🌏チキュウノコトバ】Vol.44


『その事業者は一体誰?〝ソーラーバブル〟に沸く日本』


[大規模な開発が進行中のメガソーラー建設地]

山口県周防大島から本土側を望むと、濃い緑の中に中国系メガソーラーのパネルが黒々と並ぶ。▶︎その続きの山岳に剝き出しの開発地が2カ所、際立つ。▶︎規模はさらに大きく、10キロメートル離れた場所からも見通せる。▶︎すでに海沿いの70ヘクタール以上の森を伐り倒し、大量の土砂を下方に押し広げている。▶︎現場では巨大なブルドーザーが20台以上。▶︎野球場なら何十面もとれそうな広大な平地を造成中だ。▶︎しかしパネルを並べるだけなのに、なぜこれほどまでに大掛かりな開発が必要なのか。▶︎今夏の大雨では、当地の法面(のりめん)に大きな亀裂が入り、海沿いの家々を不安にさせたという。▶︎崩落した土砂は雨水とともに水田を濁し、美しい自然海浜に流れ込み、海は赤茶けている。

顔が見えない事業者たち

現場の勢いと熱気がすごい。▶︎〝ソーラーバブル〟は久々に土木業界を活気づけている。▶︎かつて列島改造時代には、国中の農林地が宅地やゴルフ場用地として買われ、平成バブルの頃はリゾート開発に沸いた。▶︎しかし、今回は主役が違う。▶︎開発者はグローバルになり、匿名性は高まるばかり。▶︎100億円を投じても、早期に設備認定を受けた事業なら、10年以内に元はとれる。▶︎合同会社が事業を担うケースが少なくないが、多くは資金調達が終わると、ほどなく消滅し、次なる合同会社や一般社団法人などに継承されていく。▶︎開発許可は政府が後押しするから、事業ハードルは低い。▶︎パネル設置は建築基準法の対象外だから地元協議の対象にならない。▶︎いったん、経済産業大臣から設備認定を受けると、発電事業はいつ始めてもよい。▶︎その時点から20年間にわたり、政府は同じ価格で買い取ってくれる。▶︎40円/キロワット時(2012年度)は、国際平均価格の倍以上で、こうした〝旨み〟を察知した早耳企業が太陽光発電になだれ込んだ。▶︎土地の取得も見込みレベルで認可が下りるから、地上げは後からでよい。▶︎これではまずいと、2017年に制度見直しが行われ、買取価格も下がった。▶︎2020年からは、大規模ソーラーに環境影響評価(アセスメント)が必要になった。▶︎ただ、経済産業省の設備認定がすでに終わり、工事計画の届け出が済んでいればアセスは不要だし、認定時に約束された買取価格は高止まりのままだ。▶︎2012年度や2013年度に発行された設備認定書は「プラチナカード」で「高利回りの金融商品」になっていて、今でも投資目的のファンドが買い直しするほど人気である。▶︎政府は20216月、「グリーン成長戦略」で全発電量の56割を再生可能エネルギーでまかなうとし、太陽光はその主力であるとした。▶︎称賛され、増え続けるソーラーに死角はないのか。


[福島県富岡町にあるゴルフ場跡地]

〝植民地型〟の発電事業システム

地元にしてみれば、事業主体が見えないと困る。▶︎「反対の声を役所は拾ってくれない。▶︎再生エネの促進は政府の音頭だからって……▶︎風光明媚なその場所が好きで移り住んできた人たちは、苦情の持って行き場がない。▶︎相手が外国だと簡単には連絡がつかない。▶︎そもそも地元にとっての益は少ない。▶︎🇨🇳中国製のソーラーパネルが並ぶだけで雇用効果はなく、売電利益も本社の所在地にしか落ちない。▶︎自治体に入るのは固定資産税だけだが、これも所有者不明になると不透明だ。▶︎①転売による所有者不明と、②パネル破損による鉛、セレン、カドミウムなどの流出も心配だ。▶︎そうした不都合が起こったとき、自治体は外資系企業や投資家集団と交渉することになるが、うまくいくだろうか。▶︎トラブルは即、訴訟だろう。▶︎買い上げ期間満了後の事業者責任が曖昧になっていないか。▶︎おまけに、かかり増し分を負担するのは国民になる。▶︎いつの間にか高い電気代を払わされている。▶︎筆者も毎月、2段書きで送られてくる請求書の下段を見るたび溜息をつく。▶︎上乗せされた「再エネ促進賦課金」は年間1476円(2021年度一世帯あたり)。▶︎🇯🇵日本全体で27000億円に上る。▶︎これからも、ずっと国民の負担として吸い取られていく。▶︎上乗せ分の還流先が海外という構図は、国土から生まれる産業サービスの果実(利益)が国外化していることになる。▶︎ソーラー発電事業のシステムが「植民地型」だと言われる所以だ。

安全保障上の要衝にソーラーパネルが

🇯🇵日本のソーラー導入量は現在、国土の単位面積当たりで主要国中、世界一になった。▶︎全国の総発電量6.8万メガワット(設備認定量:20213月末)から逆算すると、外資系ソーラー事業者に占有されている国土は、約6万ヘクタール(外資比率34割と仮定)。▶︎JR山手線の内側面積のほぼ10倍にまで増えた。▶︎当然、それらの中には、防衛上の要衝も含まれる。▶︎202010月、政府関係機関から内閣府を通じ、次の情報が首相官邸に報告されたという。▶︎「再生可能エネルギー発電事業者として🇨🇳中国系資本が何らかの形で買収に関与したとみられる土地が全国に約1700カ所に上ることが判明。▶︎この中には防衛施設周辺などの安全保障上重要な土地も含まれ(る)」(産経新聞、2020118日付)。▶︎本稿の冒頭、山口県下のメガソーラー群についていえば、そのサイトは、すぐ前海が船舶通航上のチョークポイントで、上空は米海兵隊岩国航空基地と沖縄県嘉手納空軍基地を結ぶ航路に当たる。▶︎そういった地点にソーラーが設置されているのである。▶︎いわば重要国土が、外資系や実態がよく見えない者たちによって占有され、利用されている。▶︎政府は20216月、〈重要土地等調査法〉を成立させ、「600カ所程度の防衛関係施設、原発周辺を想定し土地情報管理に乗り出した」(日本経済新聞、2021812日付)。▶︎こうした動きを歓迎し、「懸念は解消した。▶︎措置済みではないか?」と胸をなでおろす方もおられるだろう。▶︎しかし、カムフラージュ手法はますます巧妙になっていて、代表者を日本人名にするなど、外国人の関与を公表していない事例は圧倒的に多く、外国人の関与を特定することは容易ではなくなっている。▶︎新法「重要土地等調査法」の施行(2022年春)に当たっては、重要国土の指定に見落としがないよう、適切な運用を望みたい。

洋上風力推進に潜む港湾占拠という概念


もう一つ。▶︎洋上風力発電への巨大投資の動きも無視できない。▶︎近年特に伸長著しい分野で、1カ所あたりの投資額が何千億円と桁違いだ。▶︎お手本は欧米だったが、今や世界最大規模のエリアは🇨🇳中国(江蘇省など沿岸部)に移った。▶︎洋上風力発電の資金調達の主流は、プロジェクトファイナンスになるが、この場合、出資者の全貌や実質の采配者の顔が見えづらい。▶︎安全保障の観点からのチェックも手薄になる。▶︎数年前のクルーズ船誘致のときのセンスのままではいけない。▶︎しかし残念なことに🇯🇵日本は、海外メーカーのサポートがなければ洋上風力発電を推進できない実情にある。▶︎投資面で大半のリスクを取る勢力が海外だとすれば、基地港湾の権益も委ねざるを得なくなるだろう。▶︎🇦🇺豪州北部ダーウィン港(2015年)、🇬🇷ギリシャのピレウス港(2016年)、🇱🇰スリランカのハンバントタ港(2017年)、🇮🇹イタリアのトリエステ港・ジェノバ港(2019年)……▶︎これらの港湾が辿ったプロセスを見ていくと幾通りもある。▶︎それぞれの国情に最も沿う形の進出──租借、株式取得、出資、開発委託などによって、🇨🇳中国化が進められている。▶︎今、由利本荘市沖(北側・南側)、能代市・三種町及び男鹿市沖、銚子市沖、五島市沖などが、洋上風力発電の「促進区域」となって沸いているが、基地港湾となる秋田・能代港、鹿島港、北九州港などは、各国港湾の帰趨を先例として心得ているだろうか。▶︎数年後、石狩市沖や西海市江島沖で最長30年の占有許可が出されたとき、一番喜ぶのは誰だろう。

エネルギーの外資化シフトへ日本が持つべき備え

世界に目を転じると、総じて、エネルギーは「武器」に代わって機能することがある。▶︎2014年の🇺🇦ウクライナ危機のときが有名だが、🇷🇺ロシアは欧州への天然ガス供給を止めると言い出し、実際止めた。▶︎🇺🇦ウクライナへの全面供給停止、🇵🇱ポーランドへの供給2割減がなされた。▶︎政治的な対立が起こると🇷🇺ロシアはパイプラインのバルブをいつでも締めるという手段に出ている。▶︎我が国の場合、中東からのシーレーン(海上交通路)を断たれたら、エネルギー供給は壊滅的に低下する。▶︎この先、南沙、西沙諸島が〝新勢力〟によって占有され、原油輸送路が閉ざされる懸念は大きくなりこそすれ、その逆はあるまい。▶︎電力についていえば、ここ10年、発電、送電・配電の自由化がしだいに進みゆき、再生可能エネルギー発電の分野では外資系が着実に伸びている。▶︎その参入は太陽光にとどまらず、風力、バイオマスの分野へも外資系の進出が目立つようになってきた。▶︎SKY SOLAR JAPANWWB、上海電力日本などが有力なプレイヤーだが、それらの企業群は今後、供給シェアをさらに高め、川下(消費者側)へもっと影響力を増していくものと予想される。▶︎こうしたエネルギー部門の外資化シフトを前に、果たして私たちは無思考なままでよいのだろうか。▶︎🇺🇦ウクライナで起こったような危機は🇯🇵日本では起こり得ないのか。▶︎ゼロカーボンという目標だけに目を奪われていてはならない[*WEDGE 2021.10.28付記事抜粋/解説:平野秀樹氏・姫路大学特任教授授]

『肉食の増加と地球温暖化がもたらす感染症の脅威』

しっとりとした空気が湿地を渡って川べりの草を揺らす。▶︎川べりやあちこちに散在する池の周囲にはたくさんのワニが横たわり、すぐそばをカピバラの家族が速足で通り過ぎてゆく。▶︎夕刻になるとねぐらに急ぐ絶滅危惧種のスミレコンゴウインコが鳴き交わす声や森のかなたからのホエザルの声が響く―。▶︎200111月、筆者は🇧🇷ブラジル南西部に広がる世界最大の淡水湿地パンタナルにいた。▶︎面積は🇯🇵日本の本州に匹敵する大きな湿地だが、ここでは牧畜業のための土地の囲い込みが激しい。▶︎ウマに乗って進む道の両側には、有刺鉄線が張られた柵がどこまでも続き、多数のウシの姿を見かける。▶︎ウシの頸動脈を鋭い刃物で切って、野外でと畜するシーンにも出くわした。▶︎この地は多数の野生生物と人間、そして人間の数をはるかに上回る多数の家畜が相互に関わり合う最前線だ。

◆「家畜の惑星」

動物由来感染症の中には、家畜を経由して人間にスピルオーバー(流出、異種間伝播)するようになる病原体も少なくない。▶︎発展途上国を含めて牛肉などへの需要が高まった結果、世界中で飼育される家畜の数は、人口増加を上回る勢いで増えている。▶︎世界の食肉消費量は増加が続き、牛の飼育頭数は15億頭近くと、過去50年ほどの間に約3倍以上になった。▶︎これが森林破壊の大きな原因となるとともに、自然界での野生動物と人間、家畜の接触の機会を増やす結果となり、動物由来感染症のリスクを拡大させている。


[世界最大の淡水湿地、ブラジル・パンタナルから上がる白煙]

「この地球はもはや水の惑星ではない。▶︎家畜の惑星と言った方がよくなってしまった」―。▶︎ある🇺🇸米国の研究者から、こんな言葉を聞いたことがある。▶︎20186月、🇮🇱イスラエルなどの研究者は、地球上の哺乳類のバイオマス(生物量)60%は家畜が占めるとの試算を発表し、注目を集めた。▶︎36%の人間がこれに次ぎ、野生哺乳類のバイオマスはわずか4%でしかない。▶︎家畜の惑星」と言いたくなるのももっともだ。▶︎限られた種の哺乳類がこれほどまでに数を増やしたことは地球の歴史上、恐らく初めてのことだ。▶︎地球の生態系の中でウイルスや寄生虫などは、抵抗力や適応力のない個体に感染し、時には殺すことで生物種の個体数を調節する役割を果たしていると考えられている。▶︎🇺🇸米国の保護団体、グローバル・ワイルドライフ・コンサベーションのラッセル・ミッターマイヤー博士は、これほどまでに数が増えた人間や家畜は、寄生者にとっては格好の「えさ場」となり、感染症の大爆発の一因となることを指摘している。▶︎1999年、🇲🇾マレーシアのニパ村で流行し、脳炎などで100人以上の死者を出したニパウイルスは、自然宿主のオオコウモリから、養豚場のブタに感染、ブタの体内で変異、増幅されて人間に感染するようになったと考えられている。▶︎ニパウイルスの大流行はその後、起こっていないが、他にも鳥インフルエンザや日本脳炎など、肉食の拡大と関連する動物由来感染症は少なくない。▶︎🇺🇸米・カリフォルニア大学デービス校のクリスティン・ジョンソン教授らの研究でも、家畜が多くの動物由来感染関連のウイルスを持っていることが示されている。

◆人間にとって最も危険な生物

明るい茶色の砂浜を波が静かに洗い、温かく湿った風が緑のヤシの葉を揺らす。▶︎インド洋の島国、🇲🇻モルディブ南部のラーム環礁の小島、マーメンドホーは、この国にある1200もの小さな島の一つだ。▶︎「昨年、かつてないような大雨が降った時に、地面が削られ、水が引かずに巨大な水たまりができた。▶︎病気を媒介する蚊の繁殖地になり、感染症が増えないかと思うと気が気ではない」―。▶︎島唯一の病院の前で、🇲🇻モルディブで温暖化対策に取り組むアフメド・マールーフ氏がこう懸念を口にした。▶︎気候変動に関する政府間パネル(IPCCによると産業革命以来、地球の平均気温は1.2度上昇し、人間が温暖化を引き起こしていることは疑う余地がない。▶︎気温の上昇や降雨のパターンの変化が、感染症を媒介する生物の分布域を変えることで、温暖化の進行が感染症の拡大につながると懸念されている。▶︎人間にとってこの地球上で最も危険な生物はなんだと思われるだろうか。▶︎それはライオンでもホオジロザメでもない。▶︎体重数ミリグラムの小さな昆虫「」である。▶︎蚊は人間にとって時には命にかかわるさまざまな感染症を媒介する。▶︎発展途上国を中心に年間40万人以上の命を奪うマラリアを媒介するのはハマダラカだ。▶︎蚊が媒介する感染症は他に日本脳炎、西ナイル熱など多く、合計で年間83万人が命を落としているという。▶︎その数は2位の人間による殺人の58万人を大きく引き離している。▶︎「地球上で最も危険な動物」だとも言われるのはこのためだ。▶︎そして、人間が引き起こした地球温暖化が招く「気候危機」は、デング熱などの熱帯感染症を媒介する蚊の生息域を増やすことで、感染症拡大の原因となる。▶︎蚊が媒介するアフリカのリフトバレー熱、北米や中南米で確認され、齧歯(げっし)類が広げるハンタウイルス肺症候群などが、特に温暖化との関連が高いとされる。


[デング熱などを媒介するヒトスジシマカ]

毎年、多くの人の命を奪っている熱帯感染症の一つ、デング熱が日本に侵入し、大きな注目を集めたことは記憶に新しい。▶︎温暖化の進行によって病気を媒介する蚊の生息域が拡大し、これらの感染症の拡大につながることが指摘されて久しい。▶︎都市の人口密集やヒートアイランド現象がこれに拍車を掛ける。

◆感染者10億人増加

20201月、🇺🇸米ジョージタウン大などの研究グループは「地球温暖化の進行は動物の分布を変え、ウイルスが野生動物から人間に移行する機会を大幅に増やす」とのコンピューターシミュレーションの結果を発表し、新たな動物由来感染症発生の危険性を警告した。▶︎研究グループによると、人間に感染する可能性があるウイルスは最大60万種ともいわれ、その多くが野生動物を宿主としている。▶︎今後の温暖化の進行によって、3870種の哺乳類の分布がどう変化し、人間が暮らす場所とどう重なるかなどを、コンピューターを使って予測したところ、温暖化が進むと、標高の高い地域や高緯度地域に多くの哺乳類の分布が広がり、接触の機会も増えてウイルスが人間を含めた他の動物種にも感染する可能性が大幅に増えるとの結果が出た。▶︎新たな動物由来感染症の原因となりやすいのは、ネズミなどの齧歯類、コウモリ、人間を捕食することがある大型哺乳類だったが、中でも移動能力が高いコウモリのリスクが大きいことも分かった。▶︎ウイルス感染の可能性が高まるのは、アフリカ東部、🇮🇳インド、🇨🇳中国東部、🇵🇭フィリピンなどの人口が多い国々で、グループは、これらの地域で監視態勢を強めることが重要だとした。▶︎ジョージタウン大の別の研究グループは、温暖化が進むと今世紀末にはヒトスジシマカなどが媒介するデング熱チクングニア熱の感染者が今世紀末には10億人も増える可能性があることを指摘。▶︎🇨🇳中国の研究グループは、温暖化が進むと寄生虫の宿主である巻き貝の数が増え、住血吸虫症が増えると警告しているし、🇯🇵日本の環境省も、今後、デング熱の感染拡大、日本脳炎やマラリアなどの発生が懸念されるとしている[*47NEWS 2021.10.28付記事抜粋]

🇺🇸米国:『テキサス州はグリーンエネルギーに移行しても経済好調その3つの理由とは』


[テキサス州ロレインの風力発電機]

テキサス州は石油・ガスからグリーンエネルギーへと徐々に移行しているが、その経済は依然として好調だ。▶︎ダラス連邦準備銀行は、長期的に見るとグリーンエネルギーへの移行が経済成長を阻害することはないと述べている。▶︎テキサス州は、🇺🇸アメリカ経済全体がグリーンエネルギーに移行する際のモデルケースになる可能性がある。▶︎ジョー・バイデン大統領は選挙戦で、二酸化炭素排出量を削減し、環境に優しいエネルギーへの転換によって、気候危機に立ち向かうと訴えた。▶︎そして実際にそのような取り組みを進めたとしても🇺🇸アメリカ経済が健全性を保てることを、テキサス州が示してくれるかもしれない。▶︎ダラス連邦準備銀行のエコノミスト、クリストファー・スライクとキース・R・フィリップスはこのほど、テキサス州の石油・ガス分野の衰退が経済に与える影響を調査したレポートを発表した。▶︎ダラス連銀による別のレポートによると、同州は石油・ガス産業が盛んで、🇺🇸アメリカのどの州よりも多くの二酸化炭素ガスを排出しているという。▶︎スライクらは、この分野でのテキサス州の優位性は年々変化してきたが、同州の受けた長期的な経済への影響は軽微なものだったと指摘している。▶︎現在、テキサス州では風力・太陽光発電への移行が進み、その割合は過去10年間で8%から25%に増加している。▶︎一方、石油・ガスの生産量は減少しているが、「テキサス州の経済成長率は全米の成長率を上回り続けている」という。▶︎このことから「石油・ガス分野の上流部門がエネルギー転換により長期にわたって衰退しても、テキサス州の経済の相対的な強さは今後数十年にわたって持続する可能性がある」とスライクらは記している。▶︎以下で、テキサス州がグリーンエネルギーへの移行しても🇺🇸アメリカ経済が健全性を保つことを示しているという3つの理由を紹介する。▶︎テキサス州は、すでに風力発電量が🇺🇸全米で最大の州になっている。▶︎現在150以上の風力発電所があり、テキサス州電気信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas)によると、2017年の発電量のうち、15.7%以上が風力発電によるものだったという。▶︎石油・ガス生産量の減少にもかかわらず、テキサス州はエネルギー生産をリードし続け、雇用を創出している。▶︎スライクらは「グリーンエネルギーへと段階的に移行しても、長期的に見て州の経済成長が減速することはないだろう」と指摘している。▶︎これまでの経緯を見ると、風力・太陽光エネルギーが台頭し、石油・ガスの生産量が減少してきたにもかかわらず、テキサス州の経済は好調に推移してきたことが分かる。▶︎1980年、テキサス州では州のGDP15%以上、雇用の5%近くが石油・ガス部門によるものだったが、それをピークに同州の経済に占める石油・ガス生産の割合は減少し続けている。▶︎2014年からは水圧で岩を破砕するフラッキングという方法で石油やガスの採掘が行われるようになったが、それでも需要が伸びることはなかった。▶︎石油やガスにはさまざまな用途があることから、引き続き、雇用創出が可能だ。▶︎完全な脱炭素社会を実現しても、例えば、石油・ガスを化学製品の製造に利用すれば、その分野で雇用を創出できるということをテキサス州は示している[*BUSINESS INSIDER JAPAN 2021.10.28付記事抜粋]

『メタンの削減 農業で推進し温暖化防げ』

地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つにメタンがある。▶︎二酸化炭素(CO2)よりも温室効果が格段に高い。▶︎日本政府は、欧米と歩調を合わせて排出削減に取り組む方針だ。▶︎農業での発生が多く、農家の協力が必要だ。▶︎技術開発や経営対策など、政府の支援が欠かせない。▶︎メタンは、化石燃料の燃焼や湿地、水田、家畜などから発生。▶︎世界の排出量は約98億トン(CO2換算)で、温室効果ガスの2割弱を占める。▶︎温室効果はCO225倍とされる。▶︎削減に積極的なのが、排出量の多い🇺🇸米国と🇪🇺欧州連合(EU)だ。▶︎気候変動に関する閣僚級会合で🇺🇸米国のケリー大統領特使は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の温室効果ガス削減目標の達成には「メタン対策が一番の近道だ」と訴えた。▶︎🇺🇸米国は、世界全体で少なくとも、2030年までに2020年比で30%削減することを提唱し、🇬🇧英国や🇯🇵日本など30超の国と地域が賛同。▶︎気候変動問題を話し合う10月末からの国連の会議(COP26)でも、テーマになるとみられる。▶︎🇯🇵日本はメタンの削減を進め、2019年度は1990年度比で35%減となった。▶︎排出量は約2850万トン(同)で、温室効果ガス全体の2.4%▶︎排出量は米国の23分の1🇪🇺EU15分の1にすぎない。▶︎ただ、メタンの削減は世界的な課題であり、引き続き🇯🇵日本にも取り組みが求められる。▶︎政府は、1022日に閣議決定した2030年度目標の改定地球温暖化対策計画に、2013年度(約3000万トン)比で約330万トンの削減を盛り込んだ。▶︎このうちの約3割に当たる104万トンを、水田の中干し効果や稲わらの秋のすき込みで削減する。▶︎排出量の約4割が水田由来だからだ。▶︎農水省によると、計画達成には水田面積の3割で、慣行より1週間程度中干し期間を延ばすことなどが必要になる。▶︎農家の協力をどう得るかが課題だ。▶︎排出量は農業が多い。▶︎稲作の他、家畜の消化管内発酵に伴う排出(げっぷ)など畜産が排出量全体の3割強を占め、農業全体では8割弱に上る。▶︎畜産での削減は同対策計画には入っていない。▶︎だが温室効果ガスの排出を2050年までに全体でゼロにするとの政府目標の達成に向けて、課題となると考えられる。▶︎発生を抑制する飼料の開発や、排せつ物の強制発酵で排出を減らす方法の実用化を急ぐべきだ。▶︎一方で、水田の中干し期間を長くすると米の収量が減るとの指摘があり、メタン削減の取り組みで、減収やコスト増など経営負担の増加が起こり得る。▶︎みどりの食料システム戦略」に基づき農水省は、環境負荷を減らす農業を推進する。▶︎農家が安心して協力できるよう、負担の増加を補う経営対策が必要だ[*日本農業新聞 2021.10.28付記事抜粋]

『温室ガス排出削減…2030年度3.5%分を農業分野でー農水省が計画改定』


農水省は1027日、温室効果ガスの排出削減に向けた「地球温暖化対策計画」を改定した。▶︎2030年度の排出量を2013年度比で46%削減する政府目標のうち、3.5%分を農林水産分野で担う新目標を提示。▶︎環境負荷低減の政策方針・みどりの食料システム戦略を踏まえ、施設園芸や農機の省エネ化、二酸化炭素(CO2)の土壌貯留、水田のメタン排出削減などで実現するとし、これらの数値目標も見直した。▶︎政府は温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比46%削減、205 0年までに実質ゼロとする目標を掲げる。▶︎これを受け、同省は2017年策定の計画を見直し、従来目標の2.8%から引き上げた。▶︎金子原二郎農相は同日、「(気候変動で)農産物の品質低下などの影響を受けている。▶︎農林水産分野でも排出削減対策を推進する」と述べた。▶︎新削減目標の「3.5%」は、排出量をCO2換算・20132030年度の累積で約4953万トン減らすことになる。▶︎このうち、施設園芸分野では155万トンを削減する。▶︎対策として2030年度までに、ヒートポンプや木質バイオマス暖房機などの省エネ機器、循環扇やカーテンといった省エネ設備の導入を増やす。▶︎排出削減と同じ効果が期待できる、CO2の土壌貯留も進める。▶︎堆肥や緑肥といった有機物の他、剪定(せんてい)枝などバイオマス(生物資源)由来の「バイオ炭」を土壌に施用し、2030年度までに850万トンを削減する。▶︎農機分野では、効率的に走る自動操舵(そうだ)装置などを搭載した省エネ農機の導入で7900トンを減らす。▶︎土壌分野では、水田から発生するメタンをCO2換算で104万トン削減。▶︎対策として、中干し期間の延長で土壌の通気を高める管理を新たに普及し、水田の30%に広げる。▶︎化学肥料が発生要因の一酸化二窒素は、肥料の使用を減らし、CO2C 換算で24万トン削減する。▶︎農林水産分野の削減量で最も大きいのは、森林による吸収の約3800万トンで、全体の8割近くを占める。▶︎同省は各目標について「実現可能な数値」(地球環境対策室)と説明し、技術や機器の普及の必要性を強調する。▶︎同省は同日、温暖化への対応方針「農林水産省気候変動適応計画」も改定した。▶︎高温で各地の乳用牛の乳量・乳成分が下がっているなど、新たなデータを追加。▶︎引き続き、高温に対応した技術や品種の研究・普及を推進するとした[*日本農業新聞 2021.10.28付記事抜粋]

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[掲載日:20211028日(木)14:20]


復活の呪文はゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらべべべ