【コロナノコトバ】PART.1862
■『コロナ感染者予測「今後急増」“大外れ”ケシカラン?…「シミュレーション結果」への向き合い方』
新型コロナ感染拡大後、「A大学のシミュレーションによれば、この後X月には、最大1日1万人の新規感染者が……」みたいなニュース、見かけるようになりましたね。▶︎そんな予測を知った後に、賑わうイベントの映像を見ると「警戒心が足りない!」と批判したくなります。▶︎ところがその後、振り返ってみると、予測で示された感染拡大は起きず、むしろ減っていたなんてケースも。▶︎それを見て「大外れ!ケシカラン!」という声がSNSにあふれたりします。▶︎身近になった「シミュレーション予測」。▶︎私たちはどう捉えたらいいのか?▶︎フカボリして考えます。
◆Googleが感染者数の予測を出し続けているけど……
「あの」Googleさんが新型コロナ感染者の予測数値を出し続けているって、知っていました?
⚫︎COVID-19 感染予測(日本版)
https://datastudio.google.com/u/0/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/ncZpB
“このダッシュボードでは、🇯🇵日本国内の COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の感染の広がりについて、都道府県別で予測を表示しています。”▶︎全世界から超優秀な人が集まり、膨大なデータを利用できるGoogleが出す予測。▶︎予測の仕組みも公開されています。▶︎すごくざっくりまとめると、感染症の患者数の予測を出すのに標準的に使われているモデル(SEIRモデル)をもとに、「AIと膨大な疫学的データを組み合わせ、さらに、時系列の予測を扱う斬新な機械学習のアプローチを採用することで(Googleリリースより)」実現したといいます。▶︎これだけだと詳細はよくわからないけれど、Google先生が「時系列の予測を扱う斬新な機械学習のアプローチを採用」とまでうたっているわけですから、すごそう。▶︎未来の感染者数を、魔法のように予測してくれそうに思います。▶︎ところが、この予測結果には、こんな反応も。
⚫︎Googleの「コロナ感染者予測」は信頼に足るのか…専門家がメカニズムを解説……
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2105/05/news013.html
“例えばGoogleモデルは1月12日に、新規感染者数が2月6日に1万人を超えると予想していたが、実際には1月8~16日がピークで、2月に向けて下降。▶︎6日の実際の新規感染者数は約2000人だった。”▶︎この記事によれば今年1月、Googleのモデルは「今後1カ月、感染者数が大幅に増える」と予測していました。▶︎ところが実際に1カ月後に振り返ってみると、感染者数は減り続け、ピークとしていた2月頭には予測の5分の1ほどの新規感染者しかいなかった、というのです。▶︎率直に言って“大外れ”と感じてしまいますね。▶︎とはいえまあ、これはたまたま失敗しただけかもしれません。▶︎このダッシュボードのリリースは2020年11月のこと。▶︎すごいところは、一度予測を出したらそれっきりではなく、実際の感染者データなどを基に改良され続けることだそうです。▶︎そこで現状の精度について、筆者自身も確認してみることにしました。▶︎下の図は、8月11日時点のGoogleによる東京都の感染者の予測です。
[図:8月11日時点のGoogleによる東京都の新型コロナウイルス感染者数の予測]
この予測では、感染者数は9月にかけて右肩上がりに増え続け、9月2日ごろには1日8000人に近づくとされています。▶︎この時期、他にも国内の研究者による「8月末には1日1万人を超える可能性」という指摘が話題になっていたこともあり、私自身「今度こそGoogleの予測が的中するのでは?」と感じました。▶︎ところがです。▶︎実際の経過はご存知の通り。▶︎東京都の新規感染者数は8月13日をピークに、ゆるやかに横ばいから減少に転じました。▶︎ピークを迎えるとされた9月2日は3099人と、予測の2分の1以下です。▶︎やはり素直な感覚では「え……めっちゃ外れてるじゃん……」と思ってしまいます。
◆「説得力のあるシミュレーション」ほど外れる?……
なんで優秀な人が集まって、最新技術まで使ってモデルを作り、直近約1カ月というそう遠くない未来を予測しているのに、結果は外れてしまったのか。▶︎つらつらと考えていたある日、面白い話を耳にしました。▶︎実話かどうかは不明とのことですが、🇬🇧イギリス統治時代の🇮🇳インドであったとされる失敗談です。▶︎<コブラ(毒蛇)による被害が相次ぐのに頭を悩ませた当局は、コブラを減らすため『駆除して死体を持ってくれば報奨金を出す』とおふれを出しました。▶︎するとコブラの死体を持ち込む人が急増。▶︎あまりの増加を訝しんだ当局が調べてみると、報奨金を目当てにコブラをわざわざ育てて殺し、死体を持ち込む人がいることがわかりました。▶︎不正に気づいた当局は、報奨金を中止。▶︎すると多くの人が、もはや用なしと育てたコブラを逃がしました。▶︎結果、コブラは以前より増えてしまいました。>▶︎このエピソードは「グッドハートの法則」の典型的な例として語られます。▶︎グッドハートの法則とは、「あらゆる観察された数値は、それが何かをコントロールするために使われると、役立たずになる」ということ。▶︎🇬🇧イギリスの経済学者、チャールズ・グッドハートさんが、1975年に発言した内容がもととされています。▶︎例えば企業の粉飾決算のニュースで「厳しい営業目標を達成するために、担当部署がグループ会社に大量に商品を売ったことにして、その後、買い戻すことを繰り返していた」なんて話、目にすることがありますよね。▶︎「数値」というものは目標として非常にわかりやすいので、ついついそれが目的化し、行動が引きずられてしまうというのは、古今東西共通の「人類の宿命」と言ってもいいものかもしれません。▶︎シミュレーション予測についても、例えばGoogleのような存在が「このままだと感染者数が激増」という予測を示し話題になると、「じゃあ、行動を控えておこう」と思う人が増えます。▶︎そうすると当初の前提より感染が増えなくなり、予測は外れます。▶︎「シミュレーションに説得力があり、話題になるほど予測は外れる」。▶︎そんな皮肉なメカニズムもありそうです。▶︎そうやって考えていくと、「未来の感染者数を予測する」ってメチャメチャ大変なことだとわかってきます。▶︎感染者の増減は人間の行動に左右されますが、それは数値化できなかったり、予測不能だったりする、さまざまな要素に影響されるのですから。▶︎例えば、緊急事態宣言の長期化による「宣言慣れ」や政府首脳への反発など、いわゆる「空気」と表現されるモヤモヤっとした感情の広がりって、個人単位では行動に大きく影響しますよね。▶︎でもこれは数値で表現しにくいもの。▶︎Googleの予測モデルにも直接は組み込まれていません。▶︎「じゃあ、なんで予測なんてするの?」という気持ちにもなりますが、よくよく考えると、シミュレーション予測を行う本当の目的は「未来を完ぺきに的中させる」ことではなく、「感染を抑え込む」ことですよね。▶︎そのための手段として、予測はたとえ完ぺきなものでなくとも、大事な手がかりを与えてくれます。▶︎政策決定者にとっては、「人の動きを減らす」という大きなコストのかかる手を打つ前に「どのくらいの効果(=感染者数が減る)がありそうか?」が見積もりやすくなることで、判断や説明がしやすくなるでしょう。▶︎もし予測と実測が違っていたとしても、「なぜ違ったのか」を検証することで、感染の抑制に本当に必要な「勘所」を探るヒントとすることができます。▶︎私自身を振り返ってみるに、シミュレーション予測に対して、当たり外ればかりに意識が行って、そもそもの目的をきちんと考えていなかったのかもしれない……。▶︎1カ月ほどつらつらと考え続けてきた結果として、そう感じました。
◆身近になった「シミュレーション」にどう向き合うか……
しかしそれにしても、なぜ私は、シミュレーション予測が未来を示しているように思い込んだのでしょうか。▶︎そしてその予測が「幸いにも」外れたときに、なぜ私の中の #健康警察 は「不幸を回避できた」と喜ばず、むしろ「なんだ、大外れじゃん……」とザンネンに思ってしまったのでしょうか。▶︎背景にあるのは「未来への不安」なのかもしれません。▶︎あれよあれよと言ううちに始まった新型コロナの感染拡大、やっとワクチンと思ったら始まった🇮🇳デルタ株のまん延。▶︎緊急事態宣言は延長に延長を重ねる。▶︎オリンピック・パラリンピックは無観客。▶︎2年前に当たり前と思っていた日常とは、かなり違った日々が続いています。▶︎こんなことが、どこまで続くのか……。▶︎未来が見えない状況の中では、不安ばかりが募ります。▶︎そのときにシミュレーションは「数値」というわかりやすい形で予測を示してくれるので、まるで未来をハッキリと示してくれるように思えます。▶︎何かを信じることで、不安を減らしたい。▶︎そんな思いで、その実力以上に予測を信じ込みたくなっていたのかもしれません。▶︎一方で感染者が減り、難局をとりあえずは乗り切った後に思い出されるのは、せっかくの夏に海も行けず、ビアガーデンで騒げなかった心残りな日々のこと。▶︎その残念感をぶつける相手もいない中「なんだ、感染爆発って騒いでいたけど、大したことなかったじゃん!」と裏切られたように思い「ケシカラン!」という気持ちが湧いてきたのかもしれません。▶︎「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ではないですが、それに近い心理に自分自身がなっていたのではないかと自戒しました。▶︎当たり前のことですが、「未来に何が起きるのか」を決めるのは、私たちがいま選ぶ行動ひとつひとつの積みかさねでしかありません。▶︎シミュレーション予測もひとつの「参考情報」と捉えて、自分がどうするかは自分のアタマで考える。▶︎コロナ禍により未来が不透明な状況が続く今だからこそ、そんな心構えを持っておこうと思います[*文:医療ジャーナリスト・市川衛氏]
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【コロナ禍の政局ニュース】
■『「自民の"安倍支配"に大惨敗」…これから河野太郎を待ち受ける"2人目の石破茂"という苦難』
菅義偉首相の後継を決める自民党総裁選は、岸田文雄氏が勝った。▶︎世論調査で「次の首相」のトップを独走していた河野太郎氏は敗れた。▶︎ジャーナリストの鮫島浩氏は「地方票で圧勝したにもかかわらず決選投票で敗れたのは、石破茂氏が安倍晋三氏と争った2012年と同じ構図だ。▶︎これから河野氏は石破氏のように干されるだろう」という――。
◆河野氏「想定外の大惨敗」の意味……
世論調査で「次の首相」のトップを独走し、自民党総裁選の本命とみられた河野太郎氏が惨敗した。▶︎党員票は1位だったものの、得票率は44%にとどまった。▶︎国会議員票では高市早苗氏にも及ばす3位に沈んだ。▶︎第1回投票から岸田文雄氏に首位を奪われる「想定外の大惨敗」だった。▶︎決選投票は岸田氏に大差で敗れた。▶︎河野フィーバーは起きなかった。▶︎敗因ははっきりしている。▶︎自民党のキングメーカーである安倍晋三氏が「河野政権は断固阻止」を掲げ、立ちはだかったことだ。▶︎安倍氏は国家観や歴史観をめぐる右寄りの政治信条が極めて近い高市氏を擁立して全力支援するとともに、ハト派の宏池会会長でありながら安倍氏に従順な岸田氏とも気脈を通じ、「反河野連合」を形成した。▶︎第1回投票を分散させ、決選投票で圧勝する狙い通りの展開となった。▶︎そもそも河野氏を「次の首相」のトップに押し上げたのは、ツイッターをはじめとするインターネット上の人気だった。▶︎ところが、いざ総裁選が始まると、強固な安倍支持層が熱烈に応援する高市氏がネット上の話題を独占し、河野氏は埋没。▶︎河野家と中国企業の関係をスクープする週刊文春報道が追い討ちをかけ、ネット上では河野バッシングが吹き荒れる異例の展開となり、河野氏の勢いは完全に止まった。▶︎一方、自民党の伝統的支持層や支援団体はパフォーマンス重視の河野氏を警戒し、穏健な岸田氏に流れた。▶︎左右両面から河野氏を包囲する安倍氏の狙いは的中したといっていい。
◆失速した最大の原因……“不鮮明な旗印”……
これに対し、河野氏は「安倍支配からの脱却」の旗印を鮮明に掲げなかった。▶︎正式な出馬表明前に安倍氏と会談し、安倍氏と折り合う接点を探った。▶︎安倍氏が警戒する森友学園事件の再調査は「必要ない」と表明。▶︎原発再稼働を容認して「脱原発」の持論を封印し、女系天皇容認論も引っ込めて安倍氏との全面対決を避けた。▶︎安倍氏の盟友で、河野氏にとっては派閥の親分である麻生太郎氏への配慮でもあった。▶︎世代交代に期待する世論の追い風を受けながら、安倍氏や麻生氏との決別を避けたことこそ、河野氏が失速した最大の原因である。▶︎総裁選の対決構図はぼやけ、「コップの中の争い」の様相を深めた。▶︎河野氏は国会議員票で劣勢が予想されていただけに党員票で圧勝することが勝利への絶対条件だった。▶︎2001年総裁選で当時の最大派閥を「抵抗勢力」と呼んで全面対決を挑み、「自民党をぶっ壊す」と叫んで世論を熱狂させる「小泉劇場」を演出して地滑り的勝利を収めた小泉純一郎氏の闘い方に習うべきだった。▶︎「安倍支配をぶっ壊す」と叫び、世代交代を真正面から迫らなければならなかったのだ。▶︎「河野フィーバー」を巻き起こすことに失敗し、不得手とする派閥間の多数派工作に持ち込まれた時点で、河野氏は敗北のレールに乗ったといえるだろう。▶︎河野陣営に安倍氏の疑惑追及を主張する石破茂氏が加わったことで、安倍氏にとっては負けられない闘いとなった。▶︎河野氏を後継首相に担いでキングメーカーを座を狙う菅義偉氏や、河野氏とタッグを組んで世代交代や派閥政治の打破を掲げる小泉進次郎氏の政治力を割く必要もあった。▶︎安倍氏は国会議員に電話をかけまくり、河野政権だけは断固阻止する決意を強く示した。▶︎その結果、河野陣営から次々に国会議員票が離れていった。▶︎河野氏の惨敗は「安倍氏の一人勝ち」を意味している。▶︎菅氏とのキングメーカー争いを制し、河野氏や小泉氏の世代交代論を抑え込んだのだ。
◆総裁選の本当の勝者……
安倍政権とそれに続く菅政権は、安倍氏67歳、麻生氏81歳、二階俊博氏82歳、菅氏72歳の4人がときに内輪揉めをしながらも、世代交代阻止の一点で手を握り、あらゆる国家利権を独占する「長老支配」だった。▶︎今回の総裁選で二階氏は幹事長を外れて失脚し、菅氏は河野氏惨敗で影響力の大幅低下が避けられない。▶︎麻生派は岸田氏支持と河野氏支持で割れ、麻生氏は派閥の結束回復に追われる。▶︎唯一無傷なのは安倍氏である。▶︎自民党は再び「安倍一強」へ逆戻りする。▶︎いや、二階氏や菅氏の影響力が弱まる分、かつての「安倍一強」より強固な安倍支配が確立するだろう。▶︎安倍氏の唯一の懸念は「桜を見る会」事件だ。▶︎東京地検特捜部は不起訴としたが、検察審査会が「不起訴不当」の判断を示し、特捜部は再捜査して起訴するかどうかを改めて判断することになった。▶︎特捜部は年内にも判断を下すとみられている。▶︎そこで不起訴となれば捜査は終結し、安倍氏は晴れて「潔白」を宣言して堂々と首相返り咲きに向けて動き出すことができるのだ。▶︎それまで安倍氏に従順な「中継ぎ政権」が必要である。▶︎岸田氏は操り人形としては格好の存在だ。▶︎二階氏や菅氏ら政界工作にたけた叩き上げの政治家と違って、岸田氏は自らと同じ世襲政治家であることも安心材料だ。▶︎刃向かう恐れがまるでない。▶︎岸田氏は第五派閥の岸田派(46人)を率いるものの、党内基盤は弱く、最大派閥細田派(96人)を事実上率いる安倍氏と第二派閥麻生派(53人)を率いる麻生氏に依存するほかない。▶︎党役員・組閣人事も安倍氏と麻生氏の意向を全面的に受け入れるだろう。▶︎岸田氏は総裁就任後に「特技は人の話をしっかり聞くこと」と強調したが、最も耳を傾ける相手は安倍氏と麻生氏になるのは間違いない。▶︎安倍支持層の熱烈な応援を受けて「安倍継承者」の立場に躍り出た高市氏や安倍氏側近の萩生田光一氏、麻生派重鎮で安倍氏とも親しい甘利明氏を幹事長に起用すれば「安倍支配」の色合いはいっそう濃くなる。▶︎岸田氏としては避けたい人事だが、安倍氏に押し切られる可能性は十分にある。
◆「河野氏の石破化」という末路……
安倍氏は自民党が政権復帰する目前の2012年9月の総裁選で、第1回投票では石破氏に次ぐ2位でありながら国会議員による決選投票で逆転した。▶︎当初は石破氏の国民的人気をあてにして幹事長に起用し、同年12月の衆院選と翌年7月の参院選に圧勝、長期政権の基盤を固めた。▶︎その後、石破人気に頼る必要がなくなると地方創生担当相として入閣させて幹事長から外し、2016年にはついに閣外へ追いやって無役とした。▶︎徐々に政治的基盤を奪っていったのである。▶︎石破派は徐々に弱体化し、石破氏は昨年秋の総裁選で菅氏、岸田氏に続く最下位に沈んだ。▶︎石破派から脱退する議員が相次ぎ、今回の総裁選では自派だけで推薦人20人を確保できず、出馬をあきらめて河野氏支持に回った。▶︎今回の河野氏惨敗で石破氏の求心力がさらに低下するのは間違いない。▶︎石破氏はもはや敵ではない。▶︎安倍氏の「仮想敵」は河野氏へ移る。▶︎河野氏は石破氏と違って安倍氏の疑惑追及には前向きではないが、世代交代への期待を背負っている以上、首相返り咲きを狙う安倍氏にとっては最大の脅威だ。▶︎11月の衆院選に向け、国民的人気の高い河野氏をいきなり閑職に追いやることはできない。▶︎当面はワクチン担当相に留任させるなどして、石破氏と同じように少しずつ居場所を奪い、じわじわと干し上げていく。▶︎「河野氏の石破化」こそ、キングメーカーである安倍氏がこれから進める政界工作の基軸だ。
◆干されるか、完全服従か……
河野氏の末路を見越して、自民党内には早くも距離を置く動きが始まった。▶︎総裁選直前に開かれた決起集会は敗戦ムードに包まれ、出席議員は数十人にとどまった。▶︎石破氏や小泉氏と組んで安倍氏の警戒感を刺激した「小石河連合」が間違いだった――河野陣営からはそんな声が公然と飛び出した。▶︎権力闘争の世界は厳しい。▶︎「安倍氏や麻生氏との激突を避ける」というたったひとつの政局判断ミスが、つい先日まで「次の首相」レースのトップを走っていた河野氏を失速させ、孤立に追い込んでいく。▶︎石破氏同様、河野氏に近づいたら安倍氏に睨まれる――そんな恐怖感が自民党内を覆い始めた。▶︎河野氏の無力化がこれから進むだろう。▶︎河野氏はどう対抗するのか。▶︎「お育ちの良い河野氏には安倍氏や麻生氏と徹底抗戦する胆力はない。▶︎石破氏と同じ道は歩みたくないという一心から安倍氏と麻生氏に完全服従するのではないか」と自民党関係者は予測する。▶︎その時、河野氏が国民的人気を維持できる保証はない。▶︎河野氏は総裁選敗北後、「(岸田政権を)全力で支えていきたい。▶︎必要とされるところで骨身を惜しまず頑張りたい」と記者団に語った。
◆国民世論とかけ離れた総裁選……
河野氏が惨敗した今回の総裁選は、世代交代や派閥政治の打破を期待する国民世論と相容れない結果に終わった。▶︎自民党は内向きな姿勢を強め、国民世論とかけ離れていくのか。▶︎わたしたち国民が自民党の選択の是非を問う機会が、11月7日投開票が有力視される衆院選である。▶︎内閣支持率が続落した菅政権末期、野党では政権交代への期待感が高まった。▶︎しかし菅首相が総裁選不出馬を表明し、マスコミ報道が自民党総裁選一色に染まると自民党支持率は急速に回復。▶︎野党は埋没し、政権交代の機運は一挙に萎んでいる。▶︎野党には、岸田氏は国民的人気の高い河野氏や女性初の首相をめざした高市氏よりも闘いやすいという受け止めがある。▶︎一方、新自由主義的な競争経済を志向する河野氏や高市氏と違って、岸田氏は格差是正を重視する姿勢をみせている。▶︎野党の政策と重なり、対立軸がぼやける恐れもある。▶︎野党は岸田氏が森友再調査に否定的なことに照準をあわせて、「岸田政権は安倍傀儡」とアピールするだろう。▶︎だが、立憲民主党の支持率は低迷し、政権交代が実現するという見方はほとんどない。▶︎岸田氏は総裁就任会見で衆院選の勝敗ラインを「与党で過半数」とした。▶︎自民党が議席を減らしても、自公で政権を維持すれば首相を続ける意向だ。▶︎安倍氏も岸田氏よりも操りやすい首相候補がいない以上、自公で過半数を維持すれば岸田政権を支えつづけるだろう。▶︎岸田政権のもとで「河野氏の石破化」を着実に進め、世代交代の動きを抑え込むと見られる。
◆再起のチャンスがあるとすれば……
河野氏に再起のチャンスがあるとすれば、来年夏の参院選だ。▶︎岸田氏は総裁就任後に今秋の衆院選と来夏の参院選に向け党内の結束を訴えたが、菅政権同様、コロナ対策などで迷走して内閣支持率が低迷すれば、来夏の参院選にむけ「岸田首相では戦えない」という党内世論が強まる可能性はある。▶︎その場合、河野氏待望論が沸き起こるのか、岸田氏に変わる「中継ぎ」が登場するのか、それとも安倍氏が再再登板に踏み出すのか。▶︎安倍氏がキングメーカーとして暗躍しつづける限り、首相が次々にすげ替えられ、政治の混迷が続く可能性は極めて高い。▶︎「安倍支配の継続」の是非が、衆院選最大の争点となろう[*PRESIDENT Online 2021.09.30付記事抜粋/鮫島浩氏・ジャーナリスト]
▶️秋の衆院選は「安倍傀儡政治」に対して国民が、“YES or NO”の審判をどう下すのか?ということが、最大の争点のひとつになりそうだ〆
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[*掲載日時:2021年9月30日(木)14:55]
それ、知らんかっとってんちんとんしゃん。

