【🌏チキュウノコトバ】Vol.39
■『今冬の電力需給「過去10年で最も厳しい」…経産省が見通し』
経済産業省は10月26日、今冬の電力需給が過去10年間で最も厳しくなるとの見通しを示した。▶︎発電量が不安定な太陽光や風力など再生可能エネルギーが普及する一方、火力発電所への投資が停滞し、火力発電設備が減少傾向にあるためだ。▶︎全国の電力供給を調整する「電力広域的運営推進機関」によると、厳しい冬になった場合、需要に対する供給余力(予備率)は、東京電力管内で2022年2月に3.1%になる見通しだ。▶︎関西や九州など電力6社管内も3.9%となる。▶︎安定供給の目安となる3%は上回るものの、想定を超えた寒波が来ると電力供給が厳しくなる恐れがある。▶︎電力不足に備え、経産省は11月をめどに電力の公募制度を導入し、緊急時に電力を確保できる環境を整える。▶︎安定供給を担う送配電事業者が、発電事業者や商社などから電力を買い取り、緊急時に供給することを想定している。▶︎電力需要が急増した時に発電出力を上げやすい液化天然ガス(LNG)や石油を燃料とする火力発電などが対象となる。▶︎全国の消費電力量の10日分に相当する計約3億キロ・ワット時を公募で集める方針だ。▶︎発電事業者には保安管理を徹底し、想定外の発電停止を招かないよう要請する。▶︎家庭や企業には冬場の省エネへの協力を求める。▶︎電力・ガス大手はすでに、発電用の燃料が不足する緊急時にLNGを融通し合う方針も決めている。▶︎政府は発電事業者の燃料在庫をチェックし、十分な量を確保するよう求める[*読売新聞 2021.10.26付記事抜粋]
■『続く電力不足…予想外の再エネ導入加速が追い込んだ火力発電の誤算』
2020年12月から2021年2月にかけて、西日本を中心に、まさに綱渡り状態といえるほど、電力需給が逼迫(ひっぱく)したことは記憶に新しい。▶︎当時は、日本卸電力取引所(JEPX)の「電力前日スポット市場」の取引価格が、1キロワット時当たり200円(通常は8~16円)を超える時間帯も出たほか、電気事業の新規参入が多くを占める小売り電気事業者に課される「インバランス料金(電力調整料金)」が、電力需給逼迫の影響で、1月11日に最高で1キロワット時当たり562.43円(通常は数円〜数十円程度)に上昇。▶︎売上高の8割をインバランス料金の支払いに充てる企業も出てくるなど、新規参入企業の経営に打撃を与えた。▶︎電力逼迫が一段落した3月、電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、例年通り全国の電力供給計画をまとめた。▶︎それによると、2021年度の冬および2022年度の夏・冬に猛暑や厳冬となった場合、再び深刻な電力需給逼迫が起きるリスクがあることが明らかになった。▶︎以後、経済産業省では、電力不足対策の検討を継続して行っている。
◆なぜ電力不足なのか
かつては先進国の中でも電力安定供給の「優等生」と目されていた🇯🇵日本で、なぜ最近になって電力不足が起きるのか。▶︎その原因の一つは、2011年の東日本大震災以降、全国の原子力発電所が長期停止したためだ。▶︎原発の長期停止に伴い、石炭火力や天然ガス火力発電所の新設計画が大量に浮上したが、「固定価格買い取り制度(FIT)」を背景に、再生可能エネルギー(再エネ)の導入が予想を超える速度で進み、火力発電の稼働率低下の懸念が生じ、火力発電所の新設計画からの撤退が相次いだ。▶︎また、再エネ拡大に伴い、電力前日スポット取引価格が低迷したことで、老朽火力発電所の収益が低下し、老朽火力の休廃止も相次いだ。▶︎これらが重なり、電力供給力が構造的に不足する状況になったと考えられる。▶︎火力発電の減少の要因を少し詳しく見てみよう。▶︎火力発電の設備利用率は、OCCTOが公表している供給計画で、過去の実績と将来見通しを知ることができる。▶︎それらによると、石炭、天然ガス、石油火力ともに、30年度は大幅に低下する見込みだ(図1)。▶︎このため火力発電の収益機会が大きく減少することになり、火力発電の新設計画は相次ぎ撤回された。▶︎また、小売り電気事業者が電力調達先として頼っている、電力前日スポット取引価格は、卸電力取引市場の「限界的発電所(最も変動費〈燃料費など〉が高い発電所)の変動費に基づいて価格水準が決まるが、2017年ごろまでは石油火力の燃料費に連動していた。▶︎ところが、再エネの出力抑制が実施されるようになった2018年ごろから、一般的に石油火力より燃料費が安い天然ガス火力の燃料費と連動するようになり、時には火力発電の中で最も燃料費の安い石炭火力の燃料費に接近する状況も出てきた。▶︎こうした市況では、石油火力や老朽天然ガス火力の発電機会が減少(稼働させて電気を市場に卸しても利益がない)するので、設備を維持しているメリットがなくなり、これら石油火力や老朽天然ガス火力の休廃止が相次ぐようになった
◆来年は夏冬とも電力不足
2021年度の冬および2022年度の夏・冬の電力需給逼迫とは、具体的にどの程度なのか。▶︎OCCTO(電力広域的運営推進機関)によると(図2)、厳冬時に西日本エリアでは、2022年2月の電力供給力の予備力が、安定供給に最低限必要な3%に低下し、東京電力エリアでは、予備力がマイナス0.3%に落ち込む。▶︎特に東京電力は、他の電力会社から最大限の電力支援(電力融通)を受けても、1月、2月の厳冬時の電力需要は賄えないとしている。▶︎2022年度の夏は、通常の需要水準に対し、東京、中部、関西電力など六つのエリアで、最低限必要な予備力8%(発電所事故による停止等が起きた場合でも安定供給できる量)を下回り、冬も東京電力エリアで予備力8%を下回る見込みとなった。▶︎猛暑や寒波で電力需要が大きく増加する場合は、夏は7月に東京、中部、関西電力など7エリアで、予備力が3%ぎりぎり、9月は東京と中部電力で3%を切る。▶︎2023年度の冬は、東京電力エリアで、1月から3月の予備力が、マイナス2.4~0.8%に悪化する。▶︎欧州ではすでに天然ガス価格が高騰しており、LNG(液化天然ガス)の需給が国際的に逼迫すれば、前回の電力需給逼迫時と同様に、火力発電の燃料不足に陥る可能性もある。
◆2030年まで不安続く
経産省や電力業界では、対策に乗り出しているが、資源エネルギー庁の集計では、2016年から2030年までの間に、1853万キロワットの大手電力会社の火力発電が減少するとしている。▶︎天候の影響で発電量が不安定な再エネの増加に伴い、その不安定発電を補うための調整用電力が、今後はより多く必要になる。▶︎これまでは火力や水力発電がそれを担ってきたが、それに代わる経済的に利用可能な発電設備は登場していない。▶︎火力発電は計画から建設、運転開始までに10年近くかかる。▶︎現時点で新設計画がなければ、2030年まで調整力が低下する可能性が高い。▶︎夏冬の電力需給逼迫だけでなく、今後は再エネとの調整をどうするかも課題になる[*エコノミストONLINE 2021.10.26付記事抜粋/小笠原潤一氏・日本エネルギー経済研究所研究理事]
▶️【用語解説】
⚫︎「日本卸電力取引所(JEPX)」=Japan Electric Power Exchange。電力の現物取引および先渡取引などを仲介する我が国で唯一の取引所の社団法人。
⚫︎『電力スポット市場』=卸電力取引所が開催する最もポピュラーな電力取引市場の一つであり、翌日に発電または販売する電気を前日までに入札し、売買を成立(マッチング)させるもの。
[図:卸電力市場分類表]
⚫︎『インバランス料金』=接続供給、発電量調整供給、需要抑制量調整供給において、計画電力量に対し同時同量を達成できない場合に発生する差分(インバランス)に対する料金。
[図:インバランス料金の詳細]
⚫︎「OCCTO(電力広域的運営推進機関)」=電気事業法に基づき、日本の電気事業の広域的運営を推進することを目的として設立された団体。日本の全ての電気事業者が機関の会員となることを義務付けられている。機関は、会員各社の電気の需給状況を監視し、需給状況が悪化した会員に対する電力の融通を他の会員に指示する。
■『深刻化する🇨🇳中国のエネルギー危機…影響は世界に広がるおそれ』
数カ月前から続いている🇨🇳中国のエネルギー危機が、ますます深刻化している。▶︎石炭と天然ガスの価格が過去最高値を更新するなか、まもなく全国的な気温低下が予想されるためだ。▶︎緊急措置としての電力配給制度はいまだに実施されており、氷点下の冬が近づくなか、多くの家庭や工場で、電力が断続的に供給されなくなるおそれがある。▶︎サプライチェーンの物資不足、インフレ、国民の不満はさらに悪化すると予想される。▶︎習近平主席の政治体制への影響は未知数だ。▶︎なぜこんなことになったのか?▶︎数々の要素が重なった、まさにパーフェクトストームによるものだ。▶︎国内の主要石炭産地の省で発生した洪水、パンデミックの状況改善を受けた🇨🇳中国製品需要の復活、🇨🇳中国共産党の矛盾したエネルギー政策、電力配給や価格統制といった極端な市場の歪みなどが、すべてエネルギー不足の原因になっている。▶︎世界的にみても、極端な異常気象、生産の減少、グリーン発電への過度の依存、🇷🇺ロシアの日和見主義などが、エネルギー市場の逼迫を悪化させている。▶︎🇨🇳中国のエネルギー集約型経済セクターでは、北京政府からの命令に従い、10以上の省で工場や企業に対する電力供給の制限が行われている。▶︎週に2~3日、工場の全生産を停止するよう命じている省さえある。▶︎工場主たちは、早くも5月の段階で、エネルギー不足のなかで操業を維持しようと、ディーゼル発電機に頼るようなっていた。▶︎今のほうがはるかに状況は深刻であり、混乱はエスカレートしている。▶︎市民の反応には、ショック、恐怖、いらだちが入り混じっている。▶︎停電は、何の前触れもなく数時間から数日にわたって続く。▶︎山東華力(Shandong Huali Electromechanical)などの発電機メーカーの売上は劇的に増加し、裕興動力(Weifang Yuxing)の発電機は先月、完全に売り切れとなった。▶︎冬が間近に迫るなか、🇨🇳中国は石炭生産の大幅な拡大を指示した。▶︎100以上の炭鉱に対して生産拡大の認可が出され、第4四半期には5500万tの石炭が採掘される可能性がある。▶︎中煤能源(China Coal Energy)や山西焦煤(Shanxi Coking Coal Energy)などの石炭採掘企業の株価は、今年に入ってほぼ倍増し、価格は記録的水準に達している。▶︎🇨🇳中国全土の燃料炭の先物価格は現時点で200%以上上昇し、10月第2週には1トンあたり1669.40元(約2万9700円)に達した。▶︎石炭は冬の暖房の主役であるため、価格はこれで頭打ちにはならないだろう。
◆前例のない電力価格自由化
だが、希望はある。▶︎🇨🇳中国政府は締め付けをさらに強化するのではなく、前例のない電力価格自由化によって危機を解決しようとする大胆な一歩を踏み出したのだ。▶︎🇨🇳中国の経済計画を担う国家発展改革委員会は、市場の歪みを是正するため、石炭火力発電の電力価格を、需要と供給に応じて上昇させることを認めると発表した。▶︎エネルギー消費削減のインセンティブになるよう、価格に基準値から20%以内の変動が認められた。▶︎鉄鋼やセメントなど、エネルギーを大量消費する産業については、電力価格は市場原理によって決定され、変動20%以内という制限もない。▶︎これにより発電所は、発電にかかる高いコストを、商業・工業界のエンドユーザーに転嫁できるようになる。▶︎しかし多くの人々は、これだけでは危機をすぐに解決できないばかりか、緩和することも難しいと考えている。▶︎🇨🇳中国の電力需要の59%は工業に占められており、家庭、オフィス、小売店すべての合計を上回る。▶︎🇨🇳中国の国内エネルギー需要のかなりの割合を占める重工業が使用量を削減しないかぎり、電力不足は続くだろう。▶︎一方、価格自由化によって、重工業などのハイエンドユーザーの電力コストが上昇するのは確実だ。▶︎必然的に商品コストも上昇し、インフレ圧力がかかることが予想される。▶︎エネルギーコストの上昇により、工場は、コストの増分を消費者に転嫁するだろう。▶︎電気料金の高騰に加え、電力配給制度の継続により工場が生産をストップし、サプライチェーンの物資不足に拍車をかけるようなことがあれば、🇨🇳中国を震源とした世界規模のインフレになりかねない。▶︎世界は、🇨🇳中国の安い電力に頼ってさまざまな製品をつくることに慣れきっている。▶︎早急に対処しなければ、誰もが危機の影響を肌で感じる羽目になるかもしれない[*Forbes JAPAN 2021.10.27付記事抜粋]
▶️【用語解説】
「パーフェクト‐ストーム(perfect storm)」=複数の厄災が同時に起こり、破滅的な事態に至ること。2008年、世界中に広がった経済危機の震源地となった米国の金融恐慌を指す語。究極の嵐。
■『「温暖化対策計画」「エネルギー基本計画」を閣議決定…そのポイントは』
COP26の開催を前に、政府は10月22日、5年ぶりの改訂となる「地球温暖化対策計画」を閣議決定した。▶︎同計画は、「2050年カーボンニュートラル(実質ゼロ)」「2030年度までに温室効果ガス46%削減(2013年度比)」を踏まえ、具体的な気候変動対策を盛り込んだ。▶︎合わせて3年ぶりの改訂となった「エネルギー基本計画」についても閣議決定した。
◆「地球温暖化対策計画」の具体策とは
[図1:温室効果ガス別その他の区分ごとの目標・目安(出典:地球温暖化対策計画)]
削減対象となる「温室効果ガス」は、二酸化炭素(CO2)以外にも、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、代替フロンなど4ガス(ハイドロフルオロカーボン:HFCs、パーフルオロカーボン:PFCs、六フッ化硫黄:SF6、及び三フッ化窒素:NF3)がある。▶︎「地球温暖化対策計画」では、温室効果ガス別の目標や部門別の目標を、【図1】の通り設定した。▶︎同計画のなかで、「我が国は、世界の脱炭素化を牽引する国際的リーダーシップを発揮する」とし、気候変動対策として下記を挙げている
⚫︎徹底した省エネルギーの推進
⚫︎再生可能エネルギーの最大限の導入
⚫︎技術開発の一層の加速化や社会実装
⚫︎ライフスタイル・ワークスタイルの変革
⚫︎3R+Renewable(再生可能:バイオマス化・再生材利用など)をはじめとする「サーキュラーエコノミー」や自然生態系による炭素吸収・蓄積という「生態系サービス」の長期的な発揮を含む自然共生社会への移行
⚫︎脱炭素に向けた攻めの業態転換およびそれに伴う失業なき労働移動の支援など
具体的には、気候変動の対策・施策として、FIT(再エネの固定価格買取制度)からFIP(フィードインプレミアム)への移行や物流の脱炭素化、冷凍空調機器からのフロン類の回収・適正処理、新築される建築物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー)基準導入――などが盛り込まれている。▶︎自動車に関しては、2035年までに乗用車新車販売に占める電動車(EV、FCV、PHEV、HV)の割合100%を目指すことが明記された。▶︎製品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を包装や電子レシートなどで「見える化」するなど、消費者が企業の脱炭素化を後押しする環境も整備するという。▶︎温室効果ガス吸収源対策・施策としては、健全な森林の整備や農地による炭素貯留、二国間クレジット制度(JCM)の推進――などが盛り込まれた。
◆原発は「6%」から「20~22%」に
エネルギー政策の中長期的な指針「第6次エネルギー基本計画」も、「2050年カーボンニュートラル」「2030年度までに温室効果ガス46%削減(2013年度比)」を踏まえ、決定された。▶︎2030年度の総発電量に占める各電源の割合(電源構成)は、火力発電が41%(LNG20%、石炭19%、石油など2%)、再生可能エネルギーが36~38%、原発は20~22%、水素・アンモニア発電は1%を見込む。再エネの内訳は、太陽光が14~16%、風力が5%、地熱が1%、水力が11%、バイオマスが5%だ。▶︎原発に関しては、2019年度実績は6%だったところ、2030年度は20~22%を見込む。▶︎新増設やリプレース(建て替え)については明記されなかったが、原発の再稼働を進める方針とした[*オルタナ 2021.10.26付記事抜粋]
▶️【用語解説】
⚫︎『温室効果ガス』=大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体のことである。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが温室効果ガスに該当する。
⚫︎『サーキュラーエコノミー』=循環経済。「大量生産・大量消費・大量廃棄」を基本とする従来型の経済を「線形経済」とすると、サーキュラーエコノミーは「3R(削減・Reduce、再利用・Reuse、再生・Recycle)」を基本としながら、技術革新などを通じて資源循環を促すことで新たな価値を生むことを目指す経済活動やその体系のことを指す。
⚫︎『生態系サービス』=生物・生態系に由来し、人類の利益になる機能のこと。「エコロジカルサービス」や「生態系の公益的機能」とも呼ぶ。
⚫︎『FIT(再エネの固定価格買取制度)』=一般家庭や事業者が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取ることを国が約束する制度。
⚫︎『FIP(フィードインプレミアム)』=再生可能エネルギーの支援をする政策の一つ。 再生可能エネルギーの市場価格に関係なく、決められた買取価格が維持される固定価格買取制度(FIT制度)と異なり、市場価格にプレミアムとして補助金が上乗せされることが特徴。
⚫︎『ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー)』=“Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)”の略称で、「ゼブ」と呼ぶ。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。
⚫︎『EV』=「Electric Vehicle」の略。「電気自動車」を指す。自宅や充電スタンドなどで車載バッテリーに充電を行い、モーターを動力として走行する。EVの代表車種:リーフ(日産)、i-MiEV(三菱)。
⚫︎『FCV』=「Fuel Cell Vehicle」の略。「燃料電池自動車」を指す。燃料電池は水素と酸素の化学反応から電力を取り出す発電機構で、これで得られた電力をモーターへと送り、動力として使用するのがFCV。FCVの代表車種:MIRAI(トヨタ)、クラリティ FUEL CELL(ホンダ)。
⚫︎『PHEV』=「Plug-in Hybrid Vehicle」の略。「プラグインハイブリッド自動車」を指す。簡単に言うと、「外部電源からの充電が可能なHV」。PHVの代表車種:プリウスPHV(トヨタ)、アウトランダーPHEV(三菱)。
⚫︎『HV』=「Hybrid Vehicle」の略。「ハイブリッド自動車」を指す。エンジンとモーター、2つの動力を搭載しているのが特徴で、これらを効率的に使い分け、もしくは組み合わせることで低燃費を実現する。HVの代表車種:プリウス(トヨタ)、アクア(トヨタ)、セレナ(日産)、エクストレイル(日産)、フリード(ホンダ)、フィット(ホンダ)、アクセラ(マツダ)など。
⚫︎『二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)』=各国の優れた低炭素技術の普及を通じ、地球規模での温室効果ガス(CO2)の削減に貢献するもの。パートナー国(全17か国)においてプロジェクトを実施し、各国の貢献を定量的に評価するとともに、CO2の削減分を各国それぞれの目標達成に活用。
■『太陽光発電コスト減は2100年以降も続く…2050年に2円/kWh割れか』
現在、世界各地で石炭が逼迫し、それらの調達コストや石炭由来の火力発電(石炭火力発電)の発電コストが急騰して、特に🇨🇳中国では電力供給が不足して計画停電が頻繁に実施されているというニュースを聞く。▶︎その理由としてしばしば説明されるのが、新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ経済が再開して電力需要も急増する一方、欧州で偏西風が蛇行して、風力発電の発電量が想定の2~3割も減少したこと。▶︎このほか、🇦🇺オーストラリアと🇨🇳中国の対立で石炭の需給がタイトになったとか、2022年2月に北京とその近郊で開催予定の冬季五輪前までは🇨🇳中国政府が大気汚染対策のために石炭火力発電を抑制しているといった報道もある。▶︎一方で、🇨🇳中国政府が五輪期間中の電力需要増に備えて、石炭の供給を強化しているという一見正反対の情報もある。▶︎これらはおそらく、石炭の逼迫と電力の需給バランスを崩す短期的に要因としてはいずれも正しいのだろう。▶︎ただ、もっと本質的な、中長期的なトレンドの変化を無視しては、本当の全体像は見えてこない。▶︎中長期的トレンドとは、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の発電コストが急速に低下していることだ。▶︎2019年には石炭火力発電のコストを割り込んだことが、大きなニュースになった。▶︎このことは、長らく再生可能エネルギーを過小評価し続けてきたといわれる国際エネルギー機関(IEA)も事実として認めざるを得なくなった。▶︎IEAが2020年に発行した報告書「World EnergyOutlook 2020」のエグゼクティブサマリー(日本語版)からやや長めに引用すると、「過去10年間にコストが大幅に低減したことで、太陽光発電はほとんどの国々で、新規の石炭火力、ガス火力発電所よりもコストが低くなり、太陽光プロジェクトはこれまで見られなかったほど低コストの電力源となっている。▶︎STEPS(STated Policies Scenario、政策シナリオ)では、2030 年までの世界全体の電力需要の増加分の80%を再生可能エネルギーが供給すると見込んでいる。▶︎水力は、引き続き最大の再生可能エネルギーの電源であるが、太陽光は、2022 年以降毎年普及率の新記録を更新すると予測され、再生可能エネルギーの成長をけん引する」と記載している。
[再生可能エネルギーが化石燃料由来の火力発電よりも安くなる]
その一方で、IEAは石炭火力発電について同じ文書で、「発電目的の石炭利用は電力需要の下方修正の影響を大きく受け、石炭の産業利用も経済活動の停滞によって抑えられる。▶︎石炭のフェーズアウト政策、再生可能エネルギーの台頭、天然ガスとの競合により、2025 年までに世界全体で 275GWの石炭火力発電が運転停止となると見込まれる(2019年合計の13%相当分)。▶︎この内、🇺🇸米国が100GW、🇪🇺欧州は75GWである」と、太陽光発電と石炭火力発電の主役交代を明確にした。▶︎発電事業者にとって、より発電コストの低い電力源が急増している中、二酸化炭素(CO2)対策を迫られて発電コストが上がりかねない石炭火力発電はこれ以上新たな投資はできない存在だ。▶︎下手に投資を増やせば近い将来、「座礁資産」といわれる事実上の大きな負債になる可能性が高い。▶︎このため、石炭火力発電からはできるだけ早く足を洗いたいというのが多くの発電事業者の本音だろう。▶︎その結果として、短期的な電力の需給バランスの変動に対応できないほどに、石炭の備蓄や石炭火力発電設備を減らした、あるいは需給バランスからみると必要だった投資や増設を抑制してしまった、というのが今回の石炭逼迫の背景になっている可能性が高そうだ(注1)[【注1】中国の石炭火力発電は現在も新設が相次いでいるが、中国ではそれを大きく上回る勢いで、再生可能エネルギーの導入が進んでおり、設備容量で見た石炭火力発電の比率は低下している]
[*日経クロステック 2021.10.26付記事一部抜粋]
======================
[掲載日:2021年10月27日(水)10:35]
復活の呪文は…ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらべべべ…







