、空気から分離した窒素、酸素、アルゴンを一定程度まで冷却。▶︎そのうえで電気を用いてそれぞれを液化する。▶︎次に液化水素プラントで、マイナス196度の液化窒素の冷熱を利用し、天然ガスから取り出した水素ガスを冷却。▶︎電気によってさらに温度を下げ液化するのだ。▶︎通常、水素は電気式クーラーだけで冷却して液化するが、「LNGの活用でコストを大幅に削減できる」(ハイドロエッジの美沢秀敏社長)という。▶︎1時間当たり3000リットルを製造できる系列が3つあり、生産能力も世界最大級を誇る。▶︎ハイドロエッジの稼働開始は平成18年(2006年)。▶︎産業ガス会社など液化水素を生産できる会社は多いが、美沢社長は「15年以上蓄積してきた運用ノウハウが強みだ」と強調する。▶︎プラントは一度止めると水素が温まり復旧に時間がかかってしまうため、36524時間稼働させる必要があり、安定運用のノウハウが重要だからだ。▶︎今後の課題は天然ガスから水素を取り出す製造工程で発生するCO2の処理だ。▶︎ CO2回収装置の導入を検討しており、美沢社長は「CO2ゼロの製造にも挑戦したい」と意気込む。▶︎岩谷産業は6月に令和5年度(2023年)まで3年間の中期経営計画を発表した。▶︎中計では水素社会を推進するため、600億円を投資する方針を明らかにした。▶︎政府は令和12年(2030年)に水素の消費量を最大300万トンまで増やすことを計画しており、同社は火力発電や自動車やバス、トラックなどの活用、家庭用燃料電池の普及を見込んでいる。▶︎グループの液化水素製造拠点は現在、山口県周南市と千葉県市原市にもあるが、増産に備えて、4カ所目となる新工場を関東に建設する。▶︎燃料電池車(FCVなどに水素を供給する水素ステーションも国内は約6割増の83カ所に、米国も累計23カ所に増やす計画だ。▶︎川崎重工業などと🇦🇺オーストラリアから液化水素を船で国内に運ぶ大型プロジェクトにも参画している。▶︎岩谷産業の間島寛社長は「サプライチェーン(供給網)の構築を進めることで事業拡大に努めたい」と話す。▶︎カセットコンロのイメージが強い岩谷産業だが、80年以上前から水素事業を展開している。▶︎創業者の岩谷直治氏は「水素こそが人類の究極のクリーンエネルギー」と信じて、液化水素の技術開発を進めてきた。▶︎蓄積した技術が、水素社会の扉を開こうとしている[*産経新聞 2021.10.29付記事抜粋]

『大手石油会社シェル温室効果ガス排出量“2030年までに半減


脱炭素社会の実現に向けて石油業界への圧力が強まる中、ヨーロッパの大手石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルは、2030年までに温室効果ガスの排出量を半減させるとする新たな目標を発表した。▶︎

🇬🇧イギリスと🇳🇱オランダに拠点を置く大手石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルは1028日、2030年までに石油の精製などで出る温室効果ガスの排出量を、2016年と比べて半減させるとする目標を発表した。▶︎目標達成のために事業の効率化をはかるほか、排出されるガスから二酸化炭素を分離して回収し、地中深くに封じ込める技術などを活用するとしている。▶︎ロイヤル・ダッチ・シェルをめぐっては、環境団体などが起こした裁判で🇳🇱オランダの裁判所がことし5月、顧客に販売した製品から生じる温室効果ガスを含めた排出量を、2030年までに2019年と比べて、45%削減するよう命じる判決を言い渡していた。▶︎会社側は控訴しているものの、石油業界への圧力が強まる中、今回、温室効果ガスのさらなる削減を余儀なくされた形。▶︎ただ、今回の削減目標に、顧客に販売した製品から生じる温室効果ガスは含まれないとしていて、企業が排出量の削減でどこまで責任を負うか議論が続きそうだ[*NHKニュース 2021.10.29付記事抜粋]

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【地球循環システムの謎】

20数億年前に酸素急増の謎…1日が長くなったから?』


[米五大湖のひとつヒューロン湖の陥没穴「ミドルアイランド・シンクホール」を探索するダイバー。ここの微生物マットは、約20億年前の地球の海のものと似ていると見られ、今回の研究に使われた]

地球の大気には酸素がおよそ20%含まれている。▶︎多くの生命が生きていけるのはそのおかげだ。▶︎しかし、できたばかりの46億年前の地球の大気にはほとんど酸素が含まれておらず、2422億年前に急激に増えたことが地質学的な記録からわかっている。▶︎その理由は、光合成を行うシアノバクテリア(藍色細菌)が海で増えたからと考えられている。▶︎だが、光合成を行う微生物はもっと前から地球に存在しており、だとしたらなぜこの時期に大量に酸素が増え始めたのかは大きな謎だった。▶︎このたび、その謎にまつわる驚くべき新説が発表された。▶︎🇩🇪ドイツ、マックス・プランク海洋微生物学研究所のジュディス・クラット氏と🇺🇸米ミシガン大学の共同研究者らは、地球の酸素が急増したのは1日の長さが長くなったから、すなわち、地球の自転が遅くなったからである可能性を、202182日付で学術誌「Nature Geosciences」に発表した。▶︎大気中の酸素濃度の上昇と自転速度の変化は、それぞれ何十年にもわたって研究されてきた。▶︎だが論文によると、両者が結び付けて考えられたことはこれまでなかったという。

地球の自転が遅くなる理由

酸素濃度と自転速度の関係の前に、まず地球の自転が遅くなる理由を説明しよう。▶︎地球の歴史において、1日の長さはこれまで大幅に伸びてきた。▶︎30億年以上前の地球では、1日はわずか6時間程度だったとも言われる。▶︎現在、1日が約24時間となっているのは、長い時間をかけて地球の自転が遅くなってきた結果だ。▶︎その変化は潮の満ち引きと関係している。▶︎海のそばで1日過ごしたことがある人はおそらく、海岸で潮が満ち引きする様子を見たことだろう。▶︎あの一見穏やかな動きは、地球と月の間に生じる巨大なエネルギーから生まれるものだ。▶︎その結果、海に潮汐(ちょうせき)が生じて海水と海底との間に摩擦が生まれる。▶︎いわゆる「潮汐摩擦」だ。潮汐摩擦は地球の回転エネルギーを奪うため、自転の速度が遅くなり、1日が長くなる。▶︎このプロセスは、何億年もかけて非常にゆっくりと進行するせいで、1日の長さの変化は容易には観測できず、また海底の地質記録を追跡するのも困難だった。▶︎55000万年前の地球の自転速度については、かなり確かなことがわかっています。▶︎というのも、貝にある成長線から1日の長さがわかるからです」と、🇺🇸米プリンストン大学の惑星科学者クリストファー・スポルディング氏は言う。▶︎「しかし問題はそれ以前の、サンゴや貝が存在しない時代です」▶︎そんな太古の昔の地球の姿については、「モデルを使って検証を行います」と、🇺🇸米カリフォルニア工科大学の惑星科学者ウッドワード・フィッシャー氏は言う。▶︎「日長は規則正しく変化してきた歴史があり、その変化の方向性も把握しています。▶︎ただし、細かいことについてはあまり多くはわかっていません」▶︎地球の自転速度を再現するモデルは数多く存在するが、1980年代末から用いられてきたあるモデルによると、1日の長さは着々と伸び続けた後、25億年ほど前に約21時間で安定し、その後は数十億年にわたってさほど変化しなかった。▶︎そのころ、地球の自転速度は「共鳴ロック」と呼ばれる平衡状態に到達していた可能性がある。▶︎地球の自転に影響する力には、実は速度を速めるものもある。▶︎太陽が地球の片側をより多く加熱して、海や大気を膨張させると、地球の自転をわずかに前進させる力が働く。▶︎この力が自転を遅らせる力と釣り合う「魔法の自転速度」に到達すると、その後はかなり長い間変化が見られなくなる。▶︎そして、クラット氏らが今回の研究でこのモデルを使用したところ、1日の長さと酸素濃度の変化がほとんど重なったのだ。▶︎「酸素のパターンと自転速度の類似を見たときは、非常に興奮しました」とクラット氏は言う。

多方面に及んでいた日照時間の影響

シアノバクテリアは今も地球の水中で繁殖を続けている。▶︎そして、米五大湖のヒューロン湖の底にある「ミドルアイランド・シンクホール」の微生物マットに生息するシアノバクテリアが、研究チームに新たなパズルのピースを提供してくれた。▶︎深さ約23メートルの陥没穴であるミドルアイランド・シンクホールの水には、高濃度の硫黄が含まれる一方、酸素は少ない。▶︎科学者たちは、こうした条件は数十億年前の古代の海に似ていると推測している。▶︎この環境を研究すれば、古代の生態系がどのように振る舞っていたかを大まかに把握できる。▶︎その結果判明したのは、シンクホールのシアノバクテリアが含まれる微生物マットでは、酸素の生産と消費が極めて拮抗していることだった。▶︎微生物マットは、ゼロサムゲームに非常に近い状態にあります。▶︎たくさんの酸素を生成する一方で、たくさんの酸素を消費しています」とフィッシャー氏は言う。▶︎「まさにギリギリといった状態であり、ごくわずかに酸素が外部に漏れ出していることが、この論文からはわかります」▶︎興味深いことに、1日が長くなってもシアノバクテリアの光合成の効率は変わらなかったものの、微生物マットから放出される酸素の量は増えた。▶︎昼夜が切り替わるペースが落ちて日照時間が長くなると、酸素が拡散しやすくなるからだった。▶︎事実、クラット氏の実験でも、湖底の微生物のサンプルをより長く日に当てるほど、より多くの酸素が大気中に放出されることが確かめられた。

「だれもがすぐに思いつく観点ではありません」

今回の結果は、初期の地球やそれ以外のさまざまな環境について今後研究を進めるうえでの、新たな道を示している。▶︎1日の長さがもたらす効果は、地球の酸素増加に関する根強い謎を解決する鍵となるかもしれません」と、マックス・プランク研究所の計算生物学者で、クラット氏の研究の共同執筆者であるアルジュン・チェンヌ氏は言う。▶︎「この研究はまた、そのほかの地球化学プロセスが、1日の長さの変化にどのような影響を受けるかを考える際にも役立つかもしれません」。▶︎例えば、日長や酸素濃度の変化は、初期の大陸における地球規模の炭素循環や風化に影響を与えていたかもしれない。▶︎🇺🇸米ジョージア工科大学の地球生物学者デボン・コール氏によると、この研究はほかの惑星における生命進化を考察するうえでも役立つ可能性があるという。▶︎今回のクラット氏の研究は、1日の長さが地球以外の生物圏や大気にどのような影響を与えるかについて、より明確な知見をもたらした。▶︎ほかの恒星の周りを回っている幾多の惑星の中には、自転と公転の同期によって、片側では昼、もう片側では夜が永続的に続くものもある。▶︎「そうした惑星では、大気を再生できるような生物圏が存在できるのでしょうか」とコール氏は言う。▶︎「もしかすると生物の居住が可能な場所は、昼と夜の間に位置する、恒久的な『日没』状態にある輪の部分だけかもしれません」▶︎さらにコール氏は、酸素と生命誕生についての研究において、1日の長さというのは「だれもがすぐに思いつく観点ではありません。▶︎そこに着目したのはすばらしいと思います」と述べている[*NATIONAL GEOGRAPHIC日本版 2021.10.29付記事抜粋]

▶️【用語解説】

シアノバクテリア(藍色細菌)』=酸素発生を伴う光合成 を行う細菌の一群。 藍藻は系統的には細菌ドメイン に属する原核生物であるが、歴史的には「植物」に分類されていた 。藍藻は現在でも藻類の一員として扱われることが多いが、原核生物である点で他の藻類や陸上植物 とは系統的に大きく異なる。

⚫︎『潮汐摩擦(ちょうせきまさつ)』=潮汐(主として月と太陽の引力によって生じる海面の昇降現象。潮の干満)によって移動する海水(潮流)が海底や陸岸との間で起こす摩擦現象。 このため地球の自転は少しずつ遅れ,1日の長さは100年につき約1000分の1秒ずつのびている。 したがって,地球の自転周期を時間の基準にとれば,月の公転速度はわずかずつ増していく(長年加速)。


⚫︎『共鳴ロック』=天体の自転と公転の同期。ひとことで言うと、地球から見る月の模様がまったく変わらないこと。


⚫︎『微生物マット(バクテリアマット)』=バクテリアが多量に繁殖してマット(厚い敷物)のような状態になること。 特定の環境下でバクテリアが繁殖して生じる。


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[掲載日:20211028日(木)16:30]


復活の呪文はゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらべべべ